あらすじ
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
人気シリーズ「乙女の本棚」第47弾は、文豪・江戸川乱歩×イラストレーター・寿なし子のコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。
ああ、何という恐しくも楽しい遊戯だったのでしょう。
赤い部屋には、異常な興奮を求めて集った男たちがいた。そのなかの1人が、彼らが欲しているような奇妙な身の上話をはじめる。
江戸川乱歩の名作が、想像力を掻き立て物語を深く考えてしまうような作品で話題のイラストレーター・寿なし子によって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
赤い部屋ですから赤地に白文字なのがいい。勿論、黒地に白も。「その部屋は、私を、丁度とほうもなく大きな生物の心臓の中に座っている様な気持にした。私にはその心臓が、大きさに相応したのろさを以って、ドキンドキンと脈うつ音さえ感じられるように思えた。」こんなに好奇心を押し殺した深くて長い呼吸にぴったりの表現があるとは。しかも同じ思惑、趣味嗜好をもった集団だと言うのもこれだけで気持ち悪ほどありありと想像できる。あれだけ格式高かった赤い部屋が最後一気にチープになるのは夢から覚めたようで心地いい。割と最初から給仕の女性が描かれて殺人者の内面を表現するようにそれから何度も描かれているのが不思議だったが、最後まで読んで納得。
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズを買う前には、どんな物語か事前に読んでおくことが多い。(イラストはどれも素晴らしいのは折り紙つきなので)
これも事前に読んだのだが、途中までは「ああ、これはちょっとやめておこうかなぁ…内容がエグい」といった感じだった。(江戸川乱歩もミステリーも、ホラーや怪談の類も好んで読んでいるんだけど)
しかし、ラストまで読むと「あ、これは買おう」となる不思議さよ。
後日、素敵なイラストがついた、この「赤い部屋」を購入。
この終わり方は結構好き。
そして、寿なし子さんの描く花ちゃんがとても可愛くて良い。終わりがけのイラストがまた良いなぁ。
Posted by ブクログ
簡略化はされてるとは思いますが面白かった!!奇妙な物語とはこういう物語をいうのかな。何よりも絵がきれいで…
給仕女に向けられたピストルの絵は息を飲むほど美しかった…。
当時、読んでいた人は展開に驚いた事でしょう。
現代人でも驚くのですから。
Posted by ブクログ
古典な純文学は言葉遣いからなかなか小説に手が出せずにいたのですが…
これはいい出会いをしました!
絵本のような画集のような、イメージも湧きながらも現代感があるイラスト入りの文学を見られます。
ミステリー好きとしては江戸川乱歩はずっと読みたかったのですがこれはスラスラと入れるのでとても気に入りましたし、表紙を見えるように本棚に飾りました!
Posted by ブクログ
続けてもう乙女の本棚もう一冊。
江戸川乱歩、赤い部屋、うん、これだけで雰囲気満載。
なかなかその場にいたら何度唾を飲み込むかわからないようなヒリっとする告白と、パンっ!と一気にお日様の下に晒される気まずさ、がなかなか悪趣味ですなぁ、クックックって感じでした
2025.11.30
215
Posted by ブクログ
ヒボさんお勧めの作品
(乙女の本棚)は5冊め
おどろおどろしくて緊張感が増した雰囲気で始まる「赤い部屋」の会
異様な雰囲気の中で、今晩の話手となるT氏は殺人の告白をする。それも1人ではない。
淡々と話す様子は恐怖でしかない。
美しく妖しい、寿なし子さんのイラストも怖さを増す要素になる。
ラストは想定外だったのでかなり驚いた。
2回3回読み込み、ふと表紙を見て納得した。
おもしろい作品だと思う。
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズの一冊。
このシリーズ、乱歩が好きだよね。6作目だからね。まあ、確かに乙女っぽいイラストがつけやすいかも。今回のは今までの乱歩作品以上に相性がよかったように思う。
次はなにかな。
Posted by ブクログ
語りと仕掛けが巧みな良質サイコホラーだった。江戸川乱歩ってほんとすごい。
「赤い部屋」で夜な夜な催されている、怪しげな会員制倶楽部。新入会員のT氏は、そこで自分が犯してきた罪を飄々と告白していく。
〈この場合可哀想な老人を殺したものは果して何人でしょうか。〉
いわゆる、未必の故意。(大好きなテーマ!)
まるで悪戯でも仕掛ける子供のようにつぎつぎと繰り返された、死神のようなサイコパス男による99の所業。そして100番目の殺人。すべて作り話ですよ、と種明かしはされたけれど、誰がそれを信じられるだろう?
一体どこまでが本当で、どこからが嘘なのか。
〈「赤い部屋」の中には、どこの隅を探して見ても、最早や、夢も幻も、影さえ止めていないのだった。〉
Posted by ブクログ
はい、46オネエは、江戸川乱歩『赤い部屋』でございます
うーん、乱歩っぽいな〜
略して「らんぽい」
司令官なってそれはコンボイ
まず触れたいのは、初お目見えの寿なし子さんやね
うーん、らんぽくないと思ったんだがどうだろう?
妖しさが足りないな
絵のタッチとしてはかなり好みなんだがね
女の子かわいいし
ドロっとした感じがも少しほしい
ビタッとするお話もあるでしょうから次回に期待ですな
はいはいそして乱歩ちゃんの方な
うん、ずっとらんぽい(気に入ったらしい)
ただ結末がなー
こうゾワゾワした気持ちがすっと冷める感じ
らんぽくないなー
Posted by ブクログ
“赤い部屋”で開かれる奇怪で幻想的なクラブ。そこで新規会員の男が語る奇妙な殺人の告白とは…
乙女の本棚シリーズ。作品とちょっと漫画っぽいイラストの雰囲気が合っていると感じた。
乱歩のこういう作品は良いよね、話に引き込まれるて鮮やかなラストを迎える。面白かった!
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズ。
怪しい赤い部屋で新入りの男が語るのは、にわかに信じられない罪の告白。最後まで作り込まれた乱歩の世界に、あっけにとられてしまいました。
寿なし子さんのイラストが、赤い部屋の世界観を更に盛り立てていて、ステキでした。
Posted by ブクログ
江戸川乱歩文学忌、享年70歳
1925年 大正14年 「新青年」初出
「赤い部屋」に集う7人
常識では語れない体験を語る
新入の男が語る「未必の故意」的完全犯罪
倫理と心理の妄想
この「未必の故意」とは、直接的に殺す意図はないが、結果として殺害が起こることを認識しつつ行動する心理状態を指す。語り手は、自己の行為を正当化せず、むしろその曖昧さと罪の重さを深く自覚している。
語り手の告白は、単なる犯罪談ではなく、人間の意志と無意識、倫理と罪の境界を問う。
心理戦が面白いと言えば面白い
イラストは寿なし子さん
妖しげな雰囲気はよろしですけど
女の子が可愛い感じすぎるかなあ
狐面は妖しさ増して良いです
Posted by ブクログ
乱歩作品は乙女の本棚シリーズと相性が良いようで、現在47冊中4作が乱歩作である(太宰作品はもっと多い)。
本作『赤い部屋』は江戸川乱歩の初期の短編小説。僕は『D坂の殺人事件』に収録されているのを読んだ事がある。
推理小説黎明期を思わせる少しぎこちなく、しかし才気走った語り口が面白い。谷崎潤一郎の初期犯罪小説にも通じるものがあると思う。
とは言え、乙女の本棚シリーズで気になるのはやはりイラストや装丁。銀糸を漉き込んだ和紙の見返しも雅、黒地に白抜きの文字や、えんじに白抜きの文字はそのまま薄暗い赤い部屋の描写と共鳴し、妖しい雰囲気を醸しだす。ランプや階段など静物のイラストも良い。特に人をはねた直後の車の、何故だか静謐なイラストは良かったです。
しかし、残念だけど人物画が好みではなかった。美しい給仕女花ちゃんは良いとして、T氏にはもう少し毒というか薄気味悪さとか底意地の悪さが欲しかったな。毒はあるけど何だか爽やかなんだよね。
とは言え、寿なし子さんのスタイルも当然わかった上でコラボしているわけで、乙女の本棚シリーズにはそう言ったオドロオドロしさは必要ないってことでしょう。
編集サイドとしては「お客さん、来る店間違ってるよ。他所行ってくれよ」ってところなんでしょうけど、乱歩だもん、グロテスクな悪意は必須だと思うのだけど、どうでしょう。