金原ひとみのレビュー一覧
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金原ひとみのナチュラルチキンボーンを読んだ。
タイトルのナチュラルチキンボーンって何?と思って調べてみた。
「ナチュラルボーンチキン(natural born chicken)」は、
直訳すると 「生まれつきのチキン(=臆病者)」 という意味のスラングです。
英語の
•chicken = 臆病者・ビビり
•natural born = 生まれつきの/根っからの
を組み合わせた言葉ですね。
なのでニュアンスとしては
「筋金入りのビビり」「生粋のヘタレ」「根っからの弱気」
似た言い方:
•チキン野郎
•ビビり
•ヘタレ
•born coward(英語)
そうなんだと思いながら、読み進めていく。 -
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焼肉擬人化漫画を愛する腐女子の由嘉里は、人生二回目の歌舞伎町での合コンにて酔い潰れた時、美しいキャバ嬢のライに助けて貰う。「消えているのが、私の本来の姿」そう語るライと一緒に暮らすことになった由嘉里。他者が暮らす、理解の及ばない世界は由嘉里のものに、確実に影響を与えていくーーー
すごく面白かった。
由嘉里が多種多様な人達と関わっていくにつれて、自身の世界を縦や横に伸ばしたりしていく様は、自分自身と重ねてしまってどこか達観した気持ちになった。自分がまだまだ未熟であるからこそ、自分が持つ世界に自信がない。絶対的な自信を持っている人に憧れる。自分の中に広がる世界では何が崇められているのかを日々考え -
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カンブリア宮殿。村上龍と小池栄子が、経営者にインタビューする番組。
テレビ東京で20年続いている。私も、20年とは言わないが十数年見続けてきた。
それが、2026年4月から変わるという。
最近めっきり老け込んだ村上龍に代わって、金原ひとみがパーソナリティになる、
というのだ。相変わらず絶好調な小池栄子さんも代わる。残念。
金原ひとみ、、、蛇とピアスは読んだはず。あまり理解できなかったと思う。
番組、一度は見るけどそのあとは離脱かなあ、と思っていた。
が、この小説を読んで認識が変わった。
凄い作家だ。
YABUNONAKA 芥川龍之介の「藪の中」が下敷き。
殺人事件に対し、証言がことごとく食い -
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ものすごく興味深い物語だった
現代の思想を描いた物語だった
男性と女性それぞれの思考がリアルに描かれていた
令和という時代がそっくりそのままそこにあった
読むとめちゃくちゃ疲れます笑
熱量がすごいです
作者の伝えたいことが雪崩のように脳の中に押し寄せてきます
痛くて苦しくて共感したい気持ちが溢れてきて窒息しそうになります
読後感は全力疾走したような気分です
私は女性であり、しかも社会人としてそれなりに長くこの世を生きているのでめっちゃ共感できました
男性が本作を読むとどんな感想を抱くのか興味深いです
それぞれの年代の主人公がいるので、どの人物に共感するのかによってその人自身の人間力が明るみ -
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取引先の30代の女性が言っていた。「あそこの社長は本当にイケメンなんです。」その話を同僚の女性にしたら「いや本当にカッコいいのよ。ヤバいの」と。
2026年現在、多くの男性はもう取引先の女性のことを美醜で形容しない。
「取引先のあの子めっちゃ可愛い。」これ男性言ったらセクハラだし、気持ち悪い奴扱いなんです。
ゲイの綺麗な男の子だけが集まった恋リアを女性が見ている。
逆の恋リアがあったら?レズの超可愛い女の子が恋をしたりキスしたりするんだ。これをNetflixで俺が夜な夜なチェックして、毎週火曜の配信を楽しみにしてたら?
ちなみに誤解なきよう申し上げるとBOY FRIENDはチラ見した -
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ネタバレこの作品は、読み進めるほどに「まとめること」を拒否してくる小説だった。
群像劇という構造の中で、誰か一人の話を聞けば、その人に感情移入してしまう。だが別の視点に立てば、また違う感情が生まれる。その繰り返しの中で、「誰が正しいのか」「何が真実なのか」が分からなくなっていく。
性加害の問題について、被害者に寄り添うべきだという思いは、自分の中で大前提として揺るがない。これは今後も変えるつもりはない。しかしこの作品を読んでいて、そして現実の出来事を考える中で、もう一つの感情が浮かび上がってきた。それは、被害者の話を聞いているその最中でさえ、一瞬だけ「それは被害妄想なのではないか」と思ってしまう瞬間 -
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ネタバレ圧倒された。
性加害とか、性的搾取とか、読むのは苦手な分野にも関わらず、一気に読み進めさせられた。
しかも話の中身は苦手な部分を凝縮させたような内容なのに。
まず長岡友梨奈が嫌いになった。自分の正義感をそこまで(自分の娘や恋人にまで)押しつけないでも良いのではないかと。
そして長岡の恋人の横山一哉に一番(長岡友梨奈に魅力を感じること以外概ね)共感した。
各登場人物の視点で順番に物語が描かれており、読者は物語を通して、人はこんなにも分かり合えないのか、ということをまざまざと見せつけられる。
最後の盛り上がりどころとして、長岡友梨奈の死という場面がある。このとき長岡のこれまでの活動が世間に -
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吉田棒一「インフルエンズ」
吉田棒一、何となく知っていたけどえぐいっすね。こんなヘンテコな小節が許されるかよ!と怒鳴りながらめちゃくちゃ推してしまう、舞城王太郎、佐川恭一に続く奇人現るーーーーー
小田雅久仁「魑魅虫」
独特な語りと雰囲気はものすごく好きなのだけど、悪が集まり結局何が起こったのか、ニュアンスしか分からず……
冒頭、女性作家陣の全てのエッセイ、小説、ラフ画、対談、全て素晴らしかった。韓国に興味なくてもあっても、国を超えるとはどういうことは、戦争をするとはどういうことか、読み応えしかない。
全体的に、詩や短歌が挟まっていたり(どれも良い)、目を見張るような絵がページいっぱいに広 -
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色々な人物の視点で物語が書かれており、それぞれが「自分にとって都合の悪いことは忘れている」というのが語りに表れているのが本当に面白い。最後まで読んでも、結局何が正しいのかわからず、物語の真相を藪の中にしている。ただ、自分は誰の視点に立って物語を読んでいるのかというのが強制的に突きつけられる。
10年前の恋愛関係が告発の対象になる是非は、人によって意見が分かれるテーマだと思う。編集者の木戸は確かに社会的な立場を利用して女子大生である橋山と関係を持ったという側面がある。ただ、自由恋愛として付き合っていたということも事実であり、社会的に制裁されるような告発を受けるべき人物だったのかはわからない。年 -
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ネタバレ初めての金原ひとみ作品。面白かった〜!
ストーリーもさることながら、随所に出てくる、現代の若者が抱きがちな幸せとか生きることに対する価値観に対する提言というか、「もっと気楽に生きたらいいんじゃない」というメッセージのような表現が散りばめられていて素敵だった。
恋愛経験0の腐女子・由嘉里が数合わせの散々な合コンで飲みすぎて気持ち悪くなったところに、「救急車呼んだほうがいい感じ?」と救いの手を差し伸べたキャバ嬢のライ。それまで交わることのなかった2人が共同生活を始め、心の距離を縮めていく、と思いきやそう単純な話ではない。生に対する価値観が違う人と心の距離を詰めて生活していく楽しさも感じたし、やっ -
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再読とはむかしと今とで、心を持っていかれた場面、目をそむけたくなる場面が変わったことに気づいて、ああ、人生を歩んできたなと思える行為である。私は本書を、その自分の成長具合を測る作品としていて、20代のときに何回か読んでいる。(正直なところ、そこには、芥川賞を受賞した作品を理解できないと私は人間ではないのではという引け目もあったように思う。)30代で読んだのは今回で初めてだ。残念ながら20代のときに読んだ感想が見当たらなかったが、当時は「痛み」がどうのと言っていた気がする。しかし年齢を重ねて今回思ったのは、主人公が「不安定から安定への道」へ行こうとしているな、ということだった。
主人公は、付き -
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ネタバレ本作には多種多様な人物が登場するが、そのどれもが驚くほど解像度が高く、読者は誰か一人に自分を投影してしまうだろう。
作中の人物たちは、私たちの身近にいる人間、あるいはTwitterで見かけるような人間だ。
彼らの言動を「こういう人もいるよね」と切り捨てず、執拗なまでの観察眼で描き切る筆致には、小説家としての類まれなるセンサーの精度を感じざるを得ない。
本作は「性加害問題」を主軸としているが、単なる「フェミニズム文学」という枠に矮小化して語るのはあまりにも惜しい。
これは性加害の是非を超え、高度な人権意識を求められる現代社会の窮屈さ、認知の歪んだフェミニスト、加害者として糾弾される男性、そし -
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ネタバレ・登場人物に、ちゃんと嫌悪させられる。そういう物語はあまりない。普通は、「悪」にはもっと弁明の余地があったりする。でもこの作品は生々しい。とてもリアルで、心当たりがあって、それ故に嫌悪する。顔を顰めながら読まされてしまう。圧巻。
・こんなにも書いていいのか!と勇気づけられる。映像や、音楽に触れていると、語られない美学というものは自明であるとつい思い込んでしまう。でも、小説だからこそ、こんなに書けるのか!と思う。この人は、何に怒り、何に苦しみ、何に悩んでいるのか。日常の細部から、心の機微をこれでもかと文字に起こされていく。その様は読んでいてとても気持ちが良い。だからこそ、これだけの衝撃と、読後