金原ひとみのレビュー一覧

  • ナチュラルボーンチキン

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    金原さんらしい、鮮やかな内容で、引き込まれるように読んだ。
    浜野さんのルーティンの生活も好き、それをぶち破るような平木さんもいい。
    平木さんの考え、あこがれてしまう。自分の凝り方まった常識を打ち破ってしまいたい。
    まさかさんの言葉がとてもやさしくて癒された。

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    2025年12月19日
  • fishy

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    ネタバレ

    ◾️record memo

    そういう「女性性」の塊のような粘液をマグマのごとく溜め込んでいる彼女のサバサバアピールを目にすると、今や虚しささえ感じる。

    「幸せとか不幸とか、そういう定義もう止めない?幸せとか不幸とか、羨ましいとか可哀想とか、そういう相対的な考え方、身を滅ぼすよ」

    自分のあまりの滑稽さに、自分がくしゃっとした茶色いゴミ屑になってコロリと道路に転がる様子が頭に浮かぶ。もう誰か早く轢き殺してと願っても、ゴミ屑は小さすぎて中々車のタイヤに当たらない。

    「え……さっきの子たち、長い付き合いなんでしょ?三人はお互いのこと何でも知ってるって、美玖ちゃんが言ってたじゃん」
    「お互いのこ

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    2025年12月17日
  • 踊り場に立ち尽くす君と日比谷で陽に焼かれる君

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    凄くとんがっているという先入観から等身大で真っ直ぐで真面目な人なんだなという、女性、母という枠に翻弄されてもなんとか生きて行く強さ、あえての困難に立ち向かうある意味不器用と感じられる部分に思い出し泣きと共感をしてしまった。誰かの血肉になったらいい。きっとなる。
    小説家という言葉の選び方をとても大切にしていることを、表現の丁寧さを端々に感じた。

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    2025年12月14日
  • ミーツ・ザ・ワールド

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    他人と分かり合うことの難しさ、いや、そもそも分かり合おうなんておこがましいということが、よくよく分かった一冊でした。
    腐女子の由嘉里と、死にたいキャバ嬢のライ。
    全く違う世界で生きてきた二人が出逢い、影響を及ぼし合い‥‥というお話だと思っていたら、そんな単純な物語ではなかった。
    読んでみて思ったこと、感じたことはたくさんあって、色々書き残したいのだけれど、とても難しい。
    どんなに言葉を選んでも誰かを傷つけてしまいそうで
    躊躇してしまいます。
    由嘉里も最終的に自分がライに対してできることは彼女を傷つけないことだけだと気付きます。
    相手をどんなに愛していても、決して分かり合えないことがある。愛して

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    2025年12月14日
  • デクリネゾン

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    やっぱり長編作品が好き。ストーリーが無いような感じがするのも良かったし、謎料理も美味しそう。
    主人公の行動だけ切り取ると多分自由そうに見えるけれど、実際の不自由さがリアル。
    著者の日記だと言われたら本当に信じてしまいそうなくらい現実世界と直結している印象を受ける。

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    2025年12月14日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

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    ネタバレ

    金原ひとみはなんでこんなに、色んな世代の視点や立場を描けるんだろう、作家の観察眼て怖いわぁ。

    ひとつの事案に対して、関わる人それぞれに解釈がある。当たり前なんだけど、何が正解なんだかわからなくなる、まさに真相は藪の中。

    友梨奈は私と同世代なんだけど、この人もまた癖強い。フェミニストぽい事言うくせに、この人もしも男に生まれてたらめちゃくちゃマチズモ思想持ってそうだよな。
    娘に対する態度ひどいしな。正しいことを言う時は控えめにする方がいい。って祝婚歌でも言ってるやつよね、それ一哉がたしなめてて、ほんとにいい彼氏だなーと。一哉が10代の頃から付き合ってたって、マジで木戸さんとは状況は違えど、紙一

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    2025年12月13日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

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    相変わらずわけわからん金原ひとみさん。
    久々の長編だったが、飽きずに読み終えた。時間はかかったけど。

    最後どうなったのかな?と思う登場人物もいたけど。

    なぜこんなにも、世代の違う登場人物をうまく引き出せるのか?
    才能やばい。

    自分がこれから歳を取っていく中で、どこかで加害者にならないか…。
    もはや加害者になっていて、これから告発されるのか…。
    ありえないけど、絶対ないとは言えない。そんな想像をさせてしまう。

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    2025年12月13日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

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    生きていく上で誰しも加害性を持ち合わせて生きてるよなと思った。老若男女さまざまな年代の視点で描かれていて、すごく良かった。
    長岡友梨奈のあの暴力的な正義感は読んでて辛いところもあるけど、現代で働く女性としては理解できる部分が多かった。

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    2025年12月12日
  • ナチュラルボーンチキン

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    良すぎる、良すぎた……最初に「そもそも会社がわたしにきて欲しいなら会社がもっと魅力的かつ快適、楽しい場所にならないといけないんですよ」とぶっ飛びながら確かに…と唸るような発言連発する平木さんとの話かと思いきや、その後登場したパンクロックボーカルで愚かな民どもに崇められているのに陰キャで話す言葉が優しすぎるまさかさんが………本当にたまらん良すぎる…こんなに聞き上手、お話し上手、受け止め上手で言葉を司る天才なのに、僕は人を暴いたり新しい一面を見たいわけじゃないから話したくない事は話さないで良いんです、僕は自分の見る目を信じてるからあなたが何を隠していようとあなたを嫌いになることはないですってスタン

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    2025年12月12日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

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    長編小説を読むときには、脳内キャスティングすると読みやすいよと三宅香帆さんが言ってたから設定したけど、そんなのいらないくらい面白かった。

    木戸悠介 光石研
    越山恵斗 奥平大兼
    五松武夫 仲野太賀
    優美 河合優実
    橋山美津 安藤サクラ
    長岡友梨奈 木村佳乃
    横山一哉 横浜流星
    安住伽耶 永野芽郁
    安住克己 長谷川博己

    こうしてみると、まあまあ字面にひっぱられてるね。

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    2025年12月10日
  • 蛇にピアス

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    多分、20年ぶりくらいに再読。最近金原ひとみさんの記事を読んで気になったので。
    20年経っていると、忘れているもので最初から最後までドキドキ、ゾワゾワ。
    読後感はまるでフランス映画を観たあとのような。
    壮大なミステリー。2000年の渋谷の空気とアマに想いを馳せる。
    金原ひとみさん、これしか読んだことなかったけれど他にも読んでみよう。

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    2025年12月09日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

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    自戒と、価値観の絶え間ない更新への決意、及びそれでも時代観から乖離していくことの恐怖に震える。
    どんな時代、世相になろうとも後世が良心を持ち続けて生けられることを切に願う。

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    2025年12月09日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

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    長岡友梨奈に1番考え方が近いかなと思った。世界は一人一人の意識でできていて、だからその1人である自分が正しく生きていなければいけない。そうでない人がいるとなぜ世界のためにそんなことをするのかと悩み勝手に苦しむ。

    何も考えいない人は価値がないと思ってしまうけれども、それが社会をうまく生きていく方法なのかもしれないし、一度は戦おうとしたけど自分の力ではどうにもならないことを知って、賢く諦めたのかもしれない。

    女性が仕事と家庭を両立し、仕事を片手間のようにするようになったから、仕事を全力でするのはダサいという風習が生まれた。職場という共同体にすがることしかできない人にとっては社会に属す場所がない

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    2025年12月08日
  • 踊り場に立ち尽くす君と日比谷で陽に焼かれる君

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    お母さんと元夫への辛辣な表現に笑ったけど、離婚後に気持ちが晴れやかになっていることが端々から伝わってきた。全ての人への感謝が溢れる気持ち、まじでわかるよ!!!!
    でも前作と変わらず、寂しさ、孤独、他人や社会への絶望、生きることへの絶望、自分への絶望みたいなのが感じられて非常に良かった。これからの作品も楽しみ

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    2025年12月08日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

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    しばらく放心状態になるくらい、ストーリーの締めくくりは突然だった。(電子書籍で読んだから、紙と違って進捗状況が手にとってわからなかったせいもある)
    明確な落とし所もなく、はっきり結論を出さないところが良かった。というのも、ストーリーの主軸となる出来事について、それを巡る人々の意見・主張・真実は十人十色であり、結論を提示しないことがよりリアルに感じだからである。

    この小説がどんなものか、知らない人に紹介するのは難しい。読後の感想も、自分ではっきりと言語化できない。
    だけどこの本を読んだ後、自分が誰かの被害者になること、加害者になることについて自覚的になることは難しいと感じた。
    物事を多面的に考

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    2025年12月08日
  • 私の身体を生きる

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    女性として生きて来た中での、著名&人気作家さんたちが悩みを赤裸々に綴られた連載が一冊に。

    自分が女性でいることを肯定するために背中を押してくれるような内容だった。

    無神経な数多の男性達に加害されてきた傷への癒し 自分だけではなかった、という、女友達と行ってきた、経験を分かち合って貰えることへのありがたみ

    女性の身体の不安 妊娠や性行為、体調不良、弱さ
    見た目への若い頃の過剰な拘り、ジャッジされることへの抵抗感と迎合

    まるっと。

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    2025年12月07日
  • ミーツ・ザ・ワールド

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    ネタバレ

    お母さんと自己、自己とライの関係が近しいものなのではないかと気づく部分が面白かった。

    自分の幸せを願っている母を疎ましく思ったように、自分もライに疎ましく思われている可能性はないだろうかと。

    誰かを救いたい、幸せになってほしいという気持ちは誰もが誰かに抱くのだろうが。それは結果的に相手に負担となっている可能性がある。
    「相手を傷つけないようにすることしか出来ないのかもしれない」というようなセリフが印象的だった。
    本当にそうだよなぁと思う。

    僕らは自己ロマンを他者に投影し、相手を救っているようで、結局は自己のためという利己的な生き物なのではないかと思う。

    ライが元カレに共感し、もしかした

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    2025年12月07日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

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    読み終わった後の、
    なんとも言えないズーンっとした感情。
    胸糞と思う人もきっといる。

    フェミニズム、性、DV色々な「ギリギリのライン」の話。

    登場人物全員の視点から話が進んでいく。
    ある物事に対する見方が人によって180度異なると言うことを、本でリアルに体感できる。

    登場人物全員が絶妙に狂ってて
    絶妙に共感できないのに
    絶妙に共感できたりもする。

    なぜ面白いのかわからないのに面白いのが不思議。
    それは多分この全てのギリギリ感なんだと思う。

    ハマるハマらないが別れそうだけど、
    私はめっちゃ好き。

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    2025年12月07日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

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    ネタバレ

    ①むむむ、難しい⋯長岡さんのセリフが⋯私は頭の回転が遅いから、会話をしたら長岡さんに見下されるんだろうな、と、苦手意識を抱きながら読んだ。社会問題に強い憤りを持ち、怯まず世間にそれを訴える。恋人や家族という最も親しい人とへの熱量と、被害者やマイノリティ等の不利益を被っている人たちへの熱量が同じで、そういう人たちを助けることに労力を惜しまない。その必死さがなんだか痛々しくなってきて、憧れや尊敬と同時に、疎ましさの感情も沸き起こる。私は横山さん寄りの人間だけど、長岡さんのような人とは付き合いたくはないな⋯と。遠くで、あの人スゲーと言ってるくらいがちょうどいい。
    ②長岡さんがムエタイに惹かれ、五松に

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    2025年12月07日
  • ミーツ・ザ・ワールド

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    何らかの理由でいなくなった人が自分の中にいると温かい気持ちで読み終わったものの、それって嫌な奴も同じ……と不穏な考えが浮かんできた。

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    2025年12月07日