江戸川乱歩のレビュー一覧
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乙女の本棚シリーズから、江戸川乱歩さんと寿なし子さんのコラボ作品『赤い部屋』です。寿なし子さんのイラストは初めて♪なんとも、魅惑的でちょっと可愛い感じですね(*'▽')
物語の舞台は、赤いビロードで覆われた薄暗い「赤い部屋」…。新入会員T氏が、退屈な自らの人生に刺激を得るため、罪に問われることなく多くの命を奪ってきた…ただ、それでも満たされなくなったことを語ります…。
物語とイラストとのアンバランスな感じが、私的には楽しめました。別の作品での寿なし子さんの作品も見てみたいですね!ラストは、肩透かし的なものを感じましたが、それもまたこの作品の魅力だと感じました。
江戸川乱歩生誕地ミュージアムが、11月3日に三重県でオープンしたんですってね!この「赤い部屋」もあるらしいです。あぁ~行ってみたいな♪ -
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いやー、おんもしろかったー。
読みたくて買ったくせに、「江戸川乱歩か…今じゃないんだよな…」状態で積読して約2年。
今だ!と思って読んだらタイミングが良かったのかすごい楽しめた。もちろん江戸川乱歩がすごいのだけど。
昔の作家で長編っていうのもあって少し肩に力入ってたんだけど、全然読みやすかったしページをめくる手が止まらないタイプの本だった。
最初は普通に自分も推理しながら読んでたけど、途中から雰囲気が変わってくる。
怖い。
怖いのか不気味なのか気色悪いのか変な感じ。夜読むのちょっとだけ怖かった。笑
怖いけど面白い。一気に読んだ。
色んな要素がちらほらあってただ単に怖いホラーではなかったから私でも楽しめたかも。
こりゃ今の時代じゃ書けない。
面白かった〜。これは読み返したい本。 -
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柳川一さんの小説『三人書房』を読んで乱歩の作品に触れてみたいと思い手に取った作品。
江戸川乱歩作品のなかでも本書を選んだのは古書店があった団子坂が舞台になっているのと三人書房時代の経験とエピソードが作品に活かされているのに興味を惹かれたから。
どんな事件やトリックが登場するのか楽しみだ。
まず驚かされたのが、この作品が100年近く前に描かれたという事実。
本当に凄いとしか言いようがない。
大正時代の人達が夢中になるのも無理ないわ。
作中の文体や言葉、お金、服装も現代と違っていてレトロな感覚が面白い。
あと面白いのが読者に語り掛けるスタイル。
所々に登場する「読者諸君!」と語り掛けるのが現代の小説ではなかなか味わえない新鮮さがたまらない。
「いっちょう推理をしてやろうじゃないか」と参加意欲を掻き立てられるが完敗でした。
あと見逃せないのが、『D坂の殺人事件』がデビュー戦となる明智小五郎。
もっと堅いイメージでてきぱきした人間像を思い浮かべていたが、現れたのは高等遊民のようなニート探偵でビックリ。
明智小五郎に見事に翻弄された感じ!
「犯人はこいつだ」と思わせといて違うんかいの連続、焦らされる推理の答えに乱歩先生の掌のうえでコロコロと転がされている気分。
五篇の短篇を収録
〇『D坂の殺人事件』での最後の落ちにはやられた!
まさに予想外「えっ、そんな理由なの?」と驚くばかり。
〇『二銭銅貨』のトリックも凄い!
でも度の行き過ぎたイタズラにちょっとかわいそう。
〇『地獄の道化師』この作品が一番面白かった。
タイトルの通り出てくる登場人物みんな怪しく感じる。こいつが怪しいと思っていたら殺されてしまったり、話が二転三転して終わったかなと思ったらどんでん返し!もう振り回されっぱなし。人間の歪んだ執念と恐ろしいまでの狂気、そこに至るまでの哀しさを浮き彫りにした最高にクレイジーで面白い作品。
どの物語も人間の心の深淵を覗き見たような異様な狂気、純度100%の怪しい世界。
年月を経ても色褪せず、時代を越えた魅力のある作品は、さすが推理小説の大家、日本のエドガー・アラン・ポーと思わされた一冊だった。
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江戸川乱歩、高原英理・編『乱歩心象作品集』中公文庫。
江戸川乱歩の没後60年。江戸川乱歩の長中短編から「夢遊」「恐怖」「人形」「残虐」「身体」「錯視」「浅草」の7つの切り口で分類、セレクトした作品集。
恐らく大半の作品は既読であるが、小学校時代にポプラ社のの『少年探偵団シリーズ』を読み、中学校時代に江戸川乱歩の魅力にハマり、高校時代には春陽堂文庫の『江戸川乱歩全集』全9冊を読んでいることもあり、定期的に読み返したくなる。ちなみに高校1年の時の読書感想文では『陰獣』の感想文を書いて、高校生感想文コンクールの応募作に選ばれている。
また、序文の中で高原英理が述べている通り、江戸川乱歩は短編にこそその魅力があると思う。勿論、長編も面白いのだが、短編に凝縮されたトリックや世界観の描写は見事である。
7つの切口のうちから「夢遊」「恐怖」「人形」「残虐」「身体」「錯視」は解るが、「浅草」だけは異質である。また、長中編作からの抜粋が多く、江戸川乱歩の真の魅力が伝わらなかった。そういう意味では、作品集としては失敗の部類に入るだろう。
「夢遊」
『白日夢』。日常の白昼に浮かび上がる悪夢の光景。一種の死体隠しのトリックとも言える。後の作品にも同様のトリックが描かれる。
『大魔術「魔術師」より』。明智小五郎が魔術師の復讐を阻止しようとする探偵小説。魔術師による残虐な殺戮ショーは嘘か真か。『白日夢』にも通じる世界観。
『火星の運河』。漆黒の闇の中を彷徨ううちに突然出会った豊満な裸体の女性を殺戮する血に塗られた記憶。流れる血のりの様は火星の運河の如く。
「恐怖」
『底なし沼「影男」より』。明智小五郎が活躍する探偵小説。畑の真ん中に造られた囲い。その中に入って来た女性が何者かに造られたと思しき底なし沼にじわじわと飲み込まれていく。
『ある恐怖』。江戸川乱歩による様々な恐怖についてのエッセイ。
『暗黒世界「白髪鬼」より』。明智小五郎が活躍する探偵小説。棺桶の中に閉じ込められた男が必死の思いで棺桶の外に出るが、そこは閉ざされた空間。窒息の恐怖から餓死の恐怖が男を襲う。
『断頭台「魔術師」より』。再び『魔術師』より。巨大なお猫時計が断頭台と化し、今まさに首を切断されようとする恐怖。
『お勢登場』。江戸川乱歩は閉所恐怖症だったのだろうか。度々、棺桶や長持ちの中に閉じ込められるという恐怖が描かれる。そう言えば、『人間椅子』という作品では、自ら椅子という閉所に収まるという話が描かれていた。もっとも実際には椅子の中には入っていなかったのだが。病弱の夫を尻目に不倫に明け暮れるおせい。ある日、おせいが不倫相手の元にいそいそと出掛けた後、夫は息子と息子が連れてきた友だちとかくれんぼをするが、隠れた長持ちのかけ金が閉まり、中に閉じ込められてしまう。夫が藻掻き苦しむ中、帰宅したおせいが取った行動は。
「人形」
『人でなしの恋』。フェティシズムを描いた1編。様々な性癖が容認される今日にしても異様な男の趣味。非の打ちどころの無い美男子と見合いで結婚した女性が夫に対する疑惑を持ち始める。やがて、夫の秘密を知った時……
『人形』。人形にまつわる怖い話や不思議な話、トリックなどを交えたエッセイ。
『魔法人形(抄)』。『少年探偵団シリーズ』から。『少年探偵団シリーズ』もほぼ全巻読んでいるのだと思う。腹話術師の老人が少女を拐かし、誘拐しようとするシーンは記憶にある。腹話術の人形が自ら歩き出すという恐怖。
『悪霊物語』。江戸川乱歩、角田喜久雄、山田風太郎の3人によるリレー小説。これは初めて読んだ。怪奇小説を執筆する作家が人形作家の伴天連爺さんの屋敷を訪れ、様々な奇怪な人形を目にする。
「残虐」
『残虐への郷愁』。江戸川乱歩が古今東西の残虐性に言及したエッセイ。
『情痴の極「盲獣」より』。このこの作品の中でのも最も残虐なシーンが描写される。盲目の夫とその妻が互いに傷付け合う、まさに盲獣といったシーンだ。
『恐ろしきランニング「地獄風景」より』。年齢も様々な男女による千メートル競争は最後に血飛沫飛び散る地獄のスプラッターへと変わる。
『句』。江戸川乱歩らしい残虐性を凝縮した一句。一種のお遊びか。
「身体」
『飛行する悪魔「緑衣の鬼」より』。ほんの触りだけが収録されている。電灯を失い、暗闇の中で触れた何者かの気持ち悪い手。
『芋虫』。戦争で手足を全て失い、耳も聞こえず、話も出来なくなった状態で妻の元に帰った夫。忌まわしくもエロティックな描写と衝撃の結末。江戸川乱歩の傑作の1つ。
『ペテン師と空気男(抄)』。義眼にかつら、総入れ歯に左手は義手、両足義足の男が若い女性を恐怖のどん底に突き落とす冗句を見せるという場面。全体的にはどんな話だったか忘れた。
『芋虫ゴロゴロ「盲獣」より』。再び『盲獣』より。先に掲載された『情痴の極』の続き。随分とまどろっこしいことをするものだ。一挙掲載してしまえば良いのに。
『水族館の人魚「蜘蛛男」より』。水族館の水槽の中に展示された美しい女性の死体。
『闇に蠢く(抄)』。友人の胃痛を治すための御馳走とは。
「錯視」
『レンズ嗜好症』。レンズの不思議に魅せられた江戸川乱歩のエッセイ。
『映画の恐怖』。映画の不可思議と恐怖について書いた江戸川乱歩のエッセイ。
『恐ろしき前兆「暗黒星」より』。『映画の恐怖』に書かれたことが小説の中にも描かれる。
『鏡地獄』。鏡の不可思議、鏡を使ったトリックに魅せられた男が造り上げた鏡の仕掛け。
『目羅博士の不思議な犯罪』。江戸川乱歩の幻想小説。
『パノラマ島綺譚(抄)』。錯視を使って造り上げられた奇妙な島に広がるおぞましい光景。
「浅草」
『死人の腕「一寸法師」より』。一寸法師という畸形を登場させ、浅草の夜の怪しい風景を演出する。
『浅草趣味』。江戸川乱歩がつづる当時の浅草の風景。
『木馬は廻る』。浅草の木馬館で働く初老のラッパ吹きに訪れたささやかな幸福。
本体価格1,300円
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Posted by ブクログ
ネタバレ表題作『芋虫』はあまりにも凄惨を極めた内容で衝撃を受けました。評点は『芋虫』だけの評価。
外界からの(性的)刺激を受信する感覚器官の欠損という点で『人間椅子』に通ずる異常性愛の形であると読み取ることもできます。
『人でなしの恋』は性愛の異常さでいえば、『芋虫』には遠く及びません(我基準)が、両作ともに残された妻は生涯罪の意識に苛まれることでしょう。
探偵小説的趣向が強いのは『夢遊病者の死』とせいぜい『双生児』くらいで他はほぼ怪奇小説。
『芋虫』と『人でなしの恋』以外は正直微妙で、『踊る一寸法師』は結構よかったかな。元ネタのエドガー・アラン・ポー『ちんば蛙』も読まねばならん。
あと巻末の三津田先生の解説が良い。未収録の『陰獣』で解説を〆るほどお気に入りなのが面白い。