金原ひとみのレビュー一覧

  • 星へ落ちる

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    ストーリーはなんてことないのに、文章というか、行間の雰囲気が好きな感じ。
    よしもとばなな氏とか、江國香織氏とか。

    苦手感のある芥川賞受賞作家さんが楽しめた自分がうれしいw

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    2013年08月12日
  • AMEBIC

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    ものすごくわからないようなものすごくわかるような。

    錯乱状態になっているときに彼女が書く文は
    わたしが時折頭で描くその文に似ていたりするわけで、
    かといって彼女ほど常にクレイジーでいれるわけでもないが。

    とりあえず狂っているような正気のような本なのに、
    文の違和感もなく引き込む力があるのが
    金原ひとみの天才的なところだと思う。

    これ、金原さんの自伝ではないのかな。

    主人公の名前も何もわからなかったが、
    何もかも凄くわかった。

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    2013年03月13日
  • 憂鬱たち

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    発売当初読んだときよりも自分にフィットしてきた!!比喩と笑いに磨きがかかった短編集。全部好きだけど「マンボ」がとくに好き。

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    2012年07月28日
  • ハイドラ(新潮文庫)

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    一緒に棲んでいても恋人だという実感、安心感を持てない日々。新崎に植え付けられた無機的な美に心を囚われ噛み吐きを繰り返す。一度は愛され人間らしい温かみに触れながらも、自らに抱えたハイドラと決別できず、再び新崎の被写体に堕する。歪んだ図式で世界を捉えている人が常識的な世界に戻るのは難しい。普通の幸せに浸りきることができない人間の不可解。深い感興を覚えた。

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    2012年07月23日
  • オートフィクション

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    ネタバレ

    4つの連作短編。22歳の章が良かった。意味不明な奇声は影を潜め、じっくり読ませる地に足のついた作品。細かな心理描写、深く掘り下げられた冷静な自己分析。著者の真摯な姿勢が読み取れ実に清々しい。猥雑な卑語の連発も全然気にならなかった。
    「生じている矛盾に不満や不安を感じ思い悩み、震えながら取り乱しながら、それでも、無視することで目を逸らすことで生きてゆく上で必要な自分自身のバランスをとっている。」著者の面差しがよぎった。
    オートフィクションとは、著者の自伝ではないかと読者に思わせる作品のこと。

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    2012年07月17日
  • 星へ落ちる

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    「例えばさ、ずっと一つの星を見上げてると、自分がその星に落ちていきそうな気がしてこない?」

    星へ落ちるってタイトルにきゅんとした。

    男と女と、男の彼氏と、女の元彼。

    複雑な人間関係の中で共通するのは、完全に自分のものにならない相手に落ちて、もがいているところ

    人の心なんて縛れないのに、なんで恋をすると人はそれを自分のものにしたがるんだろう。

    愛おしいと思えば思うほど、相手のすべてを知りたくなるし、それで苦しむんだよね。なんでかな。

    って読んでて思った。

    描写がね、いい。ルクルーゼの鍋とか、東京タワーとか、カレーとか、情景を頭に浮かべやすいの。

    とんとんとんとん。にんじんを刻んで、トマトを刻む。さくさくと切れていくトマト。立方体に切り揃えていく内、まな板にトマトの汁が滲んでいく。

    スープ作りが一番印象的だった!

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    2012年01月07日
  • ハイドラ(新潮文庫)

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    読み終わった時、金原ひとみが新しくなったって思った。
    モロすぎる表現が売りな所があったけど、ハイドラは前のような分かりやすい表現は少ないものの心に何か重いものがのしかかって来て金原作品では初めて感じる感覚だった。
    でも金原ひとみが書く主人公っていつも真っ直ぐ純粋だから故に歪んでいってしまって、見てるこっちの心が痛くなる。
    それが癖になってつい手に取ってしまうのが不思議。

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    2011年07月15日
  • オートフィクション

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    初めて金原さんの作品を読んだときから、崇拝に近いくらい絶大な信頼をおいている。大好きな作家さん。今までの中で一番かも

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    2011年04月14日
  • ハイドラ(新潮文庫)

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    自立と隷属、自由と拘束、妄想と現実。
    人の心は常にこれらの間で揺れ動いている。だからこの小説にも終わりはない。ラストシーンはまさにそれを象徴している。

    素晴らしい作品だった。

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    2011年04月07日
  • オートフィクション

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    果たしてこれは作者の自伝的作品なのかなんなのか笑
    最初は主人公の22歳の作家の口調がギャルで嫌だったんですけど、何も考えていないようで色々な事を考えているんだなぁと分かりました。
    ていうかすっごく嫉妬深くてネガティブ笑
    病的に寂しがり屋だということと病的に嘘が嫌いなのは何故か最後まで読んだ時に分かって(まぁ寂しがり屋なのは最初からだった気もしますけど)、最後の方は責任取れないとか言いだす男に殺意を感じ(爆)お腹の子と主人公可哀想だなぁとか。

    人間を色々なものに例えるところが面白かったwwwあとコイツは〜してそうとか勝手に考えるところも。

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    2009年10月04日
  • アンソーシャル ディスタンス(新潮文庫)

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    どんどん思考が先鋭化していって明らかに変でやりすぎなのに自分では気づけなくて、気づいてももうコントロールできなくて...みたいな状況にゾッとしてみたり可笑しみを感じてみたり、全然違う状況だけど理解できたり覚えがあると思ってみたり。

    どんどん読んでしまう。そして後味は悪くなくてどちらかというと爽快な気持ちにすらなる。こういうところが好き。

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    2026年10月12日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

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    ちょっと、いやだいぶ怖い。ディストピアじゃないかと思ったけどもはや誇張でもなく現実に起きてることでもあり、ストーリーを見つめるとこういう要因があるんだろうな、とリアル性がある。

    ハラスメント、ジェネレーションギャップ、男女(夫婦)関係、親子関係、、、現代社会の縮図がこれでもかとタブーのスクープのように描かれていて、なんだか自分にも思い当たるところが、現代社会において不適合な因果があるのではと考え慄きながら読み終えた。

    この本は現代、未来への警鐘なようで救われない世界観でもあり、社会的暴力に加担しているような気もする。
    人は個で苦しみ戦い、結果に抗えず可能性に期待できず、でもふとした時に前が見えてくる。誰も何もコントロールなんてできない。

    時間が経てば時代が変わって社会が変わり、相互作用的にも人も「あたりまえ」も変わってくるわけで。
    もっともっとAIが台頭してくることも関連するだろう未来の社会を見たいなと思った。
    今よりもっとディストピアなのか、それは人間によって作り出された生きやすさの先にある息苦しさなのか。

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    2026年10月11日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

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    読んでいる間中、ずっと張り詰めた緊張があった。
    長岡友梨奈は自分の中の正義に苦しめられていて生きづらそう、、って思った。
    これを読破するにはエネルギーが必要!

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    2026年10月11日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

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    Twitterでよくみる諍いだけでも消耗するのに、これはそれを煮詰めて凝縮した濃い何かに感じた。
    とにかく読むのが大変でしんどかったけれど、2026年の今よめて本当によかったともおもう。
    世界もっと良くなるといいな、となんだかそう思った

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    2026年10月11日
  • 蛇にピアス

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    刺青、ピアス、アブノーマルな身体的体験を通じて、普通に生活していれば、恐らく一生変わらないはずの物を、自ら進んで変えるルイ。10代後半の方向感は定まらないが現状を変えてみたいという心境を丹念に綴る一冊でした。

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    2026年10月05日
  • 蛇にピアス

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    今更ながら読ませてもらったら、想像を遥かに超えて凄かった、としか言えない読後感だった。本編だけで114ページしかないのに、これだけの薄さに色んなことが詰まってて、考えさせられました。
    金原さんの作品はヤブノナカしかまだ読んだことが無かったのですが、その時は言葉の鋭さが凄くて、私にはまだ本当の意味で理解出来ないなと思いましたが、この作品はなんと言うか、大人であり、子供であり、残酷であり、優しさのある、感情移入させられるくせに、どこか遠い所の話しのような気もして、凄く揺さぶられました。しかも最後は読者に委ねるというか、想像に任せる感じで終わらせてて、タイトルもそのままのようで、でもオシャレにも感じてしまいました。語彙力なくて申し訳ないが、とにかくこれがデビュー作で、19歳で書いたのが信じられない!

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    2026年10月04日
  • アタラクシア

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    読み終えた素直な感想は「???」でした。
    はじめて金原ひとみさんの作品を読みましたが、登場人物の心境はすごくリアルだなと思いつつ、リアルだからこそその羅列が文章では読みにくいというか、整理しにくい印象を受けました。
    登場人物の視点ごとにストーリーが語られるので、「え、あの人が!?」とか「この人があの人なの!?」みたいな発見は気持ちいいのですが、私の理解力のせいか分かりにくかったです。涙

    でも、面白い!でも、気になる!
    なので星4にしました^^

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    2026年10月01日
  • デクリネゾン

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    メンヘラ中年女が大学生と恋愛する話、としてキモっ!と思いながら読んでだんだけど、結局最後まで読んだので、金原ひとみが天才。嫌悪感がありながら、読んでよかったと思えるってなに。素直に言えない。不思議な作家が金原ひとみ。

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    2026年10月01日
  • アンソーシャル ディスタンス(新潮文庫)

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    全部自分のせいなのに、のめり込んで振り返ったら、なんでこんなことになってんの、みたいな一人称で進むからこその共感や強いメッセージ性に惹かれた。

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    2026年09月29日
  • アンソーシャル ディスタンス(新潮文庫)

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    ▼ストロングゼロ
    中学生のときに「蛇にピアス」を読んで以来の金原ひとみ。落ち込んでるときに読むにはあまりにも救いがなかったうえに、うつ病の人と同じ屋根の下で生活していた時期もあったし、依存症も身近なため、いろいろ思い出してやられた。

    うつ病の人にはある種の引力がある。その引力は明るい出口もそこへ至る道もまったく見えない状況のただなかに、当事者でない人間さえも引き込んでしまう。でも引き込まれた側は決して当事者ではないので、その渦中で同じものを見ることはできないまま(そして共倒れになってしまうから見るべきでもない)、当事者へのいたわりと苛立ちを行きつ戻りつし、無力感と自己嫌悪に苛まれ、そしてそういう感情の無意味な循環と押し合いへし合いそのものに疲れ果ててしまう。そういうどうにもならない状況を短編一本の紙幅の物語で(あるいはどれだけ言葉を費やしたとしても)どうにかすることなんて、逆に不誠実だよなとは思うけれど、キツいはキツい。あんまり具体的な感想が出てこない。ただただ気の毒な気持ち。

    ▼デバッガー
    11歳年下の男の子と恋愛関係になったことをきっかけに、整形に取り憑かれていく35歳の女性の物語。ストロングゼロと比べると直接的には実体験と重ならないので喰らわないかと思ったけど、これも読んでる間ひりひりして仕方なく、つらい気持ちになる。なんなんだこの短編集は……。

    年齢を重ねるつらさもさることながら、もっと根本的な問題として、コンプレックスとか、それに端を発する、通じ合いたい相手との乖離のつらさに、大いに思い当たる節があった。

    ▼コンスキエンティア
    面白い。かなり夢中になって一気読みしてしまった。男の内面の底知れなさが怖いというのは、具体的なレベルではよくわからない。が、恋愛において他人を求めるときには、通常他人と接するときよりも相手の精神のあらゆる面にぶちあたってしまうわけで、それが怖いという話ならよくわかると思った。その意味では、僕は男と恋愛関係になろうとは思わないし、男友達との関係もあっさりしたものなので、男の内面はまったく怖くない。だが、女性の内面の底知れなさは本当に怖い。

    その話のつながりでいくと、抽象的な思考を排している即物性が魅力だが、それが受け入れがたさにも通じ、それはそれでやはり奏や夫とは違う底知れなさがあるという龍太の人物造形はなんだかまるで三島由紀夫の小説の登場人物みたいだなと思う。なんか禁色とか豊饒の海に出てこなかったっけ、こういう感じの人(また違うタイプだとは思うけど)。

    そしてそういう茜音の批評はいちいち面白いけど、その批評を読むたびに人間って本当にわがままだよなとも思わされる。男性たちに対するそういったジャッジのひとつひとつはわかるし妥当だとも思うのだけれど、その果てにあるのは、だからやはり相手を受け容れきれない、という結論で、それがおそらくは彼女がどうしても満たされない理由でもあるのだけれど、それは同時に、弁解しようのない本人自身のエゴに端を発する空白だからどうしようもない……。これはたぶん、夫婦だろうが恋人だろうが他人は他人だと、自分では割り切ってる気になってる人だって完全には逃れられない空白だろう。とくに恋愛とかそれをめぐる承認の問題にひとたびとりつかれると、そういう割り切りの感覚がいかに後付けのテクニックでしかないかを痛感する(その後付けこそが大事でもあるのだけれど)。

    ▼アンソーシャルディスタンス
    メンヘラ率が高くないかこの短編集……こういう小説を金原さんは無限に書けるのかもしれないと思った。

    こういう弱さを抱えた人たち同士にしかわからない世界の見え方というのは確実にあり、そして恋人とか夫婦とかの紐帯にはできればその共感は欲しいのかもしれない。しかしそもそもこういう感性を弱さと呼びたくはない(かといって誇らしげに繊細さなどと呼ぶのも唾棄すべきだ)。この感性をしっかり抱えて、他者への深い共感を捨て去らないままに、孤立せず、そしてなにより強くなる方法はないものなのだろうかと思う。でもまわりを見渡すとなんだかその弱さと強さは多くの場合トレードオフの関係にあるようで、ままならない。作品の内容の感想から乖離してる気はしてるけど、読んでいてそういう切なさを感じた。

    ▼テクノブレイク
    存分にセックスを楽しんでいた恋人との心の距離がコロナ禍をきっかけにかけ離れていき、激辛料理とオナニーに依存する荒廃した生活へと転がり落ちていく女性の話。コロナ禍に限らずだけど、人の生活はほかと隔離され、あるいは自ら孤立し、あまりに個人的になりすぎると、加速度的にその傾向が強くなっていくものだと思う。それを特に象徴するのが部屋の荒れようで、激辛料理やオナニー依存よりはむしろその結果としての部屋の荒れ具合に主人公の生活のキツさを感じた。位置情報アプリが云々みたいな話はピンと来ず、かなり変な読み方をした気がする……。

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    2026年09月27日