鈴木涼美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
夫と出会い、ようやく幸せを手に入れられたのに、夜の世界や学生時代に恋をした先生が忘れられず、手紙を出す女。自分を保つために男に媚びを売って、近況と、相手を慮る言葉を投げかけるところが、キャバクラに居そうな女という印象を受けた。かつて恋をした先生に妻がいると知りながら、手紙を出す神経がよく分からず、液体をかけられるのもまぁ、自業自得だろうなといったところ。夜の世界は、お金で動いているということがよく分かった。人間の心理を上手く利用し、大金を注ぎ込ませており、楽しむつもりが、楽しまされているという怖い世界だと思った。コンカフェに興味を持ったことがあるが、アイドルのように、20代前半までしかちやほや
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Posted by ブクログ
鈴木涼美さんだからこその見解というか、不倫を断罪も美化もしないスタンスがかっこいい。
現実であったさまざまな不倫ゴシップから、読み継がれてきた不倫の名著、話題になったドラマや映画も振り返りつつの「不倫とはなんたるか」について、そうしたトピックやコンテンツにやや下世話ながらも興味が湧いたし、色々と思うところもあった。
目が覚めるような新たな発見や学びは少なかったけれど、不倫について深く多面的に考える機会はなかなか意義があることですね。窒息するような生活と、息継ぎとしての不倫。
そしてあとがきに書かれていた通り、鈴木涼美さんが出版までの間にご結婚されたとのことで、こりゃシンプルにめでたいです。結 -
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Posted by ブクログ
慶應義塾大学在学中にAV女優したり、その後東大院にいったりホステスしたりマスコミで働いたり。そんなインテリと性的サービス業を往来してきた元文学少女で現在アラフォーという、プロフィール濃すぎる著者の文学談。
文章表現が面白いとオススメされて読んだ本ですが確かに絶妙な表現が多くて楽しめました。取り上げられてる本(山田詠美とかサガンとか)も4冊くらいは既読のものでした。
以下一部引用
「人はお金を払うことで矛盾を補えるという錯覚を持つため、幾らか迂闊になりやすい」
「本当は、無意味の自由こそ最も大切にするべきことだったはずなのに、大人はそれを自ら手放してしまうのです」