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ソフト帽を目深にかぶり、外套の襟を立て、月夜に煌めく黄金の顔。ゆがんだ口元には一筋の血。東京・上野に大怪盗・黄金仮面が出没し、「志摩の女王」という宝石をまんまと盗み出す。早くもその正体に気づいた明智小五郎は、怪盗一味に次々と命を狙われることに――。ついに標的は国宝の玉虫の厨子。事件現場に残されたA・Lの文字の謎とは? 華麗なる強敵と対峙する、驚嘆すべき名勝負!
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Posted by ブクログ
明智小五郎の出てくる事件を発生順に並べたシリーズ。『黄金仮面』は1929年4月5日から6月18日の出来事です。 この本は小学校の図書室にあったシリーズで読みました。私は「黄金仮面」の正体が好きだったので、この小説にはちょっと釈然としなかった…(^_^;) しかし、大人になってから見た「天知茂 江戸...続きを読む川乱歩美女シリーズ」では、この『黄金仮面』が一番好きです!(流石に「黄金仮面」の正体は変えていました) 有名な俳優・女優(ネタバレ防止で名前は伏せます)が金色の仮面を被って、黒いボディスーツを着て、黒マントを羽織って、愛を語り合ったり、空を飛んだり、盗みを働いたり、海に出たり!そして黄金仮面の手下たちもみんなこの装束で真っ昼間にぞろぞろとアジトから出てくるし(>▽<)!! 冷静に本を読むと「黄金仮面がゾロゾロ歩いくわけないだろう」と思うけれど、映像で見たら違和感ないというこの不可思議さ・笑 だって天知茂の変装場面が一番とんでもないんだもの、黄金仮面がゾロゾロ歩くなんてなんでもないのでした・笑 (しかし「続・黄金仮面」はひじょーーーーにつまらなかった(-_-;) きっと「黄金仮面」が人気で続編作ったんだろうけど、「黄金仮面」の痛快さを全部否定して、あれなら作ってほしくなかった) ということで、改めて小説での再読、不安と楽しみの入り混じった気持ちで読み勧めていました・笑 === 近頃人々の噂になる怪しい人影があった。目深に被ったソフト帽の下は金色燦爛(きんしょくさんらん)たる黄金仮面、不気味に笑う表情な糸のような細い目、三日月型に冷たく笑う口、不自然な発音のは生きた人間とも思えぬ怪人物だ。 始めは目撃した人々を驚かせるだけだったが、ついに「怪賊」としての働きを見せる。 まずは鷲尾公爵家の秘蔵の宝石「志摩の女王」を盗み出し、ご令嬢の美子姫(華族だから本当に姫の称号を持っているんでしょう)の浴室に姿を表し… だが誰にも知らせずに明智小五郎が鷲尾公爵邸に入り込んでいたのだ。推理を披露する明智さん。 それでね、この推理はお見事なんだけどね、小説としての明智小五郎シリーズの楽しみは、素人探偵なので動きが自由なところで、困ったところは推理が楽しく犯人逮捕を目的とせずに一人で行動するのでしょっちゅう犯人を逃がしているところ(^_^;) そして明智小五郎の悪い癖は、犯人を前に余裕を見せすぎちゃうところだな。今回も読みながら「明智さん!楽しんでないでさっさと犯人捕まえてください!」「一人で行かずに警官連れて行ったら犯人捕まえられたよね!?」と何度も何度もなんども…笑 私はもう、明智小五郎は探偵というより冒険家だと思うことにしました・笑 次に明智小五郎は、富豪の大鳥喜三郎氏から依頼を受ける。なんと、大鳥家の不二子嬢が黄金仮面と恋愛関係にあるのだ!(あれ?不二子嬢について「二人の娘の姉」という記述と、「一人娘」という記述があるぞ?江戸川乱歩が深く考えていなかったんだろう) なお、大鳥家からは「不二子嬢と黄金仮面が会っている」という話を聞いただけなんだけど明智小五郎は「恋をしているんですね」と言い切る。ここだけ読むとずいぶん唐突なんだけど、まあ明智小五郎が黄金仮面の正体を知ってるなら、「恋」という推理は妥当でしょう。 黄金仮面は奇術師のような大トリックで美術品を盗み、警察の警備などあっさりと逃れて見せる。 だが明智小五郎も負けてはいない。黄金仮面の正体を当て、トリックを見抜き、追い詰め、盗んだものを取り戻すという大活躍。 ついには黄金仮面との最終対決の時が来た。 この話は探偵小説というよりも冒険譚。奇想天外のトリック!だがそのトリックを見抜く明智小五郎!ということを繰り返します。 そして黄金仮面は変装して警備の人達の前を堂々と出入りするんですよ。 しかも恋人が不二子って!! 読みながら頭の中に「ばかも〜ん そいつがルパンだ!」「不〜二子ちゃん」の言葉が頭を回ってしまう(>▽<) しかしルパン三世の「峰不二子」は「霊峰不二(富士山)」の字面から思いついた名前だったはず。これって偶然なのか、もはやモンキー・パンチの夢枕に江戸川乱歩がたったとしか思えない・笑 さて。 再読して、やっぱり黄金仮面の正体がこの物語の中ではあまり格好良くないので釈然としないのはあるんだけど、ご本家も色々あるから仕方ないか。 この明智小五郎シリーズでは、もっと影に隠れたような淫靡なトリック(屋根裏を散歩してみたり、死体を石像に埋めてみたり)ですが、こちらの仕掛けはあけっぴろげでスケールも大きく、そして複数の黄金仮面がゾロゾロお仕事している姿を想像すると笑えるし、冒険物語として楽く読めました。
東京上野の産業博覧会に現れたのは巷を賑わす黄金仮面。宝石「志摩の女王」を盗んだ彼は、公衆の面前で忽然と姿を消した。黄金仮面を捕まえるべく声をかけられた素人探偵明智小五郎は彼の正体に気づくが……。 事件もトリックもとにかく派手な作品!→ 黄金仮面の正体に思わず声出るし、そこからはわくわくが止まらない...続きを読む作品。ネタバレになるとアレなんで隠しますが、マジか?!ってなったし、豪華すぎる。 黄金仮面の動きがとにかく派手で、明智小五郎が苦戦するのも良き。あと、浪越警部〜ってなる(笑)がんばれ浪越くん(笑) → ラストとかめちゃくちゃ派手やし、脳内再生したら明智小五郎かっこよすぎやない?不二子令嬢なんで明智好きにならんの?私なら吊り橋効果で一瞬やわ(笑) いや、でも明智変人やしな……。黄金仮面の方がいいかも……?いや、でも彼も大概やし……(落ち着け) とにかく元気出るお話。最高!
いやー、荒唐無稽、それが楽しい。最高。 伊吹吾郎、由美かおるキャストによる土曜ワイド劇場「妖精の美女」を思い出します。
明智小五郎の活躍を事件発生順に並べた興味深いコレクションの第6巻。 『D坂の殺人事件』から始まったコレクションなのだが、次第にエンターテイメント的な要素が強くなってきたようだ。この『黄金仮面』で明智小五郎が対決するのは、何とあのアルセーヌ・ルパンが登場するのだ。これまでに無い二転三転の展開を見せる...続きを読む起伏に富んだストーリー、大胆で奇抜なトリック。明智小五郎は何度も命の危機にさらされる。 勿論、何十年前かにポプラ社の少年探偵シリーズで読んでいるのだが、読み返してみても、あの時の興奮と記憶が蘇ってくる。また、今回読み返して気付いたことか1つある。モンキー・パンチの『ルパン三世』に登場する峰不二子は、この作品でルパンの手下となる大鳥不二子がモデルではなかろうか。 今回も巻末に平山雄一の『明智小五郎年代記』が収録されており、作品の背景、登場の風俗や世相を知ることが出来る。
明智小五郎事件簿 第6弾。 まさかのルパン登場。奇想天外で摩訶不思議。まさかね?っていう大掛かりなトリックも違和感なく受け入れられてしまう点が魅力的だなと。 凄惨さも少なくルパンとの鬼ごっこを楽しめる作品。
殺生を好まぬ稀代の盗賊、黄金仮面。相対するは明智小五郎、二人の戦いが今ここに火蓋を切って落とされる……とまぁそんな話なわけだが、黄金仮面の正体が明らかにされた時、私の顔は宇宙猫顔になった。 ある意味、元ネタの作者がした事を乱歩も真似たと言えようが、いやはや、元ネタのファンとしては「こんなに格好悪くね...続きを読むーし」と眉根を寄せてしまったのも致し方ない。とはいえ不肖私、元ネタの作者が同じことをした時も「こんなに格好悪くねーし」と眉根を寄せたものである。世界的に著名な登場人物を二次創作的に自作へ登場させるときは、ゆくゆく取り扱いに気をつけられたし。 とまぁ、故に私の本作に対する評価は星がマイナス一となったわけだが、総合的には良作であり楽しかったといえる。 元ネタの人物を取り入れたことで、狙われた品が国宝玉虫の厨子であったというのも、大掛かりな仕掛けもなんとなーく納得させるものがあるし、明智小五郎よ良く健闘した、とも言える。 結論、黄金仮面の正体を知ってどう思うかは読者次第であるし、その印象によって本作に対する評価も真っ二つに分かれるのではなかろうか、と思った。
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