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猟奇趣味のある青木愛之助は、秋の招魂祭で賑わう靖国神社で、友人の品川四郎そっくりのスリを見かけ興味を引かれる。品川とともに、その幽霊男を追ううちに、自分そして妻の芳江にまで魔の手が伸びてくる。幽霊男は女の生首を弄ぶ様な悪魔趣味的でとても危険な男だった――。しかし事件は思わぬ展開に。幽霊男の背後に白蝙蝠団という犯罪組織が――。後篇はこの国家的陰謀組織に挑む明智の冒険譚。
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Posted by ブクログ
鳥肌モノの本能的にゾワゾワする描写が満載で、今まで読んだ明智シリーズの作品では上位の位置付け。
特に青木が「君は本当に品川四郎なんだろうね」と尋ねるシーンや、社長令嬢が襲われるシーンは恐ろしい…。
明智が登場してからは単なる探偵小説になってしまったような気がして少し残念。
何なら明智の関係ない怪奇小説として、青木と品川の心情の変化を追っていた方が面白い作品になったのでは。
堅物の品川が、自分と寸分違わぬ見た目の人間が快楽に溺れているのを見て想像を強いられたであろう もう一つの人生の可能性。
猟奇趣味の果てに普通の幸せを失って初めて妻の大切さに気づく青木の皮肉。
この辺りの対比が素晴らしかったので、最終的に陰謀についての話がメインになってしまったのが残念。
全体的には面白かった。
Posted by ブクログ
長編作「猟奇の果」のみを収録している。一冊まるまるで一つの作品だが、章立てが細かく分かれており、さらに前半と後半では視点と登場人物と作品の雰囲気ががらりと変わる。
前半は品川氏と青木氏の二人が出くわす怪奇を中心に不気味な雰囲気が漂っているが、後半は明智小五郎が活躍することで、急転直下で意外な結末を迎える。読み進めていくうちに「え、本当にあとこれだけで終わるの?」と思わずにはいられない。
特に最後、賊の一味と成り果てた人物が意外であった。そういえばこいつ居たな、と、なかなか印象深く記憶に残っていた人物であるにも関わらず思ったものである。そう、そう思わずに居られぬほど後半部分はスケールが大きくなるのだ。
そして、それ故にタイトルの「猟奇の果」が誰のことを指しているのかも自ずと明らかになるのである。確かに猟奇を拗らせた挙句、己が人生をあのような形で終わらせるのは「果て」である。
Posted by ブクログ
面白くて展開読めなくて一気に読んだ!
前後編に分かれており、前編には明智小五郎が登場もしないし、なんなら事件も起きない。被害者も被疑者もなくて、奇妙な「出来事」があるだけ。だからこそ何がどうなるのか?全然分からなくて面白かった。
前半で奇妙で謎な出来事が沢山起きて、つまりどういうこと!?どう着地するの!!?と思ってたら、後半で明智小五郎が登場。そこからはいつもの明智小説な流れになっていく。
奇妙な謎が全部片付くのか!?というとそうでもない。すっきり全て解決!とはならず、終わり方もめちゃ突然。
綿密なトリックのミステリー小説と比べると納得いかない点もちょいちょいあった。
けど、元々江戸川乱歩の探偵小説より怪奇小説派な私にとってはどっちもが楽しめるなんだか嬉しい一冊!
何がどうなるの!?!?と、まるで道に迷うように読むのが楽しかった!
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