金原ひとみのレビュー一覧
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ネタバレ力作だった。
女性版村上龍じゃないかな、この人。
結婚、出産を通じての女性の生きづらさ。それは他者性だろう。
結婚した男性との他者性、出産した自分の他者性、そして子供という他者性。
登場人物の3人のマザーはバックグラウンドも思想も仕事も違う。それぞれの生き方の中にその一気に来た他者との格闘に疲弊し切っていく。
キャラクターの違いもある。ユカは作家&ヤク中で嘘つきだ。涼子とのイザコザは感情と論理の対立だ。意味と論理と感情の対立。涼子の感情をユカは論理で処理しようとする。そこに言いようのないすれ違いがある。モデルで芸能人の五月は取り繕う事が上手く仮面夫婦である夫との関係に疲れ不倫に走る -
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みんなただいま\(^o^)/
naonaonao16gがいない間、元気にしていたかな??
やっとこ国家試験も終わり、読書再開!(お酒も)
試験はというと、最後にかなり追い込んだのもあって、今までにない程の高得点をたたき出しました!!(自己採点)
これはもう3月の発表を待たずとも安心していいのかな、っていう心持ち…!
ものすごい解放感に見舞われるかと思いきや、意外とあるのは、ロス。
仕事の合間、帰宅後、通勤中、ずっと勉強していたから、その時間がぽっかり空いたことで、何をしていいのか分からなくなってしまったのです…
そこで!
一人、試験お疲れ様会として居酒屋のカウンターでビールを飲みながら、こ -
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生牡蠣、バトミントン、ストロング缶。
文藝の私小説にも書いてあったけど、金原さんって言ったらコレなのかな?
食べ物が沢山登場するのにあえてなのか描写が細かくないからか、全然美味しそうに思えないのもお腹いっぱいにならなくてよかった。
恋愛はしたいけど娘はそばにいて欲しい。
結婚におそらくは向いてないんだろうけど今度こそはと何度も結婚する。
変わって欲しいけど変わって欲しくない。
ネットでしか教養を深めようとしない若者を懸念しつつも、あまりにも思考しすぎてしまう自分自身にも嫌気がさす。
全てに共感は出来なかったけど、人間が誰しも抱える矛盾の描写がある度に志絵、私自身の考える幸せとは何なんであ -
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本作のキャッチコピー「仕事、家庭、恋愛の全てが欲しい」だなんて、欲張りだと思う。
欲張りだと思うけれど、そんなふうに生きられたらどれほど幸福だろう、というのを見せつけられる一冊。
主人公の小説家・志絵は根っこの部分に生きにくさを抱えているんだろうけれど、離婚してなお友好関係にある元夫たちと、愛おしい浅はかさを持つ理解のある娘、そして盲目的に愛してくれる年下(大学生!)の彼氏に守られている。
母親の恋愛を咎める人はここにはいない。最後まで出てこない。
こんなに甘やかされて、志絵は最後どんな痛い目を見るんだろうと意地悪な期待をして読み進めていても、そんなことは一度も起こらない。
担当編集の中津川さ -
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6人の男女による、章ごとに語り手が変わる物語。男が2人に女が4人。年齢の幅はそこまでないものの、立場も性格も何もかも違う登場人物たちだけど、誰かに共感したり肩入れしたりするタイプの物語では個人的にはなかった。
社会の中に紛れて普通に生きる人たちの極端な部分だとかある種の異常性のようなものを、これでもかというくらい抉って抉って描いている。美しいとは言えない登場人物の心の内とともに。
読んでいるうちに病んでくるような感覚さえある。金原ひとみさんの小説は全般的にそういうところがあるような気がする(褒め言葉です)。
元モデルで現在はファッション系のライターをしている由依。由依の夫で小説家であるものの -
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あなたは、自伝を書いてみたいと思ったことはありますか?
少し前に”自分史”を書くということが流行り、ニュースの話題などでも大きく取り上げられていました。歴史家の色川大吉さんという方が1975年に自らの著作で使ったのが始まりとされる”自分史”という言葉。実は私もそんな”自分史”を書こうとしたことがあります。あれは、高校生の時でした。幼い頃の記憶はどんどん失われていくと、ふと怖くなった私はそんな幼い頃の記憶を順にまとめていきました。結局、受験あり、恋愛あり(笑)、色々ありで中断したまま現在に至り、確かに幼い頃の記憶は随分となくなってしまった!と、今は中断してしまったことを後悔もしています。
と