金原ひとみのレビュー一覧
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読書会の人に勧められて読んだ一冊。
私にすごく刺さる話だった。
ただ、チグハグ感はあった。両親への思い、カサマシマサカとの出会い、離婚した元夫や結婚生活の思い出。きっとつながっているのだろう。まさかさんとのアレコレと苦しかった結婚生活にはつながりを感じるが、長く割いた両親についての話は何につながっていたのだろう。
前半はなんの面白みもなくルーティンを繰り返すだけの日常。アクティブな母と、冷え切った仲なのに絶対離婚しない父。恋人がいるが離婚してもらえないので再婚できない母。自分に関心も愛も抱かなかった父への思い。そんなことが無気力なタッチで描かれている感じ。
後半はそんな生活の中で出会った破 -
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5篇ある短編のすべてで、はたから見るとヤバいやつ、暴走しているやつの内面が一人称視点で描かれているのだけれど、どの主人公もなぜここまでヤバくなってしまったのかという背景や自分の中でのロジックが語られ、そこに切実な説得力が感じられるため、なぜか応援したい気持ちになる。
生きているだけで常に忙しかったり将来に焦りを感じたりする機会が多い今の社会では、この小説が突拍子もない物語では全くなくて、自分のすぐ隣に広がっている世界のようにも感じられた。個人が抱える闇を社会の問題と結びつけて語られていて、その点は朝井リョウの「どうしても生きてる」という短篇集に近しいものを感じた(くしくも文庫版の解説は朝井リョ -
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今の、私に、刺さった文中の言葉。
個人的に本当に欲しいものなんて
人にはないのかもしれない。
その時々に置かれている環境、自分の立場、ホルモンなども含めた体のバランス、そういったものが合わさった結果として恋人が欲しい、子どもが欲しい、お金が欲しい、権力が欲しいとなるのであって結局のところ、許せないものはあったとしても手に入れなければならないものなど人間にはないのかもしれない。
渡り鳥が渡り鳥に出会って、ちょっと疲れたから死ぬまで一緒に飛ばない?ってナンパしたみたいなもの
でも私はこうとしか生きられない人生を送ってきて、その結果としてある今を、否定的にも肯定的にも捉えていない。夏 -
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初めての金原ひとみ作品 食わず嫌いをしていたつもりはなかったけど、なんとなく食指が伸びなかった
一昨年の新譜の書評で面白そうだったので購入したまま積読になってた
前半は村田沙耶香作品のような気持ちで読んでた
いるいる、周りに関心がなくて自分のルールを守る人が大切な人
少しずつ過去が語られて、柔らかい優しい雰囲気に
「ボーカルはかさましまさかさんです」
「スパイが作戦を練るように小声で聞いてくる」
あの時のは私は、魚グリルの中で焼かれて炭になった魚みたいな感じの気分」
自分では思いつかない表現がとても心地よい
気持ちがクサクサしてきたらまた読み直そう -
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久しぶりに金原ひとみさんの小説を読みました。ついつい綿矢りささんと比較してしまうのはあるあるだと思いますが、僕は綿矢さん派かな・・・。
そんな訳でちょっとだけ金原ひとみさんは食わず嫌いをしていたのですが、そんな気持ちを楽々ひっくり返すようなめちゃくちゃ良い小説でした。
GoogleのAI検索結果では、金原ひとみ著『ナチュラルボーンチキン』は、ルーティン化した味気ない日々を送る45歳の事務職・浜野文乃が、奔放な20代の編集者・平木直理との出会いを機に、人生の煌めきを取り戻す爽快な物語。真逆のタイプの二人が織りなす、笑えて感涙する現代の物語です。と紹介されます。
・前半はパリピで自由奔放、強 -
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「今自分は理想の状態にあると感じていますか?」
と聞かれた時に戸惑う人がいること、考えてみたこともなかった。
「そうざるを得なかった」から今のように生きて、書き続けてきたと仰る金原ひとみさん。「理想を持ち理想に向けて邁進してきた人」ばかりではない。逆にそんな風に生きてこられた人の方が少ないのではないか。
そういう私だってそうです。
生まれた家から始まって、その他の置かれた環境で(保育園、学校、友人、先生、家族や大切な人や自分の健康などに振り回されながら)自分の身を守りながら、身を委ねながら、「そうざるを得なかった」という中で生きてきてる人の方が本当は多いけど、特に成功者である著名人は理 -
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すごい
この作家の小説を読むたびこのひと言が出てくる
語り手一人の一人称小説に最近感動したばかりだったので、三人語り手がいることにネガティブな感覚を持って読み始めた
そしてこれだけの物語を語ろうとしたらとても一人ではできないと妙な納得の仕方をした
読み終わったあと、妙にわかったような解説をされてもと、解説を読みたくないと思った
解説を書くのにも勇気が必要だったろうなと思いながら、まあ読んだけど
一つだけ、何故殺してしまったのだろうとの気持ちが残る
次の章で死んでしまったことが書かれていて、それが小説の多重構造的な書かれ方で面白かったが、殺さない物語もあったのではないかと今も思う
読みなが -
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「三十代後半くらいになってくると楽しいことがちょっと重くなってくるんだと思いますよ。霜降り牛みたいに、少々過剰すぎますねって感じで。」
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「芥川龍之介だって、自殺の理由を将来に対する唯ぼんやりした不安、と表現したのだ。この恐怖に抗って生き続けることなど、不可能な気さえする。」
こんなことを言うくらい愛する家族も大切な人も生きる意味も特になく波風立てない毎日の為にルーティンをこなして人生を消費している40代労務の浜野さん。
会社のファンキーで自由で刺激的な毎日を好む20代の青髪ショート雑誌編集者の平木直理。
そして、平木さんの紹介で出会ったモッシュが有名なロックバンドボーカルのまさかさん(松 -
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この本のテーマ:老害、男の加害性、悲劇のヒロイン体質な女、平和主義・穏健派の若者など
登場人物の気持ちに感情移入して読んでいたら、次の章で他の人目線でディスられる。
特に、長岡友梨奈の思想は共感し、登場人物内で一番近い人間だと考えながら読んでいたのに、彼氏である一哉や娘の伽耶目線では苦手意識を持った。
金原ひとみの思想はどこにあるのだろう、長岡友梨奈なのかと思っていたけど、誰とも重ならないのかもな。
登場人物それぞれの論理・思想があって、他の人目線のその人を書けるのがすごいなと単純に思ってしまう。
みたいなことを思って読みすすめていったら次のような記述があった。
「武夫まじ普通に真っ -
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作風はまさに会話劇です
登場人物の会話が中心となり物語が進行されます
リアルな会話口調なのでひとつのセリフがめちゃくちゃ長いです
それが読みやすいと感じる人もいれば、読みにくいと感じる人もいると思います
私はテンポ良く読めて心地良いと感じました
登場人物の思考もひとつの文章がとても長いです笑
でもそれがとてもリアルに感じます
あ、こういう考え方の人...今の時代なら結構いるよね...
ってなんとなく感じる人物描写でした
自分の価値観を他者に押し付けることについて考えさせられます
相手の幸せを望む祈りのような要望だとしても、それが相手の本当の幸せとは限らない...
読みながらそういうことをたく -
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文芸誌の元編集長がかつて交際していた女性から、「10年前に性的搾取をされていた」とSNSで実名告発されたことをきっかけに、年代も性別も違う複数の人たちが、いろいろな視点からそのことについて語る作品です。世代間の意識や考え方、価値観の違いが描かれていて衝撃的な作品でした。
語り手は、性加害の当事者である文芸誌の元編集長で今はもうすっかり枯れてしまった無気力状態の50代の男性、正義感が暴走気味で古い価値観に抗う40代の女性小説家、その女性小説家の担当で異常な性癖をもつ30代の男性編集部員、この男性編集部員とセフレの関係にある女性、女性小説家と一緒に暮らす16歳年下で一途に相手を愛する20代の恋人 -
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金原ひとみのナチュラルチキンボーンを読んだ。
タイトルのナチュラルチキンボーンって何?と思って調べてみた。
「ナチュラルボーンチキン(natural born chicken)」は、
直訳すると 「生まれつきのチキン(=臆病者)」 という意味のスラングです。
英語の
•chicken = 臆病者・ビビり
•natural born = 生まれつきの/根っからの
を組み合わせた言葉ですね。
なのでニュアンスとしては
「筋金入りのビビり」「生粋のヘタレ」「根っからの弱気」
似た言い方:
•チキン野郎
•ビビり
•ヘタレ
•born coward(英語)
そうなんだと思いながら、読み進めていく。 -
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焼肉擬人化漫画を愛する腐女子の由嘉里は、人生二回目の歌舞伎町での合コンにて酔い潰れた時、美しいキャバ嬢のライに助けて貰う。「消えているのが、私の本来の姿」そう語るライと一緒に暮らすことになった由嘉里。他者が暮らす、理解の及ばない世界は由嘉里のものに、確実に影響を与えていくーーー
すごく面白かった。
由嘉里が多種多様な人達と関わっていくにつれて、自身の世界を縦や横に伸ばしたりしていく様は、自分自身と重ねてしまってどこか達観した気持ちになった。自分がまだまだ未熟であるからこそ、自分が持つ世界に自信がない。絶対的な自信を持っている人に憧れる。自分の中に広がる世界では何が崇められているのかを日々考え -
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カンブリア宮殿。村上龍と小池栄子が、経営者にインタビューする番組。
テレビ東京で20年続いている。私も、20年とは言わないが十数年見続けてきた。
それが、2026年4月から変わるという。
最近めっきり老け込んだ村上龍に代わって、金原ひとみがパーソナリティになる、
というのだ。相変わらず絶好調な小池栄子さんも代わる。残念。
金原ひとみ、、、蛇とピアスは読んだはず。あまり理解できなかったと思う。
番組、一度は見るけどそのあとは離脱かなあ、と思っていた。
が、この小説を読んで認識が変わった。
凄い作家だ。
YABUNONAKA 芥川龍之介の「藪の中」が下敷き。
殺人事件に対し、証言がことごとく食い