鈴木涼美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
若くて稼ぎが少なくて優しい男。
百戦錬磨のお姉さんにこの男の子が太刀打ち出来るのか。
そしてお姉さんがこの男の子で満足できるのか。
和やかな2人のお食事シーンになぜか緊張を覚える。
数々の武勇伝を想起しつつ、産院で採血した、きっととんでもない結果を叩き出すに違いないヤバい血を奪還すべく、素足にサンダルで足を擦りむきながら歩く。
お姉さんのお父さんが言ったように罰せられるとは思わない。
だって、うちの子供は無事だ。
自分の罪が子供に引き継がれるなんてことがあったら大ごとだ。
最後に下腹部から出たものは不正出血か流産か。
妊娠継続なら血液はどうしよう…と、まだ奪還を考えているお姉さんが可笑しい。
なるようにしかならないのだから、ヤバい血を引っ提げて堂々と妊娠し出産したらいいのにさ。
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Posted by ブクログ
いろんな人の性への考え方があって、理解できるものもあれば出来ないものもあった。
自分の性に対する考えをもっと整理したいと思った。
藤野可織さんの話は首がもげるほど共感できた。
特に共感した部分。
「私は自分が子どもを望んでいるのかどうかわからなかった。いくら考えてもわからなかった。私は体力がなくて、だいたい無気力で、まともな生活もできず、一般の人よりも劣っていると言う感覚があった。子供なんて産んでしまったら責任のある決定をたくさんしなければいけなくて大変だし面倒だし疲れるだろうと思った。」
「私は、自分をコントロールできるということに振り回されていた。当たり前でありながら得難い素晴らしい権利に気持ちをぐちゃぐちゃにされ、一瞬ごとに子供がいてもいいと思ったりいたら終わりだと思ったりしていた。自分が情けなかった。」 -
Posted by ブクログ
思いがけず妊娠したものの、過去の自分の悪行が脳裏をよぎり、産科でおこなわれた採血の結果に不穏なものを予感する女性の話。
妊娠中の変化や感情の機微が描かれるものだと思い込んでいたが、血液を奪還するため病院までの夜道を彷徨いながらの回顧がメインだったのが意外。
お父さんとの会話のシーンと、かつての悪友が連れ戻しに来てくれたシーンは好きだし、読後感は良かった。
ただ、この主人公が世界を否定するのだけは違うと思う。身籠ったタイミングで、ほんとはきっとそのようにしか生きさせてくれなかった社会が悪いって言いたくなったのかもしれなくて、それを言わないだけの知性は感じた。
別に罪も罰もないと思う。ただの愚かな過去があるだけで。 -
Posted by ブクログ
リレーエッセイ方式で17人の書き手が
『私の身体を生きる』という性をテーマに綴った作品。
想像していた感じと、かなり違っていた。
同じテーマでも書き手によって随分とみえる世界が変わるものだ。編集者から依頼された形で綴っているためか、何となく及び腰に感じる作品も少なくない。
女性しばりでリレーエッセイ集にした意味する所も、問いたいが、赤裸々告白をするものから、トラウマ的な内容を飄々と語ったものまで、多種多様・・・
トップバッターの島本理生さんの作品だけは、眠っていたような共感が呼び起こされる様な感覚があった。
恋愛ものがお得意な作家さんだけに、性の役割にも飄々と鋭い着眼点をお持ちだ。
色々な考え方や捉え方があるんだなぁと感じる一方、敢えて?競い合って?マイノリティ側に寄って描いている様に感じるものもあり、私にはあまり馴染まなかった。
性の話が公にはタブーとされていた時代を生きてきたからか、この歳になってそういう話ができる方が見つかると一気に距離が縮まる。
人によっては幾つになってもタブーなので、手探りと嗅覚?笑で探し当てる感覚に近い。
このテーマで男性バージョンもあったら読んでみたい。
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Posted by ブクログ
この著者さんの文は、一文が私には長い…
ちょっと理解しにくく、読みやすい内容のはずなのに、頭に入ってこない…
どういう内容だったかなぁと振り返ると、あまり記憶に残っていないのだけれど、
あとがきで、「ただでさえ黒髪黄色肌が圧倒的に多い光景の中、その他者性に気づくほど異質なものにはなかなか出会わない」とあり、
そのあたりから、あ、もしかしてそうかも、と思ったのは、この著者さんは、黒髪黄色肌が多いこの国で、多様性を身近に感じられるのは、一般的な水準以上の人とセックス(あるいはその類のこと)しているからこそ、通常に知れる以上の情報を、一人の人間から得ているからか!と。
(↑必要以上に長文にしてみました笑)
つまり、複数の人間と会話以上のことをし、会話では得られない情報を得て、「黒髪黄色肌の同質性高い人種の中にも多種多様な人間がいる」と実感しているんだ!
だから多様性というものが、当然のように思えるのか。
深いようで浅い、浅いようで深い、そんな内容の本でした。