江戸川乱歩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレある秋日、実業界の大立者である羽柴壮太郎氏宛てに、家宝であるロマノフ王朝時代の金剛石を奪うと、怪人二十面相からの予告状が届いた。犯行日は、家出した羽柴氏の長男である壮一が約十年ぶりに家に戻ってくる日であった。邸宅の周囲には、十重二十重の警戒を施し、壮太郎と壮一が最後の砦として宝石を守っていたが、実は壮一と思われていた人物が二十面相であった。二十面相は、まんまと宝石を奪って逃走したが、その際、次男の壮二のせいで怪我をしたため、今度は次男を誘拐して国宝級の家宝である観世音像を引き渡すよう要求する。要求に、警察に知らせてはならないとあったため、羽柴氏は解決策を明智小五郎に委ねようとするが、不在ゆえ、助手の小林芳雄が引き受けることになった。
助手の小林少年は、自分が観世音像に化けて、二十面相の巣窟に行き、宝石を取り返すという妙案を思いつき、実行に移したが、二十面相に捕まって地下室に閉じ込められる。しかし、その地下室に小さな窓が存在していたことから、伝書バトを使って、警官に二十面相のアジト伝えることに成功し、二十面相は逮捕されることになった。そして、小林少年が勝利したかに思えたが、逮捕した人物はなんと二十面相が変装させたコックであった。
うまく逃走した二十面相は、その後明智小五郎に化けて、日下部氏の古画を奪うという悪事を働き、また、明智小五郎が海外から帰国した際には、外務省の人間に化けて明智に近づき、国立博物館の美術品を略奪するまでの間、邪魔な存在である明智を拘束しようとした(なお、明智の拘束は失敗に終わる)。
明智の拘束に失敗し、怒った二十面相は、その後、明智に恨みを持つ浮浪人を手下に加え、明智を誘拐することに成功する。そして、国立博物館の美術品を略奪する計画を実行する(方法は、少しずつ模倣品と入れ替えるという手法)。計画通り、全て二十面相の巣窟に渡ったが、唯一の誤算は、手下と思われていた浮浪人が明智で、誘拐した人物は、明智が昨年から有事の際の影武者として雇っていた替え玉であったことであった。したがって、計画は実行されたが、その手順や作戦、二十面相の正体や巣窟など全ての計画が明智に知られていたのである。明智の暴露がなされ、正体を見破られた二十面相は、美術館から逃走を図ったが、何かの時の手助けにと備えていた小林少年と羽柴壮二少年率いる少年探偵団に捕えられたのであった。
少年向け読み物語であるということから、読んでいて推理しやすい(特に、羽柴壮一やコック、明智小五郎、外務省職員と二十面相が入れ替わっていることは早々に感ずることができるし、トリックもいたって単純)ため、少々物足りない。ただ、最後の明智の作戦には気づくことができず、感服したというのが率直な感想である。 -
Posted by ブクログ
シリーズの5巻
珍しく明智小五郎が物語の最初から登場
また、今までの明智小五郎は個性の乏しい、単なる完全無欠のヒーローの代名詞のような非人間的な存在だったが、本書では明智小五郎が人間として描写されていて面白く読めた。
子供向け番組のナレーションのような説明・読者への語りかけが多く、洗練されていないというか野暮ったさを感じるが、映画にもまだ音声がついていない時代だったことも思えば、このような説明が流行していたのかもしれないと思った。
平山雄一さんの明智小五郎年代記だけでなく、大槻ケンヂの解説も、作品のリアルタイムと読者にとってのリアルタイムが対比になっていて、これも面白かった。
正直、前巻でシリーズに期待外れを感じていたが、もう少し楽しめそうな気もしてきた。 -
購入済み
江戸川さん。。
シビアです(笑)。なんとゆーか妄想に囚われた狂人と言いますか変態と言いますかこの人見とゆー人間像が恐ろしいお話でした。どこか純粋すぎたんでしょうか、それとも始めから何処かのネジが吹っ飛んだ人だったんでしょうか。知る由もありませんがシビアだと評しつつ物悲しいお話でもあります。
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Posted by ブクログ
乱歩の定番とも言える、怪人と探偵が対決する話で、派手な舞台演出を見せ場とする、エンターテイメント性重視の通俗もの。
この物語での怪人は、現場に赤いサソリを紋章として残し、恐怖心を煽り立てる「妖虫」。探偵は、明智小五郎ではなく、白髪白髭の奇人の老人探偵三笠竜介。
真相の核となる、ある人物の正体には、すぐにピンとくると思う。物語の進行に伴って、それを裏付ける出来事が次々と起こるので、わかりやすい真相だ。
警視庁の簑浦係長が説明した、品子誘拐のトリックと、そのために犯人が取った手法は面白い。
次のようなことが説明されていないが、まあ良しとしよう。
・犯人は、三笠の探偵事務所の特殊な構造をどうやって知ったのだろうか。
・ショウウィンドウの人形と○○をどうやって入れ替えたのだろうか。また、その捜査の結果は。
三笠探偵が最後に品子の部屋を調べた際に行ったことは、ひどすぎると言わざるをえない。わざわざそんなことをしなくてもすんだのに、最後の場面を劇的に盛り上げるために、探偵にとんでもないことをさせている。 -
購入済み
中学の時買い揃えた江戸川乱歩全集(春陽堂文庫)の中でも一番お気に入りの作品だったのに…全然違う、キャラが生かされて無い、特に攻めの諸戸はもっとパリッとした白皙の美青年で偏執的かつエロティシズム満載に箕浦を熱い欲望を苦しみ悶えながら抑えつつも襲い…アァ思い入れが、拗れ過ぎて空回りしてるわ自分…ていう程40数年前は凄いBL 小説だったんだよね、女子校でブームだった。(昭和始めの頃は伏せ字だらけで出版)特に漆黒のトンネルの中で獣の様に追い求めとか、出来る事なら変な規制の無かった初期の頃の小説で読むのがオススメです!