江戸川乱歩のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
『二廃人』
温泉宿で出会った2人の男。斎藤氏と井原氏。井原氏の語る自らの過去。夢遊病者として数々の盗難事件を起こしてしまい、殺人事件まで。井原氏の夢遊病を目撃したただ一人の目撃者の秘密。
『D坂の殺人事件』
明智小五郎シリーズ
D坂にある古本屋の主人の妻が殺害される。喫茶店からの目撃者、裏の目撃者からの証言で現場に出入りしたものがいない。妻の持つ全身の傷の秘密。ソバ屋の妻の身体の傷の秘密。
『赤い部屋』
誰にもわからない方法で99人もの人間を殺害したと告白する男。おもちゃのけん銃で会合の参加者を脅し、給仕の娘に自らを撃たせるが・・・。
『毒草』
河原に生える毒草。友人と二人話をするうちに内容を立ち聞きされていることに気が付く。子だくさんの郵便配達夫の妻。妊娠中の妻たちのたて続く流産。
『火星の運河』
ある男の見た夢。不思議な世界。
『お勢登場』
自らの妻・お勢の浮気に気が付きながら自らの病弱と子供の将来を思い離婚することのできない格一郎。妻が浮気に出ている最中に子供たちとかくれんぼ。押入れの長櫃の中に隠れるが・・・。閉じ込められた格一郎。
『虫』
柾木愛造の犯罪。幼いころに憧れた同級生・木下芙蓉との再会。友人である池内と芙蓉の関係。殺意を燃やし二人をつけ回す愛造。殺害した芙蓉の遺体との同棲。
『柘榴』
警官が目撃した柘榴のように顔をとかされた遺体。遺体をスケッチする青年。刑事の友人である和菓子屋の妻からの告白。対立する2軒の和菓子屋。殺害されたと思われた琴野。対立していた妻の夫・谷内。しかし刑事の捜査から発見された指紋から被害者と加害者の入れ替りの可能が・・・。
『防空壕』
空襲の夜、防空壕で一夜を共にした美しい女性を探す男。 -
Posted by ブクログ
江戸川乱歩の「パノラマ島綺譚」、夢野久作の「ドグラ・マグラ」。
「乱歩と久作を読まずに歳をとってはいけません」の松岡正剛氏の言葉に魅かれてこの本を手にしました。
江戸川乱歩の作品はかなり読んできましたが「パノラマ島綺譚」は読んでいませんでした。
人見廣介の妄想し続けてた理想郷を作るための荒唐無稽な企み。
狂気じみた世界観。妄想への人の執念は恐ろしく、かとて人は誰しも妄想するものであり。薄気味悪くも話に引きずり込まれる自分がいるわけで。
ミステリーとしてのストーリー自体もなかなか面白いのですが、主人公の妄想への飽くなき執念。そこに注目するとさらに面白さが感じれると思います。 -
Posted by ブクログ
乱歩の作品の中で、どれだけ他のものを読んでいっても、未だに一番好きな作品が「孤島の鬼」です。
何が好きかと言われるとはっきりと具体的に答えられないのですが、その世界観、島の描写、そして何にも増して人間描写の表現力に惹かれているのだと思います。
禍々しい世界なのに、どこか愛があるような。
再読ですが、一度目は無理矢理のハッピーエンドに主人公側の気持ちになってほっとしたものの、二度目は、諸戸のあまりの悲しさにちょっと空しくなってしまいました。
ここで一番怖いのは、主人公の抱く諸戸への感情と、そして諸戸の悲しいほどの恋。
考えてみたら、白髪になったのは主人公だけ。何よりも主人公が怖かったのは、暗闇でも死でもましてや屋敷の住人たちでもなく、諸戸の愛だったのですよね。
そして一緒に綴られた「猟奇の果」は、明智探偵の活躍ということで、また180度違う(人間改造という点をみれば本当に対照的な)作品でした。そのためか、全体的にかなり明るい。
最後の一文は、現代社会に向けての警告のようにもとれて、現代が昔からみればとんでもない社会なのだろうな、という気になりました。
個人的には、「もうひとつの結末」のほうが辻褄が合う部分が多いので、好きだったりもします。 -
Posted by ブクログ
シリーズ最後は、超人ニコラ博士に扮した怪人二十面相との対決。
小林少年のニセモノまで登場して、シリーズ全体の中では、結構なピンチ状態にまでなっていた。小林少年は鉄格子の牢獄に閉じ込められるが、何の身体検査もされなかったところが不思議というか、読者サービスなんでしょうね。
「そうじゃ。わしが生まれたのは1848年だよ」
「じゃあ、おじいさんは、114歳ですね」
なんてやり取りがあって、本書(ポプラ社刊)の発行年は昭和45年で、だとすると少年探偵団と僕らは同世代?と思ってみたこともあったが、執筆された年代もわかった・・・ということで、ちゃんちゃん。
評点(満足度)は全巻読破!ということです
(2010/6/17) -
Posted by ブクログ
妖艶な謎の美女、通称黒衣婦人は夜の町を支配する女王だった
真っ黒なドレスと美しい宝石に身を包み、腕に蜥蜴の刺繍の入った彼女を誰もが崇拝し、
その美しさに心酔する
誰もその素性を知るものはいなかったが、その正体は稀代の大怪盗であった
彼女のゆがんだ美学とプライドを満たすため、一命をかけた獲物に挑戦する
獲物を護衛する明智小五郎との一騎打ち
知力の全てを尽くし互いに出し抜き合う
江戸川乱歩の作品は全て共通した価値観と美学で繋がっています
最後は全部明智がもって行く展開とかね
私はあまり得意ではありません
でもそこに描かれるゆがんだ美意識の具現化というか、
そういうものは好きです
江戸川乱歩の魅力であるミステリーっていわゆるミステリー小説じゃなくて
人間の心理、歪みのミステリーってかんじなんですよね
結末やトリックはどうでもいいんですよね
予期せぬ結末とか、予期せぬトリックとか、そういったもの以上に人間の醜悪さがにじみ出ています
人間とは何ぞや
それをすきかどうかによって評価が変わるんでしょうね
私は黒衣婦人の美学というか美意識はすごく共感できるので、
結末はなんだかはんぶんはんぶんな気分です -
Posted by ブクログ
小学生の頃、むさぼるように乱歩シリーズ全巻読みあさりましたv
暗闇を徘徊するピエロ、侘しい旋律を奏でてそぞろ歩くチンドン屋、狡猾なのにどこか魅力的な犯罪者たち・・・当時の独特の時代の風俗の描写に吸い込まれるように魅了され、妖しい事件の数々にコーフンしきりでした。このシリーズに出会っていなかったら、今の「わたし」は違う人間になっていたと確信できるほどに影響を受けた・・・というか、ほとんどトラウマですw
一方で、読むたびに「小林少年、愛されすぎv」と思ってました(←ヘンな子供;)。明智先生のお気に入りの秘蔵っ子なのに、しょっちゅう二十面相からも熱烈なラブコール(スカウト)を受けていたのがポッシュで面白かったなぁwまた読みあさりたいですv -
Posted by ブクログ
ちょっと買ってから読み始めるまでに時間が空いてしまって、前知識をすっかり忘れた状態で読みました。
なので、明智小五郎が出てきてビックリした。途中で探偵が犯人だってわかったときに気付けよ!って話ですが、普通に警部と助手が解決するのかと思ってた。
明智小五郎が出てきてから解決まであっと言う間でちょっと残念でしたが、でも面白かったです。推理ものは、いつも後半まで犯人がわかりません。
『孤島の鬼』よりもグロい。でもエロい。エログロ?
まあでもTVの明智小五郎シリーズってエロかったよね?で、怖かった。ゾクゾクしました。
そんな感じです。描写が細かいので、余計にTVを思い出しました。