江戸川乱歩のレビュー一覧
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車から落ちた裸婦像。その中に封じ込められた女の死体。 そんなショッキングな場面から始まる表題作。まさしく乱歩の世界。 同様に像の中に死体を封じ込める描写はいくつかの作品で見かけたはず。また、美しい男女を剥製状にしてコレクションする作品もある。 ピグマリオンという言葉を知ったのも、乱歩を読んでいたからこそだが、このような形の愛着は、当時よりももっと一般的になってきているのではないか。 フィギュア。美容整形の一般化。男女を問わない肉体の改造指向。 現代版黒蜥蜴がどこかに美の屋敷を持っていても荒唐無稽とも言えない。 「猟奇の果」はSF仕立てでどこかに子孫的作品がありそうな内容。 解説では、出版社
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ネタバレ短編集でした。ぴりりとしたひと捻りもふた捻りもある話が多い。
一つ以前に読んだことのあったのは、【お勢登場】 かな。これはかなり、印象に残った作品だった。
D坂の殺人事件自体は、明智小五郎が初登場の本ですね。
だから有名なのかも。
●二廃人
友達に夢遊病だと言われ、寝ている間に、、、、っという作品
●D坂の殺人事件
本屋でたまたま会った主人公と明智小五郎。
そこで殺人事件が!
明智小五郎がいろいろと推理し、結末は、2人の体に生傷が耐えなかったこと。。。
●赤い部屋
無意識の殺人。が夢想と現実
●白昼夢
愛する人の死蝋
●毒草
草木には、どうにかすると毒 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『盲獣』は大衆雑誌に昭和6年から翌7年にかけて連載。
作者自身、読み直して「ひどい変態もの」とびっくりしているという、読者も驚きの犯罪小説。
主人公・盲獣は盲目の猟奇殺人者。
狙われるのはレビューの女王だとかカフェのマダムだとか冒険大好き未亡人。この顔ぶれが既に艶っぽい。いずれもかなりの美女だそうですが、盲獣には顔の造形はさして問題ではないのです(見えないから)。
では、なぜ彼女たちに白羽の矢が立ったのか?
答え.触り心地が良かったから。
驚愕のド直球。
レビューガールは盲獣の罠にはまってアジトに監禁されてしまうんですが、このアジトもヤバい。作り物の女体のパーツがびっしり並んだ(む -
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5巻
今までの5冊の中でこれが一番エログロ変態性が全開だった
『押し絵と旅する男』は不思議な雰囲気でエログロ要素もなく皆に勧めたい面白さ
『蟲』『蜘蛛男』『盲獣』はエログロが結構キツイので免疫ない人には読ませたくないかな
蟲の伏せ字の多さにびっくり
最後のほうがエグい
虫嫌いの私はご飯前に読まなくて良かった
蜘蛛男は明智小五郎も出てきてミステリ感が強めだけどやはり容易にわかる犯人
そしてエログロ
盲獣…エログロ…
乱歩感があって好きなんだけど食前食中には読みたくない感じ
場面を想像して胃がむかむかするってのはそれはそれで文章の上手さなんだろうけどな -
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ネタバレ再読
●闇に蠢く
乱歩も自ら回顧するように、何かにつけて「まとまった筋」というものを用意せずに物語を書く癖があった。故に、筋がてんでバラバラ、どうしようもなくなり怪奇趣味に走りだすとか、風呂敷を畳めずに執筆を辞めてしまうことがあった。無論、悪いことばかりでなく、そういう習慣(?)のお陰で傑作が生まれたり、読者を魅了するような怪奇趣味を提供してくれることだってある。
「闇に蠢く」は、放蕩道楽男、野崎三郎がお蝶という女性に昵懇になってしまったことから始まる。第一に、この主人公野崎の性癖からして、真正の変態である。本当に乱歩はこういうのを描写するとき、大変生き生きと楽しそうに書くなあ、といつも -
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美貌の未亡人に迫る魔の手と対峙する名探偵・明智小五郎。
タイトルの吸血鬼は、人の生き血を啜るモンスターというよりは、
墓場から蘇るアンデッドのイメージで、復讐に執念を燃やす神出鬼没の怪人の意。
元々新聞連載だった作品ということで、
小刻みに山場を作ってアレコレてんこ盛りになっているため、
果たして細部の辻褄は合うのか、ちゃんと落着するのか――
などと、余計な心配と共に読み進めたが、
「二回転半ひねり」ぐらいで意外にきちんと着地していたので驚いた(笑)
というか、内容云々より、乱歩お得意の名(迷?)調子を堪能するが吉、
なんだろうな。
そして、岩田専太郎画伯の妖美な挿絵にウットリ。
ところで【自