江戸川乱歩のレビュー一覧
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戦後に書かれた作品を集める。長編の表題作と短編五本。頭に来るのは、「解説」がありながら、そして文庫化された年数は記載されているにもかかわらず、これらの作品の初出がいつ、いかなる媒体なのかについては何の説明もないことだ。おい歴彦(←社長)! しっかりしてくれよ! 萩原健太さんのようなことを書いてしまうが、乱歩はもう文学史の一部なんだらかそういうことしっかりしてくれないと。光文社文庫で全集の刊行が始まっているようだが、そこら辺のデータはしっかりしているのだろうか。
さて、『化人幻戯』。収録作品はほとんど再読。随分前に読んだようだが、内容ほとんど忘れていたから楽しく読めたが。タイトル作、トリックは -
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70年近く前に書かれたものだから、やっぱり文章も文化も今とは違っていて、なかなか物語に入り込むのが難しかった。
出てくる登場人物は…いろんなタイプの変態…笑
明智小五郎が出てくるミステリーなんかは現代と違って「トリックを紐解く」わけではなく、「なんの証拠もないけど心理戦で自供させる」という逆に新しいパターン。なので、爽快感みたいなのはない。
最後の『芋虫』はなかなか面白かった。
愛する人が手足を失い、耳も口も聞けない状態になってしまったら…それでも変わらず愛し続けられるだろうか。
そもそも「人」として、変わらず接することができるだろうか。
「人間」ってなんなんだろうと考えさせられた。 -
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ネタバレ初乱歩。個別に感想をば。
「D坂」…有栖川先生の『密室大図鑑』からこちらにやってきました。金田一のあの癖はここから来ていたんですね。
「二銭銅貨」…タイトルだけはよく聞いていましたが、なかなかに凝った作りの作品でびっくり。これがデビュー作とはさすが日本ミステリの父ですな!
「何者」…赤井さんが森博嗣の某キャラ(Gシリーズ)に似ているなと思ったが、わかるひといるかな。笑。
「心理試験」…これまんまドストエフスキーの『罪と罰』よね。それとどのくらい違うのか、読み比べたい。(当方未読)
「地獄の道化師」…本格ミステリの神、クイーン、横溝正史の某作品のようだ。 -
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ネタバレまさかのアルセーヌ・ルパン登場。今作では猟奇的な犯罪は出てこず、(殺人はあるものの)雰囲気としては二十面相対明智に近い。
ルパンが平気で人を殺そうとするので、ルパンって殺人は嫌いなんじゃなかったっけー?と思っていたら、日本人(白人以外)は殺してもOKという言い分でひっくり返った。よそから勝手に拝借してきたキャラクターにそんな好感度の下がる言動をさせちゃっていいのか?と思ったが、どうやら原作にモロッコ人3人を射ころしたエピソードがあるらしく、乱歩がルパンの人種偏見を批判したものであるらしい。しかしながら、明智も「日本人を、あのモロッコの蛮族同様に心得ているんだな」(p155)と言っているあたり -
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『パノラマ島綺譚』と『石榴』の同時収録。
内容の共通点はあれどジャンルは前者は怪奇小説、後者は推理小説に近い。
「生と死を分つ境界は曖昧」というテーマが二作を通じて感じられる。
何もかもに退屈していると確かに生きながら死んでいるような気分になるのかもしれない。
皮肉にもそういう人に限って身近な他人に目を向けようとしなかったり、狭い視野しか持っていなかったりする。
『パノラマ島』も『石榴』も、そんな考えの人物が罪を重ねてしまう物語。
個人的には『パノラマ島』の方が好みだった。
ゾッとする情景描写はさすが乱歩。
生きた人間が芸術品のように扱われているのが不気味。
本人たちは金を約束されて自 -
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ネタバレ展開や伏線の破綻もなく、かなり面白かった。ただ、最初の福田得二郎殺害だけは、同居していたわけでもない犯人がどうやって実行できたのか謎。
作中の日付に一部混乱があるような気がする。
p54で、今日が11月17日と聞いて明智が「僕が上野駅に着いたのは18日の晩だから、まる一日眠っていたわけですね」と答えるのは明らかにおかしい。
明智が上野駅に着いたのは、福田殺害が行われたのと同じ日(の殺害時刻より前)なので、17日(紙切れ「三」の日)の夜であり、これはそれまでの記述から明白。
そこから誘拐されて丸一日眠ったとすれば、船を脱出したのは18日の夜となる。しかし、p73には「翌々日19日の朝」に明智溺 -
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「一寸法師」
・さすがに今の時代に読むと、当たり前のように出てくる差別意識がかなり厳しい。
・デパートのマネキンの場面は背筋がゾーっとした。
・犯人判明までのどんでん返しはかなり面白かったが、結末での決着の付け方はちょっと納得がいかん…
・解説(法月綸太郎)でも触れられているが、明智小五郎の人格がけっこうヤバい!結末の発言もそうだし、被害者の母である山野夫人の反応をニヤニヤしながら確認したりとか。
「何者」
・めちゃくちゃ面白かった。こういう話の方が好き。「乱歩の体臭」についての解説者の意見に深く頷いてしまった。
(2026.7.27) -
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明日は 江戸川乱歩のご命日
幼少期より 鏡の性質に魅入られていた青年。遺産相続して、資金と時間が豊富になると、ますますその鏡の世界に没入していく。
究極の鏡は 鏡の球体。
その完成品に身を投じる。
それは、それは、精神が持ちませんね。
イラストはホノジロトヲジさん
乙女の本棚では、「死後の恋」「人間椅子」を手がけています。
鏡地獄という作品自体が 乙女というタイトルから遠そうであるにも関わらず、鏡、硝子をイメージするような繊細なイラストが描かれていました。でも、これはイラストレーターさんが誰でもちょっとかわいそうなような。
江戸川乱歩の小説に出てくる、博士系の人ってイメージ的にはボ