金原ひとみのレビュー一覧
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金原ひとみさんの小説は、彼女が若くして芥川賞を獲ったときから読もうかなと思いつつ、なぜか読まずじまいでいた。
ヘヴィーなイメージがあったので、読む時期を選びそうだと勝手に思い込んでいて。
結果、やはり、ヘヴィーだったのだけど。笑
読んでいる最中、思わず「頭が変になりそうな小説」とつぶやいてしまうほど。
でもこれは、貶しているわけではなく、どちらかと言うと感嘆に近い。「すっげーな…」って感じ。
主人公は摂食障害気味の女性作家「私」。
パソコンに日々残っている意味不明の文章=錯文は、「私」がアルコール摂取後に書き残しているらしいのだが、彼女にはその記憶がない。
体の関係を持った編集者の「彼」とそ -
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「結婚しても、子供を生んでも、ずっと死にたい気持ちは変わらなかった」
筆者のインタビュー記事を読んで、彼女の本を絶対読みたいと思った。
思い返せば、一番最初に彼女の作品を手にしたのは、私が高校生の時、「蛇にピアス」。
正直、痛々しくて読み進められなかった。
でもあの頃から私は10も年をとって、
人生が如何に目的不明で、正しさなんてものは幻想で、
それなのに感情は時に自分を焼き尽くすってことが
良く分かった。
「オートフィクション」のリンは、危うくて、激烈で、少しでも傷ついたら、鮮血が飛沫をあげて打つ、そんな女性だ。
自分と完全に重なることはないけれど、どこかで人生の歯車がずれれば、自分の -
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はじめての金原ひとみ。
様々境遇が異なり、年は30歳と近いのに主人公カナには共感し難い部分が多かった。酒、男、薬がアイデンテティの柱。10代からそういうものに触れ、19で男に刺され、その後海外に渡り、才能が花開き仕事も成熟。稼げるまともな男と結婚し家庭を築く。ここまででも情報の洪水なのに、8歳の息子を抱えながら、10歳下の甥と不倫。あまりに私にとっては非現実的で入りこめない。
しかし、この物語の本質はそういった主人公の波乱万丈なアレコレについてではない。言葉にしてしまうと、イメージやネタ性が先回って情報洪水を起こすし、実際にも読みながら戸惑い、混乱していたが。
あとがきを読んで、それまで -
Posted by ブクログ
ネタバレ金原さんが学生の頃、受賞した頃から作品を読んでいて。
今風の言い方をすれば、かなりクセの強い作家さんだなーという印象を持って、その後に出される作品も、かなり人を選ぶ作品だよなーと思っていたけれど、「マザーズ」あたりから、彼女特有の世界観を大切にしながらも、より多くの人に受け入れられる作品が増えてきたんじゃないかと思う。読者である自分の変化もあるかもしれないけれど、金原さん自身が、結婚して子どもを持ったことが大きいんじゃないかな。
この作品は、文体もまどろっこしくなくて、読みやすくなったように感じたし、そのためか、生きるということに対する彼女なりの価値観が、理解できたかどうかは別として、ひしひし -
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現代風俗を描いて同時代性を訴えるのが効果的なのは、村上龍で終わったのでは、と思っていた。
つまり風俗描写が訴求力を持つ時代ではすでにない、という認識。
しかしこの作品を読んで、ある程度見方を変えた。
もとは表紙を見て、
ベルメールだ! そこらのギャル作家が使うなよ!
と反発感をもっていた。
サティの曲を勝手に(?)使うピンクポルノを見たときのような気持ち。
作中の半分以上が、マンコだのチンコだとセックスだのオナニーだのイッただの殺してだの割れ目だのという語彙の繰り返し。
「きぇえー」と自傷して内腿に裂け目を作り出したころ、すなわちルームシェアニストのホクトが赤ん坊をさらって