江戸川乱歩のレビュー一覧
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いやー、おんもしろかったー。
読みたくて買ったくせに、「江戸川乱歩か…今じゃないんだよな…」状態で積読して約2年。
今だ!と思って読んだらタイミングが良かったのかすごい楽しめた。もちろん江戸川乱歩がすごいのだけど。
昔の作家で長編っていうのもあって少し肩に力入ってたんだけど、全然読みやすかったしページをめくる手が止まらないタイプの本だった。
最初は普通に自分も推理しながら読んでたけど、途中から雰囲気が変わってくる。
怖い。
怖いのか不気味なのか気色悪いのか変な感じ。夜読むのちょっとだけ怖かった。笑
怖いけど面白い。一気に読んだ。
色んな要素がちらほらあってただ単に怖いホラーではなかったから -
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柳川一さんの小説『三人書房』を読んで乱歩の作品に触れてみたいと思い手に取った作品。
江戸川乱歩作品のなかでも本書を選んだのは古書店があった団子坂が舞台になっているのと三人書房時代の経験とエピソードが作品に活かされているのに興味を惹かれたから。
どんな事件やトリックが登場するのか楽しみだ。
まず驚かされたのが、この作品が100年近く前に描かれたという事実。
本当に凄いとしか言いようがない。
大正時代の人達が夢中になるのも無理ないわ。
作中の文体や言葉、お金、服装も現代と違っていてレトロな感覚が面白い。
あと面白いのが読者に語り掛けるスタイル。
所々に登場する「読者諸君!」と語り掛けるのが現代の -
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江戸川乱歩、高原英理・編『乱歩心象作品集』中公文庫。
江戸川乱歩の没後60年。江戸川乱歩の長中短編から「夢遊」「恐怖」「人形」「残虐」「身体」「錯視」「浅草」の7つの切り口で分類、セレクトした作品集。
恐らく大半の作品は既読であるが、小学校時代にポプラ社のの『少年探偵団シリーズ』を読み、中学校時代に江戸川乱歩の魅力にハマり、高校時代には春陽堂文庫の『江戸川乱歩全集』全9冊を読んでいることもあり、定期的に読み返したくなる。ちなみに高校1年の時の読書感想文では『陰獣』の感想文を書いて、高校生感想文コンクールの応募作に選ばれている。
また、序文の中で高原英理が述べている通り、江戸川乱歩は短編に -
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ネタバレ表題作『芋虫』はあまりにも凄惨を極めた内容で衝撃を受けました。評点は『芋虫』だけの評価。
外界からの(性的)刺激を受信する感覚器官の欠損という点で『人間椅子』に通ずる異常性愛の形であると読み取ることもできます。
『人でなしの恋』は性愛の異常さでいえば、『芋虫』には遠く及びません(我基準)が、両作ともに残された妻は生涯罪の意識に苛まれることでしょう。
探偵小説的趣向が強いのは『夢遊病者の死』とせいぜい『双生児』くらいで他はほぼ怪奇小説。
『芋虫』と『人でなしの恋』以外は正直微妙で、『踊る一寸法師』は結構よかったかな。元ネタのエドガー・アラン・ポー『ちんば蛙』も読まねばならん。
あと巻末の三津 -
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中絶作『悪霊』を読むと確かに『孤島の鬼』級の畢生の大作になりそうな雰囲気がありますね。当時の読者が完結を待ち望んでいたことが容易に想像できます。
序盤の密室殺人、異様な猟奇殺人、奇妙な暗号、乞食の謎、記述の不可解さなど広げすぎた風呂敷のほぼ全てに辻褄を合わせるだけでなく、乱歩の嗜好を真相の核に持ち込み、尚且つ『悪霊』の真の中断動機を荒唐無稽ながら提示しています。半端なデキでは許されなかっただろうし、恐ろしく高かったハードルを芦辺先生は見事に飛び越えたのではないかと率直に思います。
大作家の中絶作に90年の時を経て挑むという偉業と偉大なる大作家へのリスペクト精神に星4 -
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まず装画が怪しげで綺麗!いわゆるジャケ買い
あとタイトル『疵の迷楼』別世界へと誘い込まれるような魅惑的な感じに加え、名だたる文豪たちの作品に興味を引かれてしまう。
まだ、このとき耽美という言葉の意味を理解していなかった。ただ「美しい」くらいにしかとらえていなかったので読んでみたら本当の意味を思い知らされ、常軌を逸した世界への入り口だった。
なかなか普通の感覚では理解、共感し難い作品ばかり。どの作品も何かに心を奪われていたり、病的にのめり込んでいたりと現実からかけ離れていて危うい空気が漂っている。
抗いがたい好奇心や欲望、まるで[パンドラの箱]を開けてしまったようなそんな感じだ。
収録されて