金原ひとみのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
6人の男女による、章ごとに語り手が変わる物語。男が2人に女が4人。年齢の幅はそこまでないものの、立場も性格も何もかも違う登場人物たちだけど、誰かに共感したり肩入れしたりするタイプの物語では個人的にはなかった。
社会の中に紛れて普通に生きる人たちの極端な部分だとかある種の異常性のようなものを、これでもかというくらい抉って抉って描いている。美しいとは言えない登場人物の心の内とともに。
読んでいるうちに病んでくるような感覚さえある。金原ひとみさんの小説は全般的にそういうところがあるような気がする(褒め言葉です)。
元モデルで現在はファッション系のライターをしている由依。由依の夫で小説家であるものの -
-
-
Posted by ブクログ
コロナ本がたくさん出てきたが、今まで読んだ中で1番コロナ禍という感じだった。
2度見をした。すごいなぁこのママ。
パパがいるのに彼氏がいるの?え?
で、彼のところに行くために
夕ご飯と明日のお弁当を作って、夕方さっさと出かけていく。
SNS上でケンカする友達のお父さんとお母さん。
イーイーさんの友達のお父さんがコロナで死んでお葬式も普通にできなかった。
日本に来んなよって外国人差別をされる。
ママの彼がコロナ陽性になって、ママは濃厚接触者でPCR検査。
で、とりあえず学校休んでと娘に言うママ。
日曜日はバスケの大会なのに。
よその男と遊んで濃厚接触したママのせいで全部ぶち壊される私の気持ちは? -
Posted by ブクログ
グイグイと読まされた感じ。
震災後の話だけれど、震災の直接的な被害者というよりは、原発による放射能から逃げる人たちがメイン。目に見えないあの頃の恐怖が思い出される。
放射能に異常なまでに過敏になり、妻子と別れることになった修人。日本から離れたフランスで子を失った千鶴。放射能を避けた形でイギリスに来た、シングルマザーのエリナ。
このエリナが「金原ひとみ」の作品の登場人物っぽい。読んだのはまだ2作目だけど…
4章に出てくる朱理だけは、震災はからんでいないようだ。ただ、4章だけが常にイライラ、モヤモヤする。
結局はエリナみたいな生き方に憧れてしまう。こういう風にはなれないと、分かっていても… -
Posted by ブクログ
まったく関連性がないのだが、読みながら島尾敏雄の「死の棘」を思い返しながら本作を読んでいた。
・不倫モチーフという共通点。
・精神的に追い詰められた果てを執拗に追う著述。
・触れると崩れ落ちそうな緊張感に包まれた小説世界。
・鳥かごのような逃げ場のない地獄を、どこか引いた目線で見つめる態度。
「死の棘」では、妻が妄信した旦那の虚像(内地から来た青年将校と島の娘の大恋愛の末の結婚)が暴かれた先の地獄の日々が描かれていたが、本作が暴く虚像は「母性」。
すでに真綿が首に巻き付いた状態で小説が始まり、緩慢に頸動脈を圧迫されるがごとき読書なのだが、いたたまれなくも中毒性があるところも「死の棘」と同 -
Posted by ブクログ
金原ひとみ初読。
非常に良さそうなので続けて別作も読んでみたい。
何らかの正当なものに対するカウンターとして「露悪的」であるのとは違う、
素性として「なまくら」であることの愉楽性、とでもいうのか。
憂鬱を飼う女性、神田憂が、精神科に通院しようとするたびに
彼女を襲う困難を連作短編形式で描いた小説。
皮膚科と耳鼻科をハシゴした先に、
耳鼻科でメンタルカウンセリングを受ける話「ジビカ」。
タクシー運転手の目的地の聴き間違いの結果、運ばれた秋葉原で、
電マのバイブレーションを試しわける結果になる話「デンマ」。
セックスレスについて、
乗ったタクシーの運転手から解説を授かる話「マンボ」。
そ -
Posted by ブクログ
金原ひとみさんの小説は、彼女が若くして芥川賞を獲ったときから読もうかなと思いつつ、なぜか読まずじまいでいた。
ヘヴィーなイメージがあったので、読む時期を選びそうだと勝手に思い込んでいて。
結果、やはり、ヘヴィーだったのだけど。笑
読んでいる最中、思わず「頭が変になりそうな小説」とつぶやいてしまうほど。
でもこれは、貶しているわけではなく、どちらかと言うと感嘆に近い。「すっげーな…」って感じ。
主人公は摂食障害気味の女性作家「私」。
パソコンに日々残っている意味不明の文章=錯文は、「私」がアルコール摂取後に書き残しているらしいのだが、彼女にはその記憶がない。
体の関係を持った編集者の「彼」とそ -
Posted by ブクログ
「結婚しても、子供を生んでも、ずっと死にたい気持ちは変わらなかった」
筆者のインタビュー記事を読んで、彼女の本を絶対読みたいと思った。
思い返せば、一番最初に彼女の作品を手にしたのは、私が高校生の時、「蛇にピアス」。
正直、痛々しくて読み進められなかった。
でもあの頃から私は10も年をとって、
人生が如何に目的不明で、正しさなんてものは幻想で、
それなのに感情は時に自分を焼き尽くすってことが
良く分かった。
「オートフィクション」のリンは、危うくて、激烈で、少しでも傷ついたら、鮮血が飛沫をあげて打つ、そんな女性だ。
自分と完全に重なることはないけれど、どこかで人生の歯車がずれれば、自分の