江戸川乱歩のレビュー一覧
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ネタバレ耽美とは何なのか未だ理解できていないが、収録作から思うに愛憎、背徳、情念、倒錯、フェティシズム、幻想、狂気etcが入り混じったものか。そこにタナトス≒死への衝動が加味された、名だたる文豪らによる10編。
「桜の森の満開の下」(坂口安吾)や「瓶詰地獄」(夢野久作)は本書のコンセプトをまさに体現している作品か。作家のフェチ全開「刺青」(谷崎潤一郎)、美しくニューロティックな幻想「夢十夜」(夏目漱石)、サスペンスからの意外な結末「影」(芥川龍之介)もそこに沿ったものかと。
"美"という点では泉鏡花の「浮舟」、折口信夫「身毒丸」なのだろうが、個人的には独特の文体含め作品世界にハ -
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1954年昭和29年
リレー小説となっており 乱歩は書出し担当
怪奇小説っぽい
小説家大江蘭堂
小説の為 蝋人形士の老人形士の仕事場を見学
人形に命を吹き込む人形士
人形とも人間とも見極めぬ美女に堕ちる小説家
いかにも怪しげな仕事場で
あまりに美しい人形
栗木こぼねさんのイラストが美しく
セピア写真のような映画のワンシーンのような
見て読んで楽しめます
乱歩は一人の生き人形的な妖美女から助けを求めるメモを渡されるところでバトンを渡す
「発展編」角田喜久雄 3/26命日
美女からの手紙は博士からの差金と気づく
そしてこれまでの出来事が自分が連載している悪霊物語の筋書きと同じ事に驚く
「解 -
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乙女の本棚シリーズから、江戸川乱歩さんとまくらくらまさんのコラボ作品『目羅博士の不思議な犯罪』です。まくらくらまさんのイラストは大好きです!なんか、部屋に飾りたいっ!!あ…でも、我が家には似合わないかな…。
この作品では、探偵小説家の江戸川が上野公園である男と出会います。そこで聞いた話がこの作品の本題となっています。月夜の伴、目羅博士いう眼科医の知られざる姿を目の当たりにした男は、ある行動に出ます。それが、なんとも言えないこの怪しげな表紙というわけで…軽くネタバレしてしまった!
ちょっと怖いストーリーが、まくらくらまさんのイラストとの相乗効果で、より怪しい仕上がりですよね~!個人的に -
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短編6話。江戸川乱歩の短編集は各出版社から出ているが、こちらはテーマが「変態」となっている。
テーマの通り、人間の狂気的な、確執的な面が物語として描かれた作品が収録されている。
◼︎人間椅子
自分の周りは江戸川乱歩といえばこれだった。
◼︎D坂の殺人事件
明智小五郎が初めて登場する作品らしい。
なんとなく想像はついた。
◼︎屋根裏の散歩者
こちらも明智小五郎が登場。
◼︎押絵と旅する男
本書に収録された作品の中で1番好きだったかもしれない。世にも奇妙な物語にありそうな感じ。
◼︎鏡地獄
個人的には腑に落ちない感じがありちょっとうーん。
◼︎パノラマ島奇談
読んでてずっとディズニーラ -
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乙女の本棚シリーズから、江戸川乱歩さんと粟木こぼねさんのコラボ作品『悪霊物語』です。粟木こぼねさんのイラストもまたいいですね♪まくらくらまさんのイラストと似たような雰囲気で、なんとも怪しげでいてちょっと重さを感じるような…絵画のような、うん、それそれっ!!
このお話の主人公は、大江蘭堂という小説家で伴天連爺さんという人形師の元を訪れることになります。そこで、まるで生きているかのように作られた人形の数々を見せられます。その人形は、生きている女性に石膏を塗って模りをしたのだと教えられます。ただ、最後に見せられたのは棺の中に横たわる生きた美しい女性、彼女もモデルだと伴天連爺さんは言いますが…。