あらすじ
探偵好きの大学生、相川守が妹の珠子とその家庭教師殿村京子と連れだってレストランで食事をしていたところ、緊張した面持ちで一点を見つめていた殿村夫人が硬直してしまう。ようやく緊張を解いた夫人に訊ねると、彼女は得意の読唇術を操って隅にいた二人の会話を盗み見ていたのだが、明日の晩、谷中の空家の中で、何者かを短刀で一寸だめし五分だめしにする、という世にも恐ろしい相談をしていた、というのだ。日頃の探偵好きが頭をもたげた相川青年は、とんでもない怪事件に巻き込まれることになった。次々と美女を狙う「赤いサソリ」の狙いは何か? 戦慄すべき乱歩の長編推理!
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さそりの着ぐるみ
やはり乱歩作品は面白く、一気読みしました。サソリの着ぐるみ。。。これ本当に目の前にあったら笑っちゃうだろうな。
1番最後の仕掛け、身代わりは必要?別のものにしてあげてよ、って思いました。
Posted by ブクログ
家庭教師・殿村夫人がが読唇術で読み取ったという殺人計画。殺害される女優・春川月子。事件を目撃した相川守。バラバラにされた月子。怪人物を尾行中に告げられた第二の被害者。妹・珠子を守るために探偵・三笠老人に捜査を依頼した相川守の落ちた罠。偽の探偵の暗躍。マネキンのバラバラ死体。第3の被害者として告げられた珠子の親友・桜井品子。誘拐された品子。犯人の殺害予告。三笠探偵の捕えた共犯者。
2010年12月20日再読
Posted by ブクログ
犯人は中盤くらいでわかってしまった。
動機はわからんかったけどね。
今になってはコミカルに思えてしまう、
サソリの着ぐるみはご愛嬌。
文章力は素晴らしく、一気に読めてしまった。
Posted by ブクログ
すごいぞ乱歩!!
このひとの思考回路見てみたい!!
きっと、いろんな世界観がぐにゃぐにゃになっていることでしょう!!
この作品の見所は妹の死にあまり落ち込まないところがおもしろい。
流れから言うともっと落ち込むはずなのに…
Posted by ブクログ
今度の怪人はサソリ!B級的な要素のある昭和の探偵小説。
探偵がお馴染みの明智小五郎でなく老人探偵三笠。抜けたところや人道的に問題のあるような人物だが、このくらい奇人出ないと悪辣な犯人に対抗できないのかもしれない。
Posted by ブクログ
乱歩の定番とも言える、怪人と探偵が対決する話で、派手な舞台演出を見せ場とする、エンターテイメント性重視の通俗もの。
この物語での怪人は、現場に赤いサソリを紋章として残し、恐怖心を煽り立てる「妖虫」。探偵は、明智小五郎ではなく、白髪白髭の奇人の老人探偵三笠竜介。
真相の核となる、ある人物の正体には、すぐにピンとくると思う。物語の進行に伴って、それを裏付ける出来事が次々と起こるので、わかりやすい真相だ。
警視庁の簑浦係長が説明した、品子誘拐のトリックと、そのために犯人が取った手法は面白い。
次のようなことが説明されていないが、まあ良しとしよう。
・犯人は、三笠の探偵事務所の特殊な構造をどうやって知ったのだろうか。
・ショウウィンドウの人形と○○をどうやって入れ替えたのだろうか。また、その捜査の結果は。
三笠探偵が最後に品子の部屋を調べた際に行ったことは、ひどすぎると言わざるをえない。わざわざそんなことをしなくてもすんだのに、最後の場面を劇的に盛り上げるために、探偵にとんでもないことをさせている。