【感想・ネタバレ】JJとその時代~女のコは雑誌に何を夢見たのか~のレビュー

あらすじ

数々の人気モデルを輩出し、女子大生を夢中にさせ、部数80万を誇った雑誌は、時代の波に飲みこまれたのか――。そんなJJに象徴される数々のファッション誌は、なぜ多くの女性の心をとらえたのか。単なるファッション情報を得るだけに留まらず、女性たちは雑誌に何を託し、何を夢見たのか? 慶應義塾大学卒、自らもJJ的記号のただ中で青春を過ごした作家・鈴木涼美による、雑誌の時代への限りない愛着をこめた挽歌。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

雑誌が好きな私にとっては、まるでJJという主人公が産まれてから老いるまでを描いた小説のように感じた。
ミニサイズを見たときの複雑な心境など……。
日本のファッション誌について知りたいときの入門書としても役立ちそうな一冊。
様々な人物や書籍などが紹介されているので、詳しく知りたい箇所も辿りやすい。
だJJとCanCamの違いにしっかり触れるなら、ananとnon-noも雑にまとめないで欲しいところではある。

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2025年04月08日

Posted by ブクログ

社会の動きと人気雑誌の盛衰を絡めた解説が興味深い。紹介されている女性誌をほぼ読んでいないが、当時の雑誌が誰をターゲットに、どのような戦略をとっていたのか、マーケティング視点で見てもなるほどと思わせる。

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2025年03月09日

Posted by ブクログ

JJを通らずに大人になった。
一瞬しか出てこないKERAとか、ゴスロリバイブル等、個性派通り越したサブカル界隈のファッションが好きな学生だった。
PUTOMAYOが好きで何度か買って、宝物に感じていた。
そんな訳で、雑誌が作り上げたお嬢様、上昇婚思考、男性編集長の元で描いた男に選ばれる"本命"という価値観も摂取しなかった。
(くそ田舎では社長も王子様も生身の人間としてイメージできず、自分にあったのはコメントが右から左に流れながらガビガビの質感で見る深夜アニメを、ただ普通にテレビで合法的に観たいという形の"都会への憧れ"だった。)
なので、似た時代を生きておきながら、違う世界を感じていました。
JJって今でいう「なろう系」みたいな、この世を無双しているかのような女を見ていい気分になるタイプの娯楽だったんだな、という印象を受けました。

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2025年03月01日

Posted by ブクログ

平成を彩った女性ファッション雑誌の特徴、分類、影響などについて熱く語られた一冊。
90年代のこの文化のど真ん中にいた著者の言葉は独特でリアルで生々しくて熱い。

単なる流行ファッション誌ということに留まらず、女子を微細なまでにカテゴライズし、生き様やアイデンティティやロールモデルを提示し、個性の余地を残しつつも「外さない」戦略的なその紙面は、平成文化史の一面として興味深い。

ファッションに限らないけど、スマホ&ネットがなかった時代は、買い物一つのインパクトが大きくてハズレるリスクもあったので、マスメディアが作るイメージや「外さない」領域が示されていていたことの影響は大きかったのだな。

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2023年04月26日

Posted by ブクログ

なぜJJは休刊したのか。
この問いに対する筆者の回答は説得力があった。

デジタルで紙が打ちのめされたとは短絡的思考で、
デジタルで社会が変わり雑誌が求められなくなったとするのが適切か。

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2022年05月04日

Posted by ブクログ

ハマトラ、ニュートラの女性たちを仰ぎ見て、心をときめかししてきた世代としては、昨年の紙のJJがなくなるというニュースはものすごいショックでした。そのJJを中心とした女性誌クロニクル。1975年のJJ創刊から始まる女性誌カンブリア期は、消費文化という観点からの女性の生き方の多様性を提示し、次々と新しいロールモデルを輩出して来た時代です。でも、3年前に大学生に洋服の情報は雑誌じゃなくてインスタから得るの?と知ったかぶりなインタビューをしたら、いやインスタも見ずに、googleの画像検索という答えを聞いて、雑誌時代の終わりはなんとなく予感していました。それでも、きっとこれからも女性と社会の接点は変わり続け、だからこそ自分のアイディンティファイに立ち向かう必要は進化し、それだからこそ雑誌時代にあったコミュニティとかカルチャーとかはますますニーズが高まる気がします。それを誰が、どんな風に担うのだろう…

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2022年02月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

流行や新商品を紹介し、着こなしや使い方を例示したり、おしゃれな人をロールモデルとして紹介する
というカタログ的な要素はもう戻らないのかもしれない。

ただ、雑誌の発売日を把握して、教科書の代わりにバッグに忍ばせていた文化や、シロガネーゼや森ガールなど雑誌が提示した価値や生き方に賛同し、自分のアイデンティティとして取り込み、自分の生き方やライフスタイルを形成してきた証があるというのは確かにと思った。

消費社会で雑誌をブランド的に、自分がどんな女であるかを把握し、提示していくというのはまだ可能性があるのかなと思いました。

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2022年06月12日

Posted by ブクログ

鈴木凉美先生のまじめな(?)面の出たもの。卒論とかの下敷によいかもしれない。でもまあ女性雑誌の時代っていうのは遠くなった感じもある。

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2022年04月25日

Posted by ブクログ

ファッション雑誌は紙か電子か、これからどちらがより読まれるのか、もしくはファッション雑誌自体もうあまり読まれなくなってくるのか。

…そんなテーマを女性(特に若い人)の社会的立ち位置っていうベクトルで読んでいくと面白いかも?

ただそもそも、読む雑誌で決まる、女の子たちの"レベル";という価値観が、個人的にふわっとしかピンと来なくて、ファッション雑誌と「女の子」の関係をそんなものか〜と感じながら読んでた。

わりと狭い範囲の女の子たちの話なような気がしてしまった。。。

でも、社会背景からファッション雑誌を見るのはおもしろかった!

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2022年02月12日

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