金原ひとみのレビュー一覧

  • マザーズ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    力作だった。
    女性版村上龍じゃないかな、この人。

    結婚、出産を通じての女性の生きづらさ。それは他者性だろう。
    結婚した男性との他者性、出産した自分の他者性、そして子供という他者性。
    登場人物の3人のマザーはバックグラウンドも思想も仕事も違う。それぞれの生き方の中にその一気に来た他者との格闘に疲弊し切っていく。

    キャラクターの違いもある。ユカは作家&ヤク中で嘘つきだ。涼子とのイザコザは感情と論理の対立だ。意味と論理と感情の対立。涼子の感情をユカは論理で処理しようとする。そこに言いようのないすれ違いがある。モデルで芸能人の五月は取り繕う事が上手く仮面夫婦である夫との関係に疲れ不倫に走る

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    2023年03月12日
  • fishy

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    みんなただいま\(^o^)/
    naonaonao16gがいない間、元気にしていたかな??

    やっとこ国家試験も終わり、読書再開!(お酒も)

    試験はというと、最後にかなり追い込んだのもあって、今までにない程の高得点をたたき出しました!!(自己採点)
    これはもう3月の発表を待たずとも安心していいのかな、っていう心持ち…!
    ものすごい解放感に見舞われるかと思いきや、意外とあるのは、ロス。
    仕事の合間、帰宅後、通勤中、ずっと勉強していたから、その時間がぽっかり空いたことで、何をしていいのか分からなくなってしまったのです…
    そこで!
    一人、試験お疲れ様会として居酒屋のカウンターでビールを飲みながら、こ

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    2023年02月11日
  • デクリネゾン

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    生牡蠣、バトミントン、ストロング缶。
    文藝の私小説にも書いてあったけど、金原さんって言ったらコレなのかな?

    食べ物が沢山登場するのにあえてなのか描写が細かくないからか、全然美味しそうに思えないのもお腹いっぱいにならなくてよかった。

    恋愛はしたいけど娘はそばにいて欲しい。
    結婚におそらくは向いてないんだろうけど今度こそはと何度も結婚する。
    変わって欲しいけど変わって欲しくない。
    ネットでしか教養を深めようとしない若者を懸念しつつも、あまりにも思考しすぎてしまう自分自身にも嫌気がさす。

    全てに共感は出来なかったけど、人間が誰しも抱える矛盾の描写がある度に志絵、私自身の考える幸せとは何なんであ

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    2023年02月10日
  • fishy

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    あ〜おもしろかった。爆笑。痛快。自分の中に潜む暴力性が呼び覚まされ、金原ひとみの小説を読んでる!というよろこびに興奮しながら没頭した。心から、体の奥底から、マグマのように噴出する自分のヒステリーを肯定したい。そのヒステリーに臆することなく冷静に、でも限界まで燃えたぎっている熱さを維持したまま、文章に表現できる人を他に知らない。
    3人の女性たちはそれぞれ自分の人生を生きて、たまに交差する。その関係性が友達という名前かどうかなんて関係ないのだ。

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    2023年02月03日
  • fishy

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    やはり面白い。女性って…
    と今回も思わせてくれる内容。3人の女性パートが繰り返され、3者3様で、それぞれキャラが立ってて良い。特にユリがヤバいな。小説家志望の美玖よりも弁が立つのは尊敬に値する。ただ、嫌いやわ。
    とにかく、作家の裸を見せられた感じがする。これは金原さんならでは。
    流石です。

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    2023年01月27日
  • デクリネゾン

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    本作のキャッチコピー「仕事、家庭、恋愛の全てが欲しい」だなんて、欲張りだと思う。
    欲張りだと思うけれど、そんなふうに生きられたらどれほど幸福だろう、というのを見せつけられる一冊。
    主人公の小説家・志絵は根っこの部分に生きにくさを抱えているんだろうけれど、離婚してなお友好関係にある元夫たちと、愛おしい浅はかさを持つ理解のある娘、そして盲目的に愛してくれる年下(大学生!)の彼氏に守られている。
    母親の恋愛を咎める人はここにはいない。最後まで出てこない。
    こんなに甘やかされて、志絵は最後どんな痛い目を見るんだろうと意地悪な期待をして読み進めていても、そんなことは一度も起こらない。
    担当編集の中津川さ

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    2023年09月13日
  • AMEBIC

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    この作品は読者の嗜好によって評価が分かれるだろうし、そもそも作者自身も万人受けするとは微塵も考えていないと思う。たまたま自分には合っていたようで、従者のように貪って読んだ。「蛇にピアス」より好きかも‥‥

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    2022年10月23日
  • 軽薄(新潮文庫)

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    ネタバレ

    なかなか読み終わることができず、2時に一気読みをした。以前の彼がしたことと、弘斗がしたことを許せてしまうほどカナは愛していたのかと思った。

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    2022年10月15日
  • パリの砂漠、東京の蜃気楼

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    小説のようなエッセイ

    大人になってもこんな感情残ることがわかって
    安心感がある中どこか不意に出る母性な感情が
    あたたかく少女のようで魅惑だった。

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    2022年09月06日
  • パリの砂漠、東京の蜃気楼

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    ・金原さんはオートフィクションを用いる作家なので、エッセイも小説のように楽しめる。というかほとんど小説と変わらない。しいていうならエッセイの方が日常的で、その飾らない部分に魅力があった。金原ひとみという作家に興味がある人は必読。

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    2022年09月02日
  • アタラクシア

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    6人の男女による、章ごとに語り手が変わる物語。男が2人に女が4人。年齢の幅はそこまでないものの、立場も性格も何もかも違う登場人物たちだけど、誰かに共感したり肩入れしたりするタイプの物語では個人的にはなかった。
    社会の中に紛れて普通に生きる人たちの極端な部分だとかある種の異常性のようなものを、これでもかというくらい抉って抉って描いている。美しいとは言えない登場人物の心の内とともに。
    読んでいるうちに病んでくるような感覚さえある。金原ひとみさんの小説は全般的にそういうところがあるような気がする(褒め言葉です)。

    元モデルで現在はファッション系のライターをしている由依。由依の夫で小説家であるものの

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    2022年08月17日
  • アタラクシア

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    カップルやそれに関係する男女の、それぞれの視点から心境を描くお話。
    登場人物のどれも好きになれなかったが、読み進めていくうちに、どの登場人物とも共感できる気がした。
    自分とは違う性格の人物でも、自分と何かしらの共通点があったり、登場人物のイヤな面にも共感できてしまうのは、自分にも同じようなイヤな面があるのかな、と気づかされた。もっとそれぞれの人物のその後を追ってみたくなった。おすすめ。

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    2022年08月14日
  • アタラクシア

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    ネタバレ

    由依の気持ち、瑛人の気持ち、真奈美の気持ち、みんなの気持ちが、手に取るようにわかった。荒木はオフ会の彼だったってことですか?

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    2022年08月12日
  • アタラクシア

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    登場人物一人一人の心理描写が丁寧で、文章は長いんだけど、それなりに引き込まれて一気に読んだ。

    もしかしたら、こういう描写は苦手と感じる人もいるかもしれない。でも、人間の本音なんて、分かりやすく理路整然となったものではないし、感情を一気にバーッと書き連ねてるからこその、生々しい本音が表現されているのだと思うので、良かった。

    一番つかみどころのない性格と思われる由依だけれども、自分の気持ちに正直に生きてる姿を見て、これはこれでアリだなと思った。

    「不倫と正義」(新潮新書)とセットで読むと、面白い。

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    2022年07月16日
  • アタラクシア

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    ネタバレ

    なんというか…おもしろかった。怖かったけど。怖すぎて気持ち悪すぎたけど、頑張って読み切ってよかった。
    ラスト、えってなった。なんでなんで?殺された22歳って知らない人?
    真奈美と別れる時の荒木の優しい感じがすごくこの小説のなかの唯一の正気な感じで救われたと思ったのに…
    金原ひとみってすごいの書くんだな。
    他のも読も。

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    2022年06月25日
  • 軽薄(新潮文庫)

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    ネタバレ

    愛とは何か。
    人生に感じる違和感は何か。
    この難しい問いに対して全精力を投下し書き上げた作品なのだろう。
    ページをめくる手が止まってくれなかった。
    血縁関係の恋愛は世界が定めた倫理に反する。
    それを乗り越え止められないのが愛なのか……。
    考えるきっかけを与えて貰った。いい出会いだった。

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    2022年06月04日
  • アッシュベイビー

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    嫌いじゃなかった。
    ホクトもアヤも同じぐらい狂ってて気持ち悪い。
    でも、嫌いではない。読んでるだけで痛い生々しい描写もあり、人を選ぶ作品だと思う。
    人間味。
    1年後にまた読みたい。

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    2022年04月17日
  • マザーズ(新潮文庫)

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    こいつはまた、ええじゃないか。
    最初はセレブvsパンピーかよー、このブルジョアどもめが、って感じだったけど、まぁ最終的にも感情移入できて心情が理解できるのはパンピーだけだったけど、でも三者三様にそれぞれ楽しいのよ。
    ユカが突然と厨二病みたいな説教始めるのも悪くない。こんな面倒くさいこと言うのか普通って思ったけど女の人は時々こうだからな、それに比べて別居して巨乳DVD見てオナニーしてんじゃねーよと突っ込まれる央太は実にどうしようもなく、ていうか女流作家故にか概ね男はうんこな感じで描かれてるのもなんか、ブルっちゃうっていうか、Mかな。

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    2022年04月04日
  • 私たちはどう生きるか コロナ後の世界を語る2

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    コロナ後の日本社会はどのように変化してゆくのか。変化した社会にどう生きるか。桐野夏生さんの「不寛容な時代、自由な小説から力を得て欲しい」の言葉に、不安の塊がふうっと軽くなりました。

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    2022年04月04日
  • オートフィクション

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    あなたは、自伝を書いてみたいと思ったことはありますか?

    少し前に”自分史”を書くということが流行り、ニュースの話題などでも大きく取り上げられていました。歴史家の色川大吉さんという方が1975年に自らの著作で使ったのが始まりとされる”自分史”という言葉。実は私もそんな”自分史”を書こうとしたことがあります。あれは、高校生の時でした。幼い頃の記憶はどんどん失われていくと、ふと怖くなった私はそんな幼い頃の記憶を順にまとめていきました。結局、受験あり、恋愛あり(笑)、色々ありで中断したまま現在に至り、確かに幼い頃の記憶は随分となくなってしまった!と、今は中断してしまったことを後悔もしています。

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    2022年03月16日