江戸川乱歩のレビュー一覧
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戦後に書かれた作品を集める。長編の表題作と短編五本。頭に来るのは、「解説」がありながら、そして文庫化された年数は記載されているにもかかわらず、これらの作品の初出がいつ、いかなる媒体なのかについては何の説明もないことだ。おい歴彦(←社長)! しっかりしてくれよ! 萩原健太さんのようなことを書いてしまうが、乱歩はもう文学史の一部なんだらかそういうことしっかりしてくれないと。光文社文庫で全集の刊行が始まっているようだが、そこら辺のデータはしっかりしているのだろうか。
さて、『化人幻戯』。収録作品はほとんど再読。随分前に読んだようだが、内容ほとんど忘れていたから楽しく読めたが。タイトル作、トリックは -
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明智小五郎シリーズ三作目。
前作『一寸法師』の路線を引き継ぎながら、さらにエンタメに吹り切って、探偵小説というより怪奇冒険小説という趣の作品。今回でもエキゾチックな白い詰襟シャツを着たオシャレな明智だが活躍シーンとしては変装に次ぐ変装ぐらいで(後の多羅尾伴内の原型だろうか)、結構やらかし気味なのはご愛嬌か…
蜘蛛男要素どこだよ、とか根幹のトリックについてもアレ過ぎて警察の無能感が浮き彫りになってツッコミどころも満載だが、関東大震災直後の東京の迷宮じみた混沌の表われとも取れる。また犯人についてもいわゆる「意外な犯人」タイプではあるが、それよりも明智シリーズに見るような探偵と犯人の二重性の象徴とし -
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本作は、読む人によって物語の見え方がまったく変わるところが興味深い。
兄の行動を"純愛"と受け取る人もいれば、"薄気味悪い狂気"として読む人もいるだろう。
私は圧倒的に後者だった。
押絵の中に入り込んだ兄は、一歩間違えばロマンチックにも感じる。
しかし私には、レンズを通して女に魅入られ、自身の欲望に取り憑かれてしまったように思えた。
押絵の中で老いていく兄と、若いままの娘。
その不自然な対比に、胸がざわついて仕方なかった。
物語全体に漂う静かな狂気。
語り手である弟の淡々とした口調が妙に不気味で、読めば読むほど、「これは愛なのか、それとも執着なのか -
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文学ではなく、大衆通俗小説感が半端なかった。
『盲獣』に並び、何でもあり、やりたい放題で、乱歩遊んでるなーと思った。
『黒蜥蜴』と全く同じトリックを使ったり、『蟲』を彷彿とさせたりと、自身の作品をいいとこ取りしてできたストーリーだと感じた。
私が好きな乱歩作品(押絵と旅する男/人でなしの恋/心理試験/赤い部屋/孤島の鬼etc)と何が違うのか考えた時に、まず一つ乱歩は長編になるとやりたい放題詰めれるだけ詰め込む性質があるが、これらの作品は乱歩作品の中でも上流の上流で源部分になるのではないかと思った。本質、根本的な核となる幹の部分ということだ。
一方で『盲獣』や本作は、上記のモデル的作品を引用して