金原ひとみのレビュー一覧
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新進気鋭のパティシェが作った濃厚生チョコとキャラメルのテリーヌみたいなずっしりした読み応え。
胸焼けするのに、もう一口もう一口とフォークを刺してしまう感じ。気づいたら1人で一本食べ切っちゃったなぁって感じ。
自分の人生とリンクしすぎて、途中で読むのを放棄しようかと思った話もあったけど、最後まで読んだ今はなんと満たされた読書体験だったんだろうと思っています。
著者の「ミーツ・ザ・ワールド」を先に読んでいたけど、この本の中の「アンソーシャルディスタンス」を長編にした印象がある。
とにかく、どの話も長編にできちゃう面白さ。
3話目のコンスキエンティアの終わり方、なかなかこんなかっこいい終わり方 -
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気持ちがゆれる。ゆらぐ。読み切ってもなお不規則に揺らぎ続けているような気分。この作品に潤いや救い、そして美しい結末を求めても報われない。そういうものではない。
一向に同じテンポでは読み進めさせてくれない。それほどにそれぞれの登場人物ごとに没入感を感じられるように描かれていて、巧妙だった。
これでもかとリアルで、令和の現在地が濃縮されていて、末恐ろしさと「これは人ごとだ」と逃げたくなる気持ちを抱えながら向き合わなければならなかった。そうしてバリアしながら読まなければ、自分の過去の経験や何を悪と感じているかという多くのものと真っ向から向き合わねばならなくなりそうだからだ。
この世代・性別・立場 -
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ネタバレレビューを読んでいると、自分と違う意見を持っている人がいて面白い。正解がないのが前提だけれども、自分はこっち派だな、というのは合って、でもレビューでは私と逆の立場の人もいて面白かった。
伽耶と友梨奈の言い合いのシーンが一番しんどかった。
あの場面は①人の苦しみに対する正義感 と、 ②人は分かり合えるかどうか の二つから見れると思っていて、
①については友梨奈と恵斗、一哉と伽耶が同じ意見を持っていると思う。
p293 友梨奈「怒りと悲しみを(省略)後世に継承してはならない(省略)。その継承に加担しないように、私たちはそれについて考える義務がある」
p292 恵斗「どこかで責任を感じるんだよ」 -
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主人公の銀行員ゆかりは腐女子を隠しながらも、平凡な社会人生活を送っていたが、ある日失敗した合コンの帰りに舞伎町で、死にたい願望のあるキャバ嬢のライと出会う。これまでの人生において接点がなさすぎる人々との非日常が始まり、今までと世界の見え方が変わっていく・・。
解説が私の感じたことをすべて言語化してくれていて、最後に頭を整理できました。あまりにも新しい世界との出会いの時、「わからなさ」を必死に理解しようとするのって、ものすごく気力がいる。ゆえに「違う世界」だと割り切って、それでおしまいにするのがごく普通なのに、ゆかりはライに対してもがき続けるのだ。生きることに執着のない彼らと関わりながらも、そ -
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ネタバレ僕は金原さんとは全く違う性格だし、そんなに苦労をした経験や周りと違う事を感じない子供でした。
でもこの本に書かれてある言葉を読むと
周りと違う子の事を少し理解できました。
子供が合わない子供も居るんだよとセリフにありましたが、まさにその通りだと思います。
子供の中に子供ではない人が混ざるのは難しいですから。
この本で1番強く感じたのは、
どんな経験も糧になる
という事です。
僕はこの言葉を他人に言うのが無責任な気がして
言えませんが、この本を読むと
周りと馴染めなかった子供の時
家を出て彼氏の家を転々としていた時
フランスで苦労した時
創作に締め付けられた時
しんどい事が多かったと感 -
Posted by ブクログ
私には金原さんは合わないだろうなぁと、、、読まず嫌いで、一冊も読んだことがありませんでした。
ともちんやおびのりさんのレビューを読んでいて、何か一冊くらいはと思い、おびのりさんのレビューが超絶カッコよかったこの作品を購入しました。
序盤は、芥川賞作家らしい??言葉選びが私には馴染めず、超苦戦(-。-;
良い意味で想像通りでございました( ̄▽ ̄;)
子供を保育園に預ける3人の母親を順番に描いているのですが、この女性たちがとにかく私は苦手(~_~;)全員苦手。
麻薬に、虐待に、不倫。。。
普通の人はおらんのか!?
母としての役割や、社会から押し付けられる「母らしさ」みたいなものに苦しむ -
Posted by ブクログ
2011年 ブランチブックアワード大賞
2012年 第22回 Bunkamuraドゥマゴ文学賞
すでに刊行から10年以上が経った作品。
おそらく当時まだ30歳前後だった金原ひとみが描いた、母性への反逆、あるいは抵抗、そしてその意識そのものへの肯定の物語かと思う。
三人の母親たちの視点から語られるのは、夫婦や育児をめぐる友情の裏にある本音であり、社会的には語られにくい感情の数々。
解説で高樹さんも触れているように 本作は「社会の常識に反した本音の箱の蓋を開けた」作品ー
高樹さんの解説を省略しすぎているけど おおよそこんな感じで良いと思う。
ただ、読んだ方ならわかる通り、彼女たちの本音はあま