金原ひとみのレビュー一覧
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この本を書いた時、作者の金原ひとみは19歳というのが驚き。
買ったのが、私も19か20歳かそのへんだったと思うけど、「すごくヤバい作品である」とは聞いていたので、BOOKOFFでたまたま見つけたときドキドキした。
本当にヤバかったらすぐ捨てるか売るかするつもりだったけど、なんやかんやで10年も大切に持っている。
とにかく物理的に痛い本なので、賛否をわける。
「好きな作品です」と言い切れないけど、求心力がすごくて、何回も読んだし、映画も見た。
そのたびに、血の味とか、鈍痛とかをありありと文章で感じる。
ルイもアマもシバさんも、人として色々歪んでいる部分があって、軽蔑しながら読むけど、なぜか -
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龍に麒麟にと盛りだくさんだった。
龍のタトゥーを持つアマと知り合い、ストリップタン、タトゥーに興味を持ち始めたルイ。舌にピアスをあけてもらおうと訪れた彫り師、シバにも興味を持ち関係を持つ。
アマとルイとシバ、一言で言えば三角関係な話ですが、全体的にとても痛々しい。なのにアマに対するルイもルイに対するアマも、シバも優しい。ピアスをあけたり、タトゥーを掘ったりと読んでいて痛みを感じるほどなのに、登場人物はとても優しい。
ルイだけが反抗期の少女のようですが、そこもまたいい。お互いの背景やプロフィール情報がほとんど出てこないのもとても味わい深くて、何度も読みたくなります。ただ、痛い。 -
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人生最後の日、何を食べたいか?
じっくり考えずにはいられない。
豪華作家陣によるフルコースのような1冊でした。
なかなか手に入らないクッキー缶を
一気に食べ尽くそうか。
お気に入りのチーズにしようか。
と考えているうちに、
会食の手土産で初めてエシレのクッキー缶を
いただいて感動したこと。
その会食での、今となっては笑い飛ばせるトラブル…
どんどん着想がつながって、
思考があちこち色んな方向に旅に出ていました。
今の私は、あの頃の私が作っているんだよなぁ。
「最後の晩餐」をテーマに、
豪華作家陣が描く7篇の物語。
同じテーマでも、
作家によって切り口がまったく違うのが
アンソロジ -
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2026/6/14
ボリュームもすごいし、内容もとても重い。
それぞれの登場人物の心理がとても細やかに表現されていて、共感したり、嫌悪を感じたりして読んだ。
特に、悪を絶対に許さない作家の友梨奈の、句点を打たずに一気にまくしたてる文章には、勢いが凄すぎて笑ってしまった。
私は友梨奈の彼氏の一哉が、一番自分の考え方に近いと感じたけれど、世のおじさんたちは木戸の章に共感する人が多かったんじゃないかと思う。
全くそんなつもりはないのにハラスメントだ、搾取だ、とある日言われてしまう恐怖。
誰が悪くて、何がダメなのか…
タイトル通り、答えは藪の中だ。 -
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とある女性がネットで告発したのは、文芸誌の元編集長から性的搾取をされていたという内容だった。
この告発をきっかけに、元編集長である木戸とその息子、文芸誌の編集部員、正義感の強い小説家である長岡友梨奈、そしてその恋人や息子…と、周囲に様々な影響の及ぼし合いが巻き起こる。
ページをめくる度に感じるのは、この本から発せられる圧のようなものだ。
地の文や、会話のひとかたまりのセリフが長いことが多く、とにかくページいっぱいに文章が詰め込まれていて余白が少ない。
内容的にも怒り、蔑み、諦め、虚しさ等の負の感情のエネルギーが凄まじいため、視覚的な圧迫感も相まって終始息苦しく、疲れる読書体験だった。
読み終 -
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正しさや正義感にもグラデーションがあって、1つの事象に対して嫌だと思う気持ちは同じなのになんでこんなにも分かり合えないのかをしんどくなるほど突きつけられた
別の著者になるけど、朝井リョウのインザメガチャーチでは「全ての角度からの審判を俯瞰できるまで視野を拡げることは、誰とも何とも連帯できないほどこの世界から遠く離れることと同義」という言葉があって、友梨奈に重ねてしまった、、。だから彼女は創作活動に救われてきた部分もあったのかな。彼女は視野を拡げすぎて身動きが取れなくなるどころか、何でもやってしまう側だったから、周りとの乖離が読んでて苦しかった。
自分の中にある正義感と諦め感(?)が、いろん -
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寺地はるなさんの「小曽根幸子の送別会」が圧巻。
小曽根さん以外の登場人物3人の視点から、それぞれの “小曽根像”が描かれていて、中でも秋川の無礼さ、お門違いな考え方、小曽根さんを終始下に見る尊大な態度には読みながら本当に腹が立った。でも、こんな男性が全員ではないといえ一定数存在するのだと思うと実社会への暗澹とした気持ちが立ち込める。
社会と自分の価値観のズレに気づけないのもまた、自覚のあるなしに苦しいことなのだろうなと思う。
私は小曽根さんがかっこいいと思ったし、私もきっと同じことをするだろうなって感じたシーンもあった。
一番印象に残った話だった。
他の作品も切り口が斬新で、読んでいて学び -
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正直なところ、読んでいてずっと苦しかった。
身体改造や暴力の描写が痛いのはもちろんだが、それ以上に登場人物たちの抱える空虚さや孤独、自己破壊衝動が生々しく伝わってきて、読者である自分まで傷ついていくような感覚があった。まるで登場人物たちの神経と直結させられているかのようで、途中で読むのをやめることすらできなかった。むしろ一気に読み切らなければ、その重苦しい空気に飲み込まれてしまいそうだった。
読んでいる最中は、ふと村上龍の『限りなく透明に近いブルー』を思い出した。どちらも退廃や虚無を描いた作品だが、『蛇にピアス』はより直接的に人間の痛みを流し込んでくる。そこには救いも希望もなく、最後まで苦し -
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ネタバレすげーーーーーものを見たという感想
圧倒的な文才、すげえってなった。
やっぱり一番面白かったのは時代によって正しいという軸が変わってきているというテーマ。
理解した時に自分の知覚がすごい広がった感覚がする。
時代で許された人間と時代で許されなかった人間の描写がすごいなとおもった。
やっぱり人間は時代に追いつけなくなるのだろうなと感じだ。だんだんと時代に置いてかれていると実感している父もそれで困ってたし、上の世代の人と話していると価値観がやっぱり合わないなと感じることもある。
今は特に毒親みたいな分類をすぐ当てはめる人が増えてきている気がする。その毒親に当てはめられた人も多分毒親に当たり前の価 -
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性というか性別(性自認や対象)というか、性欲というか性癖とか、性体験とか。
「性」のことはご法度的で親子、恋人、親友でも避けたりするわけで、孤独な世界だと思ってきたけれど。それが女性作家が17人も語るわけで下品上等、生々しくて面白い。
面白い、と言ってる事を下品と言う人もいると思いますが、多様性?とあえて言葉にすれば線引きしないでよ、と。
面白いというのは具体的に変えれば興味深い、が適切か。いやらしい意味でなく、前述のようにご法度な他者の世界に興味があるわたしは、作家がこうもあけすけにエッセイとして実体験や思想を語ってくれてありがたく。
本として残るので結構なカミングアウトもあったりするわ -
Posted by ブクログ
ネタバレ友梨奈みたいな面がわたしの中にもあって、正義感が行きすぎて反対側の悪になるというか、絶対におかしい!って大きな声で糾弾したり、相手を懲らしめたい気持ちに囚われることもある。でも自分をすり減らすくらい"分からない"人をボコボコにすることが最善の道とは、改めて友梨奈を通して客観視すると思えなくて、性搾取はもちろん許されることじゃないんだけど、男性側の気持ちも言い分も少し分かってしまった。
SNSが発達した今の時代、白黒つけるのが危険なこともあるな、、と思った。
何を持って性搾取なのかハッキリしていないからこそ。
五松が晒されたことは性加害じゃないの?一哉は友梨奈に消費されてない -
Posted by ブクログ
一人称視点で物語が進んでいくから自分の思考と一体化していくような部分もたくさんあって、、辛かった。一言でテーマを言えば醜形恐怖症、アルコール依存症、SNSがもたらす形骸化された人間関係、孤独と片付けられるけど、その渦中にいる人はこんな気持ちです、って小説を通して体験すると、自分もその渦の中に吸い込まれてしまう感覚があって、、辛すぎました。
でも、朝井さんの解説を読んでふっとその渦の中から救われた気がした。この言語化し難い金原さんの文体を綺麗に抽象化してくれたから。
この解説を読んでから本作を読んだらここまで落ち込まなかっただろうという後悔すら込み上げてくる。
・脳内を逡巡、疾走した言葉を速 -
Posted by ブクログ
豪華執筆陣にワクワクして購入し、期待通りの素晴らしいアンソロジーだった。
どのお話にも違った良さがあってどれが1番好きか決めきれないが、今いちばん思い出すのは金原ひとみの『ラストサパーフォーエバー』。
彼氏と別れて死にたいくらいつらいクズハの元に女友達3人が最後の晩餐に食べたいものを持ち寄る。死にたいクズハ本人ではなくその友人たちが選んだものなので理性が働いていて面白い。特に未来のことを心配しなくて良いから痛風鍋、という選択肢はあまりにも理性。自分にはその視点と選択肢が存在してなかったのですごく良いなと思った。本能のままに手を伸ばし食べまくる描写に活力が湧いてくる。