【感想・ネタバレ】孤島の鬼 江戸川乱歩ベストセレクション(7)のレビュー

あらすじ

幼い頃に親に捨てられ、古い謎の系図だけが身元の手がかりという女と恋に落ちた蓑浦。その女が密室殺人で死んだ。残した系図を手に死の真相に迫る蓑浦に、想像を絶する恐怖が待ち受けていた……。

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ネタバレ

諸戸のねちねちとした愛とても良かった
無理矢理迫ることもあるが好きな人の手紙を抱きしめて名前を呼んでいる純粋な感じもあってとても良かったし諸戸のしゃべりかたがとてもいい撫でるようなやしいくちょうがぎゃくにぞわぞわする。
また傀儡が人工的に欠けた人たちを作っているのが面白い。
いろんな愛が絡み合っておもしろい!

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2024年12月20日

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ネタバレ

 鬼というフレーズが作中何度も出てきますが、みんな鬼であり人間です。良い意味でも悪いでも、一度執着したものを忘れることなんて出来ないんですね。道雄の蓑浦くんへの愛も、蓑浦くんのどこまでも初代と初代と同じ血の緑への愛も、そのまた丈五郎の復讐心も。
 個人的には蓑浦くんの、諸戸さんが自分のことをを好きであるということを自覚した上でそれを利用している部分も、死に際にも諸戸の愛を受け流すことはできても受け入れることはできないと逃げ出す場面が印象的ですね。ただ、そんな不思議と周りを振り回すかのようなどこか少年心を感じさせる蓑浦くんに諸戸さんも心離れられなかったのでしょうか。諸戸さんにとっての幸せとはなんなんだろう?

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2023年11月09日

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ネタバレ

ただのミステリーでは語れない、情念や色香。
登場人物たちの魅力にグイグイ引き込まれる傑作です。
ただ、道雄にも幸せになって欲しかったなと思う。最後の一文を読み終えたときの切なさが、いつまでも余韻を引く作品でした。

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2021年10月02日

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ネタバレ

再読

今読んでも最高のミステリ・冒険譚
途中(深山木の変死)を境にテーマがガラリと変わる

しかし、ここに世にも恐ろしい企てを画策する傴僂男・丈五郎や、本作のもう1人の主役である諸戸道雄の性的倒錯が加わり単なる王道小説に終わらない。

蓑浦のイメージは初めて読んだ時から東京喰種の金木研

諸戸道雄の一途と秀ちゃん(緑)の可愛らしさに乾杯
諸戸の生き様は一生忘れないだろう

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2021年08月09日

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ネタバレ

20年ぶりぐらいに読んだ江戸川乱歩作品(小学校の図工の授業で乱歩作品を題材にした絵を書いた記憶がある)。
面白いー!!!こんなに面白かったのか。

ちなみにこれは穂村弘さんが好きなミステリに挙げてたので読んでみた。好きな文章を書く方のおすすめはやはり良い。

乱歩といえばちょっとグロテスクで、人の感情に訴えるような作風がなさそうなイメージだったけど、人間の心の歪さや汚さ、弱さを感じられてとても良かった。


文章もそこまで古臭さを感じなかったし、テンポがよくて読みやすかった。
それにそれぞれの章の副題よ。目次見るだけで面白そうだと思えるのすごい。

それにしても諸戸はあんな悲惨な環境で育ったにもかかわらず、なんて真っ直ぐで強くて礼儀のある男なんだ。しかも最後、、泣ける。切ない。
蓑浦くんへの愛情を所々に晒しながらも、女嫌いゆえか(?)清潔感のあるところに好感を持てた。好きなキャラクター。

全然キャラ違うけど、その不思議な存在感から手塚治虫のMWの結城を思い出した。

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2021年06月13日

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ネタバレ

初めての江戸川乱歩。とっっっっても面白かった。

個人的なイメージとして、江戸川乱歩っておどろおどろしいイメージがあって読みにくそうだと思っていたが、そんなことない。とても良い。
第一と第二の殺人については、全然分からなかったけど、話が進むにつれて恐ろしい事実が見えてきて…ドキドキしてページを捲る手が止まらなかった。

主人公の亡き恋人を想う気持ちがとても凄い、いや重い。
灰を飲み込んで復讐心を抱き、転げ回る…
そして、諸戸道雄の主人公への想い…
また、恋慕とは全く以って違うが、あの鬼と言うべきあの人物の、呪いと言っても過言ではない思い…

ミステリの中に、そういった人間の様々な思いが溢れていて、読んでいるうちに、あの洞窟の渦のように、物語に飲み込まれてしまった……
さて…次はどの乱歩を読もうか……

私としては、諸戸道雄の最期がとても悲しかった。
彼には主人公と結ばれなくとも、幸せになって欲しかったと思う。

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2020年12月28日

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ネタバレ

なんのきっかけで購入したかは忘れたけど、長い間眠っていた積読を手に取った。
最初はあんまり物語に入り込めず、わたしは一体なにを見せられてるんだと思っていたけど、初代が殺されて探偵役の友人が出てきたところから面白さが加速!!!しかも最初にその探偵役も死ぬって特大のネタバレ文章があるから、最初からハラハラドキドキしながら読んだ。(横溝正史といい、偉大なる文豪のミステリーは序盤で手口を明かす潔さがある。なのに面白いからすごいよな~)
そして諸戸の登場からさらに物語は面白くなる。主人公を恋愛対象としてひたむきに愛すけなげな男……!!願わくば諸戸にも幸せになってほしかった。
秀ちゃんの手記は思わず悲鳴が出た。吉ちゃんって男なの!?!?き、きもちわり~~~!!!さすが江戸川乱歩、とんでもないキモイ話を平然とぶち込んでくる!
それから島と諸戸の秘密を知り、宝探しが始まり、洞窟に閉じ込められ……面白い要素がてんこもりすぎる。前半と後半でまったく雰囲気が変わる。探偵小説と冒険小説、そして切ない恋愛も含む。
洞窟の中での諸戸の切実な想い、そして最後の二行。胸が締め付けられる切なさ。主人公のことがまったく好きになれなかったので、何度もこんな男のどこがいいの!?と諸戸に訴えた。届かぬ思い、無念である。

次はどの話を読もうかな~

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2025年02月03日

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ネタバレ

色々と考えさせられる話でした。

結局、蓑浦くんが一番の鬼なんじゃないか……?と思ってしまう。
今では妻がいる、という出だしからの最愛の恋人の死……とか言い出しててもう読者としての私の心は「えっ?」だったし、道雄くんの気持ちや行動を考えるともう少し受け入れてくれても、なんて気持ちになってしまうので。
そして途中で本人も言っていたけれど、蓑浦くんが発端の殺人が起こりすぎた。

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2022年12月30日

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ネタバレ


主人公の自分語りから始まる本書は、読み始めてすぐに乱歩の世界に入り込んでしまった。

同性愛と障がい者がテーマのミステリーで、後半点と点が繋がっていく様は、読んでいてワクワクし、時に息が詰まりそうになった。
タイトルや表紙の意味が分かった時は気持ちが良く、芋虫や人間椅子が有名であるが、個人的に乱歩の中で1番面白いと思った。


【以下ネタバレ含む】
乱歩が描く恋は、どれも純粋で激しく、今で言う重いものだと思う。
主人公が亡くなった初代の骨の灰を飲み込んだり、主人公に想いを寄せる諸戸の言動など。
人を愛するが故に、理性が飛び、狂い、時に人を大きく変える。
その描写が濃く描かれ、ミステリーの謎解き以上に惹かれるのだ。
諸戸の父の過去や怨念による事件の意味など、想像以上の展開で読み応えがあった。
障がい者製造など恐ろしい考えであり、解説にも記載があった通り、昔他国で似たようなことが実際あったことに、ゾッとした。

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2020年08月28日

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ネタバレ

★★★☆☆ 3.7くらい
殺人事件の解決よりもその背景にある妙な因縁が恐ろしかった。道雄が不憫で仕方ない。

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2021年12月03日

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ネタバレ

繋がりが無さそうな人達の死、不気味な登場人物たち、先が気になる不気味なお話!

2代目探偵の諸戸道雄さんが背負うものがだいぶ重いっ……
悪逆非道な実父、男性(蓑浦)への恋心……
蓑浦さんも婚約者を殺されてなかなか辛い経験してたけど、1番切ないの諸戸さんでしょう?

乱歩さんは諸戸さんの同性愛の要素は邪魔物と語ってるようだけど、諸戸さんのこの切なさがなかったらなかなか単調な物語になっちゃっただろうな。

主人公の手記で淡々と進んでいって、途中から復讐心よりも好奇心なのが読んでいてわくわく。
婚約者の妹だからと言ってすぐに好きになるもんかね……?そこだけ不満(笑)
どうにか諸戸さんを幸せにしてあげたい。悔いが残る。

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2021年11月04日

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