江戸川乱歩のレビュー一覧

  • パノラマ島綺譚~江戸川乱歩全集第2巻~

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    江戸川乱歩って「カー問答」のような海外本格ミステリの扇動者としては超一流だったと思うけれど、実作者としてはどうだったんだろう。彼の資質はむしろ今ならばファンタジーとか幻想小説とかホラーとか、そっちの方あったのではないだろうか、というのは例えばこんな全集を読めば誰でも感じる感慨。その中でもこの「パノラマ島奇譚」のビジュアルなイメージは鮮烈。正直これを初めて読んだ中学生にとってはインパクトが強すぎた。

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    2009年10月04日
  • 吸血鬼

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    面白すぎる。こんなに複雑に色々な人物が居合わせて関わり合うことは奇跡に近く、厄介な事件だった。気持ち悪さは勿論のこと、遺体もいっぱい登場する。変装やら製氷室における花氷、椅子、、この辺が乱歩の手腕を感じれて特に良かった。

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    2025年12月08日
  • 芋虫 江戸川乱歩ベストセレクション(2)

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    かなりグロテスクである。電車で読んでいる時に顔に出てしまうくらいうわっとなった。
    しかし、人間味が感じられるというか、人間の闇でそれらへの期待・好奇心の部分を上手く描写していると感じた。
    日常に刺激を求めている人に良い作品だと思う。
    短編集が詰まった本で読みやすい。(最後の2作だけ少し長め)

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    2025年12月04日
  • 赤い部屋(乙女の本棚)

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    続けてもう乙女の本棚もう一冊。

    江戸川乱歩、赤い部屋、うん、これだけで雰囲気満載。

    なかなかその場にいたら何度唾を飲み込むかわからないようなヒリっとする告白と、パンっ!と一気にお日様の下に晒される気まずさ、がなかなか悪趣味ですなぁ、クックックって感じでした

    2025.11.30
    215

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    2025年11月30日
  • 江戸川乱歩傑作選

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    小学生の頃に読んでいた少年探偵団の健全なイメージはどこへやら、こっちが本当の江戸川乱歩だったのか…
    特に最後の「芋虫」はトラウマもの。先に読ませた中1の息子が「怖くて最後まで読めないよ〜」と言っていたのも宜なるかな。最後まで読んだら救いがあるかと思いきや、全然ないしw
    でもまあ面白かった。「江戸川乱歩名作選」の方も読んでみたいと思います。

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    2025年11月15日
  • 孤島の鬼 江戸川乱歩ベストセレクション(7)

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    いやー、おんもしろかったー。
    読みたくて買ったくせに、「江戸川乱歩か…今じゃないんだよな…」状態で積読して約2年。
    今だ!と思って読んだらタイミングが良かったのかすごい楽しめた。もちろん江戸川乱歩がすごいのだけど。
    昔の作家で長編っていうのもあって少し肩に力入ってたんだけど、全然読みやすかったしページをめくる手が止まらないタイプの本だった。
    最初は普通に自分も推理しながら読んでたけど、途中から雰囲気が変わってくる。

    怖い。

    怖いのか不気味なのか気色悪いのか変な感じ。夜読むのちょっとだけ怖かった。笑
    怖いけど面白い。一気に読んだ。
    色んな要素がちらほらあってただ単に怖いホラーではなかったから

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    2025年11月08日
  • D坂の殺人事件 アニメカバー版

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    柳川一さんの小説『三人書房』を読んで乱歩の作品に触れてみたいと思い手に取った作品。
    江戸川乱歩作品のなかでも本書を選んだのは古書店があった団子坂が舞台になっているのと三人書房時代の経験とエピソードが作品に活かされているのに興味を惹かれたから。
    どんな事件やトリックが登場するのか楽しみだ。

    まず驚かされたのが、この作品が100年近く前に描かれたという事実。
    本当に凄いとしか言いようがない。
    大正時代の人達が夢中になるのも無理ないわ。
    作中の文体や言葉、お金、服装も現代と違っていてレトロな感覚が面白い。
    あと面白いのが読者に語り掛けるスタイル。
    所々に登場する「読者諸君!」と語り掛けるのが現代の

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    2025年11月08日
  • 江戸川乱歩名作選(新潮文庫)

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    今作品集は『押絵と旅する男』『踊る一寸法師』の2作が乱歩の推理小説以外の魅力を最大限引き出してくれているのではないだろうか。
    鮮明にそして反対にミステリアスにも描かれるグロテスクな描写、現実では考えられないような空想の出来事を現実に起きたことのようにリアルに不気味に描くことができる文才。
    傑作選とは反対に名作選の主役は推理ではなく、このオドロオドロしい表現の数々であろう。

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    2025年11月07日
  • 乱歩心象作品集

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    江戸川乱歩、高原英理・編『乱歩心象作品集』中公文庫。

    江戸川乱歩の没後60年。江戸川乱歩の長中短編から「夢遊」「恐怖」「人形」「残虐」「身体」「錯視」「浅草」の7つの切り口で分類、セレクトした作品集。

    恐らく大半の作品は既読であるが、小学校時代にポプラ社のの『少年探偵団シリーズ』を読み、中学校時代に江戸川乱歩の魅力にハマり、高校時代には春陽堂文庫の『江戸川乱歩全集』全9冊を読んでいることもあり、定期的に読み返したくなる。ちなみに高校1年の時の読書感想文では『陰獣』の感想文を書いて、高校生感想文コンクールの応募作に選ばれている。

    また、序文の中で高原英理が述べている通り、江戸川乱歩は短編に

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    2025年11月03日
  • 孤島の鬼

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    幽霊塔から乱歩にはまって、さらに短編集を数編読んでからこの作品に入りました。「芋虫」「陰獣」と似た雰囲気で美しい人間と異形なるものの対比を描く乱歩のおどろおどろしい構図は不気味です。真夜中に読んでると殊さらにそれが際立つ。自分だったら作中の友人とこう向き合うだろうなとかすこし反発するところもありましたが、人間社会のいろんな不条理が混ざってて読み応えがありです。

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    2025年11月03日
  • 芋虫 江戸川乱歩ベストセレクション(2)

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    ネタバレ

    表題作『芋虫』はあまりにも凄惨を極めた内容で衝撃を受けました。評点は『芋虫』だけの評価。
    外界からの(性的)刺激を受信する感覚器官の欠損という点で『人間椅子』に通ずる異常性愛の形であると読み取ることもできます。
    『人でなしの恋』は性愛の異常さでいえば、『芋虫』には遠く及びません(我基準)が、両作ともに残された妻は生涯罪の意識に苛まれることでしょう。

    探偵小説的趣向が強いのは『夢遊病者の死』とせいぜい『双生児』くらいで他はほぼ怪奇小説。
    『芋虫』と『人でなしの恋』以外は正直微妙で、『踊る一寸法師』は結構よかったかな。元ネタのエドガー・アラン・ポー『ちんば蛙』も読まねばならん。

    あと巻末の三津

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    2025年10月31日
  • 江戸川乱歩傑作選

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    国内最古の暗号と密室『二銭銅貨』『D坂の殺人事件』、明智のプロファイリング能力が光る『心理試験』などの有名な探偵小説寄りの代表作群に加えて 、乱歩の持ち味である異常心理・性愛・残虐嗜好が存分に活かされる『芋虫』『人間椅子』『鏡地獄』も揃ってて隙が無い。
    ただし『鏡地獄』があるならば、『目羅博士の不思議な犯罪』も収録しといて欲しかったかな。結構気に入ってるので。あと有名所で入ってないのは『押絵と旅する男』とか?
    何気に『パノラマ島奇談』がないのはかなり痛い。まあ、あれは短編とは呼べない分量だから仕方ないのかな?

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    2025年10月31日
  • 人間椅子(乙女の本棚)

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    醜い容貌の家具職人。誰からも見向きもされない。そんな職人が思いもよらない目論見を。自分が作った椅子の中に身を隠し、その椅子に座る人との革一枚隔てて伝わってくる感触を楽しむように。ある日座った女性に名状しがたい熱情を抱くようになる。その思いをついに手紙で伝えて一度会いたいと。その手紙を受け取った女性は…。
    どんでん返しの結末に唖然とする

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    2025年10月26日
  • 悪霊物語(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    えっこれ続きは他の作家さんが書いたってこと?
    このシリーズで、こんな続き気になる形で終わると思わなかった…。
    面白かったー。江戸川乱歩いいなぁ。

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    2025年10月25日
  • 芋虫 江戸川乱歩ベストセレクション(2)

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     両手両足を失った夫と献身的な妻の歪な夫婦関係、「自分は九十九人殺した」と宣う一人の男の体験談、どこか浮世離れした夫の異常な恋模様など怪奇幻想趣味とエログロが強烈な九編が収録された短編集で、どの作品も異常性に占められながらどこか美しさも感じられるものばかりで色褪せない面白さだった。

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    2025年10月22日
  • 芋虫 江戸川乱歩ベストセレクション(2)

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    ネタバレ

    人間であるということは、理性を備えているということだけでなく、乱歩の描く様な異常な本能・欲望をも持っているということなのだろう。

    赤い部屋の終盤では、読者の意表を突いてくるとともに、人間椅子のラストのように本当に創作だったのかという不安感も感じさせてくる。

    火星の運河や踊る一寸法師では、乱歩の巧みな描写により底しれぬ恐怖と歪んだ性愛を感じることができる。火星の運河のラストの女性への隠喩は、特段と美しい文だった。

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    2025年10月15日
  • 乱歩殺人事件――「悪霊」ふたたび【電子版特典付き】

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    中絶作『悪霊』を読むと確かに『孤島の鬼』級の畢生の大作になりそうな雰囲気がありますね。当時の読者が完結を待ち望んでいたことが容易に想像できます。
    序盤の密室殺人、異様な猟奇殺人、奇妙な暗号、乞食の謎、記述の不可解さなど広げすぎた風呂敷のほぼ全てに辻褄を合わせるだけでなく、乱歩の嗜好を真相の核に持ち込み、尚且つ『悪霊』の真の中断動機を荒唐無稽ながら提示しています。半端なデキでは許されなかっただろうし、恐ろしく高かったハードルを芦辺先生は見事に飛び越えたのではないかと率直に思います。
    大作家の中絶作に90年の時を経て挑むという偉業と偉大なる大作家へのリスペクト精神に星4

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    2025年10月15日
  • 疵(きず)の迷楼 耽美幻想セレクション

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    まず装画が怪しげで綺麗!いわゆるジャケ買い
    あとタイトル『疵の迷楼』別世界へと誘い込まれるような魅惑的な感じに加え、名だたる文豪たちの作品に興味を引かれてしまう。
    まだ、このとき耽美という言葉の意味を理解していなかった。ただ「美しい」くらいにしかとらえていなかったので読んでみたら本当の意味を思い知らされ、常軌を逸した世界への入り口だった。

    なかなか普通の感覚では理解、共感し難い作品ばかり。どの作品も何かに心を奪われていたり、病的にのめり込んでいたりと現実からかけ離れていて危うい空気が漂っている。
    抗いがたい好奇心や欲望、まるで[パンドラの箱]を開けてしまったようなそんな感じだ。

    収録されて

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    2025年10月15日
  • 江戸川乱歩傑作集1 孤島の鬼【イラスト入り】

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    ネタバレ

    諸戸が簔浦に向ける恋情や執着にどきどきしながら読みました。
    双子の身にあった事など目を背けたくなるようなシーンもあったけれど読み進めるのを止められませんでした。
    2人が井戸に入って以降は閉塞感があり怖かった。閉所恐怖症になりそうです:(´◦ω◦`):

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    2025年10月07日
  • 黒蜥蜴 江戸川乱歩ベストセレクション(5)

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    江戸川乱歩の書く文を変態的で気持ち悪いと思っているが今回も特にストーリー最後にかけてそれが発揮されていたと思う。
    変態的ではあるが読むと引き込まれる魅力がある。

    自身の作品である「人間椅子」を引用していたのには思わず笑ってしまった。

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    2025年10月02日