江戸川乱歩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
主人公は30にならぬ年でありながら、全頭白髪。また美しい妻の大腿部には、まるでそこに足が生えていて切り取ったかのような傷跡がある。この訳はいかに、というところから物語は始まる。初代と出合い幸せ真っ只中の主人公の人生が道雄の求婚から狂いはじめた。初代の変死を胸に素人探偵、久保木を頼るも同様、変死してしまう。道雄と共に変死の犯人を突き止めるが、それは悪夢の始まりに過ぎなかった。世を恨んだ片輪者が、人工的に片輪者を製造するという地獄。財宝を求めて洞窟に閉じ込められてしまう恐怖。絶え間ない戦慄が続く中、合間に各々の倒錯した愛が挟まり、全体的に気味悪くドロドロとした人の気持ち悪さそのもののような様相を帯びていく。しかし、目を離すことはできない。
珍しくラストがハッピーエンドで丸く収まっているのだが、それまでオドロオドロしすぎているので物足りない感じはなく、むしろほっと安心する -
ネタバレ 購入済み
さそりの着ぐるみ
やはり乱歩作品は面白く、一気読みしました。サソリの着ぐるみ。。。これ本当に目の前にあったら笑っちゃうだろうな。
1番最後の仕掛け、身代わりは必要?別のものにしてあげてよ、って思いました。 -
購入済み
付録が豊富
江戸川乱歩の全集は何種類か出ていますが、この全集は付録が豊富なのが嬉しいです。
研究者や縁のある人の解説や随筆など、他ではなかなか読めないものが収録されています。
紙の全集に付いてくる月報みたいですが、電子書籍なので量も多く写真や図版もあり楽しめます。
その分、少々高いので、クーポンなど利用しながら集めていくつもりです。
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Posted by ブクログ
ネタバレ現金には目を向けず高価な美術品だけを盗みの対象とする美学を持った怪盗二十面相と、明智探偵の対決が始まる。人を傷つけたり殺したりしない二十面相だけど、犬は殺してしまう場面も何故か私は記憶に残っている。ただ美術品を盗むことと、人を驚かせることにしか興味のない二十面相は、悪党ながらも何だか憎めない。
最初の事件となる実業家・羽柴家への侵入は罠に向かって直行するなど少し「この人は大丈夫なのだろうか……」と不安になる動作の怪しさを見せる。明智探偵と二十面相が対峙するシーンでは、イメージを払拭するカリスマ性溢れる二十面相の姿が描かれ胸が躍った。簡単には捕まらない変装名人・怪人二十面相も、明智小五郎のまさかのトリックに引っかかってしまった。最後まで物語が二転三転し、一筋縄でいかないところは流石だなと思った。
もっと怪盗二十面相は、煙のようにいつの間にか目当ての物を取っていき歯がみすることになったり、あるいは阻止したり、あくまで現場での攻防だけかと思いきや意外と二十面相のアジトに侵入できたりする。
地下室にとらわれた小林少年に二十面相は、食事一回ごとにご飯と引き換えに銃やら回答が羽柴邸で盗んだダイヤを取り戻して持っていたのでそのダイヤと交換することにした『二十面相は、この奇妙な取りひきが、ゆかいでたまらないようすでした。』一気に取り戻さずにそうしてじわじわと取り返すことで、少しずつ勝っている様子を表しているのかと思った。
立ちならぶ警官たちも、この美しい光景にうたれて、にこやかに、しかし、しんみりした気持ちで、ふたりのようすをながめていました。少年探偵団の十人の小学生は、もう我慢ができませんでした。だれが音頭をとるともなく、期せずしてみんなの両手が、高く空にあがりました。そして一同、かわいらしい声をそろえて、くりかえしくりかえしさけぶのでした。/「明智先生、ばんざーい。」/「小林団長、ばんざーい。」少年探偵団以前からの明智ファンの持つ『明智ならやってくれる』という期待にそぐわない王道のラストも良かった。
久々に小説を読んだ。世界観に引き込まれ、読んでいて面白かったし、人を殺す描写が無いため、読んでいて不快にならず、最後まで読めた。残酷な描写を書かずに、このようなワクワクドキドキさせる話を26年間も書き続けた江戸川乱歩の凄さに驚いた。怪人二十面相のこの設定が少年探偵シリーズの品位を保っていると思うし、ここまで長く読み続けられてきた所以の一つであると思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレはあ、と思わずため息が出るような作品。
門野が妻によって殺された彼女の轢死体を見た時、彼の心情を考えれば心底可哀想で仕方がない。
誠実ではなかった。ただ、誠実であろうとしていた。
門野は妻が彼女を滅茶苦茶にしたことを知ってるんじゃないかと。
彼女の死と、自分の恋がバレたこと、その恥と耐えきれない悲しみに結局自死(というか心中)を選んだのか。
人でなしの恋。
その結末は悲惨だけど、人でなしは一体妻の方だったのではないか?
嫉妬に駆られて、激情のまま人形を殺めたのだから。
愛しいドールと同じ墓に入りたいと思う時点で私も門野と同じ人でなしなんだろう。
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Posted by ブクログ
あー面白かった。
乱歩のこーゆー系は河出文庫の『不気味な話1江戸川乱歩』読んでたから中身はほとんど知っとる話やったけど、なんべん読んでもおもしろーーい。
もうこんなんばっかり読むせいで、例えば「人でなしの恋」とか、いやまあまあ変態じみとるけどまああるわいそういうこと、とか思ってしまっとる。
読んだことあるのんばっかりやとしても、最後の文庫初収録という座談会がめちゃめちゃ面白かったので買ってよかった。わたしは実は卒論や修論で雨月物語を読んでいたので、あの世のものや境界が大好きなのですよ。
それにしても乱歩の探偵ものじゃない、幻想怪奇系の作品を集めたアンソロジーはもうないのかな??探すの大変でさーー。解説で東雅夫さんが書いとったとーり、あとは怪談入門を読んどこう。 -
Posted by ブクログ
明智小五郎クロニクル
乱歩が発表した順番ではなく、作品を読み込んで、実際にこれらの事件が発生した年月日を推定し、その年代順に並べた
D坂の殺人事件 1920年9月
幽霊 1920(21?)年 秋~冬
黒手組 1921年12月
心理試験 1922年11月~12月
屋根裏の散歩者 1923(22?)年 春
シャーロッキアンの研究 「年代学」
シャーロック・ホームズが実在性人物だと見なして、ホームズ物語を楽しむファン
大正十三年(1924年)、「D坂の殺人事件」で探偵小説界に初めて登場した明智小五郎
棒縞の浴衣を着て、変に肩をふって歩く。
モジャモジャの髪の毛を引っかき回すのが癖で、いつも木綿の着物によれよれの兵児帯という姿は、戦後、金田一耕助に引き継がれる。
明智小五郎は、後に少年探偵団を率いて怪人二十面相を相手に大活躍する
12巻
ぼちぼち読破したい !! -
Posted by ブクログ
これは、江戸川乱歩の最高傑作かもしれない。少なくとも僕が今まで読んだ中では1番面白い。
まずキャラクター普通のサラリーマンである主人公とその恋人初代を中心に、主人公に横恋慕する男、あっさり殺されてしまう素人探偵、曲馬団の少年など、曲者ぞろいのキャラクターが勢ぞろいする。
謎の殺人事件、そこに関わるのは家系図。
次々と明かされていく新事実。まさに点と点がつながって線になっていくのを見るようだ。
今の時代では書けないであろう登場人物や表現がどんどん出てくる。いわゆる差別表現である。僕は、差別表現に過敏になるのはいかがなものかと思う。もちろん、不快に思う人もいるだろうが、本作のような扱いであれば、物語の進行上良いのではないかと思う。
前半は様々ななぞかけと、それを少しずつ解いて見せていくすぎる。後半はいわゆるエンターテイメント。前半で仕込んでおいたいろいろな伏線が、大掛かりな舞台装置に変わっていく。
江戸川乱歩の小説が好きな人はぜひ一読すべきだろう。