金原ひとみのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ物語が登場人物それぞれの視点で進んでいくので、誰かにとっての真実が誰かにとっては真実じゃない、みたいのが面白かった。
Metooとかの性加害の話が多いから男女論争でもあるなと思った。
もちろん男性が加害者側とは限らないんですが…。
ただ、年齢を重ねた男性にこそ読んでほしいかも。
多分耳が痛いお話だけど。
女性作家の長岡友梨奈はセクハラをした他部署次長への追及、娘の大学での事件への関与、正しいことを表立ってしようとすることは素晴らしいけど、みんながみんなそれで救われるとは限らないかも、と思った。正しいっていうのもある意味では暴力的。
これについては後々結論が出たようでよかった。
やっぱり色々 -
Posted by ブクログ
狂った精神状態の人の思考を描くのがうますぎる。今まさに自分が全く同じ狂い方をしているから、怖さと惨めさと滑稽さが痛い。
自分は正しいはずだという視野狭窄、他責思考、被害者意識の暴走。苦しみから、立ち直るためには、どうしたらいいのだろうか。
ルーティンから決してはみ出さない女と、ルーティンなんて辞書にないような女、そしてそこから繋がるクセ強バンドボーカル
なんでこの人たちが一緒にいられる?と不思議ではあるものの、それでもメンタルボロボロ激重思考の私が読んでも最後は何故か笑って軽やかな気持ちになれるからとても救われた。
付き合っていない体で付き合うわけだから、別れることもないし終わることもない。 -
Posted by ブクログ
最高!
浜野さんの、ルーティンをこなすだけの毎日から極彩色の世界に色付いていくのがワクワクした。食と非日常の楽しみって紐づいてるよね!
そしてまさかさんの素敵さが過不足なく描かれていて、どんどん好きになってしまった。久々のときめき摂取。かさましまさか。いい名前だ。
カニをベランダで食べながら甲羅酒をまわし飲みするのが、美味しそうすぎて楽しそうすぎてよかった。浜野さんも、ルーティンを受け入れていそうながらも蟹への周到な用意してしっかり楽しみにしているところに、つまらない日常が剥がれて行ってる感じが出ていてとても良かった。
不妊治療のところはつらかった。
一度命が来てくれたところから、また失う -
Posted by ブクログ
ネタバレ訳ありの義母と会うことになった波那。結婚相手の蹴人(しゅうと)は義母のことを「害悪じゃないけど合わない人」と言い、波那が無理って思ったらいつでも縁を切ると言う。一体どんな義母がそこに現れるのか……。
こんなに声を出して笑った小説は久しぶりでした。
義母、張子(ちょうこ)のキャラクターがぶっ飛んでいてすごすぎて、波那の前に現れた瞬間から掴みはOK、笑いのオンパレードでした。
面白すぎて、笑いながら怒涛の勢いで読み続けましたが、途中で、こんなに初っ端から笑わされるということは、ラストはどっと泣かされるんだろうなと思いながら読みました。
結果、号泣というほどではなかったですが、やはり泣かさ -
Posted by ブクログ
金原ひとみやっぱりいい。いつも金原さんの言葉に救われてる。
パリの砂漠、東京の蜃気楼は比較的短期間のパリと東京の生活を綴ったエッセイでそれはそれで好きだった。一方、本作は20代前半から書きためた作品を掲載していて、私自身それは10年ぐらい前に同世代として経験したことだったり、経験しようがないことを共有してくれていて、単に他人の話ということじゃなく×世代の違いのようなフィルターを通して新鮮な気持ちになりっぱなしだった。
記憶を遡る気持ちがして人が歳をとって変わってく過程の立体感のようなものを感じた。
正直でいいな。そうゆう孤独な目線での誰かの日々の心の動きがら知りたかった。 -
Posted by ブクログ
絶対的な正義とか悪とかそんなものは存在しなくて、かといって相対的でもなくて、誰かの正義は誰かの悪でその逆もしかりで、グラデーションにすらならないマーブル状の人生たちがぐわんぐわんに渦巻いていくのを真ん中から眺めているみたいで目が回った。でも最後にはちゃんと焦点が定まるような読後感。希望はあるはずだ。
【読んだ目的・理由】読書会で勧められたから
【入手経路】買った
【詳細評価】☆4.5
【一番好きな表現】表現っていうのはどんな場でどんな形でどんな人からなされようと一方的なものだよ。人は自分というフィルターを死ぬまで外せないからね。(本文から引用)