江戸川乱歩のレビュー一覧

  • 屋根裏の散歩者~江戸川乱歩全集第1巻~

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    二銭銅貨
    一枚の切符
    恐ろしき錯誤
    二廢人
    双生児
    D坂の殺人事件
    心理試験
    黒手組
    赤い部屋
    日記帳
    算盤が恋を語る話
    幽霊
    盗難
    白昼夢
    指輪
    夢遊病者の死
    百面相役者
    屋根裏の散歩者
    一人二役
    疑惑
    人間椅子
    接吻


    江戸川乱歩の初期の短編集。面白かったのは『心理試験』と、『二廢人』だろうか。

    『心理試験』は、大学生で頭のいい犯人が金目当てに老婆を殺し、いかにバレないか知恵を絞る、という話。その過程で心理試験にかけられることになり、彼は完璧に練習して心理試験に臨んだのだが、その完璧さがかえって仇になってしまった、という話。この大学生(蕗屋)は、「下手に隠し立てしない」主義だが、結局そ

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    2017年01月16日
  • 明智小五郎事件簿8

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    江戸川乱歩『人間豹 明智小五郎事件簿Ⅷ』集英社文庫。名探偵・明智小五郎の活躍を事件発生順に並べた興味深いコレクションの第8巻。

    再読し、大昔、ポプラ社の『少年探偵団シリーズ』で、このタイトルを目にした時、一体どんな怪人が登場するのか非常にワクワクしたことを思い出した。探偵推理小説らしからぬSFチックな、オカルト風なタイトルに好奇心を大いに刺激されたのだ。後に同シリーズに『電人M』が登場するまで、この『人間豹』が一番興味深いタイトルであった。

    神谷芳雄の恋人の弘子が恩田という不気味な男に捕らわれ、惨殺される。その後に神谷の恋人となった江川蘭子にも恩田の魔の手が…神谷を助けるべく明智小五郎は…

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    2017年01月09日
  • 怪人二十面相―私立探偵 明智小五郎―(新潮文庫nex)

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    その名前はよく聞きますが実際に読んだことはなく、自分の中で謎に包まれていた『二十面相』ですが、ようやく巡り会えたという気持ちです。世間一般にイメージされる怪盗の原型と思うと、何だか感慨深いものです。

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    2016年12月21日
  • 孤島の鬼~江戸川乱歩全集第4巻~

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    なるほどこれは面白い。恋人を殺された(密室殺人!)美貌の青年である主人公に恋情を抱く友人の医師(こちらも美青年…)、土蔵に監禁されている美少女の手記、孤島に潜入しての洞くつの大冒険、とまぁ美味しいモノが次々とでてくる。

    『猟奇の果』も私の好み。自分の親友にそっくりの人間が表れて、最初は些細な悪戯程度だったのだが、徐々に事件が大がかりになっていき……自分の目の前にいるのは本当の友人なのか、そっくりさんの方なのか、という心理サスペンスの色ももちつつ、(後半、話が破綻しそうになってきたので)明智も登場してエイヤッと纏めるいつものパターンですが(笑)。

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    2016年12月20日
  • 明智小五郎事件簿7

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    シリーズも7巻目で、江戸川乱歩の娯楽性の高い語り口にもかなり慣れてきた。

    トリックを見破ることは困難ながらも、犯人が誰であるのか、張られた伏線(読者に投げかけられたトリック)がどのように回収されるのかを考えながら読む楽しみが、これまでの作品の中で一番あった。

    明智小五郎年代記、解説もいつもながら面白い。特に解説は、このシリーズに珍しく?ちゃんと作品の解説をしていた。

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    2016年11月26日
  • 江戸川乱歩・少年探偵シリーズ(9) 怪奇四十面相(ポプラ文庫クラシック)

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    このシリーズの1,2巻はあったけど、3巻は無かったのであった中でいちばん2に近いのがこれだった。
    飛ばしてるから、よくわかんない所もあった。

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    2016年11月12日
  • 黒蜥蜴 江戸川乱歩ベストセレクション(5)

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    全ては明智小五郎の手のひらの上で転がされてるんだろうなぁ~とお約束の展開なんですけど、わかっててもかっこいい!待ってました!となってしまう。
    黒蜥蜴は、妖艶だったり、少女のようにいじらしかったりと、その都度コロコロと姿を変えるところが魅力的でした。ラストシーンは切なかった。

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    2018年06月16日
  • 明智小五郎事件簿4

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    明智小五郎の活躍を事件発生順に並べた画期的なコレクションの第4巻。

    明智小五郎が活躍する作品は殆ど読んでいると思っていたのだが、この作品は未読だった。『文藝倶楽部』という文芸雑誌に連載された作品だけあって、大衆小説といった色合いが強い。しかし、違和感を感じる構成には少し驚いた。じっくりと大いなる謎を描く前半と明智小五郎が登場し、二転三転の怒濤の展開が待つ後半とでは全くリズムが違うのだ。全く違う小説を繋ぎ合わせたと言ってもよいくらいだ。また、この後に描かれる怪人二十面相を思わせるシーンがあったりと、この作品を描くにあたり紆余曲折があったのではと推察する。

    今回も巻末にはお馴染みの平山雄一の『

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    2016年08月24日
  • 明智小五郎事件簿2

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    「一寸法師」と「何者」の二編収録

    「一寸法師」は、推理小説もいうよりもホラー映画を見ているような猟奇的な雰囲気で物語が進む。また、障害者の表現や作中での扱いが現代では考えられないほど差別的で、大正当時の空気感、風俗が感じられる。

    「何者」は、「一寸法師」と違い、謎解きの要素が強く推理小説らしい雰囲気。読み返すと、実はいろいろ伏線が張られていたこと(逆に、最初に読んだときは伏線だと思ったら、全然後で出てこない描写であったこと)に気づく、作り込まれている作品。

    本編も面白いが、巻末の「明智小五郎年代記」「解説」がかなり面白い。作品の時代背景、作品当時の交通網や徴兵制度、徴兵制度などに対する一

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    2016年08月13日
  • 算盤が恋を語る話

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    長編作品は柔らかな文体でスピード感を持って読ませるの対して、この本の初期の短編作品は硬質な文体で、より静的な、純度の高い印象を受ける。それでいて底をながれるものは同じ。興味深い。

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    2016年07月29日
  • 明智小五郎事件簿2

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    こうやって”時系列”とされている順に読んでみると、確かに時代が変わっていっているのがわかる。『一寸法師』の浅草や百貨店の描写や『何者』の兵役関係の背景など、今まであまり気に留めたこともなかった、事件の背景となっている状況や風俗などの時代の匂いが感じられるのが面白い。

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    2016年07月28日
  • 緑衣の鬼

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    小学生の時と社会人になって数年後くらいに読んだことがあったのだが、今回もきれいさっぱり忘れていてとても楽しめた。ご都合的なところもあるけれど、きちんと張ってある伏線、効果的な場所の移動が印象に残った。幕切れもあざやか。

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    2016年07月28日
  • 影男

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    自身の他作品の二番煎じ、と乱歩自身があとがきで言い訳していますが、ただの焼き増しの世界ではなく、より禍々しくより肉々しい感じがすさまじかった。特に地下世界の女体女体の盛り合わせ、むせそうです。
    色々な顔を使い分けて、善人と悪人を行ったり来たりの影男、最後は一体どうなるのかな??と思ったけど、あっさり他の悪党と共に一網打尽にされていてちょっとあっけなかったかな。

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    2016年07月26日
  • 江戸川乱歩・少年探偵シリーズ(1) 怪人二十面相(ポプラ文庫クラシック)

    購入済み

    懐かし〜!

    小学生の頃に図書館でドキドキしながら読みふけった少年探偵団シリーズ。久しぶりに手に取ってみるとウン子供っぽい(笑)、トリックもやや都合いいなぁと。なのに止められない面白さがあって。昨今の江戸川乱歩ブーム再来(?)を機に色々読み返しています。

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    2016年07月16日
  • 湖畔亭事件

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    このシリーズに共通することだが、挿絵が味わい深くてよい。時代の雰囲気がよくわかる。
    連載されているときの読者の気持ちが味わえる。もともと雑誌や新聞連載だったものは、ここで次回に続く、なんだなとか、ここから前回を受けて始まっているんだな、とわかるとテンションのかかり方が違う。一息いれるタイミングにもなります。

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    2016年07月15日
  • 明智小五郎事件簿1

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    グールドのシャーロック・ホームズ全集のように明智小五郎の登場する物語を時系列に並べた、という趣向。少しずつ背景となる時代が変わっていくようなところが興味深い。
    帯に刊行予定が載っているのだが、『影男』がないみたいなのは何故?!

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    2016年07月01日
  • 何者

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    このシリーズは、雑誌連載時の挿絵が復刻してあり、昔の雰囲気で味わい深く読めるのがとてもよい。
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    『何者』
    冒頭の文はどういう意図のものなのだろう。なぜ素直に「わたしは」で始まってはいけないのだろう。
    『暗黒星』
    子供のころ読んで、なんとなく内容は覚えていたものの、犯人は忘れていた。なんか女の人だったような気がしていたので、その記憶違いにも助けられて面白く読めた。

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    2016年06月29日
  • 江戸川乱歩作品集 一

    購入済み

    江戸川さんブーム再来?

    何となく最近目につく江戸川氏作品の数々。何度目かの旬ですかね?幼少期それはそれは少年探偵団に魅了され小学校低学年にやや小難しい記述や言い回しだったように記憶しますが図書館で借りまくってましたね。と懐かしさと未読作品への興味とを含め購入し始めましたが、これですよ〜これ!この薄気味悪いような独特な世界観と派手な演出がないのに摩訶不思議なストーリーで背後からジワジワと何か冷たいものが浸食してくるような逼迫感がハマる要因かと。明智さんシリーズ再読破もですが「孤独の鬼」「淫獣」「地獄の道化師(なんちゅータイトルだよ。笑)」とかも読みたいなぁ、と、しばらくはガッツリ散財予定!(笑)。

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    2016年06月23日
  • 屋根裏の散歩者~江戸川乱歩全集第1巻~

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    メモ…一枚の切符、恐ろしき錯誤、双生児、心理試験、黒手組、赤い部屋、日記帳、算盤が恋を語る話、幽霊、盗難、白昼夢、指環、夢遊病者の死、百面相役者、一人二役、疑惑、接吻

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    2016年05月24日
  • D坂の殺人事件

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    「石榴」が良かった。硫酸殺人事件を捜査した刑事が、逗留先の温泉宿で知り合った紳士に事件の内容を説明すると…と先の展開は読めちゃいますが、あの時代にコレを書いたと思うとワクワクしますね。「二廢人」、「虫」辺りも乱歩らしく心理描写が好み。

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    2016年04月25日