江戸川乱歩のレビュー一覧
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闇に蠢く:前半と後半の別の話をなんとかひとつにくっつけた話に。これは乱歩自身の解説でも事情を書いている。後半はある事件を思い出したが、乱歩も似たような小説からインスピレーションが働いたとのこと。恐ろしい話。
湖畔亭事件:全体の話が決まってないうちに書き始めてなんとか辻褄を合わせて書いたらしい。そういうことができるものなのね。少し無理がある話だとは思うけど、辻褄はなんとか合わせられ、なかなか面白かった。
空気男:連載していた雑誌が廃刊になり、途中で終わっている。結末まであればどういう話になってたんだろう。前半のみなので、中途半端すぎる。
パノラマ島綺譚:無理があるような話ではある。現代では -
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『パノラマ島綺譚』に続いての江戸川乱歩×丸山末広コラボ。
前作よりも、エロ・グロ・ナンセンスが強くなっています。
時代はロシア戦争を経てのシベリア出兵の後、
戦傷で両手両足と、声を失った兵士とその妻が主人公。
貞淑な妻の中に潜む嗜虐的な性癖、、
不具となった夫のやるせなさと、抑えきれない欲望、
それぞれが徐々に“壊れながら”つまびらかにしていく、
そんな人の“欲望”の描きようが、なんとも衝撃的です。
原作自体が、いろいろと衝撃的な内容ですが、
なんとも上手く表現されているなぁ、、と。
原作を初めて読んだ時にゾッと感じたその世界観、
それがそのまま伝わってきたと感じています。
冒頭の -
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評論なんて、くそくらえ!
まぁ、「くそくらえ!」まで言っちゃうと、ちょっと言い過ぎかもしれないですが。
でも、本の感想を書く理由って、自分の楽しさを伝えて、その本を誰かに読んでほしいと思うからじゃないですか?
そういう意味では、乱歩のこの本って、評論としては甘いかもしれないけど、その役割は、達していると思います。
乱歩、メチャクチャ楽しそうです。
まあ、この人らしく、膨大な資料を集めてやっているので、ついつい、「評論」とか、「論文」を期待したくなるのかもしれませんが、この本の目的って、結局、世に推理小説を流行らせたいとか、紹介したい……いや、オレは、こんなにおもしろい推理小説をこんなに -
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ネタバレ江戸川乱歩全短編盗団の隠した5万円の行方。「私」が手に入れた2銭銅貨に興味を持った松村武。2銭銅貨に隠された暗号。発見された盗賊団の5万円。松村のいたずら。
『心理試験』
明智小五郎シリーズ
大家の老婆の隠し持つ金を狙った藍屋。大家を殺害し大家の財布の金を半分盗み財布を拾ったと届け出た。翌日、大家殺害犯として逮捕された親友・斎藤。事件に疑問を持った判事・笠森の心理試験。心理試験の結果から犯人を推理する明智小五郎。
『恐ろしき錯誤』
対立する北川氏と野本氏。北川氏の妻・妙子の焼死事件。彼女が助かったにもかかわらず再び火の中に駆け込んでしまった秘密。彼女の耳元に囁いた謎の男の言葉の罠。妙子 -
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初期短編集。
例によって乱歩の自註自解が自虐的で、いじらしいというか何というか。
表題作はソロバン目線で進行する話――というワケではなくて(笑)
ソロバンを使って
簡単な暗号でメッセージを伝えようとする内気な男の物語。
「日記帳」も暗号ネタで、こちらも悠長で不器用な青年の報われぬ恋。
大正時代のインテリ諸氏って、概ねこんな感じだったのかしらん。
それとも乱歩が特異なタイプだったのか……。
何にせよ、現代に比べれば
恋愛話などオープンに出来ない時世だったのだろうけど、
意外に今時の若者も、玉砕して恥を掻きたくないとか、
気持ちを受け入れてもらえなかったら、その後、気まずくなってしまうとか、
悶々 -
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「湖畔亭事件」
1926(大正15)年『サンデー毎日』連載作。
これはまさしく「昭和元年のセリバテール」【*1】物語。
モテたい(に違いない)のにモテようと努めておらず女っ気のない高等遊民が、
湖畔の宿、その名も「湖畔亭」で起きた怪事件を回顧する。
決して自慢できない悪趣味のせいで、脱衣場での殺人劇を垣間見るが、
犯人は誰か、そして、被害者の遺体はどこへ消えたのか……。
ストーリーには、読みながら、およそそんなことだろうと察しはつくものの、
独特の語り口に引き込まれてニヤニヤしながら最後まで楽しんでしまった。
名越國三郎画伯の挿絵が、お耽美で素敵(笑)
「一寸法師」
「踊 -
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期間限定の中村佑介の表紙につられて買ってしまった。
あのイラストはずるい。
昔アジカンのアルバムも中村さんのジャケットのおかげで知らないのに買ってしまった過去を持つ私。
それが江戸川乱歩とくれば、買わないわけにはいかなかった。
表題作は名探偵・明智小五郎が初めて出てくる作品。
そういえば、明智さんが出てくるものとか、少年探偵団が出てくる話は読んだこと無かったw
『人間椅子』とか『鏡地獄』とかならうろ覚えながら読んだことあるのに!
あまり分厚くないのに、10篇も入ってて、そのどれもが濃くて濃くて良い。
中でも『赤い部屋』は衝撃的。ちょっとグロイけど。
どれも素敵。
また -
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「何者」
最終章の題は "Thou art the man" で、出典はサムエル記。
「他でもない、あなたがその人だ」の意で、E.A.ポオ「お前が犯人だ」の原題でもある。
陸軍少将邸で、その一人息子が盗賊に銃撃され、入院先で安楽椅子探偵となるが……。
第六章タイトル「算術の問題です」を目にして、
これはもしや――と、中井英夫『虚無への供物』を開いたら、
第二章に「算術の問題」というパートがある!
はて、ここは何の話をしている部分だったっけ?
と、久々に目を走らせたら、
奈々村久生のセリフが「またそんな〝何者〟だなんて」(講談社文庫旧版p.270)
だった -
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江戸川乱歩『芋虫』のコミカライズ
活字を読まれた方、あらすじを知っている方はわかると思いますがストーリーの決め手となる三文字の言葉、またその光景が冒頭に描かれています。これは活字でなく、絵で魅せる漫画ならではの表現で個人的にとてもよかったです(活字はさらっとした印象でしたが、漫画は冒頭からそれを持ってくることによってより印象深くなりました)
登場人物の表情が痛いほど美しく、切ないです。(特に其ノ参からラストにかけて、夫である須永中尉の表情。活字と同様、ストーリーは妻である時子がメインで描かれていますがこちらも絵で表現されているぶん活字ではわからなかった須永中尉の心情、表情がわかりやすく描か