江戸川乱歩のレビュー一覧
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ネタバレ『断崖』、「おとなだってそうよ。どんな苦しみにあえいでいる時でも、その中で遊戯している、遊戯しないではいられない」が印象深い。
ラストの「夕日は大空を焼き、断崖の岩肌を血の色に染め」と「女の姿は/人形とように可愛らしく」の対比にゾクゾクした。その直後の「つぶらな目は、大空を映して異様に輝いていた」も印象的。毒々しい空の色に目を輝かせるヒロイン……。まだ殺したりなさそう。これも「遊戯」ってやつか。
『屋根裏の散歩者』や『心理試験』も、この「遊戯」的な側面がある気がする。
『目羅博士の不思議な犯罪』の一文「何の動機がなくても、人は殺人の為に殺人を犯すもの」というのも、この「遊戯」とよく似ている -
Posted by ブクログ
ネタバレ乱歩作品を初めてちゃんと読んだのがこの本。
江戸川乱歩ってこんな面白かったんかい! と知りました。
『人間椅子』最初は泥棒のためってのが生々しいね。「な〜んだ☆」ってオチ……のようにも見えるけど、何でこの家のことをここまで詳しく知ってんだ、と思うとゾワッとする。椅子をどこで買ったとか。書斎の窓に撫子の鉢植があるとか。ガチやん。
『心理試験』『屋根裏の散歩者』も好き! 犯人側から描く話(倒叙ミステリ?)すげ〜〜〜好き。しかもいたしかたなく殺人しましたとかでなく、独善的思考やピュアな好奇心が発露なところがいい。これぞ人間の狂気。
『赤い部屋』どんな方法で「善人のフリをした完全殺人」をするのか -
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ネタバレ柘榴
すっごく面白かった。やっぱどんでん返しがいいね。どこも驚くところばっかりだった。硫酸殺人事件…名前からしてもかなり怖い……。全ての行動に意味があって、ラストもまさかの展開で面白かった。警察の考えることよりも先の先を読んで犯行する、読んでいて自分の予想の斜め上にいったものばかりでよかった。
人でなしの恋
面白かった。人形に恋をするのは理解し難いけど、妻を愛そうと努力しても愛せない夫は妻に直接ひどいことはしてないみたいだし、夫も夫なりに普通になりたいと努力をしていたのかも。根本的な悪いやつではないから、そこが難しい。人形を壊されただけで、自分の命までも絶ってしまうのは、彼なりに生きる理由が -
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切ない。紛れもない怪奇小説であると同時に、世間の普通の基準から外れた“片輪者(原文より)”への乱歩からのラブレターであるようにも感じた。
特筆すべき点は、当時は性的倒錯者としてみなされていた同性愛者が、多面的で魅力的なキャラクターとして物語の中心人物を担うところにあると思う。
本作には奇怪な身体的障がいを持つ人々が登場する。
そして見た目で判別できないとしても、同性愛者は同じように嫌悪の対象だったという描写がある。
そんな立場である諸戸が探偵役として華麗な推理を見せることで、世間の偏見との間に齟齬が生まれ、必然的に他の“片輪者”たちに対する偏見を薄れさせる。
所謂奇形の人々が読者を恐怖さ -
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ミステリーや探偵小説が嫌いなわけでも苦手なわけでもないのですが、何も考えずにパーっと読み進めてしまうせいであまり推理を楽しみきれなくて普段はあまり読まないんです。
でも乱歩は、「読者諸君はお気づきだろうか」とか「ここまで読んだ諸君はもうお分かりだろうが」とたまに読者に語りかけてくるので、何か見落としているのではと慌ててページを戻ってみたりして、自分も推理に参加しているような気持ちになれる。
そして文章から漂ってくる独特の不気味さ。
これから何が語られるのか、どう終わるのか、最後まで気になった。
「心理実験」が好き。
それでもやっぱり推理ものより印象に残ったのは「芋虫」。
言葉にしにくい重苦し -
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傑作選と名作選で、はじめして乱歩さんからすっかり虜になってしまった…。
名作選では、人でなしの恋が好きだったかなぁ。目羅博士に出てくる表現や、陰獣の最初の方に出てくる表現が全く素敵すぎて、ミステリしたくない!と思いながら乱歩の世界にハマっていました。
また読み返したくなる本だなぁーと感じています。
全集集めたいので、またどこかで、今回出会った短篇、中篇と再開したいです。
何故か、コナンくんのイメージが強くて子供向けだと長年読んでこなかった自分……!!勿体ない!!
まぁ、これから全部読むから良いか。
ほんとに楽しい読書時間を過ごせました! -
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『江戸川乱歩傑作選』に続けて読んだ。
『傑作選』と比べるとやや大人しい印象。しかし『石榴』、『押絵と旅する男』、『陰獣』は乱歩の魅力が発揮されていて、本書も読み応えのある内容だった。
特に『石榴』と『押絵と旅する男』はどちらも余韻がすごい。『石榴』は『ニ癈人』的なストーリー展開だが、終わらせ方が鮮やかで素晴らしかった。『押絵と旅する男』はこれぞ怪奇譚、夢のような読書体験ができる。この二作だけでも、本書を買って良かったと思える。
大人しい印象の原因としては、この並びだと『目羅博士』は少し物足りなく感じる。月光の妖術を題材にした話だが、肝心のトリックが説得力にやや欠けているように思えた。『人で -
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江戸川乱歩の短編集。
日本の本格推理小説とホラー小説の草分け。名前は有名だが読んだ人は少ないのでは。かく言う私も読んだことがなかったが、宮崎駿が表紙と口絵を描いている『幽霊塔』の単行本を数行読んで、何かビビッときた。
ビビッときたなら、そのまま読めば良いのだけれど、先に短編を読んで乱歩に慣れておこうと思い(好きな物は最後に食べる)、新潮文庫の短編集二冊を買った。
本書は文字通り「傑作選」だった。収録されているのは初期の作品らしいが、文豪の凄味をひしひしと感じる。
新仮名遣づかい、新字体で読みやすい。というかそもそも読みやすい文章で、難しい心理や情景描写もないし、テンポも良くて娯楽小説のお手本