江戸川乱歩のレビュー一覧
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明智小五郎が関わった事件を事件発生順に並べたシリーズ。
『大金塊』は1930年晩春、『怪人二十面相』は1931年10月11日から12月10日の出来事です。
後書きの解説によると『大金塊』では江戸川乱歩が「『少年探偵団』や『妖怪博士』をお読みになった読者の皆さんは明智小五郎の少年助手小林くんのことはよく知っていると思いますが…」と書いているので、出版されたのはそれらのほうが先だけど、事件発生は『大金塊』が先ってことらしいです。
こちらの二作品は児童向けのため、小林芳雄くんたち少年たちが活躍し、敵も大仕掛けの割には殺人はしない悪党というソフトな描写になり、地の文章の言葉遣いも丁寧です。「お仕事は〇 -
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明智小五郎が関わった事件を事件発生順位に並べたシリーズ。『人間豹』は1930年2月から1931年4月の出来事です。(最初の事件の後、一年ほど間を空けて次の事件になだれ込むため、明智小五郎が出てくるのは後半の1931年2月頃から4月)
今まで明智小五郎が対決した出てきた「吸血鬼」「蜘蛛男」などは犯人の残酷さを表す渾名だが、こちらの「人間豹」は半人半獣のような犯人そのものだ。
その「人間豹」は、30歳ぐらいで、ひどく痩せて足は長く、顔はドス黒く頬は痩せて鼻が高く、舌は一面のササクレで覆われていて、びっくりするほど大きな両目は青い燐光を放っている。更に非常に身が軽く、四足歩行のほうが自然らしい。人 -
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続幻影城は未読だが類別トリック集の存在は知っていた。本書の様にテーマを絞って貰えるのは非常にありがたい。
作品名は伏せてあるがネタバレ大全集ともいうべき内容で大御所だから許されそうな雰囲気だが昭和4年には既に収集を開始している(多分もっと前からしている)から本人にとっては関係ないと思われる。それぞれのトリックを簡潔明瞭に書いてあるがその一行を書くために相当な本を読んでいるはずでありこの人は評論家としても優れている気がする。本書にある横溝正史の『本陣殺人事件』批評も自分が書けない憂さ晴らしのようにも読めるが原作を読んだ後だとけっこう的を得てるし同氏の『鬼火』をキチンと傑作と認めているから優れた目 -
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明智小五郎の登場する事件を発生順に並べたシリーズ。『吸血鬼』は1929年9月末から12月半ばの事件です。
前巻『黄金仮面』ではおおらかでダイナミックな冒険物語という感じでしたが、『吸血鬼』はまたしても偏執的な復讐とか、壮絶な目に合う被害者とか、陰惨な死体とかがてんこ盛りです。題名の「吸血鬼」は血を吸う西洋のイメージではなくて、犯人の残酷さを「鬼か吸血鬼か」というように、人間ではないという比喩です。
明智小五郎事務所には二人の助手、『魔術師』の文代さんと、13,4歳くらいの小林少年が入りました。文代さんは明智小五郎の恋人で女助手として活躍します。さすがは「魔術師」に鍛えられただけあって、身軽 -
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明智小五郎の出てくる事件を発生順に並べたシリーズ。『黄金仮面』は1929年4月5日から6月18日の出来事です。
この本は小学校の図書室にあったシリーズで読みました。私は「黄金仮面」の正体が好きだったので、この小説にはちょっと釈然としなかった…(^_^;)
しかし、大人になってから見た「天知茂 江戸川乱歩美女シリーズ」では、この『黄金仮面』が一番好きです!(流石に「黄金仮面」の正体は変えていました)
有名な俳優・女優(ネタバレ防止で名前は伏せます)が金色の仮面を被って、黒いボディスーツを着て、黒マントを羽織って、愛を語り合ったり、空を飛んだり、盗みを働いたり、海に出たり!そして黄金仮面の手下た -
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明智小五郎の事件を事件発生順に並べたシリーズ。『魔術師』は1928年11月5日から1929年4月半ばの出来事です。
明智小五郎30代後半で、住居は御茶ノ水のアパートにお引越ししました。
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明智小五郎は素人探偵といっても、探偵の看板を出して生活をしているわけではない。つまり、依頼を受けているわけではなく、好きで事件捜査をして解決が楽しいのであり、犯人逮捕は興味ない(今までも言ってたことではある)。
…でもそれならどうやって生計立ててるの!?パトロンが数人いるのか!?(←それは金田一耕助)
今度の事件は『蜘蛛男』事件から引き続く。この事件にさすがに疲れた明智小五郎は、湖畔のホテルで休養 -
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ネタバレ明智小五郎の関わった事件を発生順に並べたシリーズです。
『蜘蛛男』事件は1928年6月16日〜11月4日の出来事です。明智小五郎は前の事件解決後に「シナから印度のほうに旅をしてもう三年になる」(孫悟空か!)ため、出番は終わりの方になったと辻褄が合うようです。
なお、明智小五郎不在の三年の間に日本は大正から昭和に代わっています。明智小五郎が日本にいないときに日本に重大な出来事あるよね。(江戸川乱歩が執筆どころでないのか)
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貸事務所に入った「稲垣」と名乗る美術商。だが読者には、仮名・稲垣の怪しい行動、そして彼の異常性、周到な犯罪の用意とが示される。
そのころ東京では異様な女性死体が相 -
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明智小五郎の解決した事件を作中の年度順に並べるシリーズの第2巻。
1巻ではアマチュア探偵だった明智小五郎も2巻では手伝いをしている(探偵助手とか見習い?)若者は数人いるし、警察にもすっかり顔が利く。服装は1巻の和服から、上海帰りのためなぜか支那服 笑。
くしゃくしゃの頭をかき回して人懐こく笑うのは相変わらずです。
明智小五郎は長いの間上海に滞在していて、戻ってから半年くらいは探偵仕事もせずにいたらしい。そんな明智小五郎の興味を引き、探偵復帰となったのが『一寸法師』事件。
巻末の解説によると、『屋根裏の散歩者』のあと上海に渡り、その期間に関東大震災が起こり、しばらくしてから帰ってきた計算になるみ -
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明智小五郎を探偵とした短編集を作中事件発生順に並べ替えたシリーズです。巻末の解説で、どうやって作中事件の日時を推察したかが書かれています。これがまさに探偵のお仕事のようで、本編も解説も楽しめます(^o^)
一巻の明智小五郎はまだ素人探偵の25歳くらいの「青年」。絣の着物を着て、もじゃもじゃの髪の毛をくしゃくしゃにかき回す癖がある。だんだん明智小五郎が大人というか有名というかダンディー(?)になって洋服着用になり、この着物にくしゃくしゃ頭の人懐っこい探偵は金田一耕助に引き継がれましたね。明智小五郎が推理において大切にするのは人間の心理としています。
最初の事件『D坂』以前の明智小五郎の生い立ち -
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途中からどんどんドライブがかかって読める感じ。
前半で様々な事が起こり(本の厚さの1/5くらい?)、
この犯人探しであと4/5も保つの??って思ったけど、
そこからの展開が想像以上にスゴ過ぎた。
生い立ちの不幸から性嗜好が歪んだと思ってしまった諸戸、
育った環境が明るみになるにつれ本当に心が痛くなる。
犯人探しも主体は諸戸だし、
『私』からも故意に弄ばれたり軽くあしらわれたり、
諸戸の気持ちを想うと読んでてツラくなる。
変にナルシストで優柔不断な『私』に腹が立ったりもする。
そんな諸戸への想いが連なって、
ラスト危うく泣くとこだったよ。
幸せにしてあげて欲しかったな。
しかし本当に思いもよ