江戸川乱歩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
積ん読本の中から引っ張り出し、ハテ、どうしてこれを買ったろう?
と、我ながら首を傾げてしまったのだが、ともかくも読んでみた。
タイトルは盲目のケダモノ(=人面獣心)の意。
欲望のまま女を漁っては非道の限りを尽くす男の話で、
好みのタイプについて、見えないから顔の造作は関係ない、
肌触りの善し悪しが一番肝心と宣う。
で、目が不自由なので、拉致監禁その他一切、
まさかそんな手の込んだ犯罪など不可能だろうという先入観でもって、
長らく容疑者リスト入りを免れるといった塩梅。
ちなみに、この版では、
乱歩自身が読み返して「吐き気を催す」とて削除された部分が復元されている。
ご愁傷様である。
見えないと触 -
Posted by ブクログ
ネタバレセカンドハンドで買ったので春陽堂じゃないけど、
まあ内容的にわざわざ春陽堂版を買い直す気にはならない。
江戸川乱歩は好きなんだけど、
短編の秀逸さとエログロの意味不明さの差が、
私には、
ありすぎるように思う。
そんな中この蜘蛛男が3なのは、
当時連載されていた雑誌のコメントが
各話にそのまま掲載されていた点が
物語に興を添えていたので。
作品とは関係ないけど。
初めの方はまだわかるんだけど、
最後は蜘蛛男は一体何をしたいんだかさっぱりわからなかった。
明智小五郎は頑張っていたけどね。
江戸川乱歩って抑圧されていたのかなあ。
同性愛傾向もある説もあるけど。 -
Posted by ブクログ
怪奇かミステリか迷うところだ。
探偵小説ってヤツなんだけど。
なかなかよくできたプロットで
明智小五郎シリーズを読もうと思う人はこういうのを求めているんだろうな、
という内容。
中編一編と短編五編という構成で、
全てがそれぞれの特色があって面白い。
密室トリックを使用したミステリらしいミステリがあり、
手紙があり独白があり、犯人目線があり、
本当にバラエティに富んでいる一冊である。
ただ、『防空壕』が、私的にはちょっと勿体無い気が。
もちろん狙ってしていることなのはわかるんだけど。
二部構成の一部目がちょっと異様な感じの謎に富んだ話なのに、
二部目でそれをブチ壊しにしているんだよね。
ア -
Posted by 読むコレ
何故か無性に読みたくなった江戸川乱歩。
その中でも群を抜いた変態小説が恐らく今作。
盲目の怪人がその猟期趣味を全開にした
倒錯した「見えない側」の世界観を圧倒的かつ
一方的に書きまくった力のある作品。
勿論現代の小説スタイルからしたら
おかしな部分や荒唐無稽な展開なのですが
ディティールなどに拘らず初速からラストまで
同じスピードで一気に読ませるのは、やはり
この作品の妖しさと如何わしさに取り込まれた
証拠なのかも。
3人目の殺人事件の件においては、猟奇的な
怖さと滑稽で下らなさとが同居していて、この
感覚とセンスは他の誰もが出来るものでは
ないような「差」 -
Posted by ブクログ
江戸川乱歩による翻案ミステリ。作者が江戸川乱歩となっているので少し不可思議な気分だけど、後書きに寄ればちゃんと必要な許可は取っているのようなので、この時代はそれでよいのだろう。
原作は「エンジェル家の殺人」というもので、密室ミステリとしての評判だけは聞いていた。確かに変なかたちをした古めかしい館と、これも変わった構造をしたエレベーターを舞台とした二つの殺人は興味深く、特にエレベーターを使った密室殺人は、なるほどと思った。ただし、現代の目から見たら、まあこんなものかなという程度のもので、そうびっくりするほどのものでもないなあと思ってしまった。建物の構造のようなものにしても、たとえば「斜め屋敷」 -
Posted by ブクログ
『空飛ぶ二十面相』と『天空の魔人』の2作収録。
妖星人Rというカニ型宇宙人が出てきて大暴れ。かなりシュールな雰囲気で、いつにもましてツッコミどころ満載。
「子供を相手にずいぶん手数をかけたものだね。どうしてそんな必要があったのかね」という中村警部のもっともな疑問に、明智の回答が素晴らしい。
「必要なんかないさ。いたずらだよ。奴は途方もない悪戯好きなんだ。どんな手数をかけてもいたずらがやってみたかったのさ」
……これを動機として言われてしまうとぐうの音も出ませんね!流石!
『天空の魔人』は、確か海外の某作品の翻案ですね。貨車の盗難事件。小林少年が鮮やかに解決してくれます。図解で説明されて判りや