金原ひとみのレビュー一覧
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ネタバレなるほど、まさに「藪の中」ですね。同じ出来事でも、語り手が変わればまったく異なる姿を示します。しかし、芥川の『藪の中』と異なるのは、「何が起こったか(真実)」ではなく、「それをどう評するか」が問われている点です。本作で扱われる出来事も、語り手ごとに評価が大きく異なっています。
特筆すべきは、過去の出来事が現在の価値観・基準で裁かれている点です。橋山美津に告発された木戸悠介の性加害は約10年前の出来事であり、橋山自身も当時は「被害者である」という意識を持っていなかったと述べています。自分が搾取されたという概念は、その後の10年間で形成されたものだといえます。
法の世界では「法の不遡及」により -
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ネタバレ全体的に各登場人物の頭の中を覗いて回っているような感じで、読み進めるのになかなか疲れる
モノローグが長いというかほぼモノローグだけど、普段考えていることや感じていることや流していることや眼を逸らしていること等が丁寧に言語化されていて、共感できる言葉もできない言葉も耳に痛い言葉もあるけど、なるほどなあと思いながら読み進めた
引きこもりあがりの娘への友梨奈のガン詰めには引いたけど、自分自身でもどうしようもなく気付いてしまったからには目をそらすこともできず最終的には何も変えられなかったという無力感から諦念に至り無敵の人になるというのも、極端というか何というか、、、不器用な人なのかなあ
ギスギスし -
Posted by ブクログ
ネタバレYouTubeチャンネル TBS CROSS DIGで
文芸評論家の三宅香帆さんと、MC・竹下隆一郎さんがオススメされており興味をもち読みました
金原ひとみさんの作品を読むのは今作がはじめてです
まるでノンフィクションの物語を読んでいるかのような綿密なディティールや、登場人物の思考と言葉の鋭さに消耗してしまい、序盤で読むのを諦めそうになりました笑
が、読みきることができました
中盤以降はさくさくと興味深く読み進められました
加害者と被害者
希望と絶望
連帯と孤立
抑圧と解放
同じ現象も立場の違いでまるで見え方がちがうこと、上にあげた言葉の意味としては対局にあるはずのことが、実際には表裏一体 -
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女性蔑視のミソジニーや、男だけで固まろうとするホモソーシャルな関係性の異様さを、主に女性や若い世代の視点で語っているように感じました。自分にそういったミソジニー的な傾向はないと思っていたのですが、もしかすると無自覚なだけかもしれないと感じました。この点、女性の視点を学ぶことができて良かったです。
また、飲み会などで、女性蔑視に近い発言などがあっても、場が白けるのを恐れて受け流すこともあったのですが、それはやめて何らかのアクションはしていこう、と強く思いました。
一方で自分が思う正しさへの拘りを、他人へも押し付けていく長岡さんの行動については、ちょっと覚めた目で見ておりました。この点は、自 -
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2021年第57回谷崎潤一郎賞受賞の短編集。
収録された五編はいずれも文芸誌『新潮』に2019年から2021年にかけて発表された作品です。
コロナ禍を振り返って描いた小説ではなく、その時代の まさに”ライブ”のような短編集でした。
「ストロングゼロ」
アルコールに詳しくない私でも、その商品名だけは知っていました。
精神的に不安定な同居人に寄り添い続けるうち、自らも共感疲労にも似た状態へと追い込まれ、ストロングゼロに依存していく女性。読んでいて、この息苦しさや閉塞感をどこまで計算されて描かれているのかと考えずにはいられませんでした。
「デバッガー」
年下の恋人との年齢差という”バグ”を