江戸川乱歩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレある秋日、実業界の大立者である羽柴壮太郎氏宛てに、家宝であるロマノフ王朝時代の金剛石を奪うと、怪人二十面相からの予告状が届いた。犯行日は、家出した羽柴氏の長男である壮一が約十年ぶりに家に戻ってくる日であった。邸宅の周囲には、十重二十重の警戒を施し、壮太郎と壮一が最後の砦として宝石を守っていたが、実は壮一と思われていた人物が二十面相であった。二十面相は、まんまと宝石を奪って逃走したが、その際、次男の壮二のせいで怪我をしたため、今度は次男を誘拐して国宝級の家宝である観世音像を引き渡すよう要求する。要求に、警察に知らせてはならないとあったため、羽柴氏は解決策を明智小五郎に委ねようとするが、不在
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Posted by ブクログ
シリーズの5巻
珍しく明智小五郎が物語の最初から登場
また、今までの明智小五郎は個性の乏しい、単なる完全無欠のヒーローの代名詞のような非人間的な存在だったが、本書では明智小五郎が人間として描写されていて面白く読めた。
子供向け番組のナレーションのような説明・読者への語りかけが多く、洗練されていないというか野暮ったさを感じるが、映画にもまだ音声がついていない時代だったことも思えば、このような説明が流行していたのかもしれないと思った。
平山雄一さんの明智小五郎年代記だけでなく、大槻ケンヂの解説も、作品のリアルタイムと読者にとってのリアルタイムが対比になっていて、これも面白かった。
正直、前 -
購入済み
江戸川さん。。
シビアです(笑)。なんとゆーか妄想に囚われた狂人と言いますか変態と言いますかこの人見とゆー人間像が恐ろしいお話でした。どこか純粋すぎたんでしょうか、それとも始めから何処かのネジが吹っ飛んだ人だったんでしょうか。知る由もありませんがシビアだと評しつつ物悲しいお話でもあります。
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Posted by ブクログ
乱歩の定番とも言える、怪人と探偵が対決する話で、派手な舞台演出を見せ場とする、エンターテイメント性重視の通俗もの。
この物語での怪人は、現場に赤いサソリを紋章として残し、恐怖心を煽り立てる「妖虫」。探偵は、明智小五郎ではなく、白髪白髭の奇人の老人探偵三笠竜介。
真相の核となる、ある人物の正体には、すぐにピンとくると思う。物語の進行に伴って、それを裏付ける出来事が次々と起こるので、わかりやすい真相だ。
警視庁の簑浦係長が説明した、品子誘拐のトリックと、そのために犯人が取った手法は面白い。
次のようなことが説明されていないが、まあ良しとしよう。
・犯人は、三笠の探偵事務所の特殊な構造をどうやって知 -
購入済み
中学の時買い揃えた江戸川乱歩全集(春陽堂文庫)の中でも一番お気に入りの作品だったのに…全然違う、キャラが生かされて無い、特に攻めの諸戸はもっとパリッとした白皙の美青年で偏執的かつエロティシズム満載に箕浦を熱い欲望を苦しみ悶えながら抑えつつも襲い…アァ思い入れが、拗れ過ぎて空回りしてるわ自分…ていう程40数年前は凄いBL 小説だったんだよね、女子校でブームだった。(昭和始めの頃は伏せ字だらけで出版)特に漆黒のトンネルの中で獣の様に追い求めとか、出来る事なら変な規制の無かった初期の頃の小説で読むのがオススメです!