【感想・ネタバレ】明智小五郎事件簿1のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年09月28日

戦前に描かれたものと思えないほど文章が巧みで読みやすく面白い。
推理小説を読んで、犯人が誰かを考えながら読むのもいいが「心理試験」のような倒叙法で、犯人の心理を見るのも面白い。
松山さんの1920年代だからこそ描けたと言う論稿を踏まえるとより、深みにハマります。

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Posted by ブクログ 2023年02月24日

収録作品「D坂の殺人事件」「幽霊」「黒手組」「心理試験」「屋根裏の散歩者」

少年探偵団シリーズはよく読んでいたが、果たして明智小五郎シリーズはどうだったか、と思いながら手に取った。科学的捜査や足を使って証拠を集めながら真実に辿り着くというよりは、アリバイや犯罪心理学から事件を紐解くのが明智小五郎流...続きを読むなのか、それほど頭を働かせずとも作品を楽しめる軽さが良い。

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Posted by ブクログ 2022年05月01日

一度読んだ本を再読するという習慣がないのだけれど、学生時代に夢中になった乱歩作品の傑作選が文庫で出ていたので反射的に購入した。
再読って結構良いもんですね。
作品を新しい感覚で読み返すと記憶の中に定着していた物と一味違った切り口が発見できたり、記憶とは異なった感想が湧いてくる。
そして何より、かつて...続きを読む夢中になって読んでいた頃の自分とその時代が蘇ってくる。
これですね。
かつての自分と、その時使っていた時間を取り戻し、今の自分の目で見てやる。
屋根裏から覗く様に。

追記
「黒手組」の身代金が今だったらいくらくらいなのか気になって計算してみました。
時を作品発表の大正10年とした。

●企業物価指数(戦前基準指数)というものを使った資料があった。それによると指数は

大正10年→1.296
平成29年(2017年)→687.8
687.8÷1.296=約530.7倍
これを1万円に当てはめると、約531万円となる。

作品では身代金1万円 探偵への礼金 2千円。
となっているので
身代金が現代で言えば約531万円、謝礼金 106万円。
身代金の割に謝礼金が多くはないだろうか?
身代金も、危険な犯罪の代償としては1,000万円くらい要求しそう。

さらに「心理試験」で殺害された老婆の隠し金が約1万円で531万円くらいだという事を考えるとやはり身代金要求額は安いなあ。

さらに追記すると
当時の大卒初任給が50円ほど。
令和のそれは20万円として4,000倍。
この比較で考えると
身代金1万円は4,000万円となってかなり高額になってしまうが現代の犯罪ドラマではありそうな金額に思える。
しかしその場合、探偵への謝礼金2千円が8百万円となってしまう。
初任給での比較ではにはファクターが必要なのだろうか?

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Posted by ブクログ 2022年02月23日

D坂や心理試験、屋根裏は人気作だと思いますが、個人的には幽霊が面白かった!怖いなこれ。
あと、平山さんの年代記がすごくいい。時代背景がわかると味わいが深いなぁ。蕗屋にラスコーリニコフみを感じたのは正しかったのね。

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Posted by ブクログ 2020年08月22日

明智小五郎クロニクル
乱歩が発表した順番ではなく、作品を読み込んで、実際にこれらの事件が発生した年月日を推定し、その年代順に並べた

D坂の殺人事件 1920年9月
幽霊 1920(21?)年 秋~冬
黒手組 1921年12月
心理試験 1922年11月~12月
屋根裏の散歩者 1923(22?)年...続きを読む

シャーロッキアンの研究 「年代学」
シャーロック・ホームズが実在性人物だと見なして、ホームズ物語を楽しむファン

大正十三年(1924年)、「D坂の殺人事件」で探偵小説界に初めて登場した明智小五郎
棒縞の浴衣を着て、変に肩をふって歩く。
モジャモジャの髪の毛を引っかき回すのが癖で、いつも木綿の着物によれよれの兵児帯という姿は、戦後、金田一耕助に引き継がれる。
明智小五郎は、後に少年探偵団を率いて怪人二十面相を相手に大活躍する

12巻
ぼちぼち読破したい !!

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Posted by ブクログ 2020年05月09日

何度でも読み返したくなる癖になる江戸川乱歩。「心理試験」での飄々としながらの鋭い切り口がたまらなく好き。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年03月02日

名探偵明智小五郎の名前は知ってはいたが読んだことはなく、江戸川乱歩の本も読んだことなかったので読んでみた
読む前までは文章がかたそうというイメージを持っていたが読み始めてみるとやさしい文章ですらすら読むことができた
初めて明智小五郎が出てくる「D坂の殺人事件」では、明智小五郎がどのように自分の無罪を...続きを読む証明し、本当の犯人を見つけるかがおもしろかった

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Posted by ブクログ 2019年04月07日

所謂文豪と呼ばれる人達の文章を読むことが苦手だった。

教科書で眺めていても、小難しい言葉を並べ立てているだけで物語性が薄い気がしていた。高校を卒業して以来文学作品なんて読んでこなかったが、大学生にもなったんだしと江戸川乱歩に手を出した。

本を読んでも面白くなかったら嫌だな。そう思い、試すように青...続きを読む空文庫で『心理試験』を読んだ。

世界がひっくり返った。

面白い

それからこの本を買うまでにそう時間はかからかった。

とにかくキャラクター1人1人の使い方がうまく、カメラワークも巧みで、読者の頭の中では映画が自然と流れる。

読者が監督も役者も全て読者に任せた映画を頭の中で作ってしまえる文才に脱帽。

出会えて良かった。知らない言葉を検索するのも楽しい。

濃密な時間を過ごせる1冊である。

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Posted by ブクログ 2018年03月28日

日本を代表する名探偵の活躍を年代順に並べたシリーズ第一弾。素人探偵と称して本に埋もれた部屋に住み犯罪や心理に異常に詳しくモジャモジャ頭でニコニコ顔の高等遊民という犯罪者みたいな危険な香りを漂わせてのデビュー。D坂の殺人事件、幽霊、心理試験、黒手組、屋根裏の散歩者を収録。

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Posted by ブクログ 2016年12月24日

語り口も良いし、純粋に推理を楽しんでいる明智小五郎の人物像も良い。犯人に至っては、殺すつもりのなかった人もいれば、殺人を楽しみたい人もいて、実に魅力的な作品に仕上がっている。大正期の頽廃と浪漫、高等遊民たち。そんな時代の雰囲気が味わえる。

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Posted by ブクログ 2023年09月11日

明智小五郎という名前はもちろん知っていましたが、こうやって作品で読むのは初めてです。明智小五郎といえば名探偵というイメージしかなかったのですが、本作を読んで、人の心理を分析する心理学のスペシャリストみたいな人物にも思えました。

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Posted by ブクログ 2023年02月08日

江戸川乱歩を初めて読んだのは、数十年前になるけど、「人間椅子」や「屋根裏の散歩者」など強いインパクトを受けた。今回没後50年を記念して、明智小五郎ものを事件発生順に並べたコレクション全12巻が毎月1巻ずつ刊行されることになり、これは面白いと手に取りました。またこれで楽しみがひとつ増えた。

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Posted by ブクログ 2022年09月07日

モジャモジャの髪の毛、木綿の着物に、よれよれの兵児帯と、怪人二十面相の頃とは、大分イメージが違い、まるで金田一耕助の先駆けみたいな姿に、これが、探偵明智小五郎かと驚いた。

なんて、分かったような事を書いてしまったが、実は、ちゃんと乱歩を読むのは、これが初めてです。

『D坂の殺人事件』のタイトルや...続きを読む、『屋根裏の散歩者』の大体の話は知っていたのだが、今回興味を持ったのは、このシリーズが、乱歩の発表順ではなく、明智小五郎の事件発生順に編纂されている事で、平山雄一さんの解説にもある通り、シャーロッキアンの『年代学』みたいで面白そうだなと。

実際に読んでみると、奇をてらった大トリックというよりは、人間の心理状況を巧みについた、論理的思考で犯罪を解明していく展開に、乱歩の博識ぶりが覗えて、『おそらく日本で初めての論理で犯罪を解明する探偵もの』に触れられた喜びを感じ(ちなみに世界初は、ポーの『オーギュスト・デュパン』らしい)、特に、『心理試験』での、明智が犯人とのやり取りで、じっくりと胸の内を探りながらも、じりじりと攻め入っていく、冷静でクレバーな巧みさには、お見事のひと言。

また、皆川博子さんの解説で、乱歩の作品は飛び抜けて〈いけないもの〉だったという事を書かれており、それは、大正から昭和初期にかけての、貧富の差が激しく、都会は猟奇趣味が流行した時代性が(当時の大衆が読み物に求めたのは、毒気に満ちた刺激の強い作とのこと)反映しているようにも感じられまして、当時の時代考証を知った上で読めば、また違った趣になるかもしれません。

それから、約80~90年経った現在、私が読んだ印象だと、少なくとも、いけないものだとは思わず、『屋根裏の散歩者』にしても、犯罪嗜好者の心理の怖さについて、今ではある程度知りうるものになり、寧ろ、明智に論破された後の、走馬灯を見るように、夢幻から現実の世界に帰還し、ひとり呆然と佇む、犯人の侘しい姿の方が印象的で・・今は、それだけ多様な作品を読むことの出来る、いい時代になったと言えるのかもしれませんね。

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Posted by ブクログ 2020年09月23日

1日で読み終えた。

江戸川乱歩ものを読みたいと思って初購入。
かなり昔の方なんですね。それすらも知らなかった(^◇^;)
昔の文体ですが意味は理解できるし、やりとりが楽しいです。
面白かった(^^)

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Posted by ブクログ 2019年07月07日

乱歩先生の作品を読みたいと思ったとき、そういえば明智小五郎の出てる話はあんまり読んだ記憶がないな…と気がついたので本書を手にとってみました。
実際に読むまでは、明智小五郎が出ている話をただまとめただけだと思っていましたが、明智登場作品から時系列を推測し、現実と照らし合わせて編集してあると知り、俄然面...続きを読む白く読むことができました。
年代推測の過程も記載されておりますし、皆川博子先生による解説も素晴らしい。
乱歩作品の特別熱心なファンという訳ではありませんが、このような本を企画した方に感謝したいと思いました。

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Posted by ブクログ 2016年07月01日

グールドのシャーロック・ホームズ全集のように明智小五郎の登場する物語を時系列に並べた、という趣向。少しずつ背景となる時代が変わっていくようなところが興味深い。
帯に刊行予定が載っているのだが、『影男』がないみたいなのは何故?!

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Posted by ブクログ 2022年06月28日

江戸川乱歩は小学生のとき
学校の図書室にあったものを読んだが、
今思えば、内容を理解していたのかな…

今の推理小説は犯人が一般的な人に見せかけていることが多いが
この本でのそれは
性格や性質の異常者がそれなりのことをしている感じ

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Posted by ブクログ 2019年01月19日

乱歩にはあまり縁が無く過ごしていたせいなのか、子供の時に見たテレビシリーズの天知茂の印象が強いせいか、明智小五郎の若々しさにビックリしました。(^^;
ま、事件発生年代順構成の一冊目なので、若いのも当然なのですが。(^^;
収録作の中では、心理試験の最後の一刺しと、屋根裏の散歩者の犯人の心理が印象的...続きを読むでした。

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Posted by ブクログ 2016年07月08日

こういうの好き! と身悶えしてしまうほどには、明智小五郎が手掛けた事件を時系列順に並べて編んだなどというこの企画は最高。発売当初に広告を見たときは、それはもう鼻息を荒くしてしまったものである。ナツイチにラインナップされていたのでぱっちんバンドともども連れて帰ってきた本書。やはり突出しているのは「屋根...続きを読む裏の散歩者」。あの妖しげな雰囲気ったら、おおげさに言えば100年近くも前に書かれた小説が、けれど飽きずに読まれていることに納得がいくというもの。気になっていた皆川博子さんの解説も、終盤に不意を衝くすばらしさ。

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