鈴木涼美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
性というか性別(性自認や対象)というか、性欲というか性癖とか、性体験とか。
「性」のことはご法度的で親子、恋人、親友でも避けたりするわけで、孤独な世界だと思ってきたけれど。それが女性作家が17人も語るわけで下品上等、生々しくて面白い。
面白い、と言ってる事を下品と言う人もいると思いますが、多様性?とあえて言葉にすれば線引きしないでよ、と。
面白いというのは具体的に変えれば興味深い、が適切か。いやらしい意味でなく、前述のようにご法度な他者の世界に興味があるわたしは、作家がこうもあけすけにエッセイとして実体験や思想を語ってくれてありがたく。
本として残るので結構なカミングアウトもあったりするわけですが、それはどういう心境なのだろうか、とも思ったり。
他にもこの手の本はあるのかな?と探したくなったほど。
男性作家版も出して欲しい所存です。
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Posted by ブクログ
新井すみこさんのイラストが好きで手に取った本だが、読んでみたら内容も私は面白くてでも的を得ていて好きだった。
1番笑えたのは、男は推しと同化しないのに女は同化するって話。V系女子?を経験した身からすると確かにと思うところが多い。確かに推しは自分そっくりの人に見惚れるとは限らない(むしろ可能性は低くなると私は思う)ので、努力して積み上げたものが壊れるような思いをすることがある。まぁネイルと同じで、自己満足の世界なんで別にいいですけどねっ!
この本に限らず、女を題材としたエッセイ本は笑えると同時に切なくなることが多い。男のエッセイも同じなのだろうか?と思った今日。 -
Posted by ブクログ
鈴木涼美さん初長編作品とのことだけど、彼女の筆致と完璧にマッチしてて最高の小説だった。
主人公のカスミは27歳。歌舞伎町で身につけた水商売スキルを、今は昼の世界で自分が仕事をしやすくするための処世術として応用し、上司や取引先などと軽率に寝まくって安穏と暮らしている。
それぞれの相手とのベッドシーンが用意されているが、百戦錬磨のカスミ視点ではいずれも湿っぽい情感はほぼ無くドライで辛辣なので、男性読者はショックを受けないようどうか注意してほしい。
カスミをはじめ登場人物が皆わりと打算的で、浅はかで、滑稽で、それでいてクレバーだったりもするので、全員のことが好きになった。ゲスの百鬼夜行って感じ。
カスミが、処女だと決めつけ侮っていた先輩社員が時折のぞかせる達観した恋愛観や的確に本質を突いてくる見解に戸惑い、呼称が処女風非処女になったり、ただの非処女になったり、不倫略奪女子社員になったりと、化けの皮がはがれてレベルアップしていくのがおもろかった。
やがてカスミは同じマンションの住人・小宮さんと知り合い、なんと恋に落ちてしまう。
めずらしく乙女な一面を覗かせまくるカスミに、カスミの所業を知っている読者としては苦虫を噛み潰したような表情にならざるを得なかったのだけれど、オチが最高だった。
正直想像はできてたけど、それでも不意打ちのボディーブローをくらうような天晴れな展開で、極上のエンタメだった。因果応報というかなんというか。
ここのところ「これなら映画でいい」と思うような読書が続いてる気がしてたけど、本作はあえて活字で読みたい作品だった。 -
Posted by ブクログ
女性作家の自身の身体にまつわるエッセイ集。特に30,40代の今人気の作家さんたちだけを集めたというのが面白い。自身の身長について書かれている方もいたが、自ずと性にまつわる話が多かった。
個人的に感動したのは村田沙耶香さんと能町みね子さん。こちらの感想で、女性なのに自慰について書かれている方が多くて引いた、という感想が少なくないのは正直ちょっと残念だなと思った。村田沙耶香さんは幼少期から行っていた自慰について、いやらしいものという周囲との認識の差に未だに慣れない、ということを書かれていたのだが、子供の頃の自分の王国という表現でその感覚について本当に美しい描写をされており、涙が出そうなほど感動した。現代の子供向けの性教育本を読むと、自慰は人前でオープンにするものではないがご褒美のようなもの、とあり、本来いやらしく汚らわしいものというより村田さんのような表現が正しいのではないかと思った。
また、能町さんの文章は珍しく彼女が普段あまり公で書かれない自身のトランスジェンダーであることの葛藤が書かれており、普段の彼女の冷笑系の口調ではなく、本当に心の叫びという感じで涙が出た。さすが言語化能力に長けている方だけあって、「ノーマル」な人間への想いなど、初めてトランスジェンダーの心の片鱗のようなものを少し理解できたような気がした。
それにしても、西加奈子さん始め、ほとんどの作家さんが若い頃に性被害を経験しているというのが恐ろしすぎる。言葉にするお仕事の方たちだからこのようにオープンにして下さったが、被害を言葉にできない人間がどれほどいるか(小さいものも含めたらもしかしたらほとんどの方かもしれない)と思い知らされた。 -
Posted by ブクログ
出産入院中に読むか〜と購入。
スカート履くのが嫌で泣いてた自分が出産か〜、、、という気持ちにマッチするエッセイがいくつか。
自意識についてがテーマなので当然っちゃ当然なんだが、「こういう私、どう?」が何気ない振りして3日目の経血くらい滲んでる文章も結構あったなかで、(そのヤンキーという修飾語いるか?みたいな)藤原麻里奈、すごすぎる。
女を捨ててるのに"女なのに"のリングの中で評価されることに気持ちよさを感じる、ってところ、こんな素直に自分の欲求捉えられるのすごすぎる。(2回目)
自分も自分しか見ないような日記ですらすぐ滲ませちゃうので、ああいう文章を書けるようになりたい。文章というか、自分の考えとか心の動きをカッコつけずにそのまま捉えられる力?
2024/10に読んだのを電子の方で書いてたので転記 -
Posted by ブクログ
はだかの王さまという童話がありますが、鈴木涼美はまさにあの少年で、特に夜の欲望渦巻く世界を語らせれば「王さまは裸だ!」と痛快に叫ぶのです
本作でも、不倫を取り巻く男女の偽善や欺瞞を容赦なく剥がし取る切れ味と、その根底に流れる人間の弱さや哀しさへの優しい眼差しは健在です
『結婚をはじめとする無理のある制度に窒息しそうな人たちに空気が届くことを願うと同時に、不倫に苦しめられている人たちの痛みが和らぐように祈る気持ちも全くの噓ではなくそこにある。』
P.S.
昔、小学館本社で開かれた涼美さんと中村うさぎさんの公開対談に行ったとき、一緒に写真撮ってもらいました笑
There is a fairy tale called "The Emperor’s New Clothes," and Suzumi Suzuki is just like that little boy—especially when she talks about the swirling world of nighttime desires, she boldly declares, “The emperor has no clothes!”
Even in this work, her sharpness in mercilessly stripping away the hypocrisy and deceit surrounding men and women involved in affairs remains undiminished, as does her gentle gaze at the underlying weakness and sadness of human nature.
“I sincerely hope that fresh air will reach those who feel suffocated by unreasonable systems like marriage, and it is no lie that I also truly wish for the pain of those suffering from infidelity to be eased.”
P.S.
Once, when I attended a public talk between Suzumi-san and Usagi Nakamura at the Shogakukan headquarters, I even got a photo with her—haha.