江戸川乱歩のレビュー一覧

  • 芋虫

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    知っていたけどなんとなくスルーしていた一冊を不意に思い立って購入。
    江戸川乱歩「芋虫」漫画版。
    短いのでパッと一気に読んで、軽い吐き気に襲われた(笑)
    ストーリーは、ほぼそのまま原作どおり。
    もちろん――というかなんというか、
    小説のイメージよりも妻・時子が美しく描かれているけれど、
    それは丸尾作品だから当然と言えば当然で。
    時子の外見があくまで美しいことが「事件」の醜悪さを引き立てるわけですね。
    セリフもモノローグも控えめで、グロテスクだけど幻想的。
    一幕のグラン=ギニョル劇のような。

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    2013年11月27日
  • 何者

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    「何者」
     最終章の題は "Thou art the man" で、出典はサムエル記。
     「他でもない、あなたがその人だ」の意で、E.A.ポオ「お前が犯人だ」の原題でもある。
     陸軍少将邸で、その一人息子が盗賊に銃撃され、入院先で安楽椅子探偵となるが……。
     第六章タイトル「算術の問題です」を目にして、
     これはもしや――と、中井英夫『虚無への供物』を開いたら、
     第二章に「算術の問題」というパートがある!
     はて、ここは何の話をしている部分だったっけ?
     と、久々に目を走らせたら、
     奈々村久生のセリフが「またそんな〝何者〟だなんて」(講談社文庫旧版p.270)
     だった

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    2013年11月20日
  • 芋虫

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    江戸川乱歩『芋虫』のコミカライズ

    活字を読まれた方、あらすじを知っている方はわかると思いますがストーリーの決め手となる三文字の言葉、またその光景が冒頭に描かれています。これは活字でなく、絵で魅せる漫画ならではの表現で個人的にとてもよかったです(活字はさらっとした印象でしたが、漫画は冒頭からそれを持ってくることによってより印象深くなりました)

    登場人物の表情が痛いほど美しく、切ないです。(特に其ノ参からラストにかけて、夫である須永中尉の表情。活字と同様、ストーリーは妻である時子がメインで描かれていますがこちらも絵で表現されているぶん活字ではわからなかった須永中尉の心情、表情がわかりやすく描か

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    2013年11月13日
  • 江戸川乱歩・少年探偵シリーズ(1) 怪人二十面相(ポプラ文庫クラシック)

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    少年探偵団シリーズに初挑戦。変装の達人で恐ろしく用意周到な二十面相は、悪者だけどかっこいい。行動の一手先までは予想できても、二手先三手先までは読み切れずもどかしくなる。ただ、これはやっぱり小学生くらいの時に読みたかった。明智探偵と二十面相の頭脳戦は今でも充分楽しめるけど、小林少年達の活躍ぶりは自分が子供だったらもっと楽しめた気がする。子供向けの作品にしては難しい熟語が多いので、辞書を引きながら読んだら言葉の勉強になりそう。

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    2013年11月10日
  • 黒蜥蜴 江戸川乱歩ベストセレクション(5)

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    ネタバレ

    スピード感があって読みやすい一冊。

    明智探偵に対しての女賊黒蜥蜴のリアクションがいちいち可愛い。

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    2013年11月07日
  • 江戸川乱歩・少年探偵シリーズ(25) 空飛ぶ二十面相 (ポプラ文庫クラシック)

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    中篇と短篇から構成されてる。でも短編、二十面相は出てこなくてもこれって二十面相じゃん〜ってツッコミたくなった。でもカニ人間よりは短編の方が、読み物として面白かった。

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    2013年10月22日
  • 蜘蛛男

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    松本清張が乱歩に失望した昭和の大衆ミステリー。
    快楽殺人鬼蜘蛛男と探偵の対決よりも蜘蛛男に気に入られた平田という悪漢青年の生きざまが現代的。というより人の本質なのでしょう。
    当時のイラストを使用していて作品の不気味さが助長されています。

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    2013年10月14日
  • 人でなしの恋

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    江戸川乱歩の奇妙な世界へようこそ
    どの短編集も独創的で面白い
    卑猥、情熱、嫉妬、奇異、純粋、狂気、愛情、刺激、遊戯、疑惑
    と様々な人間の心のスパイスを織り交ぜて、本が出来上がっている

    印象深かった順に短編集を並べると
    O踊る一寸法師…サーカス?見世物小屋の異様な熱狂と恐怖感との緊張感がゾクリとする
    O人でなしの恋…愛と嫉妬とそして、狂気なほどの一途さ
    O覆面のぶどうかい…緊張とゾクゾク
    O一人二役…覆面とトリックがかぶるけど、こちらは可愛らしい
    O百面相役者…変装系だけど、面白い悪戯

    接吻、モノグラム、木馬は廻るは、愛と嫉妬だけど、軽い嫉妬だからかわいらしい。

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    2013年10月13日
  • パノラマ島綺譚 江戸川乱歩ベストセレクション(6)

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    ・パノラマ島奇譚
    独特の世界観やその美しさに惹き込まれる。
    最後の様な光景を見たら、自分はどうなってしまうんだろう。


    ・石榴
    どんでん返しが繰り返されて多少混乱した。
    タイトルが重い意味を持っていていい。

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    2014年01月05日
  • パノラマ島綺譚 江戸川乱歩ベストセレクション(6)

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    江戸川乱歩の作品は、結構好きで以前にも「人間椅子」や「芋虫」などの有名な作品は読んでいた。人間の持つ悪の部分をじわじわと表現するうまさがあり、どんどん作品に引き込まれる。ただし、乱歩の描くパノラマ島の描写に自分の想像がついていけているか、他の人はどんな想像をするのだろうと興味が沸き、絵になっているものがあったら観てみたいと思った。

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    2013年08月19日
  • 陰獣 江戸川乱歩ベストセレクション(4)

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    主人公と大江春泥の対立関係がとても良かったです。先の展開が読めず、最後まで楽しめました。
    今現在ではありきたりなトリックですが、当時はかなり斬新だったのではないでしょうか。陰鬱で艶めかしい雰囲気が良く出ています。
    もうひとつの短編【蟲】も陰鬱で恐いです。

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    2014年04月27日
  • 陰獣 江戸川乱歩ベストセレクション(4)

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    ネタバレ

    男女の情念を描いた江戸川乱歩のベストセレクション第4弾。『陰獣』
    陰獣/蟲の二編収録。

    陰獣について
    乱歩お馴染みの変装トリック使った推理小説。
    後半に従って謎がどんどん複雑になっていき、最後に謎が解けた時の爽快感がスカッとして気持ちよかったと思いきや、結局最後は闇の中というやりきれない作品。
    主人公で、探偵役の探偵小説家、寒川を見ていると乱歩のいう『探偵』というのがどんな人物をさすのがわかる気がしました。
    乱歩の書いた作品のパロが沢山あって読んでいてクスリとしました。

    蟲について
    陰獣とは対照的な怪奇小説。流石は江戸川乱歩といえるほどの淫靡でグロテスクな内容ですが読めば読むほど物語の中に

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    2013年06月20日
  • 大暗室~江戸川乱歩全集第10巻~

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    ネタバレ

    『怪人二十面相』と『大暗室』
    どちらも冒険ものって感じですね。

    『怪人二十面相』は子供向けに書かれたもののようですが、大人の私が読んでも純粋に楽しめました。
    もちろん子供が読んでも夢中になれるような内容だと思います。
    明智小五郎も二十面相も好きです。

    『大暗室』は、最初の方は引き付けられたんですが、後半は乱歩によくある展開で、ちょっとお腹一杯感が…
    まぁよくいえば乱歩らしいし、あまりまだ乱歩作品(特に冒険色が強いもの)を読んでないかたはもっと楽しめるんじゃないかなとは思います。

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    2013年06月12日
  • 屋根裏の散歩者 江戸川乱歩ベストセレクション(3)

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    江戸川乱歩ベストセレクション『屋根裏の散歩者』
    屋根裏の散歩者/暗黒星 の2編収録 
    今回はあの有名な明智小五郎が登場します!

    何をやってみても面白くない。どんなことに挑戦してもつまらない。
    そんな主人公郷田三郎は明智小五郎との出会いから、犯罪趣味に興味を持ち、偶然見つけた屋根裏の入り口を利用して「屋根裏の散歩」を始める。

    自分の家族や友達、よく見かけるけど名前の知らない人たち。そんな人たちが普段、誰もいない安心して無防備でいられる一人の時間にどんなことをしているか気になる時がある。
    人の生活を覗けるなら覗いてみたい。
    きっと乱歩もそんな考えからこの小説書いたのだと思う。
    ただ、ふと天井を

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    2013年06月09日
  • 屋根裏の散歩者~江戸川乱歩全集第1巻~

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    さすが乱歩!
    初期の乱歩作品が沢山入っています。
    一時期ハマりまくって乱歩ばかり読んでいました。
    何と言うか、トリック云々よりも乱歩が描く独特の不思議な雰囲気が好き。

    やはり人間椅子は別格です!

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    2013年06月01日
  • 孤島の鬼~江戸川乱歩全集第4巻~

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    大好きな作品の孤島の鬼。猟奇の方はまあ、うん……。
    孤島は大きく分ければ推理、怪奇、冒険の三部に別れており、その中を主人公と彼に行為を寄せる青年医者とで進めて行く物語。
    まあ主人公以外幸せなのかしら。特に医者は報われずに、あのまま洞窟で果てて居た方が良かったのではと思ってしまう。
    闇の中で医者の狂気が発露し、主人公の髪を白くした時に、彼の命も残してきたのではと考えてしまう。
    最後の二行の突き刺さり方が深い。

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    2013年05月15日
  • 陰獣~江戸川乱歩全集第3巻~

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    悔しい。大好きな芋虫が穴あきだらけの編集で惜しいと思いました。乱歩好きにはたまらないシリーズ。芋虫だけ惜しかった、本当に惜しい。

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    2013年05月01日
  • 地獄の道化師~江戸川乱歩全集第13巻~

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    ネタバレ

    暗黒星と地獄の道化師は特に良かった
    2つともどんでん返し系かな

    暗黒星では、一郎くんが個人的に好きだったりします

    幽鬼の塔は最初の方は良かったものの、なんだか尻すぼみ感が…
    あと、乱歩本人も書いてますが、乱歩の持ち味があまり出てないような感じもします

    大金塊は小林くんの冒険みたいな感じで楽に楽しく読めました
    ただ、最後の洞窟でのことは、孤島の鬼にだいぶかぶってるとこがあって、ネタ切れ感がありますね
    でも、孤島の鬼の諸戸たちに比べてこっちはまだまだ子供なのにあの精神力の強さは凄いな…なんて思ってみたり
    あと、明智が優しかったのが印象的です
    少年探偵団シリーズは未読ですが、明智は子供には優し

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    2013年04月24日
  • 屋根裏の散歩者~江戸川乱歩全集第1巻~

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    ニ銭銅貨
    ビブリア4よりこれを読む。本当に『「あの泥坊が羨ましい」』で始まっている。松村の解法も私の解法もすこぶる気持ちよく、また牛込が出て来るのもうれしい。
    乱歩の自作解説もホクホクだ。

    一枚の切符
    事実ってなんだ。本当はなんだ。わからない。物事は視点に依ってしまう。面白いと言っていていいのか。わからない。

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    2013年03月16日
  • 吸血鬼

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    乱歩作品は地の文が紙芝居みたいに大げさなところが時代がかっていてとても好きです。「ああこれは一体どういうことであろうか!さてまた来週。」みたいに解決が焦らしまくられるのがもどかしくもあり、楽しくもあり。創元推理文庫版は連載当時の挿絵がついてるのですが、この挿絵がまた素晴らしい。
    犯人は早々に検討がついたけど、唇のない男の不気味さとか、倭文子がじわじわといたぶられる様とかが鬼気迫るものがありぞくぞく来ました。風船を使った空の逃走劇も、明智小五郎の「実はこれこれこういう仕掛けがあったのだよ、ははは!」の一言であっさり解決してしまう謎も、THE・古き良き時代の探偵小説!という感じで、楽しめました。や

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    2016年05月10日