江戸川乱歩のレビュー一覧
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江戸川乱歩、他『栞子さんの本棚2 ビブリア古書堂セレクトブック』角川文庫。
三上延の『ビブリア古書堂の事件手帖』に登場した古今東西の名作集、第2弾。残念ながら今回も抜粋作品が多い。
江戸川乱歩の『孤島の鬼』『黄金仮面』『江川蘭子』は抜粋。全文掲載は『押絵と旅する男』と『二銭銅貨』の2編。中でも『二銭銅貨』は傑作中の傑作。この時代にこれだけのレベルの暗号ミステリが創られたとは信じられない。何度読んでも面白い。
小林信彦の『冬の神話』、シェイクスピアの『ヴェニスの商人』『ハムレット』も当然の如く抜粋。
小沼丹の『黒いハンカチ』は江戸川乱歩と同じような系統の小気味良いミステリー。時代を感じつ -
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ネタバレ初めて読みましたがこれまでの江戸川乱歩とは少し違う世界観に酔いしれました。
「パノラマ島綺譚」は正に理想郷を舞台に一攫千金と楽園の為に犯罪を起こす男の話ですが、
トリックと言えば終盤の死体の隠し場所の謎解きくらいで
(それも目星を付けれるくらいの謎解き)ほぼ犯人目線で物語が進んでいくので、
逆に「一体この物語の終着点はどこだろう?」と乱歩の掌で転がされている感覚が強かったです。
乱歩本人が解説にもあるようにこのような夢想物語を描くことを恥ずかしいと思っていたようですが、
島に上陸してからの描写は耽美的で浮世離れしていて、
到底理解できぬ程の狂気なのに恐ろしく美しいと思ってしまう。
まるで宗教画 -
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ネタバレ人には言えないが、心の片隅に眠っている
人間の倒錯した欲望が一種幻想的ないろどりを加え
作品に単なる事件、トリック、探偵ではない
ねっとりとした空気を纏わせているのだろう。
全て明らかになったかと感じた直後に真相が明らかになる
収録作2、3、4、真相が明らかになっていない可能性の
余韻が漂う収録作1、5、推理小説ではない収録作6
に随筆3本。
やはり収録作5『人間椅子』
気味の悪い恐怖のどん底に陥った直後、
できすぎたタイミングで真相が明らかになった、
かと思うのだが、、、では、なぜそんなにも気味の悪い
手紙を書けたのだろうか。いやいや、まさか、もしかして。 -
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なかなか完成度の高い中編集だと思いました…!
ヽ(・ω・)/ズコー
個人的にはやはり表題作である「陰獣」の方に軍配が上がるでしょうか…。「蟲」も悪くはないんですけれども、解説にもある通り、乱歩自身の人格分裂みたいな…人間は一個体だけれども、その中に複数の性格を所有している…そのせいでの悩み…みたいなものが「陰獣」には描かれているようで、そこに僕は関心を寄せましたねぇ…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
「蟲」も蟲でまた何とも気持ちの悪いお話ではありますけれども…読者にそういった想像を起こさせる乱歩の筆力にはまさに脱帽であります…!
さようなら…。
ヽ(・ω・)/ズコー -
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有名な『黒蜥蜴』はやはり黒蜥蜴の妖艶さとかわいらしさが魅力の話だと思う。
展開としては乱歩の長編お決まりの展開なので驚くことは特に無いけど、黒蜥蜴のキャラが良い。
終わり方も切なくて耽美で好き。
『人間豹』はあまり期待しないで読み始めたけど、黒蜥蜴よりテンポとハラハラ感があって一気に読めた。
ツッコミどころは相変わらず多いけど惹きつける文章力がすごい。
ラストのあたりはちょっと無理やり終わらせた感というか駆け足感が強いかなあ…。
『石榴』が話としてはいちばんしっかりしてるかなという印象。
推理物をちゃんと書こうとした感じが伝わってくる。
けど、すでによんだ『二癈人』などに展開などが似てるの -
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乱歩の短編は3編だけ収録。本書のメインは随筆や評論の数々で、タイトルにもある「怪談入門」が素晴らしい。
乱歩が分類好きなのは貼雑年譜などからも周知の事ですが、ここでも怪談を乱歩なりに分類し、そしてまぁ、土蔵にあれだけの本を集めていた人だけあって、国内外に問わず様々な怪談を読んでおり、それを紹介していく手際のすばらしさ。(インターネット時代の今ならともかく、あの時代にラヴクラフトとかダンセイニとか読んでたのか……!と驚きましたよ)
そして知ってたけど、乱歩、朔太郎の「猫町」大好きだよね……。あちこちの随筆で推しててホッコリしたよ。
その他、乱歩が翻訳したポーの「赤き死の仮面」収録。
個人的に嬉 -
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明智の登場によって、他の作品よりもアクション要素が強い。
嫌いなわけではないが、黒蜥蜴による犯行が御都合主義で
そういった意味では横溝正史のほうが面白い。
乱歩の良いところは、とにかく、妖艶さだと感じた。
今の世の中では考えられない、排水臭くて、如何わしい、狂乱の時代。
その中で燦然と輝く、背徳の美。
なので、黒蜥蜴の危うい美しさだけが際立って良い。
エンタテインメントとしては、あまり評価できない。
無理矢理書かされたんじゃないかというくらい。
なので、明智の出る作品は今後、あまり読まないほうがいいなと思った。
探偵物が好きな人にも、これはオススメできないな、と思った。他の短編の方が良い