江戸川乱歩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
乱歩と言えば、猟奇的な犯罪者やグロテスクな描写などが特徴とおも思えるが、現代小説の方がもっともっと過激となっている。それでも乱歩の魅力が衰えないのは、それ以外の何かがあるに違いない。
当時の雰囲気なのか、文体なのか。他の作家にはない乱歩ならでは魅力がある。
緻密なミステリを期待すると、違うと思うのだが、日本の推理小説界にとっては、やはり財産なのでは。
本作は、乱歩のもう一つの特徴である名探偵明智小五郎とその助手小林少年が登場することも魅力のひとつである。
世間を騒がす怪しい犯罪者との荒唐無稽とも思える大活劇。少年版の「怪人二十面相」シリーズに通じるものもあり、懐かしくもワクワクす -
Posted by ブクログ
ネタバレ・目羅博士の不思議な犯罪
上野動物園で出会ったルンペン風の青年が語る不思議な話。丸の内のビルで管理人をしていた青年は入居者が次々と死ぬ部屋の向かいのビルの空き部屋に、目羅博士が月夜にマネキンを持ち込み、一連の事件を起こしている事に気付く。
・地獄風景
喜多川治良右衛門が作った怪奇遊園地「ジロ楽園」で行われる快楽大量殺人。「パノラマ島」に似た原色系の話。
・恐怖王
死んだ筈の女性が死後にゴリラに似た男と結婚式をあげ、実家には誘拐事件として身代金の要求が届き、その恋人 鳥井も死ぬ。鳥井の友人で探偵小説家の大江蘭堂とそのファンのセクシーな未亡人、大江の恋人 花園京子、京子を狙う「恐