江戸川乱歩のレビュー一覧
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江戸川乱歩の妖しい世界を
江戸川乱歩の妖しい世界をどこまで「絵」で表現できるかがコミカライズの評価を決めてしまうが、この作品はまずまず成功しているといえると思う。単に絵の美麗さ という点では、他にいくらでも例はあるがあえて題材に妖しい江戸川乱歩を選んだという点を評価したいと思う。
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Posted by ブクログ
(ネタばれになりはしないと思うが、本文の一部を含んでいる。)
短編小説でありとても読みやすい量と内容。おそらく誰もが推理しやすいじゃんと思うかもしれないがそのラストは思いもしない方向へ行くだろう。また明智小五郎初登場の作品でもあり、くせ者っぷりは初めからであったようだ。アッと驚くような終わり方ではないものの、衝撃的であった。理解できなかったり、推理が的外れであったりと振り回される感覚が新しかった。
「人間の観察や人間の記憶なんて、実にたよりないものですよ。この例にある様な学者達でさえ、服の色の見分がつかなかったのです。私が、あの晩の学生達は着物の色を見違えたと考えるのが無理でしょうか。彼等は何者かを見たかも知れません。併しその者は棒縞の着物なんか着ていなかった筈です。(本文より)」
理解しがたいが事件解決に必要なキーである。心理的な事柄が好きな方にはぜひ見てもらいたいと思う作品である。 -
Posted by ブクログ
「堕落させたくないもの程、益(ますます)堕落させたいのです。」
美しい顔をした悪魔はこう言って、涙を流した。
美しいものはそのままにして愛でたい、という思いはあるのに、それを汚してしまいたいと思う己の醜さに悪魔は涙した。悪魔は、人を堕落させるのが仕事なのだろうから、そう思い悩んでしまう辺りが悪魔に似つかわしくなく、哀れんであげたい気持ちになった。
大切にしたいけど、悲しませたい。
清くいてほしいと思うけれど、真っ黒にしたい。
この欲望はどこから来るのだろう。
占有したい感覚、所有して支配したい気持ちは、どうして生まれてくるのだろう。
どうして、美しいものほど、汚したくなるのだろう。
多分、それは、自分を汚れたものだと心のどこかで思っているから。美しいものを妬ましく思っているから。
プライドが高くて自己肯定感低めの私と、この悪魔はシンクロするところがある。
自分より優れているものは、そのまま清く気高くいてもらいたい。だけれど、引きずり下ろして、結局自分と同じ場所の人だったと思って安心感を得たい思いも持ち合わせている。
そして、自分が引きずり下ろしたという、自分の影響力に優越感を感じたくもある。
毒された相手が回復しようものなら、嬉しい反面、より多くの苦しみを与えて堕落させたいと思ったりもする。
自分に満足していれば、そんな酷いことはしない。
でも、誰かに愛されたくて、かまってほしくて、仕方なくそうしてしまうこともあるのも、分かる気がする。
勿論讃えることはできないけれど、こういう矛盾や葛藤が人間らしさなのだと思う。だから真っ向から否定はしたくない。
悪魔も人間も、自分は醜いと思って涙できるのなら、醜くなんかなく、寧ろ美しい部類に入れるという考え方もありそうだ。
湧き上がる気持ちを無理に矯正しようとするのではなくて、自分を含めた悩める人に対し、手を差しのべて、理解しようとする人になりたいなと思った。