江戸川乱歩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
びっくりした。とんでもない濃厚な作品。これが100年前に書かれた文章なのか?いや、100年前でないと書けないのか?回顧録のような形式で、語り手の前フリが効いているため、ワクワクしながら読み進めた。途中ショッキング(というかグロテスク?いや、実際に社会にそういった人は一定数いるのだから差別的な発言は良くないか)な描写があり、若干戸惑いつつも展開が面白くて読み勧めてしまう。BLのはしり、なんて言われているが当時は社会にどう受け入れられたのだろう。あっと思わせるトリックから幅広い多様性をテーマに取り上げつつ、最後は冒険譚という、なんとも素晴らしい小説だった。結末をハッピーエンドと捉えるのは人によるかもしれないが、私は作中で報われた人が多い作品だと思った。
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Posted by ブクログ
一度読んだ本を再読するという習慣がないのだけれど、学生時代に夢中になった乱歩作品の傑作選が文庫で出ていたので反射的に購入した。
再読って結構良いもんですね。
作品を新しい感覚で読み返すと記憶の中に定着していた物と一味違った切り口が発見できたり、記憶とは異なった感想が湧いてくる。
そして何より、かつて夢中になって読んでいた頃の自分とその時代が蘇ってくる。
これですね。
かつての自分と、その時使っていた時間を取り戻し、今の自分の目で見てやる。
屋根裏から覗く様に。
追記
「黒手組」の身代金が今だったらいくらくらいなのか気になって計算してみました。
時を作品発表の大正10年とした。
●企業物価指数(戦前基準指数)というものを使った資料があった。それによると指数は
大正10年→1.296
平成29年(2017年)→687.8
687.8÷1.296=約530.7倍
これを1万円に当てはめると、約531万円となる。
作品では身代金1万円 探偵への礼金 2千円。
となっているので
身代金が現代で言えば約531万円、謝礼金 106万円。
身代金の割に謝礼金が多くはないだろうか?
身代金も、危険な犯罪の代償としては1,000万円くらい要求しそう。
さらに「心理試験」で殺害された老婆の隠し金が約1万円で531万円くらいだという事を考えるとやはり身代金要求額は安いなあ。
さらに追記すると
当時の大卒初任給が50円ほど。
令和のそれは20万円として4,000倍。
この比較で考えると
身代金1万円は4,000万円となってかなり高額になってしまうが現代の犯罪ドラマではありそうな金額に思える。
しかしその場合、探偵への謝礼金2千円が8百万円となってしまう。
初任給での比較ではにはファクターが必要なのだろうか?
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Posted by ブクログ
ネタバレミステリーでもありサスペンスでもあり、終盤は冒険小説のようでもあり、大変面白かった。
退廃的な雰囲気あり、グロあり、不具者の表現ありで現代ではもう醸し出せない乱歩ワールドにどっぷり浸かりました。そしてBL乱歩と銘打って出されてるだけあって、その乱歩ワールドに加えての道雄と箕浦の関係性に悶えました。
箕浦、君は天性のタラシなのか…小悪魔通り越して大魔王的な言動だったよ…
序盤は密室殺人、衆人環視下での殺人、そして暗号と詰め込まれていて、その謎解きも楽しい。
伏線も綺麗に回収して、すっきり終わるのだけど。
だけど、だけども。
最後切なすぎる。
幸せな自分と秀ちゃんの傍に道雄を呼ぼうだなんで、最後まで箕浦が鬼すぎて泣ける。 -
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ネタバレすごく面白かった。
江戸川乱歩作品、きちんと読んだのは初めてだったけれど、序盤からしっかり惹き込まれて、最後までずっとハラハラゾクゾクさせられた。
面白かったし、読みやすかった。
現実離れした内容でありながら、実際に起こりうるかもと納得させるだけの説得力があって、どうしてこんなことが思いついて文章にできるのか、本当に天才だと思った。
主人公の蓑浦、おそらく綺麗な美青年で周りの人がつい惹かれて近づきたくなってしまう。
本人もそれをうっすらと自覚していながら、自分に心地よい状況をそのままにしていて、子どものような無邪気さと好奇心、甘えが見える。
実際にいたら本当に愛らしくて魅力的だろうなと思う。
悪いやつでは決してないけど、本当に無邪気に人を惹きつけて狂わせることができる素質を感じる。
諸戸は恵まれた才を持ちながら、こんな蓑浦にずっと好意を抱いて、いわゆるキープみたいな扱いもされ、決して実らず、生い立ちも相まって本当に不遇だ…。
最初と最後に出てくる文言に、最後ぐっと心を掴まれた。諸戸……。
とても面白くて読んでよかった。他の江戸川乱歩作品も読みたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ明智を貶めるために変装をすることも辞さない、全力投球な蛭田博士、そして殿村。小説の半ばで、なんと!二十面相だった!とわかるのですが、うん、知ってた。
1巻、2巻に続き、怪人二十面相のかわいさと明智小五郎のSっぷりを楽しむ小説のような気がしてくるシリーズです(違う)。「生きている二十面相より」のくだりが、もう可愛い。チンピラって言い方も可愛い。発言から好物は最後に食べるタイプっぽいので、ご飯を食べているシーンが読みたい。たぶん、かわいいから。大蝙蝠のシーンも可愛さが爆発していて、最高でした。
推理の方は、今回もやさしめ。ミステリー初心者としてはありがたい。今回の驚きは、怪人二十面相が催眠術も使える、というところ。可愛い上に、多才かよ。
怪しい博士とカラクリ屋敷、鍾乳洞での大捕り物。面白いに決まってます。 -
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我孫子さんの『怪盗不思議紳士』を読んだ記念に、乱歩さんの少年探偵団に帰ってきました。軽気球でアレしちゃうのが読みたくなって。
探偵団が大活躍しますが、描かれているのは数人。まだまだ、他にもキャラが立っている子たちがいたはず。
作中で二十面相が自分で言ってましたが、彼は自分の本当の顔がわからなくなるくらい変装に長けていて、笑顔で探偵とやりあうようなタイプです。こういう変装術に長けていて、余裕があって、憎めない感じの怪盗って、誰が始祖なんだろう。原作ルパンも殺しはしないし、わりと掴みどころがなく、余裕のあるタイプだったような、あのへん? 詳しい方なら、一発でわかるような疑問なんだろうけれど、私はこれからアレコレ楽しみながら答えを探すことにしよう。
ふと怪盗のルーツを探りたくなってきました。 -
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解説が辻村深月さんで、ありがたいの一言につきます。
大人になって読み返しても、楽しかったです。
二十面相の血はダメ設定、邪魔な相手でもそれ程えぐい目に合わせない辺りはルパンぽい。小林少年の探偵7つ道具も良いですね!こういうの、わくわくします。江戸川乱歩を読んでからコナンを読むと、ニッコリしてしまいます。
二十面相と明智さんの「闘わせるのは頭脳」というスタイル、なんてことない顔してお互いに火花を散らせているシーンが、かっこいい!
かっこいいのですが、大人になってから読み返すと、二十面相がなにやら可愛く見えてきて「???」となりました。憎めない魅力があるとは思っていたけど、もはやかわいいレベルでは。二十面相が可愛いというより、明智さんがちょっとSっ気があるから、対比でそう見えちゃうのかな?