あらすじ
本書は、『ギフテッド』と『グレイスレス』(ともに文藝春秋刊)を一冊にまとめた合本です。
夜の街が生んだ才能、衝撃の芥川賞候補作2編
重病に冒された母とホステスの娘、AV業界の化粧師と瀟洒な邸宅で暮らす祖母。生/性、聖/俗のあわいを描く衝撃作が合本で文庫化。
(解説・水上文)
単行本
『ギフテッド』2022年7月 文藝春秋刊
『グレイスレス』2023年1月 文藝春秋刊
文庫版
『ギフテッド/グレイスレス』2025年4月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
キャバ嬢、AV女優、新聞記者を経て作家になったという異色の経歴を持つ著者。心が宿らないような語り口は、読んでいて心地が悪く、感情移入も共感も許されない。併録作と本作、どちらも個々の喪失の物語だが、資本主義社会における女性の身体とその価値、母娘関係、生と性、階級、といったものが通奏低音として流れ、薄い闇に絡め取られるような感覚に陥る。
Posted by ブクログ
ギフテッド
歌舞伎町で働き暮らす娘と詩人だった死にゆく母。昔母に火傷させられて刺青を入れている。自殺した友人や風呂屋の友人やホストや母の体を買っていた男。特になにか起きる訳でなく感情の起伏もなかった。
解説を読んで、母と娘の身体性の一致、死でのその解放、なのだと理解した。
「(少なくとも私が自分で食べ物を掴めるようになるまで、)私の身体は全て彼女ひとりのものだった」p19〜
「母が焼きたかったのは自分の肌なのだろうか。むしろ、自分の体内で作り出した私の肌は、母の肌でもあったんだろうか。」p75
グレイスレス
祖母との田舎の家での暮らしと、AVメイク師としての仕事。こちらもあまり何も起きずに終わる。AV女優への偽善的慰め、罪悪感が時々出てくるがそれが主題でもなさそう…