【感想・ネタバレ】明智小五郎事件簿4のレビュー

あらすじ

猟奇趣味のある青木愛之助は、秋の招魂祭で賑わう靖国神社で、友人の品川四郎そっくりのスリを見かけ興味を引かれる。品川とともに、その幽霊男を追ううちに、自分そして妻の芳江にまで魔の手が伸びてくる。幽霊男は女の生首を弄ぶ様な悪魔趣味的でとても危険な男だった――。しかし事件は思わぬ展開に。幽霊男の背後に白蝙蝠団という犯罪組織が――。後篇はこの国家的陰謀組織に挑む明智の冒険譚。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

長編作「猟奇の果」のみを収録している。一冊まるまるで一つの作品だが、章立てが細かく分かれており、さらに前半と後半では視点と登場人物と作品の雰囲気ががらりと変わる。
前半は品川氏と青木氏の二人が出くわす怪奇を中心に不気味な雰囲気が漂っているが、後半は明智小五郎が活躍することで、急転直下で意外な結末を迎える。読み進めていくうちに「え、本当にあとこれだけで終わるの?」と思わずにはいられない。
特に最後、賊の一味と成り果てた人物が意外であった。そういえばこいつ居たな、と、なかなか印象深く記憶に残っていた人物であるにも関わらず思ったものである。そう、そう思わずに居られぬほど後半部分はスケールが大きくなるのだ。
そして、それ故にタイトルの「猟奇の果」が誰のことを指しているのかも自ずと明らかになるのである。確かに猟奇を拗らせた挙句、己が人生をあのような形で終わらせるのは「果て」である。

0
2023年03月15日

Posted by ブクログ

猟奇趣味のあるお金持ちの青年、青木愛之助が友人品川四郎と同じ顔の男に出会うところから始まる犯罪話。前半は不気味な雰囲気たっぷりでゾクリとする展開から一転、後半は明智登場で派手な展開となる。後半のスケールの大きさに思わず笑う。大好き→

この話を最後にまとめ上げたのほんますごい。途中で乱歩が「(連載)もう無理」って言って当時の横溝編集長に「流行り物絡めてもいいから書いて」っていわれたエピソード大好き(笑)私が子供の頃にポプラ社のシリーズで読んでた雰囲気がこの後半部分に感じられて、懐かしかったなぁ。やっぱ乱歩最高

0
2022年07月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今まで読んだ江戸川乱歩の作品で一番好きかもしれない。
細かい伏線があるとかではないが展開の仕方が好きで、良い作品を読んだと実感できた。
前編では明智小五郎は出てこなく2人の人物を主軸に語られているが、後編になり話が進むにつれて最初自分が思い描いてた展開からずれていき予想だにしない展開となったのが読んでいて心地よかった。

0
2022年02月28日

Posted by ブクログ

最後の謎解きが若干やっつけ(雑)な感じもしたが、
全体を通して楽しくは読めた。
そもそもの品川四郎になった斧村錠一って誰だっけ?
前半に出て来た?マジで誰?スミマセン。

0
2024年09月15日

Posted by ブクログ

明智小五郎の活躍を事件発生順に並べた画期的なコレクションの第4巻。

明智小五郎が活躍する作品は殆ど読んでいると思っていたのだが、この作品は未読だった。『文藝倶楽部』という文芸雑誌に連載された作品だけあって、大衆小説といった色合いが強い。しかし、違和感を感じる構成には少し驚いた。じっくりと大いなる謎を描く前半と明智小五郎が登場し、二転三転の怒濤の展開が待つ後半とでは全くリズムが違うのだ。全く違う小説を繋ぎ合わせたと言ってもよいくらいだ。また、この後に描かれる怪人二十面相を思わせるシーンがあったりと、この作品を描くにあたり紆余曲折があったのではと推察する。

今回も巻末にはお馴染みの平山雄一の『明智小五郎年代記 4』が収録させている。本作の背景などが詳しく紹介されており、非常に面白い。

0
2016年08月24日

Posted by ブクログ

推理小説というよりは冒険譚だったけど、それはそれで面白かったな、と。

街で見かけた友人。その姿はよく知っている人物かと思いきや、中身が違う別人。しかも悪人だ、という入りから展開される不気味さにドキドキしたし、後半も「そこまで話を大きくするか」て笑ったけど、それって普通に楽しめたってことで。

要は江戸川乱歩の書く文章が好きなんだなと。笑

0
2021年11月06日

「小説」ランキング