【感想・ネタバレ】YUKARIのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

今までの鈴木涼美さんの本では一番読みやすかった。

ジンくんのことを一番好きなようで、本当は先生に一番気持ちを持って行かれているのかも、と感じた。

正博さんへの手紙は、取り繕いと嘘ばかりに思える。
これ、一番最初が正博さんでその後に先生だったらもっと「え?」と思えて楽しかったかも。

夜の世界の人たちにハマる人たちへ、あなたたちはこんな愚かな者たちに弄ばれているのですよ、というメッセージのようにも感じた。

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2024年05月04日

Posted by ブクログ

涼美さんの小説やエッセイが大好きでずっと読んできたけれど、一番この作品が好きかもしれないです。人は多面的であることに改めて気づかされました。装丁もとても素敵です。

「過去だって現在だって、あるいは未来について語るときだって、事実はいつもごつごつしていて、とても食せるものではない。だからどうにか口当たりの良いものになるように、時には味を変え時には小さく砕き、時には全く別のものを用意して、食べられるように料理することを、みんな愛って言うんじゃないかしら。」

「私は、愛じゃないから、所詮虚構の歓楽街だから言葉が必要だと思っていたけれど、どこかに小さな愛があるから、言葉で繕っていたのかもしれませんね。どんな言葉をささやかれても、信じるふりをして鼻で笑っていたけれど、重要なのは鼻で笑っていたことの方ではなくて、信じるふりをしてあげられることの方だったのですね。」

「つまり何か取り繕うことをなさらなくなったときに、私は初めて愛の不在を実感したのでしょうね。妙にあの時のあなたの顔だけは何年たってもはっきり思い出せるのは、それがきっと私にとって飲み込めない真実だったからでしょう。」

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2024年04月12日

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