金原ひとみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この本は面白い繋がりで辿り着きました。
辻村深月さんの「鍵のない夢を見る」のあとがきから「オール讀物」という文芸誌の存在を知り、そこに金原ひとみさんと千早茜さんの対談が載っており、2人の作者に強い興味を持ちました。
読んだ感想を一言で言うと「19歳でこれを書いたのは天才」です。ひたすらに主人公の心理描写が鮮度MAXで描かれていると感じます。読んだ瞬間は強く「あーこの感じ、わかるわ」と思うのに次の瞬間に振り返るともう何を言ってるかよくわからないという面白い読書体験でした。はちゃめちゃになりそうなストーリーなのに終始醒めずに読み遂げられる面白い本です。短いので「とりあえず読んでみて感想聞かせてよ」 -
Posted by ブクログ
まだまだ数冊しか読めていないけれど、自分がこの作家さんの作品に惹かれる理由はなんなのか、作品から漂う甘い香りに自分が吸い寄せられてしまうのは、こういう生き方や考え方や苦しみ方から創造されているのだな。そういった言語化出来ないその感覚みたいなものを裏打ちされたような、金原ひとみさんの作家として母として人としてのコアな部分が窺え過ぎている。
母というペルソナに始まり、たくさんのエッセイと掌編小説。どれもとても良かった。
小説を読んでいて、もしかしたらこれって…と思っていたことがあって、あぁやっぱりそうだったのかという答え合わせが出来たり、男子はみんなメイキングザロードばかり聴いていたみたいな一文に -
Posted by ブクログ
本当に体力がいる本
現実世界でも、1つの事実に対して、複数の真実があるって言うことを思い知らされる本
みんなそれぞれ気持ち悪いし、みんなそれぞれ正しいって言う人間の見られたくないところとかドロドロしたところっていうのが如実に描写されていて、人間て怖いなって思う本
ある人物のことを語るときに、自分から見えている側面しか言えないので、安易にその人のことを語らないように気をつけることが大事だなと思った。
世間は物語を信じこんだり、作ったりすることが好きなので、ある事実と事実をつなぎ合わせて、そこにストーリーを見出して、それにのめり込んだり、一方的に人を批判したりだとか、そういうことが起こり得るって -
Posted by ブクログ
前回のエッセイ、パリの砂漠~が共感しすぎて、こちらも手に取った。
前回よりも、恋とか性とか多い印象。
残念ながらその部分には何も共感できない自分だった。
三章の、「~の君」、の話が好みだった。
自分の感情をここまで言語化できるのが、本当にうらやましい。
印象的だったとこと(長い)
・「自分が予想していた未来と、今の自分を比べてどうですか」
数年前何かの取材で、割と唐突にそう聞かれた。私は質問の意図が分からず黙り込んで、その意図がなんとなくわかった瞬間にショックを受けて眩暈がして、「私には自分の未来を予想したり、人生を構築してきたという意識がありません」と正直に答えた。
これは、人生を自 -
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ネタバレまさかさんのライブでの姿からは想像できない普段の繊細さや言葉選びのセンスに驚いた。
二人が交わす会話のテンポと内容が素晴らしい。知性と遊び心があって、いつまでも聞いていられそうだった。主人公が子供とおじさんに対する嫌悪感の共通点を言語化する場面が個人的にすごく好きだった。
過去の出来事を機に、社会に対する自己を閉じてしまった主人公がだんだんと心を開いていく様、彼女の個性が垣間見得ていく様が、読んでいて面白かった。
ルーティーンを繰り返し、波風立たない生活を求めていくようになる人の思考回路の一端を知ることが出来てよかったなと思う。今の時代性を感じる作品。
まさかさんとの出会いで変わっていく -
Posted by ブクログ
淡々と生きている浜野さんは、
ちょっと変わったパワフルな平木さんと出会うことで、日常に大きな窓が開き、爽やかなかぜが吹き込んでくる。一体彼女はなぜ、そこまで頑なに周りの生活から遮断して、自分の心を殺すような生活を送っていたのか。
ナチュラルボーンチキンのコンサートでまさかさんと出会ってから、日々の生活に輝きが少しずつ増していく。
なぜ浜野さんが今の生活をすることに決めたのか、元夫との家庭、子どもへの意識のすれ違いで大きく傷ついていたことがわかる。妊活は一方的に女性が背負うことが多いと聞くのて、その悲しみ、つらさをここまで、こちらも女性の立場で突きつけられる。男性には、深い想像力か必要だと思う -
Posted by ブクログ
あ〜好き…♡
怒涛のように押し寄せる登場人物たちの感情に
飲み込まれながら…
どこで息継ぎするかを忘れるくらい…
夢中で読んだ!!
性加害にあったとネットで
告発をした者の視点だけじゃなく
加害者とされる側が
その時代に観て感じてきた想いも
しっかりと描かれていて…
若者から見る中年の見え方や
中年になった時に
その当時の自分を振り返る描写など…
おのおのの想いが伝わららないことで生じる
誤解やねじれがあることを痛感させられる!!
怖いくらい激烈に性搾取について語られる
正義感たっぷりなシーンは…
文字もビッシリで…
息苦しさを感じるほどだった!!
きっと…それも計算し