江戸川乱歩のレビュー一覧

  • 人間椅子(乙女の本棚)

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    2025/10/27
    p.37
     声によって想像すれば、それは、まだうら若い異国の乙女でございました。ちょうどその時、部屋の中には誰もいなかったのですが、彼女は、何か嬉しいことでもあった様子で、小声で、不思議な歌を歌いながら、踊るような足どりで、そこへはいってまりました。そして、私のひそんでいる肘掛け椅子の前まできたかと思うと、いきなり、豊満な、それでいて、非常にしなやかな肉体を、私の上へ投げかけました。しかも、彼女は何がおかしいのか、突然アハアハ笑い出し、手足をバタバタさせて、網の中の魚のように、ピチピチとはね廻るのでございます。
     それから、ほとんど半時間ばかりも、彼女は私の膝の上で、とき

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    2025年10月27日
  • 江戸川乱歩名作選(新潮文庫)

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    語り手が過去の出来事を振り返るかたちで、自身の経験談や懺悔を語るように物語が進む形式が多い。聞き手に自分を重ね、不思議な話に半信半疑ながら引き込まれていくことで、もしかしたら実際の出来事なのかもしれないという気持ちになるのが楽しい。「陰獣」は初期の短編集の集大成のような作品なので、同社の傑作選を読んでから読むことをおすすめしたい。最後まで江戸川乱歩の良さが詰まっててよかった。

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    2025年10月23日
  • 人間椅子(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    最後まで作者の手のひらで踊らされていたように思い人間椅子のトリックが不可能ではないが可能なのか?と思ってしまうそしてあのような考えが思いつくだけで恐ろしく天才だと思うまた、イラストも素晴らしく色使いが不気味で美しい

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    2025年10月13日
  • 人間椅子(乙女の本棚)

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    まきさんの本棚から

    椅子の中の恋
    ただ触覚と聴覚とわずかの嗅覚のみの恋
    暗やみの世界の恋

    ホノジロトヲジさんの絵の繊細さ色使いに異世界へ踏み込んでしまったかのようだ

    限りなく窮屈で抑圧された恋心に気味悪さを感じながら覚悟を決めてラストに向かった

    私が思い描く結末にはならなかった

    その結末さえも怪しいと思わせる江戸川乱歩の「人間椅子」は、やはり素晴らしい作品だった

    夢からふっと覚めたような感覚が残った


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    2025年10月06日
  • 江戸川乱歩傑作選

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    少し茶目っ気のある文章とどこか他人事な感じがすごくよかった。他がカラッとしている分「芋虫」のじっとりとした感じが際立って印象に残った

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    2025年10月02日
  • 江戸川乱歩傑作選

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    ふと手を差し伸べられて引き上げてくれる、もしくは背中から押し上げてくれる。そんなふうに物語の舞台へ誘う言葉が江戸川乱歩の筆致に潜んでいる。この艶かしくおぞましい物語は禁忌や欲望が交錯した迷宮となる。好奇心こそ歓喜とリスクに満ちている。だから面白い。

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    2025年09月28日
  • 目羅博士の不思議な犯罪(乙女の本棚)

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    再読。私も満月になると心が不調になるから、満月や月の光は怖い。すうっと、空に吸い込まれそうになるから、しがみつかないといけない。狂気、狂気、だがこれはただの怪奇小説ではない。青年は、推理小説を書いている江戸川にこの話を聞かせる。メタフィクションの香り。青年は江戸川を模倣したんだと思う。つまり、青年の話の中の模倣と、青年が江戸川を模倣するのと、さらに外側の作者がそれらを小説に書いてるって、3層構造の入れ子になっているのだ。はじめの動物園のくだりは、その伏線だろう。そんなことに気づいた。

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    2025年08月31日
  • D坂の殺人事件 アニメカバー版

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    5つの物語で構成される短編集。
    5つとも舞台や雰囲気が異なり、また、明智小五郎の登場の仕方も様々で面白い。

    どのお話も読み切ると所々にちゃんと犯人のヒントが転がっていたことに気付けるのも個人的に好き。

    個人的には、
    「何者」のどんでん返し感
    「心理試験」の犯人の追い詰め方
    「地獄の道化師」の文章から伝わってくる不気味さと恐ろしさ
    が特に印象的だった。

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    2025年08月29日
  • 江戸川乱歩傑作選

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    推理物の中でもコロンボや古畑任三郎の倒叙ミステリー物が好きなんだけれど、何故自分がそれを好きなのかが分かった。ロジック的な部分よりも内面の揺れ動きを楽しめるからなんだなあと。

    乱歩の作品は全て内面の揺れ動きが凄く丁寧に描かれていて、推理物では犯人がどういう人物でそこから犯行に至り、犯罪を犯した瞬間の興奮と生命が絶たれる瞬間を見据える目線までとても生々しく見せてくれる。
    特に人が死ぬ描写は凄い、凄いキモい。笑

    全部面白いけど屋根裏の散歩者、人間椅子、芋虫は傑作。

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    2025年08月25日
  • 江戸川乱歩傑作選

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     小学生の頃に読んだ少年探偵団シリーズを読んだ時に妙な心地悪さを感じてた。

    乱歩作品を読んでると、ムズムズするというか、恐怖感?というか(スリル感?ゾクゾク感?)何というか言葉では言い表わせない不気味さ、心地悪さを常に感じる。
     それが嫌いとかではなく、乱歩の味のある文体にいつの間にか虜になっていて最後まで一気に読破。

     この短編集で江戸川乱歩という作家の作品を改めて読んでもやっぱり心地悪いw

    でもやっぱりこの感じが他の作家さんでは味わえない唯一無二の天才的な感じがする。というか、江戸川乱歩って絶対にド変態だよな(良い意味で)w

    マトモな奴がこの発想のこの文章書けるわけないw

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    2025年08月23日
  • 江戸川乱歩傑作選

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    すごい、全部面白かった。
    いろんな小説を読んできたけど、かなり個性的な文体なんじゃないかと思う。
    読みやすい現代語表記に直されてるけど、原文も読んでみたいな。
    総括して人を食ったような文章とお話、テンポはいいけど濃密な推理トリックで、天才肌っぽい印象を受けた。作者のキャラ立ちがすごい。

    傑作選というだけあってどれもすごく面白かったけど、やっぱり最後の芋虫は異質かつ、悲劇的な結末までの流れもすごくよかった。あとめっちゃ変態。
    ヘキしか感じない。

    明智小五郎が出てくるサスペンスシリーズの中では心理試験がよかったな。
    シンプルかつ鮮やかな手口で賢い犯人の失言を誘うのはすっきりした。

    一気に好き

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    2025年08月22日
  • 江戸川乱歩名作選(新潮文庫)

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    傑作選に続き、こちら名作選も読みました。

    サスペンスでミステリーなんだけど、それだけではなくて人間の闇の部分がなんとも厭らしくて、それでいて淫らで、陰鬱で…。
    時代設定を意識しながら、読むとそこがより際立つ。





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    2025年08月16日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    豪華すぎやろがい。この一冊でいろんな文豪の文章に触れられて楽しかった〜!百年ぶりに読んだ谷崎潤一郎が良すぎて大興奮。そしてはじめて読んだ泉鏡花が激ムズすぎてひっくり返った。文章が独特でわけわからんくなりながら、描写がきれいなことだけは伝わってくるのが不思議でなおさらわけわからんくなっていたような。いや、でも、でも、やっぱり江戸川乱歩すきですァ〜!しかも「芋虫」って。何回読んでもウワァ…ってなる。たまらない。

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    2025年08月12日
  • 江戸川乱歩傑作選

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    こんなに面白いと知っていたら、もっと早く読みたかった…と少し後悔。

    ミステリーとしても面白いけれど、それだけではなく人間の欲望、酷さ、狂気、気持ち悪さも描かれています。描かれた時代を想像しながら読みました。
    他の作品も読んでみたくなりました。

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    2025年08月09日
  • 悪霊物語(乙女の本棚)

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    最初の感想として「こんなとこに行ってみてぇ!」だったのが段々と「怖えぇ…」になって「まさかな」になって「だいじょぶか、良かった」になって最後の一文で。あれが最後の一文です。続きはどうやら別の人が書いたらしい。この文はフィクションではございませんよね?

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    2025年07月22日
  • 少年探偵団 7 対決! 怪人二十面相

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    ちゃんとした推理小説だった。
    ぼんちゃんも自ら進んで読んでいたので、面白かったよう。
    もう10歳になったけど、このシリーズを読み進めてみようと思う。

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    2025年07月21日
  • 少年探偵団―私立探偵 明智小五郎―(新潮文庫nex)

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    小学生の頃、二十面相が登場する話をいろいろ読んだ記憶があって今回久しぶりに再読しました。
    小さい頃、どうしてあれほどまで二十面相に憧れていたのか…笑
    今読むと、小林くんや少年探偵団のみんなの可愛さばかりに目がいって、二十面相にはあまりときめかず。
    でもやっぱりいつ読んでも面白いですね。

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    2025年07月14日
  • 屋根裏の散歩者 江戸川乱歩ベストセレクション(3)

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    ネタバレ

     この作品は人間の心理の奥底に潜む異常性や狂気を見事に描きだした作品であると思います。物語の舞台は大正時代の東京。とある下宿で展開します。登場人物である郷田三郎は社会的に見たら成功者であり、一見平凡な青年です。しかし、実は「退屈」という感情に苛まれ刺激のない日々に苦しんでいるのでした。そんな彼が見つけた「屋根裏を散歩する」という奇妙な趣味はやがて犯罪へと繋がっていく・・というのが大まかなあらすじです。
     この作品の印象的な部分は郷田の心理描写であると思いました。彼は決して金銭欲や復讐心で犯罪を犯すのではなく、「退屈を紛らわすため」というとても単純な動機で行動をします。普通のミステリーにはないそ

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    2025年07月14日
  • 赤い部屋(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    赤い部屋ですから赤地に白文字なのがいい。勿論、黒地に白も。「その部屋は、私を、丁度とほうもなく大きな生物の心臓の中に座っている様な気持にした。私にはその心臓が、大きさに相応したのろさを以って、ドキンドキンと脈うつ音さえ感じられるように思えた。」こんなに好奇心を押し殺した深くて長い呼吸にぴったりの表現があるとは。しかも同じ思惑、趣味嗜好をもった集団だと言うのもこれだけで気持ち悪ほどありありと想像できる。あれだけ格式高かった赤い部屋が最後一気にチープになるのは夢から覚めたようで心地いい。割と最初から給仕の女性が描かれて殺人者の内面を表現するようにそれから何度も描かれているのが不思議だったが、最後ま

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    2025年07月08日
  • 目羅博士の不思議な犯罪(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    怖かった。そうでした。江戸川乱歩は怖いのも書ける人でした。月夜の晩の話ですから静かに不可思議な雰囲気でゆったりと読んでいたのですが、左の暗闇に人の顔が浮かんで驚いて一度本を閉じてしまいました。本当に心臓に悪い。最高。絵がついていて本当に良かった。東京のコンクリートと不忍池の広さが対比されていてとても綺麗でした。

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    2025年07月01日