【感想・ネタバレ】明智小五郎事件簿10のレビュー

あらすじ

クリスマス・イヴに開かれた妖しい大夜会に君臨する美女、緑川夫人の腕にはトカゲの入墨が――。大阪の宝石商の岩瀬庄兵衛の元に、娘の早苗を誘拐するという予告の怪文書が届く。身辺を警護する明智小五郎に、緑川夫人が接近。彼女は変幻自在の女盗賊<黒蜥蜴>。冴え渡る頭脳戦、壮絶で切ないラストシーンが胸に迫る――。(「黒蜥蜴」)怪人二十面相が甦る名作(「少年探偵団」)の二編収録。

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Posted by ブクログ

江戸川乱歩『明智小五郎事件簿 10 「少年探偵団」「黒蜥蜴」』集英社文庫。

名探偵・明智小五郎の活躍を事件発生順に並べた興味深いコレクションの第10巻。

奇しくも『少年探偵団』と『黒蜥蜴』という、自分の読書の趣味を決定付けた2作が収録されている。

初めて読んだ江戸川乱歩の小説がポプラ社の『少年探偵団』だった。その時に味わった面白さは今でも忘れない。何十年振りかで読んでみても冒頭の怪事件から結末までのおおよその筋を覚えており、江戸川乱歩を読み始める契機となった作品というだけに感慨深いものがあった。読み返してみると、ジュブナイル作品だけに善悪、起承転結、山谷がはっきりしていて面白いが、反面、突っ込みどころも満載である。

『黒蜥蜴』はNHKの連続ラジオ小説を聴いたのが最初で、その後に春陽堂文庫で原作を読んでいる。連続ラジオ小説はナレーションが中西龍、唐十郎が明智小五郎を、李麗仙が黒蜥蜴を演じていた。連続ラジオ小説がきっかけとなり、この後、江戸川乱歩を読み漁ることになる。『黒蜥蜴』は大人向けの作品ということで、本来の江戸川乱歩の妖艶にして妖しい世界の中にストーリーが展開される。見所は黒蜥蜴と明智小五郎の大胆不敵なトリック合戦だろう。

今回も巻末に平山雄一の『明智小五郎年代記』が収録されており、作品の背景、登場の風俗や世相を知ることが出来る。

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2017年04月06日

Posted by ブクログ

明智小五郎事件簿を順番に読んでいると、
『黒蜥蜴』は久しぶり(3作ぶり?)のオトナ向け。
この主人公めちゃ美人な設定だけど、
やってる事はすこぶるグロいじゃん!
普通の神経の持ち主だったら思いもつかないグロい事を
嗜好としてサラッとやっちゃってるのがマジ怖い。
最期はなんか恋する乙女みたいになってたけど、
闇堕ちせずに別の人生歩んでたら…と残念です。笑

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2024年11月09日

Posted by ブクログ

「黒蜥蜴」で大阪が登場するなんてビックリした。なおかつ乱歩が作家デビューした後、大阪に引っ越ししていた大阪時代に明智小五郎の初期傑作作品が書かれていたなんて知らなかった。また乱歩は東京も細部を記述した街並みを描くのではなくイメージとして描いているだけなのだ。

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2020年08月18日

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