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『ギフテッド』『トラディション』著者が描く、『源氏物語』を題材とした歌舞伎町文学の新境地。
三浦瑠麗氏推薦「与えたい女、奪う男――「多情」の心の裡がみごとに綴られている。」
婚約者との結婚を控え、何の不自由もなく暮らしていた紫。あるダンサーとの過ちを機に、高校時代に惹かれた柿本先生に手紙を出すことに。そこで綴られるのは、幾度となく先生が話してくれた『源氏物語』のことだったーー。
私はどれか一人の女ではない、また私と同じ店で働いてきた四十も五十もいる女たちがそれぞれいずれかの女性像に似ているのではないのです。お客が次々に女を変えて、多様な女たちが彼の夜の生活を彩るわけではない、私たちは一人であるのです。
【目次】
■一の手紙 浅茅が露にかかるささがに
■二の手紙 山の端の心も知らで行く月は
■三の手紙 波路へだつる夜の衣を
■四の手紙 嘆きわび空に乱るるわが魂を
■五の手紙 今はかひなき恨みだにせじ
■六の手紙 風に乱るゝ萩の上露
■七の手紙 草の原をば問はじとや思ふ
Posted by ブクログ 2024年04月12日
涼美さんの小説やエッセイが大好きでずっと読んできたけれど、一番この作品が好きかもしれないです。人は多面的であることに改めて気づかされました。装丁もとても素敵です。
「過去だって現在だって、あるいは未来について語るときだって、事実はいつもごつごつしていて、とても食せるものではない。だからどうにか口当...続きを読む
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