金原ひとみのレビュー一覧

  • マザーズ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    すごい迫力ある作品
    女性を取り巻く社会の価値観、生物としての役割の中で欲望、執着、妬み、自由などのあらゆる感情が、波のように寄せては返す

    教科書に書かれているような理想の母親はいない
    みな1人の人間であり女である
    それぞれのキャラクターが際立っていて、部分的に自分に重なる一瞬がある

    五月の子供が亡くなることは衝撃すぎたが、それ故に夫婦仲が良くなるという、運命的なサイクルが回る

    男女の関係は満たされると離れ、失うと近づく
    それは1対1の関係だけでなく、彼ら彼女らを取り巻くすべのものを包括している

    0
    2025年05月10日
  • 軽薄(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    私は誰も愛していない夫も彼も__
    心に開いた穴を埋めるため、許されざる恋をした。
    お互いの感情が静かに強く摩擦し合い、文章から伝わるヒリヒリ感に読む手止まらずでした。
    この狂気を殺意をそして愛を野放しにしてはならない。

    0
    2025年04月30日
  • アッシュベイビー

    Posted by ブクログ

    小児性愛者や動物虐待の描写がメインで、終始ドロドロ鬱展開。
    セックスが話の中心。

    ドロドロにどっぷり浸りたい時には良いかも知れないけど、読後感は気持ちの良い物ではない。

    でも、惹き込まれるものはある。
    自分の中の醜い部分が呼応しているのか。

    荒んだ心の時に読むと、不思議とスッキリする。
    ピタリとはまるときは、はまる。

    0
    2025年07月26日
  • アタラクシア

    Posted by ブクログ

     2019年に単行本として刊行。
     本作は良い。様々な若い女性や男性に視点を置き、男女関係や夫婦関係、家族関係等における多様な軋轢・すれ違いを描いていてリアリスティックである。金原さんは言語感覚も若く、今時の若者をうまく描いていると思う。
     もっとも、本作では下の名前で章ごとに視点が動いてゆくのだが記憶力が弱く人の名前を覚えられない私にはその点がちょっと苦手だった。
     女性たちはそれぞれの個性が際立つというほどでもないが、唯一、「由依」だけは異常な人物で、コミュニケーションに根本的な欠落があり、彼女が何を考えているか誰にも分からず、まるでサイコパスのような人間だ。自分なら絶対に近づかない人間だと思う。
     しかし、全体的には様々なコミュニケーションの危機を描いて、面白い小説であった。

    0
    2025年03月12日
  • ハジケテマザレ

    Posted by ブクログ

    世の中はいろんなキャラがいて、相容れない人もいるけれど、各々悩み奮闘しながらなんとか懸命に生きているんだよな、と再認識させてくれる前向きで全肯定な物語りだと思った。隠キャ自認の主人公だけれど、公平で素直でバランスが良くて、自虐的でネガティヴな独白も微笑ましいくらい。
    カオスなドタバタ場面も、空回りせず滑らない描写で愉快で笑った笑った。

    0
    2025年02月08日
  • ハジケテマザレ

    Posted by ブクログ

    普段、この作者さんの作品読むと、良い意味でどっと疲れが出るんだけど、、、。
    作風変わったのかな?
    読後、元気になりました。

    0
    2025年02月01日
  • パリの砂漠、東京の蜃気楼

    Posted by ブクログ

    金原ひとみの本を読むのは初めて。現代女性の鋭い感覚と描写に驚いた。繊細な感性の人なのだろう。他の本も読んでみたい。

    0
    2024年12月21日
  • ハジケテマザレ

    Posted by ブクログ

    ウルトラノーマルも案外悪くないのかも?普通は尊いし、普通は貴重、そもそも普通ってなんだ?と思わず考えてしまうクセ強めなお話。
    このボーッと読める感じと、みんなが好き放題に喋ってる「」のない感じ、読んでて楽しい。頭悪そうな会話の節々に出てくる、お酒飲みながらそんな話する?って感じの小難しい言葉も良い。金原さんの文章好きだな〜。
    そしてカレーが食べたくなった!

    0
    2024年12月01日
  • 星へ落ちる

    Posted by ブクログ

    2組のカップルがWで浮気し、浮気した本人たちもまた、愛の模様に苦しんでいた。見捨てた側は愛の方向がお互いに向いていないことを自覚し、見捨てられた側は自分の中でどうにか合理化して足掻いていた。純愛とは正反対に位置するような小説。愛の複雑さを巧みに表現していて、読者にまで辛さやどうしようもなさが伝わってきた。

    0
    2024年11月26日
  • ハジケテマザレ

    Posted by ブクログ

    金原ひとみさんの作品は読んだことがなかったので初。
    濃い登場人物たちの中では1番マナツさんの言葉選びが好きで、グッとくる台詞がたくさんあった。
    自分はどちらかというと真野のような性格で、何者にもなれない、何かになりたいけど踏み出す勇気もないまま日々を送っている。という点で共通する部分があり、少しだけ読み進めるのが苦しい時期もあって発売直後から少し読んで積読状態だった。

    来月から新しい職場に就くので何となく今読めて良かったな、とも思った。マナルイのいる職場に勤めたいな。

    0
    2024年10月29日
  • パリの砂漠、東京の蜃気楼

    Posted by ブクログ

    愛すること、愛されること。女である資格。その前に鼻にピアスを通さないと済まない自己顕示、それも習慣化すると別の武装となり…赤裸々に、真摯に文章化する。帯の平野啓一郎の評になる。でも、私は非難があるかも知れないがイブの原罪性をみた。出家する前の寂聴さんみたい。

    0
    2024年10月06日
  • ハジケテマザレ

    Posted by ブクログ

    キャラが濃すぎてぶっ飛んでる人達に囲まれてたら、たしかに何かになりたくなるよなと思った。
    でも真野の持つ普通なところも1つの個性であって尊いということを言い続けてくれる仲間たち。
    みんなぶっ飛んではいるけど、みんな思いやりがあって、なかなか意見を自分から発言することができない真野にも、毎回必ず意見を聞いているところが良いなと思った。
    社会人であろうと今を存分楽しんでて、1人も置いていかずにはじけてて、こっちまで楽しい気持ちになる。
    読み終わって、この本のタイトルぴったりだなと思った。

    0
    2024年09月11日
  • ハジケテマザレ

    Posted by ブクログ

    『ミーツ・ザ・ワールド』を読んだときにも思ったけど、金原ひとみさんはどうしてこんなに「何の取り柄もない人」を描くのがうまいんだろう!?
    私自身も、普通じゃない何者かになりたい普通の人、である。フェスティヴィタで働く主人公以外の人たちみたいな、個性があったり才能があったり自分を貫いていたりする人を見ると羨ましくなる。羨むだけで何もできない自分が嫌になる。でもそんな「普通」に寄り添って、ぐらぐら揺さぶって、否定混じりでありながらなんだかんだで肯定してくれる、そんな作品だった。確かに、普通って全然普通じゃないよな〜。
    あとめちゃくちゃカレーが食べたくなった。

    【読んだ目的・理由】著者の作品が好きだから
    【入手経路】買った
    【詳細評価】☆4.3
    【一番好きな表現】剣山で全身穴だらけにされてそこに彼の気持ちを満遍なくこぼされたように、すっかり沁みて染まるほど、私には彼の気持ちがよく分かった。(本文から引用)

    0
    2024年08月31日
  • パリの砂漠、東京の蜃気楼

    Posted by ブクログ

    絶えず見え隠れする「自責の念」「存在することへの疑い」「自分の中の乖離」。

    自己嫌悪に陥る心の動きがすごくよくわかる。前向きになったと思ったらまた気持ちが塞がって、という浮き沈みを繰り返し、全くどこにも進めないように感じる。
    私がなんとなく感じていたことが言語化されていて納得する部分が半分と、私よりも金原さんはもっともっと繊細で自己矛盾に苦しんできたんだと感じる部分が半分くらい。


    あと自分の性格や感じることに対して、何か理由をつけて説明をしたり、経験と紐づけなくてはいけないような感覚は
    ー辛い過去がないと鬱になっちゃいけない
    ー自己嫌悪は誰かに見捨てられたから
    受験や就活や日常のいろんな場面から植え付けられるけど、でも別に自分が感じることに理由なんていらないんだと思える。

    0
    2024年08月28日
  • クラウドガール

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    大切だと思うことを大切な人が大切だと思っていないことに人は強烈に傷つく

    地下鉄で読んでて数秒フリーズした

    自分でできることを人にやってもらうことに意味があんじゃねーの?

    うまいこと言うなぁ

    金原ひとみ
    頭はキレキレで一見ドライなようで時々すごい力で人の心を掴む作品をかく

    ありがたい

    次は何読むかな

    0
    2024年08月21日
  • ハジケテマザレ

    Posted by ブクログ

    バイト先のイタリア料理店で起こる、バイト仲間たちとの温かな話。
    ユーモアもあって、リアルなところもあって、面白かった。

    金原さんは独特の語りがある。

    0
    2024年08月07日
  • 持たざる者

    Posted by ブクログ

    蛇とピアス 以来
    蛇も良かったけど、凄くなっててびっくりしました。それぞれの人物が魅力的
    様々な生き方があるなかで、1人の作者が全く違う4人の考え方生き方を生み出せるのは本当に脱帽です。他作品も読まなきゃ〜てなりました。

    0
    2024年08月04日
  • 私の身体を生きる

    購入済み

    読むのに気力のいる本だった

    息子が中学にあがり、性教育を考えると男性視点の情報では難しいと思う事が多々ある
    SNSでこの本のことが流れてきて書評を見た時、長男の女性に対する理解に何かしら寄与するかと思い、つい反射的に購入した。

    男より女性の生き方はある意味で難しいが、性を持ち出すと安易に楽な選択を選ぶこともできる。
    でも、それを選ぶと多くの場合、後でツケがまわる。だから、安売りするな、という言葉を親の世代は言う。
    でも、若い世代が持て余す感情は大人の説教なんて聞き入れない。で、大人になって、同じように若い世代に言う。
    そこに使える武器があってもそれを使わないって難しいこと。男が腕力で相手を従わせる選択をなかなか選べないのにどこか似てる。
    それでも、男は無言の圧力を与えてる。そして、女性も無言の魅力を巻き散らかしてる(人もいる)
    本当に、性というものは複雑で厳しいものだ。

    女性の、子を成す性の役目は特権でもあり重しでもある。セックスは多様な価値を持ち、時に持て余し、崇高なものにもなり娯楽にもなりうる。。
    そんな世界で、女性は男にどう見られるかに迷い陳腐化する。パンツを売り、安易に自己承認も得ている一部の女性を男が「女はずるい!」と叩く。
    でも、そんな事ができる性の生き方は辛いだろうな、とも思う。

    男と女、どちらが辛いと比較するものじゃないけど、男よりも女性の辛さは複雑で、どれを選ぶにしても(選ばないにしても)自己責任を押し付けられる生き方は厳しいと思う。男の辛さも簡単ではないけども、女性は年齢とともに役割と身体がめまぐるしく変わり、それにつられて求められ方も変わる。

    僕は、見ず知らずの女性に数万円払えるほどお金もないし、あったとしても自分の為か家族の為にお金を使おうと思う人だけど、世の中にはお金で女性を買う事に躊躇のない人がいるのも知ってる。ひょっとすると僕がいつも遊んでいる連中にもいるのかもしれない(彼らがそんなにお金をもってると思えないが)
    それだけのお金があるのは一部の男なんだろうけど、多かれ少なかれ男は性の対象として女の人を見てるというのは分かる(逆に比べればその対比のバランスの悪さが本当に悲劇でしかないと思う)。そして、女性は男性の欲望を当たり前として受け止める事に疲れ果てて諦めて、で、今、怒りを示している。
    いろんな価値観がアップデートされている。「ねーちゃん、えぇケツしてんな」は失礼な事。
    そのアップデートがで

    #タメになる

    0
    2024年08月04日
  • マザーズ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    朝日新聞のオピニオン面での文章がすごく良かったので、代表作のマザーズを手に取った。

    独特の描写、実際に子育てしている人だからこそできる表現だなぁと思いながら読んだ。すごくグロテスクだけれども、完全に別の世界と言うわけではなくて、普通の人がなり得るような状況、ギリギリのところをうまく描いていると感じた。この本の出版はもう今から13年前になると思うけど、その状況からなにも変わっていないし、今年出版された本と言われても、何一つ驚かない。今の状況を残念に感じながら読み進めた。
    それぞれの登場人物に作者の気持ちが投影されているように感じたが、作者の思想的な部分はユカ。感情的な部分は涼子に近いのじゃないかなと。自分が男性だからか、特にこのひとに共感したのはなかったけれど、一般的には涼子のような人が多いんだろうなと。涼子の狂気は現実離れしているようで、みんな感じながら子育てしているんだろうなと。母親1人で子育てしなければならないような社会環境は絶対良くないし、この本を男性が読むことで少しでも今の女性が置かれている状況、男性の怠慢を理解してほしいと思う。

    0
    2024年07月02日
  • マザーズ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    同じ保育園に子ども預ける五月、ユカ、涼子というマザーズの日々が描かれる。涼子は若干背伸びぎみだけど、モデルの五月、小説家のユカは自分が稼いだお金でセレブ的な生活ができる立場。そんなお金のある人たちの生活が描かれているせいか中盤までなかなか話のなかに入り込みにくかった。
    中盤になり3人の区別がはっきりついたあたりから面白くなってきたように思う。ユカも涼子もしょうがない人たちに思えて特に肩入れ要素はないんだけど、五月はほかの2人とつき合うのがもったいないくらいいい人だなと思った。そんな彼女に子ども失うなんていう出来事が2回も、それぞれ違ったかたちで起こったのは残念なこと。五月に起こった出来事をして小説以上のことが現実では起こるんだとユカが思っていたが、確かに小説では珍しく五月にばかり喜びと苦難があざなえる縄のように押し寄せていた。
    前述のように、セレブマザーズに共感要素はあまりないのだが、それでもみんな仕事をしたりクスリをしたり「不倫」をしたりしながら、育児をしている。それに比べて彼女たちの夫や周りの男たちの鈍感なことよ。そう、敏感だからこそ子どものいろいろな様子の変化に気づき、世話をやかざるをえなくなる。彼女たちが鈍感で気分屋の夫たちに気をつかっているのもおかしな感じだが、これが現実の数多のマザーズたちの縮図でもあるのだろうな。

    0
    2024年06月27日