鈴木涼美のレビュー一覧

  • 女の子未満

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    5,6畳の部屋での初めての一人暮らし、
    ばあばの営んでいたスナックやその後移り住んだアパート、団地、最期を過ごしたホスピスの想い出、
    バイト先でのカオスな恋愛模様、
    家族で住んでいた昔の家のベッド、
    もう連絡先もわからない友だち
    小さい頃の習い事、
    何者かになりたかった10代の頃、

    全てが自分の昔をちくちく想起させてきて、
    胸がギュッとなった。

    今となっては戻れないあの頃を思い出したくてこの本を買ったから、とても満足。

    けど最期に鈴木涼美がAVデビューした話しを持ってくるところで、この本の帯に書かれていた

    「私が女としての自分をどう引き受けるに至ったか」を書きました。

    をきれいに伏線回収していったのが技ありだった。

    私はこの本とても好きだったし、自分の想い出を重ね合わせてずっと所有していようと思った。

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    2026年07月12日
  • 私の身体を生きる

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    凄かった。エッセイというものをほぼ読んだことがなかった私にとって強烈な読書体験だった。
    ほんタメというYouTubeチャンネルで紹介されており興味を持って読んでみた。これは、映像化はきっと難しい、本という媒体のみを通して伝えられる感覚だと思った。
    共感できる部分も多く、一方で共感できなかったあの子の振る舞いはこんな感覚にルーツがあったのではと思い至るところもあって、強烈に胸に響いた。私の感じたもやもやを言語化してもらったようで嬉しさもあった。自身も女性性を元とした経験はポジティブ面、ネガティブ面ともにあり、同じような経験をした作家がそれをどう捉えるかを聞けたことが嬉しかった。
    性に関する体験をもとに感情が描かれていて、一読するだけでは飲み込みきれなかった部分もあった。一作ずつ丁寧に読みといていきたい。

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    2026年05月04日
  • 私の身体を生きる

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    個人的にはむっちゃ面白かったが、娘を持つ父親としてはマジ複雑。危険すぎるやん、満員電車に乗せられないし、共学にも入れられない。とかやってると箱に入れすぎて社会に出て路頭に迷う。
    特に若い女性は希少性が高いし、あらゆる年齢層の男性から性的視線を向けられるキモさ、精神的苦痛は想像してもキツイ。
    しかも性被害に遭えば一生悩まされるし、キモい男性、痴漢は一定程度発生して避けようがないとしたら、。地獄に落ちないようにだけはしっかりと自衛せなあかんよな。

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    2026年03月31日
  • 典雅な調べに色は娘

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    この小説の主人公、20代なんだよね、、
    風俗業を引退して広報の仕事に入り、
    職場環境をよくするために?上司と簡単に寝る。
    自慰行為も頻繁。
    同僚の女子とのランチはそうした会話ばかり。
    さらに、同じ上司と寝ていたこともわかり、、
    そのくせその上司が、別れたと言っていた妻子と
    寄りを戻すのを発見すると悩んだり、、

    子供なんだか大人なんだかよくわからない。
    ただ、性に関してはとにかく奔放、
    というか、
    今自称保守層がのたまう「正しい家族」
    には全く反する行動。

    私自身、性差別、ミソジニーには反対し、
    ジェンダーの考えには理解があるつもりなのだけど、
    頭がついていかない。
    自分はここに登場するような上司にはなれない、、、
    そもそも女性の行動として、
    AVなど見てもありうるし、
    そういう女性がいることははわかっていても、
    現実のものとはどこか思っていない、、、

    刺激的な小説でした。
    著者は慶大OGなんだ、、
    元AV嬢、日経記者、東大大学院、、、
    現実なんだよなあ、、

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    2026年01月13日
  • 私の身体を生きる

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    女性として生きて来た中での、著名&人気作家さんたちが悩みを赤裸々に綴られた連載が一冊に。

    自分が女性でいることを肯定するために背中を押してくれるような内容だった。

    無神経な数多の男性達に加害されてきた傷への癒し 自分だけではなかった、という、女友達と行ってきた、経験を分かち合って貰えることへのありがたみ

    女性の身体の不安 妊娠や性行為、体調不良、弱さ
    見た目への若い頃の過剰な拘り、ジャッジされることへの抵抗感と迎合

    まるっと。

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    2025年12月07日
  • 私の身体を生きる

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    「私の身体」を「生きる」とは何だろう。いや、「私の身体」とは何だろう。そもそも、「私」とは何だろう。
    各作家たちの切り口は様々だが、みな共通しているのが、己という存在を不可欠に構築するこの肉体というものの生物的な役割にも社会からの眼差しにもかなり戸惑い、苦しみ、受け入れたり受け入れられなかったりしながらどうにか生きている点で、強く連帯感を持ちながら読んだ。

    痛ましさを感じたのが、執筆陣の女性たちはほぼほぼみな性被害の経験がある点。私にもあるし、私の友人たちもほとんどあると思う(学生の頃、痴漢が話題になったとき、その場にいた10人ぐらいのなかで痴漢に遭ったことがない子は1人しかいなかったことを覚えている)。この社会で、そうやって女性は、否応がなしに「私の身体」は本当に私のものなのかと、「私」がモノとして扱われ得るということに向き合わされてしまう。時には、まだ第二次性徴も迎えていないうちに。だからこそ、このようなアンソロジーが興味深い。

    とはいえ男性視点の「身体」やその社会的表象については私にはわからない部分なのだが(この辺りのアンコンシャスバイアスについて、鳥飼茜さんとパートナーの方との会話が面白かった)。男性作家たちに、同じテーマでアンソロジーを書いてもらったらどのようなものが生まれるのだろう?と好奇心を抱く。

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    2025年12月04日
  • ノー・アニマルズ

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    連作短編。時間を空けて再読したくなった一冊。
    最初のコンカフェ嬢は他者からそんな風に見えるんだと驚いた。
    良く言えばリアルな描写だけれど土地勘が無いとニュアンスを汲みにくい部分もある。

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    2025年11月20日
  • ギフテッド/グレイスレス

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    ギフテッドは再読。
    どちらも重く淡々と過ぎていく日々。わざとらしいオチが無いので暗いけれど読後感は非常に良い。

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    2025年11月13日
  • 不倫論

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    ー 不倫は愚かだが、実際には不倫を恐れ糾弾し、あるいは恨むということも、実は同じくらいに愚かなことであるということは、知るに値すると思っている。

    不倫に対して無条件に顔を顰める人は多いと思う。
    なんせ「人倫にあらず」と書くのだ。
    しかし、この本は、結婚という制度に窒息したり、苦しめられたりしている人たちへ感じ入る気分・シンパシーと愛情がたっぷり詰まっている。
    つまり泥棒猫の女側に寄り添った本なので、不倫に顔を顰める人たち向きの本ではない。

    少なくとも不倫を糾す論ではない。

    著者の鈴木涼美さんは、元セクシー女優で、元日経記者で、芥川賞候補作家。
    若い頃は、既婚男性ともお付き合いをしたと言う。
    だからこそなのか、この本には婚姻について、愛について、家族と恋愛について非常に深い考察がインテリジェンスに、これでもかと言うくらいに展開されている。
    非常にかっこいい不倫論で、まあ面白かった。
    読んで救われる人も、実は多いのではないか、と思う。

    そして、不倫をしてみたいという願望を持つ夫たちも必ず読んでおくことを薦める。
    男は女以前に自分のことが好きすぎて、浮気をする資格がある者は極めて超少数なのだそうです。

    わかる笑

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    2025年09月21日
  • 私の身体を生きる

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    様々な『自分の』性との向き合い方について書かれている。メタ的な性との向き合い方でないのは、女性の作家たちだからだと思う。
    女性も誰かの性を搾取することもあるだろうが、しかし圧倒的に搾取される側であり、自分の生命と性とが紙一重に近い存在だと思い知る。
    アンソロジーの最初の島本理生さんの作品が個人的ににとても響いた。
    なぜ自分の性と向き合うだけで傷ついてしまうのか。男性も同じなのだろうか。傷ついたことを思い出さないで自分の性について語れる人間がいるならば、どんな人生なのか知りたいと思う。

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    2025年09月20日
  • 往復書簡 限界から始まる

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    ネタバレ

    なんて真摯な文章のやり取りだろう。往復書簡という形だからこそ丁寧に紡がれる言葉や、自分をさらけ出し、相手に相談し、それに応えるというやりとりがされていると感じる。当時の鈴木涼美の悩みは私の等身大の悩みと重なるところがあって、すごく共感してしまった。鈴木涼美の文章が上野千鶴子の「親戚のおばさん」を引き出し、上野千鶴子からの激励を間接的に自分の励みとすることができた、ような気がする。

    私も何人かの友達と往復書簡してみたい、という気持ちになった。

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    2025年08月28日
  • ニッポンのおじさん

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    "おじさんの振り見て我が振り直せ"

    けだし名言!

    “Learn from geezers' mistakes and fix your own.”

    Now that’s a quotable line!”

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    2025年06月11日
  • JJとその時代~女のコは雑誌に何を夢見たのか~

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    雑誌が好きな私にとっては、まるでJJという主人公が産まれてから老いるまでを描いた小説のように感じた。
    ミニサイズを見たときの複雑な心境など……。
    日本のファッション誌について知りたいときの入門書としても役立ちそうな一冊。
    様々な人物や書籍などが紹介されているので、詳しく知りたい箇所も辿りやすい。
    ただJJとCanCamの違いにしっかり触れるなら、ananとnon-noも雑にまとめないで欲しいところではある。

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    2025年04月08日
  • 危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』

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    ネタバレ

    ナウシカ、エヴァ、進撃の巨人の関連性を知れた。4分の1ほどまでしか精読できていないため、3点の作品の何かを掴めたら再度読むといいだろう。
    世界、戦争、思想。

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    2024年12月02日
  • 不倫論

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    最高。涼美さんの恋愛に関する考え方はとてもリアルだといつも思う。リアルだから痛いけど、ごまかして甘いより余程いいと思う。不倫に幸せはないと個人的に思うが、道ならぬとされる恋でしか息ができないときもあるのだろう、人生って。

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    2024年10月19日
  • 往復書簡 限界から始まる

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    最近のフェミニズムはどんな感じなんだろうと、軽い気持ちで読み始めたら、内容がとても濃く、自分自身も女性だから翻弄されていたことを意識させられたり、傷ついて虚勢を張っていた部分をボロボロと剥がされるような感覚があったり、読んでいて胸が抉られ、苦しくなるところがかなりあった。私も母親に苦しめられたこともあったけど、最後まで読んだら、苦しんだかわりに身に付いたこともあったと気がついて、心を整理することができました。

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    2024年07月27日
  • 危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』

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    いかに漫画版「ナウシカ」が奥深い作品かという事を様々な方が語っています。
    この本を読んでいる最中は常に、「ナウシカ」を読み返したくなってしまいます。その欲求に抗いつつなんとか読み終えました。
    …さて、漫画版「ナウシカ」を出してきますか!

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    2024年05月21日
  • 往復書簡 限界から始まる

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    読む前はもっと客観的なフェミニズムについての対談なのかと思っていたけど、
    実際は個人的な話が中心で、テーマが重い。
    鈴木さんの抱える問題の本質を上野さんが的確に突いてくるのが、読んでいて痛い。私も母との関係に問題があったことや弱さを嫌う節があるので、自分の身につまされる。
    それでもどんどんと先を読みたくなる。
    読んだ後はエネルギーを持って行かれてしまうけど、また何度も読みたくなる様な本だった。

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    2024年05月06日
  • YUKARI

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    今までの鈴木涼美さんの本では一番読みやすかった。

    ジンくんのことを一番好きなようで、本当は先生に一番気持ちを持って行かれているのかも、と感じた。

    正博さんへの手紙は、取り繕いと嘘ばかりに思える。
    これ、一番最初が正博さんでその後に先生だったらもっと「え?」と思えて楽しかったかも。

    夜の世界の人たちにハマる人たちへ、あなたたちはこんな愚かな者たちに弄ばれているのですよ、というメッセージのようにも感じた。

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    2024年05月04日
  • 娼婦の本棚

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    この本を読んだ理由は、単純にファンである鈴木涼美さんのバックボーンがどのような本によって形成されたのか気になったから。
    鈴木涼美さんの文体、語彙力、表現力が大好きで、その文章力には毎回感服させられる。
    なんなら文章を浴びるためだけに読んでいる時すらある 笑。

    この本では自身の体験をもとに、その当時影響を受けた本との出会いや解説などを流れるような文体と核心を突いた持論を交えながら展開されていく。
    筆者も述べているように、これは社会に出てどんな道にも進めるようになる20歳までの女性が読むと大変参考になるのではないかと思う。

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    2024年01月07日