江戸川乱歩のレビュー一覧
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Posted by 読むコレ
何故か無性に読みたくなった江戸川乱歩。
その中でも群を抜いた変態小説が恐らく今作。
盲目の怪人がその猟期趣味を全開にした
倒錯した「見えない側」の世界観を圧倒的かつ
一方的に書きまくった力のある作品。
勿論現代の小説スタイルからしたら
おかしな部分や荒唐無稽な展開なのですが
ディティールなどに拘らず初速からラストまで
同じスピードで一気に読ませるのは、やはり
この作品の妖しさと如何わしさに取り込まれた
証拠なのかも。
3人目の殺人事件の件においては、猟奇的な
怖さと滑稽で下らなさとが同居していて、この
感覚とセンスは他の誰もが出来るものでは
ないような「差」を感じます。 -
Posted by ブクログ
江戸川乱歩による翻案ミステリ。作者が江戸川乱歩となっているので少し不可思議な気分だけど、後書きに寄ればちゃんと必要な許可は取っているのようなので、この時代はそれでよいのだろう。
原作は「エンジェル家の殺人」というもので、密室ミステリとしての評判だけは聞いていた。確かに変なかたちをした古めかしい館と、これも変わった構造をしたエレベーターを舞台とした二つの殺人は興味深く、特にエレベーターを使った密室殺人は、なるほどと思った。ただし、現代の目から見たら、まあこんなものかなという程度のもので、そうびっくりするほどのものでもないなあと思ってしまった。建物の構造のようなものにしても、たとえば「斜め屋敷」などを通り越した目で見れば、なんと言うこともない。
本当を言うと、作者も別に密室殺人とかそういうことよりも、うまくひねった動機とか、読者への挑戦まであるフェアプレイとか、大詰めの緊張感とかに力を入れているようで、密室殺人そのものはわりあいすんなりとネタを割ってしまう。その分潔くて、そのあたりはわりあい好みである。プロットの勝利だろうと思う。何とも言えないミスリードのすごさも特筆すべきかもしれない。まんまとやられて、メイントリックがわかったときには脱力感すら会ったもの。
原作を読んでいないので何とも言えないのだけど、これだけを何も知らずに読んだら、江戸川乱歩の傑作だと思うだろう。翻案とは思わず、やっぱり本格推理小説の書き手としても乱歩はすごいって思うはず。それくらい、いかにも江戸川乱歩の世界になっているのが逆にすごいなぁと思う。どうやら原作もなかなかおどろおどろしいようなのだけど、日本の読者にとってはこれで十分。コナンや金田一少年や、あるいはテレビドラマの原作として、そのまま通じるようなレベルでおもしろかった。 -
Posted by ブクログ
『空飛ぶ二十面相』と『天空の魔人』の2作収録。
妖星人Rというカニ型宇宙人が出てきて大暴れ。かなりシュールな雰囲気で、いつにもましてツッコミどころ満載。
「子供を相手にずいぶん手数をかけたものだね。どうしてそんな必要があったのかね」という中村警部のもっともな疑問に、明智の回答が素晴らしい。
「必要なんかないさ。いたずらだよ。奴は途方もない悪戯好きなんだ。どんな手数をかけてもいたずらがやってみたかったのさ」
……これを動機として言われてしまうとぐうの音も出ませんね!流石!
『天空の魔人』は、確か海外の某作品の翻案ですね。貨車の盗難事件。小林少年が鮮やかに解決してくれます。図解で説明されて判りやすい。