金原ひとみのレビュー一覧
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2011年 ブランチブックアワード大賞
2012年 第22回 Bunkamuraドゥマゴ文学賞
すでに刊行から10年以上が経った作品。
おそらく当時まだ30歳前後だった金原ひとみが描いた、母性への反逆、あるいは抵抗、そしてその意識そのものへの肯定の物語かと思う。
三人の母親たちの視点から語られるのは、夫婦や育児をめぐる友情の裏にある本音であり、社会的には語られにくい感情の数々。
解説で高樹さんも触れているように 本作は「社会の常識に反した本音の箱の蓋を開けた」作品ー
高樹さんの解説を省略しすぎているけど おおよそこんな感じで良いと思う。
ただ、読んだ方ならわかる通り、彼女たちの本音はあま -
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作品とは無関係ですがカンブリア宮殿のキャスターに抜てきされたとのニュースを見て驚!と思いました。でも、前任の村上龍さんの作品との違いを思い返すと、近いような気がするとも感じました。
それはさておき、本書の感想です。かなりズシリと響く内容でした。いつも読後には自分が受けた印象なのに言語化出来ないもどかしさを巻末の解説がクリアしてくれる。今回も例外なく朝井リョウさんがとても適切にオチもつけて表現してくれました。
皆が同意と解釈する行為はルールの中でリスクを排した干渉なのだ。気にしたことがなかった。ルールは破るもの、などと言って少し外れた行動をとる人は何処にでもいるし誰にでも記憶に残存すると思 -
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ネタバレ恋愛経験のないアラサー婦女子と、希死念慮のあるキャバ嬢ライをはじめとした歌舞伎町でのお話。
最近、希死念慮を持つ人と話してすごく驚いた。かなり忘れっぽく、前しか見れないような自分が、そのことをそれから時々考えている。そんな中でこの作品に出会った。
それぞれが自分の世界を、自分の価値観で生きている。似ていることもあるし、全然違うこともある。そんな他人の世界を理解し切ることはできない。相手が望まないまま押し付けようとするのは自分のためでしかない。
でも、それぞれが自分のために生きるべき人生でもある。価値観が違うから、主張する、押し付けるのはやめよう、だけだったら、コミュニケーションなんてできな -
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当然フィクションではありますが、物語に入り込みすぎてリアルとの境界線が曖昧になり登場人物に怒りや気持ち悪さを感じるほどでした。こんなことは滅多にないです。
各人物は複数の視点から描かれることでページをめくるたびに印象が変わり、一体何が彼ら/彼女らの本当の姿なのかが分からなくなってきます。
それは最後までヤブノナカだったような気がします。
高校生から中年の男性/女性に至るまでそれぞれの人物の心情の移り変わりも、それぞれに固有の文体を通して表現されていて非常にリアルに感じられました。
性描写がそれなりに激しかったり、感情がかなり揺さぶられるので読むだけで体力と精神力を使いますがさすが金原ひと -
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初の金原ひとみさん作品。宇垣美里さんによると、金原さんの作品は、アゲアゲな方とサゲサゲの方の二種類に大きく分けられるとYouTubeで言ってましたが、本書は完全に後者です。
性加害がテーマで、色々な人の視点で描かれる群像劇の形式で進んでいきますが、誰が言ってることが真実かという事ではなく、悪を完全に叩きのめす強硬派と、悪を受け入れて人生に折り合いをつけて生きていく穏健派の二項対立で苦しむ人々が描かれてますが、本当にこれ全員想像上の人?っていうくらい、生々しい発想と思考回路が緻密に描かれていて、金原さんに脱帽です。
金原さんマジックというか、誰の言うこともその通りだよねー、みたいに共感できる主人 -
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ネタバレ芥川龍之介の『藪の中』を現代に蘇らせた本作は、ある編集者への告発をきっかけに、8人の視点が入り乱れる極上の群像劇に仕上がっている。
「ハラスメント」という現代的なテーマを扱っていながら、単なる社会派小説に留まらないのは、著者のストーリーテリングの手腕ゆえだろう。
ある章では「加害者」に見えた人物が、別の章では「被害者」の側面を見せる。視点が切り替わるたびに、善悪の境界線が揺らぎ、見えていた景色がガラリと変わるスリル。この複雑に絡み合った糸を解きほぐしていく過程に、ページをめくる手が止まらなかった。
古い価値観にしがみつく男、正義を暴走させる女、それを冷ややかに見る子供たち。
全員が自分なり -
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Audibleで鑑賞。
はじめのうちは、何やらずいぶんと拗らせた中年女性が、はつらつとした若手同僚との出会いをきっかけに自分を見つめ直す楽しいお話かな、と思っていたが、物語が進むにつれて何故彼女がそのようになったのかが詳しく語られる。
同時進行で運命の再会とも言える、これまた複雑な環境に育った男性と出会い、お互いにこれまでの過ぎた人生で何かをあきらめた境遇を共有しながら、これからの人生を一緒に過ごしていこうとするお話。
おおまかにはそんなお話なのだが、登場人物、特にお相手の男性キャラが魅力的で、小さなディテールを積み重ねていくことで、なぜ彼女が再生するに至ったのかを感じ取りやすい(理屈ではない -
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ネタバレいやー。すごいね。金原ひとみ
こんなん書いて本人はメンタル大丈夫なんかな?
と心配になるくらい力作
長岡友梨奈の「自分が世界一正しい」
みたいな感じが後半かなりイライラ
伽耶がかわいそすぎる
でも「最強メンタル」の時って
そうなんかもなぁ
私も正論で戦う派なので
わからなくはない
でもさ、自分の事、棚に上げすぎやないか?
旦那が別れてくれんにしても
一応、自分も不倫やん?
木戸さんも自分と比較してたけど。
19や20から28歳まで友梨奈と
暮らしていた一哉
友梨奈に死なれ、突発性難聴になって
今後もずっと友梨奈を引きずって
生きてくわけやん?
伽耶も、きっとそうやん?
かわいそすぎる -
Posted by ブクログ
ネタバレずっと読みたかったけど、いやー思ったより難しかった。
よくもこんなに考えの違う人たちの心情や行動を細かく描けるなーってすごくすごく感心してしまった。笑
この作品って圧倒的、女性味方目線というか。
これは男性が読んだらどう感じるのか興味がある。
男女差別とか、男女格差とかって
いつになったらなくなるのかな?
もうこれは世の中に違う性別がいる以上なくならない?
塩田武士さんの「踊りつかれて」にもあったけど
"礼節を重んじるあまりに、自分を押し殺す。"
違和感があっても
夢を壊されるかもしれない
周囲から孤立するかもしれない
環境から追い出されるかもしれない
そういった危機感