鈴木涼美のレビュー一覧
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女性の書き手が綴る、「身体」についてのエッセイたち。
私がこれまでの人生誰にも言わずに、日記にすら書かずに閉じ込めてきた経験や思想や感情に近しいことが書かれていたりして、私だけじゃなかったのか……!という発見がいくつもあった。
私みたいに、自分の中に閉じ込めている人も沢山いるであろう内容をこうして書いてくださったことに感謝したい。
生理や身体の変化のこと、妊娠のこと、性自認のこと、性欲や自慰について、ルッキズム、性癖、尊厳などなど……
女性の体と30年付き合ってきたからこそ、どれも興味深い内容だった。
金原ひとみさんの「パリの砂漠〜(略)」を読んだ時にも思ったのだけど、
金原さんの文章だ -
Posted by ブクログ
はだかの王さまという童話がありますが、鈴木涼美はまさにあの少年で、特に夜の欲望渦巻く世界を語らせれば「王さまは裸だ!」と痛快に叫ぶのです
本作でも、不倫を取り巻く男女の偽善や欺瞞を容赦なく剥がし取る切れ味と、その根底に流れる人間の弱さや哀しさへの優しい眼差しは健在です
『結婚をはじめとする無理のある制度に窒息しそうな人たちに空気が届くことを願うと同時に、不倫に苦しめられている人たちの痛みが和らぐように祈る気持ちも全くの噓ではなくそこにある。』
P.S.
昔、小学館本社で開かれた涼美さんと中村うさぎさんの公開対談に行ったとき、一緒に写真撮ってもらいました笑
There is a fai -
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Posted by ブクログ
この本を読むとだいたいの女性はなんらかの性被害に合ってる、幼い頃から大人になるまでの期間で。
男性も性被害にあうこともあると思うけど、女性の比ではないだろう。
そういう危険にさらされながら生きるってどういことだろう。
そういう話しばかりじゃないけど「私の身体を生きる」というテーマで書くとなったらそこは避けられないことなんだろう。
特に西加奈子、柴崎友香、金原ひとみ、朝吹真理子、藤野可織、藤原麻里菜のは身につまされた。
千早茜の「私は小さくない」は共感。(そこまで激しく大きく強くなりたいとは思わなかったけど)
鈴木涼美の「汚してみたくて仕方なかった」はぶっとんでた。すごいアカデミックな環境だから -
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ネタバレ自分の身体、この女の身体について色々考えたりすることが最近多くてなんかつらくて手に取った。女性たちが自分たちの身体のことや性のことを話すときなぜだか安心する。わたしもそう思っていると、同じように考えている人がいるというのはそういう安心材料になるんだと思う。どの書き手も性被害を受けている人が多くて本当に社会はクソだ…… 碌でもない人ばかりで、そのせいで自分の体を大切にできない女性がいたりするんだと知った。
わたしはもうずっと女しか子どもを産めないことが本当に許せないので、藤野可織さんの妊娠についてのエッセイは本当に本当にめちゃくちゃ凄いな〜と思った。妊娠出産の機能を持つのが女性だけである時点で -
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JJを通らずに大人になった。
一瞬しか出てこないKERAとか、ゴスロリバイブル等、個性派通り越したサブカル界隈のファッションが好きな学生だった。
PUTOMAYOが好きで何度か買って、宝物に感じていた。
そんな訳で、雑誌が作り上げたお嬢様、上昇婚思考、男性編集長の元で描いた男に選ばれる"本命"という価値観も摂取しなかった。
(くそ田舎では社長も王子様も生身の人間としてイメージできず、自分にあったのはコメントが右から左に流れながらガビガビの質感で見る深夜アニメを、ただ普通にテレビで合法的に観たいという形の"都会への憧れ"だった。)
なので、似た時代を生きて -
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思春期を迎える女子に向けて書かれた本だが、私のような中年を迎えた男性から見ても共感できるような内容もあり、興味深いものでもあった。
私は著者のような経験はしていないし、彼女と比べれば平凡で、ありきたりな人生と言えるだろう。
それでも、自分が道を外れないでここまで来れたことは、彼女と同じようにやはり運と読書があったからだと思う。
読書によって救われた人の読書経験を知ることができるというのは、これまで多くの本を読んできた人に限らず、これから本を読んでいこうとする人にとっても、有意義なものになるではないだろうか。
その意味では、男女問わず、おすすめできる本であるような気がした。 -
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ミッション系中高一貫校から高校受験しK大でキャバクラ嬢、パパ活、出前オンナなど経験。東大卒のバカなエリート自認が気持ち悪くなって切ろうとしたらストーカーされ、腹いせに「たった百万円で出た」AV出演歴を親にバラされたりした/大学4年マジメな学生が就活に血眼な頃、AV撮影のいとまに勧められた海外作家にドハマリして、それから濫読の時期が来た。大人になって教科書の面白さに気づくように。
サガンのデビュー作の芸達者。
37歳で果てた鈴木いずみへの共感
岡崎京子作品に思う、たいていの大人は矛盾したライフスタイル。優先事項のチェンジした世界、たとえばホストクラブ。『pink』で小学生の義妹は「お金が欲し -
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ネタバレなかなかパンチのあるタイトルしてるので人目を憚りながら読んだ本。不倫というと世間一般ではしてはならないものだという価値感がある一方で大人になれば多かれ少なかれ耳に入ってくる事象であり案外身近なものである。しかし、基本的にいけないことなのであまり真正面から真剣に考えたりすることはないのではないだろうか。他者はわからないが私はそうだったので本書は非常におもしろかった。多様化が推し進んだ現代社会では様々な理由で結婚に苦しんでいる人や縛られている人がわりといるような気がする。きっと結論はでないけれど愛するってどういうことなのか考えていきたい。
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序章
鈴木敏夫 スタジオジプリプロデューサー
鈴木敏夫は「風の谷のナウシカ」の制作背景やそのテーマについて語っている。彼は、作品が発表された当時の社会的・環境的状況がどのように影響を与えたのかを考察し、ナウシカというキャラクターが持つ強い意志や優しさが、現代においても重要なメッセージを持っていることを強調している。
風の谷のナウシカの題材は『新諸国物語』(NHK ドラマ1952年)。
ナウシカが旅をして、見聞きしたものによって、読者が世界の秘密を知っていく。宮崎駿は「勧善懲悪」が好きで、それが「自然を守る人がいいひとで、自然を破壊するのは悪人」と言う物語にした。
赤坂憲雄の『ナウシカ -
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