江戸川乱歩のレビュー一覧

  • 地獄の道化師

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     車から落ちた裸婦像。その中に封じ込められた女の死体。 そんなショッキングな場面から始まる表題作。まさしく乱歩の世界。 同様に像の中に死体を封じ込める描写はいくつかの作品で見かけたはず。また、美しい男女を剥製状にしてコレクションする作品もある。 ピグマリオンという言葉を知ったのも、乱歩を読んでいたからこそだが、このような形の愛着は、当時よりももっと一般的になってきているのではないか。 フィギュア。美容整形の一般化。男女を問わない肉体の改造指向。 現代版黒蜥蜴がどこかに美の屋敷を持っていても荒唐無稽とも言えない。  「猟奇の果」はSF仕立てでどこかに子孫的作品がありそうな内容。 解説では、出版社

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    2017年08月16日
  • D坂の殺人事件

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    ネタバレ

    短編集でした。ぴりりとしたひと捻りもふた捻りもある話が多い。

    一つ以前に読んだことのあったのは、【お勢登場】 かな。これはかなり、印象に残った作品だった。
    D坂の殺人事件自体は、明智小五郎が初登場の本ですね。
    だから有名なのかも。

    ●二廃人
    友達に夢遊病だと言われ、寝ている間に、、、、っという作品

    ●D坂の殺人事件
    本屋でたまたま会った主人公と明智小五郎。
    そこで殺人事件が!
    明智小五郎がいろいろと推理し、結末は、2人の体に生傷が耐えなかったこと。。。

    ●赤い部屋
    無意識の殺人。が夢想と現実

    ●白昼夢
    愛する人の死蝋

    ●毒草
    草木には、どうにかすると毒

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    2013年02月17日
  • 芋虫

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    江戸川乱歩の原作も読み、映画の『キャタピラー』も鑑賞した上で漫画を読んだ。
    エログロではあるが、切ない。

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    2013年02月16日
  • 盲獣

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    ネタバレ

    『盲獣』は大衆雑誌に昭和6年から翌7年にかけて連載。
    作者自身、読み直して「ひどい変態もの」とびっくりしているという、読者も驚きの犯罪小説。

    主人公・盲獣は盲目の猟奇殺人者。
    狙われるのはレビューの女王だとかカフェのマダムだとか冒険大好き未亡人。この顔ぶれが既に艶っぽい。いずれもかなりの美女だそうですが、盲獣には顔の造形はさして問題ではないのです(見えないから)。

    では、なぜ彼女たちに白羽の矢が立ったのか?

     答え.触り心地が良かったから。

    驚愕のド直球。

    レビューガールは盲獣の罠にはまってアジトに監禁されてしまうんですが、このアジトもヤバい。作り物の女体のパーツがびっしり並んだ(む

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    2013年02月03日
  • 押絵と旅する男~江戸川乱歩全集第5巻~

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    視覚と触覚の描写がえげつなくて、特に蟲と盲獣では途中で何度も手を洗いたくなる程。
    乱歩の作品はあまり読んでいないけれど、どのタイトルも何かと心に引っかかります。

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    2013年01月27日
  • 算盤が恋を語る話

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    勘違い、早とちり

    『日記帳』はほっこりした
    『算盤が恋を語る話』うーーん純粋!ちょっとわくわくしてしまったけどまさかの

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    2013年01月18日
  • ぺてん師と空気男~江戸川乱歩全集第22巻~

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    ミステリー的な「謎」よりも、「映像」が重視されている2編です。でも、映像重視も、けっこう大事だと思います。これはこれで、ドキドキして好きです。

    まあ、やり過ぎ感もあるけれど。

    「ペテン師と空気男」も、ネタが割れているところはあるけれど、けっこう楽しいお話だと思います。わたしは、こういうのは好きです。
    でも、「ネタが割れてる」と書かれるのは、乱歩としてはつらいんだろうなぁ。

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    2013年01月14日
  • 押絵と旅する男~江戸川乱歩全集第5巻~

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    5巻
    今までの5冊の中でこれが一番エログロ変態性が全開だった

    『押し絵と旅する男』は不思議な雰囲気でエログロ要素もなく皆に勧めたい面白さ
    『蟲』『蜘蛛男』『盲獣』はエログロが結構キツイので免疫ない人には読ませたくないかな
    蟲の伏せ字の多さにびっくり
    最後のほうがエグい
    虫嫌いの私はご飯前に読まなくて良かった

    蜘蛛男は明智小五郎も出てきてミステリ感が強めだけどやはり容易にわかる犯人
    そしてエログロ

    盲獣…エログロ…


    乱歩感があって好きなんだけど食前食中には読みたくない感じ
    場面を想像して胃がむかむかするってのはそれはそれで文章の上手さなんだろうけどな

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    2013年01月13日
  • パノラマ島綺譚~江戸川乱歩全集第2巻~

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    2巻
    『パノラマ島綺譚』ほか全5篇収録

    読んだのが結構前なのでうろ覚えですが、『闇に蠢く』の最初の段階からは想像できようがない最後のオチにびっくりしたことと、『パノラマ島綺譚』の島の綺麗さとラストのバーンが印象的だったのを覚えてます

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    2013年01月13日
  • 屋根裏の散歩者~江戸川乱歩全集第1巻~

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    数年前からちまちまと読み続けてる乱歩全集
    感想書いてなかったので今さらながら登録


    1巻は初期の頃の短編が22も収録されてます
    屋根裏の散歩者や人間椅子など有名どころも多いです

    しかし1巻からかの明智小五郎が出てたのにはちょっとびっくり
    トリックなんかを楽しみにしてると、現代のミステリをたくさん読んでる人には拍子抜けするようなのが多いけど、読ませる文章の巧みさと怪奇的な雰囲気なんかが好きな人ははまると思う

    トリックとかより犯罪者や登場人物の気持ちや考え・行動が楽しめる

    まぁエログロが苦手・古い文章が苦手って人には勧められないが…

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    2013年01月13日
  • 蜘蛛男 江戸川乱歩ベストセレクション(8)

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    ミステリだからすきなのではなく乱歩だから好きなんだなぁ。現在の視点ではミステリとしてはたどうにも雑なのだけど、作者が読み手を喜ばす為に力を入れたんだろうなという気がする。パノラマ館のあたりはとくに素敵。久しぶりに一気読み。

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    2013年01月06日
  • 屋根裏の散歩者~江戸川乱歩全集第1巻~

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    すべてに自作解説がついてるのが凄い。
    中には自らズバリ「駄作」と評してるのも(私にとってはそれですら面白かったのですが…)
    あの有名な明智小五郎が初登場する話もあり、暗号やら心理戦やら存分に楽しめる内容です。
    古本屋で偶然手に入れましたが、続きを集めようかなと思案中。

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    2012年12月28日
  • 蜘蛛男

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    ネタバレ

    情景が浮かんでくるような描写。
    タネは序盤で疑った通りだったが、中盤で明らかにしてしまうとは思わなかった。
    終わりの呆気なさが良い

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    2012年12月18日
  • 影男

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    一冊まるごと『影男』を主人公とした長編作品だが、オバニズム方式でどこから読んでも面白い作品となっている。
    基本的には犯罪小説だが、多くは紳士的で、善行も好む、また過度な残虐行為には嫌悪感を示すなど、少しヒーローものにも似た読み応えだった。

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    2012年12月03日
  • 吸血鬼

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    そういえば、江戸川乱歩ってまだ1作品しか読んだことなかったな~。
    長編は初めてだ。
    なんか、横溝正史の作品っぽい。

    昭和初期の作品なのに、なんなのこのテンポの早さは!
    今の時代、いろんなミステリー物が出回ってるけど、そういうのにも劣らず、ぐいぐいと惹き付ける話の展開。
    何度か「んーー、これはありえない」と思わせるイージーすぎる場面はあったにしても、これは今の時代でも読める。
    結構、面白かった。
    でも、なんで『吸血鬼』って題名なのか。。。。ちょっと疑問。

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    2012年11月28日
  • 押絵と旅する男~江戸川乱歩全集第5巻~

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    たまたま電車に乗り合わせた男と、男が持っている押絵について話を聞く内容。
    一時間程度で読み切れる短編でしたが、丁寧な状況描写で、ミステリー感を楽しめました。

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    2012年11月18日
  • パノラマ島綺譚~江戸川乱歩全集第2巻~

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    ネタバレ

    再読
    ●闇に蠢く
     乱歩も自ら回顧するように、何かにつけて「まとまった筋」というものを用意せずに物語を書く癖があった。故に、筋がてんでバラバラ、どうしようもなくなり怪奇趣味に走りだすとか、風呂敷を畳めずに執筆を辞めてしまうことがあった。無論、悪いことばかりでなく、そういう習慣(?)のお陰で傑作が生まれたり、読者を魅了するような怪奇趣味を提供してくれることだってある。
     「闇に蠢く」は、放蕩道楽男、野崎三郎がお蝶という女性に昵懇になってしまったことから始まる。第一に、この主人公野崎の性癖からして、真正の変態である。本当に乱歩はこういうのを描写するとき、大変生き生きと楽しそうに書くなあ、といつも

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    2012年11月10日
  • 吸血鬼

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    美貌の未亡人に迫る魔の手と対峙する名探偵・明智小五郎。
    タイトルの吸血鬼は、人の生き血を啜るモンスターというよりは、
    墓場から蘇るアンデッドのイメージで、復讐に執念を燃やす神出鬼没の怪人の意。
    元々新聞連載だった作品ということで、
    小刻みに山場を作ってアレコレてんこ盛りになっているため、
    果たして細部の辻褄は合うのか、ちゃんと落着するのか――
    などと、余計な心配と共に読み進めたが、
    「二回転半ひねり」ぐらいで意外にきちんと着地していたので驚いた(笑)
    というか、内容云々より、乱歩お得意の名(迷?)調子を堪能するが吉、
    なんだろうな。
    そして、岩田専太郎画伯の妖美な挿絵にウットリ。
    ところで【自

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    2015年08月19日
  • 屋根裏の散歩者 江戸川乱歩ベストセレクション(3)

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    異常な性癖を持つある人物が殺人を犯すまでの心情や情景が実にリアルに、生々しく描写されており嫌悪感を抱きつつもこの異常で異様な世界観に不思議と引き込まれて行きます。

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    2012年10月22日
  • 孤島の鬼~江戸川乱歩全集第4巻~

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    ネタバレ

    乱歩を初めて読んだが、予想以上に読みやすい文体で驚いた。前半はミステリー小説、中盤は怪奇小説、後半は冒険活劇と1つの話で3つ楽しめるという傑作でした。しかし、一番報われて欲しいと思っていた諸戸だけが、最後まで救われず、どうしようもなく切ない気持ちになってしまった。彼にとってのハッピーエンドは、生き延びて洞窟を出ることよりも、あの洞窟の中で蓑浦と共に朽ちることだったのかもしれない。

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    2012年09月30日