江戸川乱歩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
有名な『黒蜥蜴』を読みたくて、手に取りました。
面白い!黒蜥蜴!
この『江戸川乱歩全集9』は、乱歩先生の自作解説も読めるのが、いい!!
自作解説は、各話に続けて掲載されています!さすが、全集!!
666ページからの解説は、新保博久。これを読んだら、三島由紀夫作の『黒蜥蜴』戯曲版も読みたくなってきた!演劇も観たい!!
ケレン味がある、とは『黒蜥蜴』のためのことばだ!
678ページからは、評論家・唐沢俊一の解説 私と乱歩『もっとも恐ろしいトリック』解説も面白い!
解題(p614~)、註釈(p647~)も必見!
出版社ごとに違う表現を、全集にする際にどう扱ったのか、歴史を感じます!
註 -
Posted by ブクログ
ネタバレ推理小説のなかでも「読者への挑戦」に特化した犯人当てアンソロジー。今後シリーズ化されるようなので楽しみが増えた。
【◯看破 △引き分け ×お手上げ】
×高木彬光「妖婦の宿」
名作とは聞いていたが自分にはピンとこなかった
気づかない伏線があったのかな
〇坂口安吾「投手(ピッチャー)殺人事件」
イージー
△土屋隆夫「民主主義殺人事件」
冒頭の横読みは気づいたが犯人を間違えた
×江戸川乱歩「文学クイズ「探偵小説」」
穴埋め問題。昔に流行ったらしいが目新しさがあった
〇飛鳥高「車中の人」
イージー
×佐野洋「土曜日に死んだ女」
部屋に、足が引っかかるほどのガス管が?
×菊村到「追悼パー -
Posted by ブクログ
江戸川乱歩の理知性と怪奇性を堪能できる短編集。全ての作品において理論とサイコパスの要素が見事に両立しており、その世界観は非現実と現実の境界のギリギリを描き出している。
超常現象ではなく、人間の内に湧く無限の想像や異常さを源泉として、理知的プロットに丁寧に納めている。
知的好奇心を高めた先にある異常性と推理探偵的性格という2つの側面を全く違和感なく両立させており、この空気感こそが江戸川乱歩作品であろう。
恐ろしさや気味悪さの奥にある、味わい深さや奥ゆかしさはクセにならずにはいられない。ファンが多いことにも頷ける。
小学生時代の怪人二十面相以来久しぶりに江戸川乱歩作品をきちんと読んだが、本 -
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Posted by ブクログ
「押絵と旅する男」を読むためだけに購入。それしか読んでいない。
とにかく面白かった。蜃気楼の描写から双眼鏡、覗きからくりと「レンズ」で貫かれたイメージの連鎖がきれい。乱歩は、他に「二銭銅貨」と「怪人二十面相」のシリーズをいくつかしか読んだことがないけど、登場人物が一人で語っているだけのところが面白いのが面白い。
この話が私の夢か私の一時的狂気の幻でなかったなら、あの押絵と旅をしていた男こそ狂人であったに違いない。だが、夢が時として、どこかこの世界と喰いちがった別の世界をチラリとのぞかせてくれるように、また、狂人が、われわれのまったく感じえぬものごとを見たり聞いたりすると同じに、これは私が、不 -
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ネタバレ語りと仕掛けが巧みな良質サイコホラーだった。江戸川乱歩ってほんとすごい。
「赤い部屋」で夜な夜な催されている、怪しげな会員制倶楽部。新入会員のT氏は、そこで自分が犯してきた罪を飄々と告白していく。
〈この場合可哀想な老人を殺したものは果して何人でしょうか。〉
いわゆる、未必の故意。(大好きなテーマ!)
まるで悪戯でも仕掛ける子供のようにつぎつぎと繰り返された、死神のようなサイコパス男による99の所業。そして100番目の殺人。すべて作り話ですよ、と種明かしはされたけれど、誰がそれを信じられるだろう?
一体どこまでが本当で、どこからが嘘なのか。
〈「赤い部屋」の中には、どこの隅を探して見ても