江戸川乱歩のレビュー一覧

  • 人間椅子 江戸川乱歩ベストセレクション(1)

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    ネタバレ

    『断崖』、「おとなだってそうよ。どんな苦しみにあえいでいる時でも、その中で遊戯している、遊戯しないではいられない」が印象深い。

    ラストの「夕日は大空を焼き、断崖の岩肌を血の色に染め」と「女の姿は/人形とように可愛らしく」の対比にゾクゾクした。その直後の「つぶらな目は、大空を映して異様に輝いていた」も印象的。毒々しい空の色に目を輝かせるヒロイン……。まだ殺したりなさそう。これも「遊戯」ってやつか。
    『屋根裏の散歩者』や『心理試験』も、この「遊戯」的な側面がある気がする。

    『目羅博士の不思議な犯罪』の一文「何の動機がなくても、人は殺人の為に殺人を犯すもの」というのも、この「遊戯」とよく似ている

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    2026年08月29日
  • 芋虫 江戸川乱歩ベストセレクション(2)

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    ネタバレ

    一気読みした短編集。

    「人間の異常心理」という、巻末の解説にあった作風に関する言及が私の好奇心を刺激した。そう、私が求めているものだ!

    『夢遊病者の死』ものすごい恐怖だったろうな。オチを見た後に逃走場面を思い出すと、何とも言えない気分になる。

    『双生児』鏡に怯える描写が印象的。鏡屋のシーンはこの上ない恐ろしさがある。

    『人でなしの恋』ヒロインが最も注目したのが"相手の女"の耳というところが生々しい。

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    2026年08月29日
  • 江戸川乱歩傑作選

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    ネタバレ

    乱歩作品を初めてちゃんと読んだのがこの本。
    江戸川乱歩ってこんな面白かったんかい! と知りました。

    『人間椅子』最初は泥棒のためってのが生々しいね。「な〜んだ☆」ってオチ……のようにも見えるけど、何でこの家のことをここまで詳しく知ってんだ、と思うとゾワッとする。椅子をどこで買ったとか。書斎の窓に撫子の鉢植があるとか。ガチやん。

    『心理試験』『屋根裏の散歩者』も好き! 犯人側から描く話(倒叙ミステリ?)すげ〜〜〜好き。しかもいたしかたなく殺人しましたとかでなく、独善的思考やピュアな好奇心が発露なところがいい。これぞ人間の狂気。

    『赤い部屋』どんな方法で「善人のフリをした完全殺人」をするのか

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    2026年08月29日
  • 孤島の鬼 江戸川乱歩ベストセレクション(7)

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    めちゃくちゃ面白かった!!序盤の小さな事件から大規模で陰惨な陰謀にまで結びつけるあたりが乱歩らしい茶めっ気があって楽しかった。ロードノベルみたいなワクワク感もあって諸戸と蓑浦の二人と共に推理している様な楽しさもあった。そして何より諸戸道雄というキャラクターが非常に魅力的で良かった。最後の一文でもう諸戸のことしか考えられなくなった。

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    2026年08月13日
  • 江戸川乱歩名作選(新潮文庫)

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    柘榴
    すっごく面白かった。やっぱどんでん返しがいいね。どこも驚くところばっかりだった。硫酸殺人事件…名前からしてもかなり怖い……。全ての行動に意味があって、ラストもまさかの展開で面白かった。警察の考えることよりも先の先を読んで犯行する、読んでいて自分の予想の斜め上にいったものばかりでよかった。

    人でなしの恋
    面白かった。人形に恋をするのは理解し難いけど、妻を愛そうと努力しても愛せない夫は妻に直接ひどいことはしてないみたいだし、夫も夫なりに普通になりたいと努力をしていたのかも。根本的な悪いやつではないから、そこが難しい。人形を壊されただけで、自分の命までも絶ってしまうのは、彼なりに生きる理由が

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    2026年08月08日
  • 孤島の鬼 江戸川乱歩ベストセレクション(7)

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    切ない。紛れもない怪奇小説であると同時に、世間の普通の基準から外れた“片輪者(原文より)”への乱歩からのラブレターであるようにも感じた。

    特筆すべき点は、当時は性的倒錯者としてみなされていた同性愛者が、多面的で魅力的なキャラクターとして物語の中心人物を担うところにあると思う。

    本作には奇怪な身体的障がいを持つ人々が登場する。
    そして見た目で判別できないとしても、同性愛者は同じように嫌悪の対象だったという描写がある。

    そんな立場である諸戸が探偵役として華麗な推理を見せることで、世間の偏見との間に齟齬が生まれ、必然的に他の“片輪者”たちに対する偏見を薄れさせる。
    所謂奇形の人々が読者を恐怖さ

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    2026年08月07日
  • 江戸川乱歩傑作選

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    ミステリーや探偵小説が嫌いなわけでも苦手なわけでもないのですが、何も考えずにパーっと読み進めてしまうせいであまり推理を楽しみきれなくて普段はあまり読まないんです。
    でも乱歩は、「読者諸君はお気づきだろうか」とか「ここまで読んだ諸君はもうお分かりだろうが」とたまに読者に語りかけてくるので、何か見落としているのではと慌ててページを戻ってみたりして、自分も推理に参加しているような気持ちになれる。
    そして文章から漂ってくる独特の不気味さ。
    これから何が語られるのか、どう終わるのか、最後まで気になった。
    「心理実験」が好き。

    それでもやっぱり推理ものより印象に残ったのは「芋虫」。
    言葉にしにくい重苦し

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    2026年08月06日
  • 明智小五郎事件簿1

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    江戸川乱歩の本をちゃんと読んだのはこれが初めてと思う。大人向けのミステリー。凄く面白い。解説もクロニクルに関する説明も興味深かった。文学の楽しみ方の深さを感じられる。

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    2026年08月02日
  • 江戸川乱歩名作選(新潮文庫)

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    傑作選に続き、乱歩本の2冊目。こちらも面白かった。中でも個人的には「人でなしの恋」と「陰獣」が好みかな。
    あとこういう古い作品を読むと、知らない単語を知ることができて勉強になる(調べるのが少々手間ではあるが)。

    人でなしの恋は当時はフィクションとして書かれたものだろうけど、現代ではこういう人って普通にいるよね。人形がフィギュアやドールやぬいぐるみ等に代わっただけで(結局は人形なんだけれども)。先見の明があるというか何というか、そういう意味でも怖さが増した。

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    2026年07月20日
  • 江戸川乱歩名作選(新潮文庫)

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    傑作選と名作選で、はじめして乱歩さんからすっかり虜になってしまった…。
    名作選では、人でなしの恋が好きだったかなぁ。目羅博士に出てくる表現や、陰獣の最初の方に出てくる表現が全く素敵すぎて、ミステリしたくない!と思いながら乱歩の世界にハマっていました。
    また読み返したくなる本だなぁーと感じています。
    全集集めたいので、またどこかで、今回出会った短篇、中篇と再開したいです。
    何故か、コナンくんのイメージが強くて子供向けだと長年読んでこなかった自分……!!勿体ない!!
    まぁ、これから全部読むから良いか。
    ほんとに楽しい読書時間を過ごせました!

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    2026年07月14日
  • 屋根裏の散歩者 江戸川乱歩ベストセレクション(3)

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    江戸川乱歩は知っていたけど読むのは初めてでした。
    個人的にはすごく読みやすく、引き込まれてしまいました。他の作品も読んでみたいです。

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    2026年06月24日
  • 縊死体 乙女の本棚作品集

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    まだ乙女の本棚シリーズでの作品を一冊も読んでいないけれど、これから読むのが楽しみになった(^^)♪原作を読んでいる時はもっとオドロオドロしいイメージだったものも、どれも美しく脳内変換された(*^^*)さすが乙女の本棚

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    2026年06月21日
  • 赤い部屋(乙女の本棚)

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    とある部屋に集まった男たち。
    部屋の様子からして、もう、怪しげで怪しげで。
    新参者の語る身の上話の狂気たるや。
    結末が、また。
    この、『乙女の本棚』シリーズにあまりにもはまった1冊。

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    2026年06月21日
  • 人間椅子(乙女の本棚)

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    むかしに読んだ短編がこのシリーズで出ていると知って。
    歪んだ心の椅子職人が作り上げたぞっとするような椅子。
    思いつくことも、それができてしまう才能にも震撼する。
    そして、そんな原稿を送りつけられた女性を襲う恐怖。
    そこから続くラストも、、、

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    2026年06月20日
  • 黒蜥蜴 江戸川乱歩ベストセレクション(5)

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     江戸川乱歩を勧められたことと宝塚の演目で黒蜥蜴があると知り読んだ。
     ミステリーは基本苦手だ。しかし、この本を読むのは、妖艶さと美しさを感じたから好きだ。
     前半は黒蜥蜴を応援して、後半は明智小五郎を応援していた。人間椅子を先に読んでたこともこの本を面白く感じた要因かもしれない。
     黒蜥蜴の美術館は、道徳や倫理観は問題あるが、美しい考えだと思ったし、共感するところもあった。
     宝塚の演目でも見てみたいなと思った。
     

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    2026年06月19日
  • 乙女の本棚5 押絵と旅する男

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    ネタバレ

    内容が幻想的で好き。
    押絵と旅する男の兄を慕う気持ち、人間と押絵の種族(?)の違い、等引き込まれる話だった。

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    2026年06月19日
  • 乙女の本棚5 押絵と旅する男

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    なんとなくタイトルとあらすじは知っていたけど、ちゃんと読むのははじめて。
    こういうお話だったのか。
    恋した女性といるために、、、
    聞き手に何が起こるのかとドキドキしながら読んでいた。
    ああいう話を聞いたら、聞き手が取り込まれるって気がしてしまって。
    なんともいえない余韻を残して男は去って行った、、、

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    2026年06月17日
  • 江戸川乱歩名作選(新潮文庫)

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    『江戸川乱歩傑作選』に続けて読んだ。
    『傑作選』と比べるとやや大人しい印象。しかし『石榴』、『押絵と旅する男』、『陰獣』は乱歩の魅力が発揮されていて、本書も読み応えのある内容だった。

    特に『石榴』と『押絵と旅する男』はどちらも余韻がすごい。『石榴』は『ニ癈人』的なストーリー展開だが、終わらせ方が鮮やかで素晴らしかった。『押絵と旅する男』はこれぞ怪奇譚、夢のような読書体験ができる。この二作だけでも、本書を買って良かったと思える。

    大人しい印象の原因としては、この並びだと『目羅博士』は少し物足りなく感じる。月光の妖術を題材にした話だが、肝心のトリックが説得力にやや欠けているように思えた。『人で

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    2026年06月14日
  • 江戸川乱歩傑作選

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    江戸川乱歩の短編集。
    日本の本格推理小説とホラー小説の草分け。名前は有名だが読んだ人は少ないのでは。かく言う私も読んだことがなかったが、宮崎駿が表紙と口絵を描いている『幽霊塔』の単行本を数行読んで、何かビビッときた。
    ビビッときたなら、そのまま読めば良いのだけれど、先に短編を読んで乱歩に慣れておこうと思い(好きな物は最後に食べる)、新潮文庫の短編集二冊を買った。

    本書は文字通り「傑作選」だった。収録されているのは初期の作品らしいが、文豪の凄味をひしひしと感じる。
    新仮名遣づかい、新字体で読みやすい。というかそもそも読みやすい文章で、難しい心理や情景描写もないし、テンポも良くて娯楽小説のお手本

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    2026年06月12日
  • 人間椅子(乙女の本棚)

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    これまで読んだ「乙女の本棚」シリーズは、イラストと文学作品の整合性がどうしても私にはわからなかったが、本作は初めて、イラストと文章に協調を感じた。人間椅子自体がもちろん素晴らしい作品。張り詰めた不気味さと、構成の巧みさと、とても上質なミステリー。その緊張感と文学的美しさに重なり合うようなイラストが素敵でした。

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    2026年06月10日