江戸川乱歩のレビュー一覧
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江戸川乱歩全集読破を目指して。でもまだ2冊目です。
これは短編を集めた1冊でした。中でも唯一聞き覚えの会った「D坂の殺人事件」。明智小五郎が登場しました。登場するとは思っていなかったのでびっくりしました。やっぱり登場すると安心感がありますね。名探偵の存在感ですかね。
マゾ、サドについて。この単語はこの時代から病名として存在していたんですね。
それにしても、どのお話もドロドロでした。まさに愛憎が渦巻いているという感じです。
「二廃人」と「石榴」の犯人に共通していること。なんて身勝手!他人の人生を、命を犠牲にしなくても、他にやり方があるだろうにと思いました。せめて人に迷惑をかけないようにやりなさいよ、と。
あと、本作の中でダントツに気持ち悪かったのは「虫」でした。体が腐っていく描写がすごくて、すごすぎて怖かったです。
江戸川乱歩の作品は、心が元気なときに読んだほうがよさそうですね。 -
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江戸川乱歩『明智小五郎事件簿 12「悪魔の紋章」「地獄の道化師」』集英社文庫。
戦前の名探偵・明智小五郎の活躍を事件発生順に並べた興味深いコレクションの最終巻。
『悪魔の紋章』『地獄の道化師』共に犯人が次々と猟奇的な殺人を犯すという、江戸川乱歩らしい、おどろおどろしい雰囲気と見事なトリックが堪能出来るハードな作品。
『悪魔の紋章』。明智小五郎はなかなか登場せずに、法医学博士の宗像隆一郎が探偵役を勤め、ストーリーは展開する。H製糖株式会社の取締役・川手庄太郎は何者かに脅迫され、二人の娘が次々と脅迫者の毒牙にかかる。現場に残された悪魔の紋章…三重渦状紋。脅迫者の目的は…そして、正体は…
『地獄の道化師』。踏切で発見された死体入りの石膏像を発端に次々と相沢家を見舞う道化師による怪異、殺人…恐れべき犯人に明智小五郎が挑む。
『D坂の殺人事件』で颯爽と登場した明智小五郎。初期の作品で印象深いのは、この『D坂の殺人事件』と『心理試験』である。両者ともに優れた本格派の探偵小説であり、自分の現在の読書の嗜好を決定付ける作品だった。
時代を感じる江戸川乱歩の探偵小説と共に、毎回巻末に収録されている平山雄一の『明智小五郎年代記』と喜多木ノ実による味のあるイラストも大きな魅力となっている。
今回も巻末に平山雄一の『明智小五郎年代記』が収録されており、作品の背景、登場の風俗や世相を知ることが出来る。 -
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江戸川乱歩『明智小五郎事件簿 11「妖怪博士」「暗黒星」』集英社文庫。
名探偵・明智小五郎の活躍を事件発生順に並べた興味深いコレクションの第11巻。全12巻まで残すは2巻。
時代を感じる江戸川乱歩の探偵小説と共に、巻末に収録されている平山雄一の『明智小五郎年代記』と喜多木ノ実による味のあるイラストも大きな魅力となっている。
『妖怪博士』。明智小五郎と共に少年探偵団が怪人二十面相に挑むジュブナイル作品。『少年探偵団』で爆死したはずの怪人二十面相が実は生きており、明智小五郎と少年探偵団に復讐するというストーリー。善と悪が明確になっており、明智小五郎と怪人二十面相の知恵比べという図式が見所の一つである。悪党でありながらも、決して残虐な行為は行わない怪人二十面相に好感を持ってしまう。
『暗黒星』。こちらは大人向けの探偵小説。なかなか実体の掴めない犯人が、古い西洋館に住むお金持ち一家を次々と殺めていくというのが、事件の筋立て。明智小五郎が密かに心惹かれる青年は横溝正史の『真珠郎』を彷彿とさせる。
今回も巻末に平山雄一の『明智小五郎年代記』が収録されており、作品の背景、登場の風俗や世相を知ることが出来る。 -
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江戸川乱歩『明智小五郎事件簿 10 「少年探偵団」「黒蜥蜴」』集英社文庫。
名探偵・明智小五郎の活躍を事件発生順に並べた興味深いコレクションの第10巻。
奇しくも『少年探偵団』と『黒蜥蜴』という、自分の読書の趣味を決定付けた2作が収録されている。
初めて読んだ江戸川乱歩の小説がポプラ社の『少年探偵団』だった。その時に味わった面白さは今でも忘れない。何十年振りかで読んでみても冒頭の怪事件から結末までのおおよその筋を覚えており、江戸川乱歩を読み始める契機となった作品というだけに感慨深いものがあった。読み返してみると、ジュブナイル作品だけに善悪、起承転結、山谷がはっきりしていて面白いが、反面、突っ込みどころも満載である。
『黒蜥蜴』はNHKの連続ラジオ小説を聴いたのが最初で、その後に春陽堂文庫で原作を読んでいる。連続ラジオ小説はナレーションが中西龍、唐十郎が明智小五郎を、李麗仙が黒蜥蜴を演じていた。連続ラジオ小説がきっかけとなり、この後、江戸川乱歩を読み漁ることになる。『黒蜥蜴』は大人向けの作品ということで、本来の江戸川乱歩の妖艶にして妖しい世界の中にストーリーが展開される。見所は黒蜥蜴と明智小五郎の大胆不敵なトリック合戦だろう。
今回も巻末に平山雄一の『明智小五郎年代記』が収録されており、作品の背景、登場の風俗や世相を知ることが出来る。 -
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明智小五郎の活躍を事件発生順に並べた興味深いコレクションの第6巻。
『D坂の殺人事件』から始まったコレクションなのだが、次第にエンターテイメント的な要素が強くなってきたようだ。この『黄金仮面』で明智小五郎が対決するのは、何とあのアルセーヌ・ルパンが登場するのだ。これまでに無い二転三転の展開を見せる起伏に富んだストーリー、大胆で奇抜なトリック。明智小五郎は何度も命の危機にさらされる。
勿論、何十年前かにポプラ社の少年探偵シリーズで読んでいるのだが、読み返してみても、あの時の興奮と記憶が蘇ってくる。また、今回読み返して気付いたことか1つある。モンキー・パンチの『ルパン三世』に登場する峰不二子は、この作品でルパンの手下となる大鳥不二子がモデルではなかろうか。
今回も巻末に平山雄一の『明智小五郎年代記』が収録されており、作品の背景、登場の風俗や世相を知ることが出来る。 -
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明智小五郎の活躍を事件発生順に並べた興味深いコレクションの第5巻。
後に登場する明智の宿敵・怪人二十面相の原型とも受け取れる魔術師と明智の手に汗握る闘いが巧みなプロットにより描かれており、非常に面白い。
時折、作中で著者が名調子により読者に語り掛けるという一昔前のテレビドラマのような手法も使われており、明智が二人の妙齢の女性に心を奪われるというオトナの描写と併せて、まるで映画かテレビドラマのような仕立てになっている。
この作品は大昔にポプラ社の『江戸川乱歩・少年探偵シリーズ』で読んだ記憶があり、内容を断片的には覚えていたが、こんなオトナ向けの作品であったかなと疑問に思った。しかし、大槻ケンジの解説で疑問は氷解。ポプラ社の『江戸川乱歩・少年探偵シリーズ』に収録されているのはオトナ向けの作品を子供向けにリライトした作品であったようだ。非常に納得する解説。
一つ疑問だったのは、54ページの明智と文子の会話。会話に登場する日付の関係が前後しており、意味不明。誤植だろうか。
今回も巻末に平山雄一の『明智小五郎年代記』が収録されており、作品の背景、登場の風俗や世相を知ることが出来る。 -
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明智小五郎の活躍を事件発生順に並べた画期的なコレクションの第3巻。
この作品を境に、これまでのミステリー寄りの作品から一転し、大衆寄りの作品に変貌したようだ。昔、ポプラ社の『少年探偵江戸川乱歩全集』に収録された同作を読んだ記憶があるが、読み返してみると少年でも理解出来るものの、少年向けの作品というよりも、大人向けの作品であったことが解る。
残虐で凄惨な連続殺人を繰り返す蜘蛛男。冒頭から、この奇っ怪な事件で探偵役を務めるのは畔柳博士と助手の野崎、波越警部であり、明智小五郎は登場しないのかと少しやきもきする。残りページが3分の1になり、明智小五郎がようやく登場する。そこからの二転三転、怒濤の展開の面白さ。そして、意外な犯人の正体とは…
巻末には平山雄一の『明智小五郎年代記 3』が収録させており、本作が上梓された時代の背景などが紹介されている。万城目学の解説も面白い。 -
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名探偵・明智小五郎の活躍を事件発生順に並べ、構成した事件簿。全12巻の第2巻。
『一寸法師』と『何者』の2編を収録。どちらも既読だと思うのだが、『何者』だけはストーリーの記憶が曖昧だった。
あらためて読み返してみると、『一寸法師』は大衆受けする派手なエログロテイストのミステリーであるのに対して、『何者』は地味な作品ながら、しっかりした本格的なミステリーであることに気付かされる。
前巻に続き、巻末の平山雄一の『明智小五郎年代記2』に今回収録2作の事件発生時期を、如何にして特定したかが詳しく書かれており、面白い。また、法月綸太郎の解説が余りにもマニアックな上に的確で、かなり江戸川乱歩作品を研究していることが窺える。 -
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「黒い虹」「黒蜥蜴」「人間豹」「石榴」の4作が収録されています。
一番面白かったのは「人間豹」。乱歩のお家芸であるエログロ、明智と犯人との頭脳戦、小林少年の活躍、そして終盤のタイムリミットサスペンスといった盛りだくさんの内容が、非常にテンポよく展開していきます。大の大人の私でも童心に返ったようなドキドキ感の中で読むことができ、次のページをめくるのが楽しかったです。ミステリとしては細かい瑕疵がいくつかあり、乱歩本人も「子どもらしい読み物」と述べるなど、自他ともにそれほど高い評価は受けていない作品のようですが、私は本作こそが大衆作家・江戸川乱歩の原点であるように感じました。 -
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最高。
先にコミカライズの江戸川乱歩異人館の方を読んでおりその短編集の中でも特に好きな話だったけど、それでも妖しい魅力をたっぷりと堪能。
地の文が親しげに読者に話しかけてくる独特さがまた笑えて面白い。熱い。古い小説なのに漫画のよう。怪人二十面相シリーズの走りとなる変装合戦もドラマティック。←未読なので、解説を読んで更に読まねばと使命感。
ラストシーンの2ページは「わかってたけど、ああ切ない……」と涙目になりながら一行一行繰り返し大切に読んだ。美しい。妖しく毒々しい印象だった漫画版とは違った印象だった。原作の方が綺麗で好き。黒衣婦人は口付けで共倒れするように策を打ってたのかどうか……まあ普通に考えて服毒で今にも死に絶えようとしている婦人にそこで口付けはしないけれど(笑)やっぱり漫画版は原作がああなのだからそこまで演出する必要も無かったかな……
早苗さんに扮する桜山葉子と黒衣婦人が手を取り合い子供のようにワアワア声を上げて泣き合うシーンも印象的……明智の動向を予め知った上でもう一周熟読したい。
面白かった。田島先生のカバーイラストも最高。 -
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ネタバレ▼あらすじ
どうか僕から逃げないでくれたまえ。
そして僕の友情だけなりとも受け入れてくれたまえ。
僕が独りで思っている、せめてもそれだけの自由を僕に許してくれないだろうか。
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江戸川乱歩に興味こそあれど買って読むまでにはなかなか至らなかったのですが、今回、あのITWシリーズでもお馴染みの咎井淳先生が表紙イラストを担当した事もあってファンとしては買わずにはいられず、良い機会だと思って傑作集1~3まで予約して買い揃えました。
こちらの『孤島の鬼』は“BL乱歩”と紹介されていた事もあってシリーズの中でも特に気になっており、主人公に恋心を抱く諸戸諸戸が咎井先生の手によりまさに眉目秀麗と言うに相応しいビジュアルで描かれ、主人公の方も諸戸に引けを取らぬ美しさで描かれていた為、BL好きとしてはその暗澹たる表紙の雰囲気に嫌な予感を抱きつつも非常にワクワクしながら本を開いたのですが…案の定、読むのに少し苦労しました(笑)
今では使えないであろう漢字や差別的な表現が多く、当たり前ですが現代の小説とは勝手が少し違うので、出だしは正直なところ微妙な感じだったのですが、それでも中盤からガラリと雰囲気が変わり、それから徐々に不気味さと謎が増して面白い展開になって行き、最後の方は常にハラハラしっぱなしで早く結末が知りたいと思いながら読み耽っていました。
中でもやはり、諸戸の存在は大きかったですね。
あらすじを読んだ時は諸戸が犯人だと思っていて、それが違うと分かった後も実は犯人サイドなんじゃないかと一抹の疑いを拭い切れずに最後の方までちょっとだけ諸戸を心のどこかで疑ってたりもしてたんですが、諸戸は最後まで蓑浦側の正しい人間で安心しました。
BL好きとしてはどうしても諸戸に肩入れしてしまうと言いますか、諸戸がなまじ健気で報われない片想いをしているものだからつい応援したくなってしまうんですよね…諸戸、頭も容姿も抜群のイイ男だし…(笑)
反対にそんな諸戸の恋心に気が付きながらも都合の良い時だけ利用するように甘えたり頼ったりする蓑浦にはノーマルだから仕方が無いと分かっていながらも、諸戸に対するその冷たくも思える仕打ちや差別的な見方にムッとする場面もしばしば。
特にこの作品で一番印象深かったのは洞窟のシーンですが、もう死を待つしかないような絶望的な状況下で本気で迫った諸戸を蓑浦が全身全霊で拒絶するシーンは、何だかなぁ……と。
諸戸の知恵と支えがあったからこそここまで来れたのに、そんな諸戸に気遣いも出来なければ、優しい言葉の一つだってかけてやれない蓑浦の性格にいよいよ作品の趣旨も忘れて本気で腹が立つほどでした(笑)
更にラスト、全ての問題が解決して物語が良い方向へ進む中、諸戸だけがあっさり病死ってそんな仕打ちあんまりじゃあないですか……。
しかも蓑浦からの手紙を抱きしめながら蓑浦の名前だけを呼んで亡くなるって…。
諸戸があまりにも可哀想で読み終わった後、何とも言えない後味の悪さが残りました。
“同性愛小説”、“BL乱歩”と謳い、それを期待して読むとおそらく私のようにとにかく諸戸に感情移入してしまい、結果、そのあまりにも徹底した報われなさに途方もなく落ち込んでしまわれる方が殆どかと思います。本当に切ない…。
時代背景が違うのですから同性愛に対する考え方や風当たりが今と異なっているのは
当然ですし、そもそもこれはBL小説ではないので、諸戸の扱いに不満を言うのもどうかと思うのですが…それでも私は、彼の幸せを考えずにはいられないのです……。
正直、茫然自失となるラストでしたが、忘れたくても忘れられない作品となったので評価は★5です。
死ネタが苦手な方には注意が必要な作品ですが、とにかくストーリーは読み応え抜群なので是非とも色んな方に読んでいただきたい作品の一つです。