あらすじ
とある貸事務所の十三号室を借り受けた奇妙な紳士。彼は、さっそく新聞に女事務員募集の記事を出し、応募者の中からひとりの美女を選び出すと自宅に連れ帰り、刃物類が転がる不気味な風呂場へと案内するのだった……。かくして、東京中を震撼させる恐るべき事件が続発する。この残虐な殺人鬼に対するは民間の犯罪学者畔柳友助。雑誌連載時に大好評を博した、手に汗握る長編推理!
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最初に読んだのが小学生の頃で、最近も山口譲司のコミカライズを読んでいたので、物語の核となる大どんでん返しのことは知っていたけど、その分乱歩が読者に情報を与えつつ、最大限大どんでん返しを悟られないよう苦心するさまが見て取れてこれはこれで面白かった。さすがに今となっては読者に語りかける古色蒼然とした探偵物の文体はきついものがあるけど。
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既に一度読んでいるにも関わらず、つい話しに入り込んでしまいました。ストーリーは色々と突っ込みどころがありますが、やはり江戸川 乱歩の世界を味わうには申し分ないでしょう。おかげで、DVDボックスが欲しくなってしまいました;
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明智小五郎シリーズ
稲垣と名乗る人物に拉致された里見芳枝。姉である絹枝の依頼で捜査に当たる素人探偵・畔柳博士。畔柳博士によって発見された芳枝の遺体。石膏像に入れられた遺体。次なる標的になった富士洋子の警護。一度は誘拐されるが畔柳博士の助手・野崎により救出。「蜘蛛男」の協力者・平田青年。海外からの明智小五郎の帰国。暴かれた「蜘蛛男」の正体。再び狙われる洋子。「蜘蛛男」と洋子の心中。49人の美女の死を企画する「蜘蛛男」。
2010年12月10日再読
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江戸川乱歩の長編もの
読んでいるだけでゾクっとするような猟奇的犯罪から始まり、猟奇的な中にも一貫性のあり、高い知性を持つ犯人に翻弄されていく様が面白い。
後半、明智小五郎が登場すると一気にヒーローもののようになり、若干物語の流れも荒くなったような気がしてそこが少し残念さもあるが、総じて面白い作品だった。
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子どもの頃夢中で読んだ江戸川乱歩の世界がありました。
時代背景もあるせいかトリックが古臭い感じもあったけど名探偵明智小五郎ここにありって感じの冒険活劇で楽しく読めました。
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松本清張が乱歩に失望した昭和の大衆ミステリー。
快楽殺人鬼蜘蛛男と探偵の対決よりも蜘蛛男に気に入られた平田という悪漢青年の生きざまが現代的。というより人の本質なのでしょう。
当時のイラストを使用していて作品の不気味さが助長されています。
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乱歩が今の世を生きてたら
きっと
自分の小説が 現実に なりえる世の中になったもんだと
びっくり してしまうのではないか 、
という 感じで
今の 世でありえそうな
犯罪 、、、
読みなから、 ハラハラし
電車の中で読んだ
帰りの夜道は
もう そりゃあ さらにハラハラ してしまって …(笑)
乱歩は違う時代の人間だけども、
むごい 犯罪が多発する
世がくると 予想していたのだろうか 、
と
考えました
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我らが名探偵明智小五郎が今回も難事件に挑み・・・ます。雑誌連載時のアオリが時々入っていて妙に楽しい気分にさせてくれます。「いよいよ出でていよいよ奇怪!驚くべき事件続発して次号は堪らぬ程面白くなる」ほんと、堪らぬ程面白いですよ☆
Posted by ブクログ
犯人やトリックは見え見えで前半で真相のほとんどが看破できてしまう。犯人の行動には必然性を感じないし、プロットの瑕疵にも突っ込みたくなる………のにどうしてこんなに夢中になって読んでしまうのか分からない。乱歩の卓越したストーリーテリングの力というものを見せつけられた。戦前にこんな特大のエンターテイメントがあれば少年たちが夢中になるのも当然だよねぇ。
Posted by ブクログ
1930(昭和5)年作。江戸川乱歩の初の「通俗もの」とされる長編だが、乱歩の通俗でない作品とはどういうものかピンとこない。大衆向けの雑誌に連載され、大ヒットしたようだ。
なるほど、これは確かに面白いと思った。犯人の歪んだ性欲がなかなか凄く、こんなの当時よく発表できたなあと感じる。
もっとも乱歩の場合はその異常性癖の要素も、結局は理知的に筋道を付けられるので、そんなにドロドロとはしてこない。そこが横溝正史と違う。横溝の世界はもっと汚れていて、場末の情趣にまみれる。乱歩の明快(すぎる)論理主義はそういえば芥川龍之介の知性と同じサイドにあって、戦前はこのようにむき出しの明快さが可能であったのだろう。
これはなかなかの傑作、と思って読んでいたのだが、後半、明智小五郎が登場してくると一気に馬鹿馬鹿しくなる。明智小五郎は奥行きのない単純すぎる「ヒーロー」なので、出てくるやいなや物語は一挙にペラペラの紙芝居のような活劇ものになってしまうのだ。後半は従って『怪人二十面相』のような少年向け読み物に突如レベルダウンしてしまう印象だった。これが無ければ、異常な性の描出によってなかなかの作品だと思ったのだが。
Posted by ブクログ
セカンドハンドで買ったので春陽堂じゃないけど、
まあ内容的にわざわざ春陽堂版を買い直す気にはならない。
江戸川乱歩は好きなんだけど、
短編の秀逸さとエログロの意味不明さの差が、
私には、
ありすぎるように思う。
そんな中この蜘蛛男が3なのは、
当時連載されていた雑誌のコメントが
各話にそのまま掲載されていた点が
物語に興を添えていたので。
作品とは関係ないけど。
初めの方はまだわかるんだけど、
最後は蜘蛛男は一体何をしたいんだかさっぱりわからなかった。
明智小五郎は頑張っていたけどね。
江戸川乱歩って抑圧されていたのかなあ。
同性愛傾向もある説もあるけど。