江戸川乱歩のレビュー一覧
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戦後に書かれた作品を集める。長編の表題作と短編五本。頭に来るのは、「解説」がありながら、そして文庫化された年数は記載されているにもかかわらず、これらの作品の初出がいつ、いかなる媒体なのかについては何の説明もないことだ。おい歴彦(←社長)! しっかりしてくれよ! 萩原健太さんのようなことを書いてしまうが、乱歩はもう文学史の一部なんだらかそういうことしっかりしてくれないと。光文社文庫で全集の刊行が始まっているようだが、そこら辺のデータはしっかりしているのだろうか。
さて、『化人幻戯』。収録作品はほとんど再読。随分前に読んだようだが、内容ほとんど忘れていたから楽しく読めたが。タイトル作、トリックは -
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ネタバレ話自体は面白かったが、主人公・蓑浦だけが最後までどうにも受け入れ難かった。これといった理由もなく何故かほぼ全員から好かれて、その好意に甘えきって無自覚天然思わせぶりヒロインみたいなムーブをかましながらいたずらに皆を傷つける残酷な人間が、最終的に幸せを総取りして一人勝ちで終わるのが納得いかない。魅力的な部分が見えればまた印象も違ったのかもしれないが、本当にどこがいいのか分からない。探偵パートでも冒険パートでもむしろ足を引っ張っていた気がする。
あれだけ情熱的に初代への愛を語っておきながら、諸戸の想いを知っていてあれだけ利用しながら、あっさりと秀ちゃんに乗り換えた瞬間、完全に心が離れた。 -
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芋虫
野中の一軒家にとじ籠められ、行末に何の望みも失った、殆ど無と云ってもよかった二人の男女にとっては、それが生活の凡てであった。動物園の檻の中で一生を暮らす、二匹のけだものの様に。
そんな風であったから、時子が彼女の夫を、彼女の思うがままに、自由自在に弄ぶ事の出来る、一個の大きな具と影像すに至ったのは、誠に当然であった。又、不具者の恥知らずな行為に感化された彼女が、常人に比べてさえ丈夫丈夫していた彼女が、今では不具者を困らせる程も、飽くなきものとなり果てたのも、至極当り前のことであった。
彼女は時々気狂いになるのではないかと思った。
物も云えないし、こちらの言葉も聞えない、自分では自由に動