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差出人不明の脅迫状に悩まされていたH製糖株式会社取締役の川手庄太郎は、明智小五郎に比肩すると噂される法医学界の権威、宗像隆一郎博士に捜査を依頼した。内偵していた弟子が殺人の手掛かりを掴むも、死亡。川手の令嬢姉妹が次々と惨殺、当の川手も誘拐された。その全ての現場に三重渦状紋の指紋があった。解決したかに見えた事件はどんでん返しの様相に――。(「悪魔の紋章」)他一編収録。(解説 北村薫)
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Posted by ブクログ
明智小五郎の解決した事件を発生順に並べたシリーズ。
『悪魔の紋章』は1934年3月〜4月27日、『地獄の道化師』は1934年5月の事件です。
二つとも大人向けの陰惨な殺人の物語です。
戦前に手掛けた事件はここまで。次の巻からは戦後編。
1934年の世界と日本の出来事は、ドイツではヒトラーが総統になり、東京宝塚劇場開場、ベーブ・ルース来日、南満州鉄道では最新の特急が動いた。
あとがきの解説では、明智小五郎は日本のスパイ教育とか諜報活動に使われてたんじゃないのという推測がされています。
このシリーズを事件発生順に読んでいくと、たしかに戦争間近の雰囲気があります。
『悪魔の紋章』
会社重役の川手氏のもとに不気味な脅迫状が届いていた。川手家に深い恨みを持つという者が、川手氏と二人の娘を手にかけると脅してきたのだ。
川手氏は、法学博士で素人探偵の明智小五郎…は、海外の(政府依頼の事件というので、明智小五郎は素人探偵と言うより諜報部員みたいなもの!?)仕事に駆り出されていたので、明智と同じくらい高名な素人探偵の法学博士・宗像博士に事件解決を依頼する。
宗像博士は犯人の指紋を入手した。それは世にも珍しい渦巻きが三つある「三重渦状紋(さんじゅうかじょうもん)」だったのだ。
その時から、幾重もの警備にも関わらず川手家の内部に「三重渦状紋」が押される。この不気味な犯人は幽霊のように家を自由自在に出入りできるのだろうか?
ついに恐ろしい事件がおきて…。
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明智小五郎は最後の方に出てきて解決だけ示します。
これは名探偵小説として良い方法かもしれない。最初から名探偵出しちゃうと事件を防げないけど、最後だけ出てきたらそれまでの犯行は名探偵の手抜かりではないからね。
事件の真相は、犯人は確かに気の毒(-_-;) だけど、被害者に落ち度はないので被害者も酷い…(-_-;)
しかし…。私はこの「明智小五郎事件簿」シリーズを順番に読んでいっているのですが、『悪魔の紋章』の真相が、シリーズ最初の方で読んだお話とほぼ同じ(^_^;)
この頃の探偵小説はトリックを下ろすことが当たり前だったようです。(以前読んだ横溝正史エッセイでもふつーに書かれてた)
『地獄の道化師』
彫刻に塗り込めた女の死体が見つかった。女性の身元は、確認に来た女性野上あい子の姉、野上みや子だとわかる。野上あい子は、数日前姉のみや子に不気味な道化師の人形が届いたこと、同じものが今日自分の元に届いたことに怯えていた。
そしてあい子の周りに顔を真っ白に塗り、水玉の赤衣装、紅白だんだら帽子という出で立ちの道化師が姿をみせるようになった。
野上家の姉妹と親しい青年の白井精一は、素人探偵明智小五郎に事件の解明を依頼するのだった。
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ちょっと珍妙なゲスト、貧相な芸術家の綿貫創人(わたぬきそうじん)がいるのですが、陰惨な事件がコミカルな感じになってました。
真相は、犯人の行動力がすごい(-_-;) いくらここまで恨んでもここまで実行できるのか…犯人も被害者も、まさに地獄の事件…。
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