金原ひとみのレビュー一覧
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小説を書くことで生き抜いてきた(生計を立てるの意ではなく)筆者の、まさに「生きた証」が山のように積まれていて、そこから放たれる力強さと繊細さに夢中になってしまったエッセイ+短編集。もし自分が感じたことや経験したこと、考えたことをつぶさにアウトプットしたとしても、こんな純度にはならないでしょう。この本を表現するときに「面白い」とか「赤裸々」とかいった、方向性は間違っていないけど、まったくドンピシャではない言葉しか自分の中から出せないのが非常にもどかしくてならない。。
有名な「母というペルソナ」はもちろん、他も代弁者のような文章がたくさんあって深く理解できた箇所多数。実は自分は「蛇にピアス」も結 -
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ネタバレ『ミーツ・ザ・ワールド』を読んで、世間で「普通じゃない」とされる価値観について考えさせられた。
死にたいと思うこと、生きるために薬を使うこと、自分はすでに消えているような状態が普通だから消えたいと感じること――ライの価値観は、私にとって簡単に理解できるものではなかった。
私は生きたがりの人間で、もし「死にたい」と言う人がいたら止めてしまうと思う。けれどそれは正しさではなく、私自身の価値観にすぎないのだと気づいた。私や主人公、そしてライの考え方は、育った環境によって作られたものかもしれないし、生まれ持った性質(ギフト)なのかもしれない。
人はそれぞれ違う世界を生きていて、どれだけ愛していても -
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ネタバレ◾️record memo
そういう「女性性」の塊のような粘液をマグマのごとく溜め込んでいる彼女のサバサバアピールを目にすると、今や虚しささえ感じる。
「幸せとか不幸とか、そういう定義もう止めない?幸せとか不幸とか、羨ましいとか可哀想とか、そういう相対的な考え方、身を滅ぼすよ」
自分のあまりの滑稽さに、自分がくしゃっとした茶色いゴミ屑になってコロリと道路に転がる様子が頭に浮かぶ。もう誰か早く轢き殺してと願っても、ゴミ屑は小さすぎて中々車のタイヤに当たらない。
「え……さっきの子たち、長い付き合いなんでしょ?三人はお互いのこと何でも知ってるって、美玖ちゃんが言ってたじゃん」
「お互いのこ -
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他人と分かり合うことの難しさ、いや、そもそも分かり合おうなんておこがましいということが、よくよく分かった一冊でした。
腐女子の由嘉里と、死にたいキャバ嬢のライ。
全く違う世界で生きてきた二人が出逢い、影響を及ぼし合い‥‥というお話だと思っていたら、そんな単純な物語ではなかった。
読んでみて思ったこと、感じたことはたくさんあって、色々書き残したいのだけれど、とても難しい。
どんなに言葉を選んでも誰かを傷つけてしまいそうで
躊躇してしまいます。
由嘉里も最終的に自分がライに対してできることは彼女を傷つけないことだけだと気付きます。
相手をどんなに愛していても、決して分かり合えないことがある。愛して -
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ネタバレ金原ひとみはなんでこんなに、色んな世代の視点や立場を描けるんだろう、作家の観察眼て怖いわぁ。
ひとつの事案に対して、関わる人それぞれに解釈がある。当たり前なんだけど、何が正解なんだかわからなくなる、まさに真相は藪の中。
友梨奈は私と同世代なんだけど、この人もまた癖強い。フェミニストぽい事言うくせに、この人もしも男に生まれてたらめちゃくちゃマチズモ思想持ってそうだよな。
娘に対する態度ひどいしな。正しいことを言う時は控えめにする方がいい。って祝婚歌でも言ってるやつよね、それ一哉がたしなめてて、ほんとにいい彼氏だなーと。一哉が10代の頃から付き合ってたって、マジで木戸さんとは状況は違えど、紙一 -
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良すぎる、良すぎた……最初に「そもそも会社がわたしにきて欲しいなら会社がもっと魅力的かつ快適、楽しい場所にならないといけないんですよ」とぶっ飛びながら確かに…と唸るような発言連発する平木さんとの話かと思いきや、その後登場したパンクロックボーカルで愚かな民どもに崇められているのに陰キャで話す言葉が優しすぎるまさかさんが………本当にたまらん良すぎる…こんなに聞き上手、お話し上手、受け止め上手で言葉を司る天才なのに、僕は人を暴いたり新しい一面を見たいわけじゃないから話したくない事は話さないで良いんです、僕は自分の見る目を信じてるからあなたが何を隠していようとあなたを嫌いになることはないですってスタン
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長岡友梨奈に1番考え方が近いかなと思った。世界は一人一人の意識でできていて、だからその1人である自分が正しく生きていなければいけない。そうでない人がいるとなぜ世界のためにそんなことをするのかと悩み勝手に苦しむ。
何も考えいない人は価値がないと思ってしまうけれども、それが社会をうまく生きていく方法なのかもしれないし、一度は戦おうとしたけど自分の力ではどうにもならないことを知って、賢く諦めたのかもしれない。
女性が仕事と家庭を両立し、仕事を片手間のようにするようになったから、仕事を全力でするのはダサいという風習が生まれた。職場という共同体にすがることしかできない人にとっては社会に属す場所がない