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Posted by ブクログ
引越しの果てに捨ててしまった江戸川乱歩全集。その中で最初に出会い、衝撃を受けた本。およそ小学生が読む本ではなかった。しばらくの間、死肉を自分の指で触った感触がぬぐえないで怖かったのを覚えている。
おどろおどろしていたのは江戸川乱歩共通か。押し絵と旅する男、などは好きだった。おませな小・中学生だった。
当時の表紙は現在のように淡々としておらず、たいへん、奇妙でありながら、どうしても手に取りたくなる不思議な魔力があった。数十年後、古書店で1冊探し当てた。思いのほか高くなかったのは文庫だったせいと思う。春陽文庫、高塚省吾氏装丁である。タイトルは「屋根裏の散歩者」
この書庫の表紙画がいつが自分の本であらわせたら…(特に愛蔵本は)いいのだが、と思う。
Posted by ブクログ
「闇に蠢く」
「空気男」
「パノラマ島奇譚」
「一寸法師」
まず「闇に蠢く」について。これは恐ろしく不気味な話だ。「え、そんな展開!?」と、序盤と終盤の差が激しい。野崎三郎という画家と、その友人が怪しい男を追って洞窟に閉じ込められるところから、すさまじい方向に話が進む。飢えの描写。乱歩は飢えがどういう状態なのかを具体的に知っているかのよう。胃がねじ切れんばかりに痛くなるというのは本当だろうか。飢えのあまり、人間の腐乱した死体に食らいつく場面があるが、食中毒にならないのだろうか。
「空気男」は感想なし。
「パノラマ島奇譚」は自分にそっくりな金持ちの男(双子のように似ている)になりすまし、そのお金を使って「理想の世界」を実現させようとした、人見という男が主人公。瓜二つとはいえ、そんな程度で周囲を欺けるとは思わないが、それをいうとおしまい。映画の『FACE OFF』などもそうだが。人見は、死んだそっくりさん(菰田)が実は生きていてお墓から出てくる、というのを偽装するのだが、菰田が墓の下に埋められてから10日ほど。それで生き返ったなんてよく通用したものだ。
「闇に蠢く」でも墓場のシーンがあったが、このころは土葬がメインだったのか?
「一寸法師」は全集②では唯一の明智小五郎もの。不気味は一寸法師が東京の街で悪事を働く。小林という人物が進行役。彼なりに推理をし、次々と容疑者が浮かんでは消え、また浮かんで・・・という感じでうまく部隊を回す。
しべての満足者(五体満足)のものを呪うという一寸法師が少し可哀そうな気がした。
Posted by ブクログ
闇に蠢く:前半と後半の別の話をなんとかひとつにくっつけた話に。これは乱歩自身の解説でも事情を書いている。後半はある事件を思い出したが、乱歩も似たような小説からインスピレーションが働いたとのこと。恐ろしい話。
湖畔亭事件:全体の話が決まってないうちに書き始めてなんとか辻褄を合わせて書いたらしい。そういうことができるものなのね。少し無理がある話だとは思うけど、辻褄はなんとか合わせられ、なかなか面白かった。
空気男:連載していた雑誌が廃刊になり、途中で終わっている。結末まであればどういう話になってたんだろう。前半のみなので、中途半端すぎる。
パノラマ島綺譚:無理があるような話ではある。現代では通用しない。最初は面白いので引き込まれるけど、パノラマ景色は想像すると気持ち悪い感じにしか思い浮かばない。尻窄み感あり。
一寸法師:典型的なミステリーなので、読みやすく引き込まれやすかった。どんでん返しの繰り返し。
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