江戸川乱歩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
そりゃ、乱歩と高原英理ときたら、面白くないわけがない。
同じ中公文庫の、「川端康成異相短篇集」の流れを汲む企画だと思うが、連想したのは、たとえば「稲垣足穂の世界: タルホスコープ」(コロナ・ブックス 132)。
ある作家の要素を抽出する、というか、キーワードを立てて視座を置いてみる、という作業は、編者にとって半ば読書、半ば作家評論、と愉しい仕事なのではと想像する。
「夢遊」「恐怖」「人形」「残虐」「身体」「錯視」「浅草」という章立て=切り口の提示こそが、編者の仕事。
本書は切り口の解説と、作品ごとの解説もあって、かなり手取り足取り。
で、そのサポートを得て、個人的にさらにザックリまとめるならば -
Posted by ブクログ
ネタバレ話自体は面白かったが、主人公・蓑浦だけが最後までどうにも受け入れ難かった。これといった理由もなく何故かほぼ全員から好かれて、その好意に甘えきって無自覚天然思わせぶりヒロインみたいなムーブをかましながらいたずらに皆を傷つける残酷な人間が、最終的に幸せを総取りして一人勝ちで終わるのが納得いかない。魅力的な部分が見えればまた印象も違ったのかもしれないが、本当にどこがいいのか分からない。探偵パートでも冒険パートでもむしろ足を引っ張っていた気がする。
あれだけ情熱的に初代への愛を語っておきながら、諸戸の想いを知っていてあれだけ利用しながら、あっさりと秀ちゃんに乗り換えた瞬間、完全に心が離れた。 -
Posted by ブクログ
芋虫
野中の一軒家にとじ籠められ、行末に何の望みも失った、殆ど無と云ってもよかった二人の男女にとっては、それが生活の凡てであった。動物園の檻の中で一生を暮らす、二匹のけだものの様に。
そんな風であったから、時子が彼女の夫を、彼女の思うがままに、自由自在に弄ぶ事の出来る、一個の大きな具と影像すに至ったのは、誠に当然であった。又、不具者の恥知らずな行為に感化された彼女が、常人に比べてさえ丈夫丈夫していた彼女が、今では不具者を困らせる程も、飽くなきものとなり果てたのも、至極当り前のことであった。
彼女は時々気狂いになるのではないかと思った。
物も云えないし、こちらの言葉も聞えない、自分では自由に動