江戸川乱歩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
光文社文庫の全集でだいたい読んだので、初読は「防空壕」「夏の夜ばなし――幽霊を語る座談会」のみだが、既読の作品も改めて面白い。
講談調の語り手の文体も、語り手が延々告白する口調も、同様によい。
やはり内容だけでない文章の味。
語り手が存在する場合は、語り手がある特異な人を観察した上で読み手=聞き手に報告する、という形式があるみたい。
メディウム=媒介者が、特異な人と読み手の中間に位置するパターンが多いな、とか、つらつら思いながら読んだ。
以下ざっくりと。
■火星の運河
彼女←私が語り手→読み手
■鏡地獄
彼←(観察)ー私Kー(語る)→冒頭の語り手私→読み手
■押絵と旅する男
兄←(観察)ー老 -
Posted by ブクログ
某漫画から江戸川乱歩に興味を持ち、かつ表紙買いという不純とも言える動機で購入。ホラーは苦手だから楽しめるか不安だったけど、先が気になって一気に読めた。(随時更新中)
【人間椅子】
タイトルを見てまず頭を過ぎったのが「人体が材料に使われてるってオチでは…??」という猟奇的な発想(完全に漫画の影響)。でも全然違った。今まで読んだことのある耽美的な作品は、好きか嫌いか(自分の性癖に合うか合わないか)が極端に区別されたけど、この作品は好き嫌い以前に単純に面白かった。前置き(ホテルでの話)が相乗効果となってじわじわと恐怖心を煽られる感覚があって、それが良かった。1通目の手紙(一番盛り上がる場面)で終わ -
ネタバレ 購入済み
原作を読んで、漫画なら何度も読み返せるかと購入しました。
事情はあるかと思いますが、原作をやんわりと改変(?)された部分が怖さを半減どころかほぼなくしてしまった感じがするのが少し残念です。原作を読んでおいてよかった…。 -
購入済み
原作に押され気味か
原作者江戸川乱歩の華麗で淫靡で陰惨な世界を表現しようとしているのはよく分かる。しかしこのような名作のコミカライズにありがちな セリフや地の文が多く 長くなり門がの生命線ともいうべき「画」の動き 力がそがれてしまう という 欠陥がはっきりと出てしまっている。
画そのものは流麗で美しく描かれているので残念である。