あらすじ
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人気シリーズ「乙女の本棚」第42弾は、文豪・江戸川乱歩×イラストレーター・まくらくらまのコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。
絵なのです。自分もその美しい絵になり度い衝動を感じるのです。
上野の動物園で出会った青年。月光に照らされながら、彼が遭遇したという世にも奇妙な犯罪と死について語り始めた。
江戸川乱歩の名作が、アンティークのような不思議な魅力を放つイラストで話題の大人気イラストレーターで、本シリーズではポー『黒猫』、中原中也『詩集『山羊の歌』より』を担当するまくらくらまによって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
再読。私も満月になると心が不調になるから、満月や月の光は怖い。すうっと、空に吸い込まれそうになるから、しがみつかないといけない。狂気、狂気、だがこれはただの怪奇小説ではない。青年は、推理小説を書いている江戸川にこの話を聞かせる。メタフィクションの香り。青年は江戸川を模倣したんだと思う。つまり、青年の話の中の模倣と、青年が江戸川を模倣するのと、さらに外側の作者がそれらを小説に書いてるって、3層構造の入れ子になっているのだ。はじめの動物園のくだりは、その伏線だろう。そんなことに気づいた。
Posted by ブクログ
怖かった。そうでした。江戸川乱歩は怖いのも書ける人でした。月夜の晩の話ですから静かに不可思議な雰囲気でゆったりと読んでいたのですが、左の暗闇に人の顔が浮かんで驚いて一度本を閉じてしまいました。本当に心臓に悪い。最高。絵がついていて本当に良かった。東京のコンクリートと不忍池の広さが対比されていてとても綺麗でした。
Posted by ブクログ
乙女の本棚から江戸川乱歩は3作目。
怪奇、幻想、本当にこの言葉につきる。
一人語りでじめっとした雰囲気。
彼の文体が読者に、確かに、そういうこともあるかも…と納得させてような気がする。
あり得ない、信じ難い内容で全くすっきりしないけどまた読みたくなる。
Posted by ブクログ
江戸川乱歩の『目羅博士の不思議な犯罪』と素敵なイラストがコラボする、乙女の本棚シリーズ42巻です。
探偵小説作家が小汚い哲学者風の青年と上野動物園で出会い、彼の不可思議な体験談を小説のネタとして語られる物語です。
とある5階建てビルの一室に、入居すると間もなく首吊り自殺をしてしまう魔の部屋がありました。
様々な人たちがそこへ入っては死にを繰り返す中で、青年は向かいのビルから不気味な顔がニヤニヤと観察しているのを目撃します。
その人物は目羅聊斎という医者で…。
不可思議な物語を不可思議なイラストで彩り世界観を更に増幅させている良書・シリーズです。
Posted by ブクログ
上野動物園で出会った不思議な男と夜の不忍池で話をする。彼の職場のそっくりな二つのビルと自殺者が3度も出た部屋の話を。
タイトルの「目羅博士」も目を引く名前だが、この男ではない。ベートーヴェンの「月光」の曲のように、美しいけど、怪しくてちょっと怖い話だった。
現在の東京の立地を考えると、丸の内のビル群の中の5階の陰気な部屋は、東京駅どまん前、皇居のそばだろう。
そんな一等地がいつまでも空き部屋があるかな?という疑問は感じた。
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズの一冊。
乙女は乱歩がお好き?
このシリーズ、乱歩率が高いよね。
まあ、乱歩の短編はおもしろいので、選ばれるのは納得できるが。とはいえ、『目羅博士~』をもってくるとはね。あまり乙女っぽくないような。
絵も内容に忠実で、初老男子には好感がもてた。ただ、表紙にこの場面をもってくるのはどうなのかな、とは思った。
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズ。
この少ないボリュームでもちゃんと面白い。流石江戸川乱歩✨
「模倣」で果たしてここまでのトリックが可能なんだろうか…?鏡の中の自分が違うことをしていたら本物の自分も鏡を真似た行動をとってしまうんだろうか…?すごく気になる。行動心理学の本とか調べればその手の実験や研究結果判明していたりしないかな( ˘ω˘ )
あと暗闇に浮かぶ目羅博士の顔怖っ‼︎‼︎
Posted by ブクログ
イラストもおはなしに合っていて、何とも怪しげな感じを出してます。
目羅博士がまさか……それを語る男……
読みにくいかなぁと思っていましたが後半からどんどん気になって一気に読みました。
江戸川乱歩の作品は読んだことがなかったので、これから読んでみたいと思います。
Posted by ブクログ
江戸川乱歩さんの作品を読むのは3作目。
今回は、向かい合ったビルとビルの谷間が作り出す怪しさに加え、月光のまやかしも加わり、じとっと気持ちの悪い雰囲気を感じながら読みました。
自分もこの真夜中のビルに寝泊まりしているかのような気持ちで、変に落ち着かない気持ちになります。
向かいのビルに現れる目羅医師は、こちらのビルに住む者に似せたマネキンを用意し、窓の外でマネキンの首を吊る。そうすると、こちらで見ていた本人はどうしてもマネキンの真似をしたくなって首を吊って亡くなってしまう。目羅医師の策略にまんまと引っかかり命を落とす物が後をたたない。しかし、そんな時、そのことに気がついたこちらのビルに住む男が、目羅医師に同様の仕掛けを施す。目羅医師はビルの谷間へと落ちてしまった。この話を月夜の不忍池のほとりで乱歩に打ち明ける怪しい男…。
最初から最後までジメジメとした気持ちの悪いストーリーでした。
今日も本の中に引き込まれました。
ありがとうございました。
Posted by ブクログ
乱歩自身が主人公、というのがまた面白いと思った。上野の動物園で出会った青年から聞かされる世にも奇妙な犯罪。妖しい月の光に導かれる犯罪は不気味だけど妖しい魅力に満ちていて良い。このシリーズは毎作品イラストが素晴らしくて好きです
Posted by ブクログ
お待たせしました(待ってない?)『読まずにレビュー』第5弾です!(ザッパーン!)
*『読まずにレビュー』とは?
表紙と題名、作者のみを手がかりに本の内容を推理し、感想まで書いちゃう!という最先端レビューです!特許出願中!(先に表紙拡大して確認してみてね)
というわけで今回は江戸川乱歩の探偵小説『目羅博士の不思議な犯罪』です
探偵小説決め打ちかい!っていうね
そして犯罪現場はどう見ても銭湯
ちょっとばかり変わった趣味ではありますが、どう見ても銭湯のタイルだもの
そして目羅博士よね
果たして表紙に描かれた二人のどちらが目羅博士かってことが鍵よねこれは
え?明らかに片方人形?
いや人形の名前が目羅博士でなんの不都合があんねん!ぜんぜんおかしないやろが!(# ゚Д゚)
〈あらすじ〉
「アホなこと言わんといて下さい!」
東京下町の銭湯「骨の湯」の女湯で身元不明の女性の絞殺死体が見つかった
従業員の証言により近所に住む理学博士目羅博士が女湯をのぞいていたことが分かり容疑者として浮かびあがるが、博士には完璧なアリバイが
そしてなんと目羅博士そっくりに作られた精巧な蝋人形の存在が明らかとなり、のぞいていたのはその蝋人形だと言うのだ
事件解決に乗り出した迷探偵アホ智小五郎と助手の小手林君は、今度は男湯の方で目羅博士の蝋人形の絞殺体を発見する
小手林君おなじみの決めゼリフが浴場に響く
「蝋人形を絞殺?アホ智さん、アホなこと言わんといて下さい!」
我らが迷探偵アホ智小五郎が蝋人形の謎に挑むシリーズ最新作!
〈感想〉
うひゃー、このトリックは悶絶だわ
さすがは江戸川乱歩です
こんなトリックを考えつくなんてどんな頭の構造してるんだろ?
それに今回はアホ智さんの過去もちょっとだけ明らかにされました
これまでも影のようなものを感じてはいたけど、こっちの方もびっくり
今回も無事事件を迷宮入りさせたアホ智さんの迷推理を堪能あれ!
Posted by ブクログ
怖い話。
人間と猿は神から模倣を授かっている。
そうであるばかりに、このような恐ろしい事態になるとは。
後味悪いが、さすがは乙女の本棚シリーズ。
イラストがキレイ。
Posted by ブクログ
江戸川乱歩文学忌、石榴忌
1931年 昭和6年 「文藝倶楽部」増刊号初出
小説家「私」は、上野動物園で猿に真似をさせて遊ぶ奇妙な男に声をかけられる。男は猿の模倣の話を引き合いに出しながら、やがて自分が体験した小説になりそうな事件の話を語り始める 。
物語は、ビルの5階の貸事務所で始まる。連続する首吊自殺。
男はその真相を目羅博士という目医者が鏡を使った自殺風殺人と知る。
それを逆手にとった青年。
おそらく当時多少増えてきたビル群からの
発想でしょうか
あり得そうで面白い
イラストはまくらくまさん
表紙にも使われているタイル張りの床が素敵
Posted by ブクログ
江戸川乱歩の短編に、まくらくらまさんのイラストて怪しく彩られた作品。
乱歩が動物園で出会った青年の語る、奇妙な話とは…
暗く幻想的な絵が江戸川乱歩の作品世界にマッチして没入感を上げている。このシリーズの他の作品も読みたくなった。
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズから、江戸川乱歩さんとまくらくらまさんのコラボ作品『目羅博士の不思議な犯罪』です。まくらくらまさんのイラストは大好きです!なんか、部屋に飾りたいっ!!あ…でも、我が家には似合わないかな…。
この作品では、探偵小説家の江戸川が上野公園である男と出会います。そこで聞いた話がこの作品の本題となっています。月夜の伴、目羅博士いう眼科医の知られざる姿を目の当たりにした男は、ある行動に出ます。それが、なんとも言えないこの怪しげな表紙というわけで…軽くネタバレしてしまった!
ちょっと怖いストーリーが、まくらくらまさんのイラストとの相乗効果で、より怪しい仕上がりですよね~!個人的に好きな話とかではないけど、いい感じで非日常的な雰囲気を醸し出してました。
Posted by ブクログ
さすが江戸川乱歩。怪しさ満点の文章と世界観で、まるで自分がこの逸話をきいている探偵小説家で、月夜に丸の内のビルディングの薄暗い峡谷をのぞいているかのような気にさせられる。そこは文明のつくった幽谷、科学のつくった谷底だ。
目羅博士が、自分が他人にしてきたのと同じ犯行手口で自殺に誘われてしまったというラストは不気味で恐ろしかった。
人間は月光に狂わされる。人間は鏡の影の真似をさせられる。自身の首吊りの姿を見たら、首を吊らずにはいられなくなる。
表紙に描かれているのはじつは目羅博士ではなく、このミステリの語り部である青年だったということも尚不気味である。
「目羅博士の殺人の動機ですか。それは探偵小説家のあなたには、申し上げるまでもないことです。何の動機がなくても、人は殺人の為に殺人を犯すものだということを、知り抜いていらっしゃるあなたにはね」