金原ひとみのレビュー一覧

  • fishy

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    ◾️record memo

    そういう「女性性」の塊のような粘液をマグマのごとく溜め込んでいる彼女のサバサバアピールを目にすると、今や虚しささえ感じる。

    「幸せとか不幸とか、そういう定義もう止めない?幸せとか不幸とか、羨ましいとか可哀想とか、そういう相対的な考え方、身を滅ぼすよ」

    自分のあまりの滑稽さに、自分がくしゃっとした茶色いゴミ屑になってコロリと道路に転がる様子が頭に浮かぶ。もう誰か早く轢き殺してと願っても、ゴミ屑は小さすぎて中々車のタイヤに当たらない。

    「え……さっきの子たち、長い付き合いなんでしょ?三人はお互いのこと何でも知ってるって、美玖ちゃんが言ってたじゃん」
    「お互いのこ

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    2025年12月17日
  • 踊り場に立ち尽くす君と日比谷で陽に焼かれる君

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    凄くとんがっているという先入観から等身大で真っ直ぐで真面目な人なんだなという、女性、母という枠に翻弄されてもなんとか生きて行く強さ、あえての困難に立ち向かうある意味不器用と感じられる部分に思い出し泣きと共感をしてしまった。誰かの血肉になったらいい。きっとなる。
    小説家という言葉の選び方をとても大切にしていることを、表現の丁寧さを端々に感じた。

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    2025年12月14日
  • ミーツ・ザ・ワールド

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    他人と分かり合うことの難しさ、いや、そもそも分かり合おうなんておこがましいということが、よくよく分かった一冊でした。
    腐女子の由嘉里と、死にたいキャバ嬢のライ。
    全く違う世界で生きてきた二人が出逢い、影響を及ぼし合い‥‥というお話だと思っていたら、そんな単純な物語ではなかった。
    読んでみて思ったこと、感じたことはたくさんあって、色々書き残したいのだけれど、とても難しい。
    どんなに言葉を選んでも誰かを傷つけてしまいそうで
    躊躇してしまいます。
    由嘉里も最終的に自分がライに対してできることは彼女を傷つけないことだけだと気付きます。
    相手をどんなに愛していても、決して分かり合えないことがある。愛して

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    2025年12月14日
  • デクリネゾン

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    やっぱり長編作品が好き。ストーリーが無いような感じがするのも良かったし、謎料理も美味しそう。
    主人公の行動だけ切り取ると多分自由そうに見えるけれど、実際の不自由さがリアル。
    著者の日記だと言われたら本当に信じてしまいそうなくらい現実世界と直結している印象を受ける。

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    2025年12月14日
  • 蛇にピアス

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    多分、20年ぶりくらいに再読。最近金原ひとみさんの記事を読んで気になったので。
    20年経っていると、忘れているもので最初から最後までドキドキ、ゾワゾワ。
    読後感はまるでフランス映画を観たあとのような。
    壮大なミステリー。2000年の渋谷の空気とアマに想いを馳せる。
    金原ひとみさん、これしか読んだことなかったけれど他にも読んでみよう。

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    2025年12月09日
  • 踊り場に立ち尽くす君と日比谷で陽に焼かれる君

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    お母さんと元夫への辛辣な表現に笑ったけど、離婚後に気持ちが晴れやかになっていることが端々から伝わってきた。全ての人への感謝が溢れる気持ち、まじでわかるよ!!!!
    でも前作と変わらず、寂しさ、孤独、他人や社会への絶望、生きることへの絶望、自分への絶望みたいなのが感じられて非常に良かった。これからの作品も楽しみ

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    2025年12月08日
  • 私の身体を生きる

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    女性として生きて来た中での、著名&人気作家さんたちが悩みを赤裸々に綴られた連載が一冊に。

    自分が女性でいることを肯定するために背中を押してくれるような内容だった。

    無神経な数多の男性達に加害されてきた傷への癒し 自分だけではなかった、という、女友達と行ってきた、経験を分かち合って貰えることへのありがたみ

    女性の身体の不安 妊娠や性行為、体調不良、弱さ
    見た目への若い頃の過剰な拘り、ジャッジされることへの抵抗感と迎合

    まるっと。

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    2025年12月07日
  • ミーツ・ザ・ワールド

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    お母さんと自己、自己とライの関係が近しいものなのではないかと気づく部分が面白かった。

    自分の幸せを願っている母を疎ましく思ったように、自分もライに疎ましく思われている可能性はないだろうかと。

    誰かを救いたい、幸せになってほしいという気持ちは誰もが誰かに抱くのだろうが。それは結果的に相手に負担となっている可能性がある。
    「相手を傷つけないようにすることしか出来ないのかもしれない」というようなセリフが印象的だった。
    本当にそうだよなぁと思う。

    僕らは自己ロマンを他者に投影し、相手を救っているようで、結局は自己のためという利己的な生き物なのではないかと思う。

    ライが元カレに共感し、もしかした

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    2025年12月07日
  • 私の身体を生きる

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    「私の身体」を「生きる」とは何だろう。いや、「私の身体」とは何だろう。そもそも、「私」とは何だろう。
    各作家たちの切り口は様々だが、みな共通しているのが、己という存在を不可欠に構築するこの肉体というものの生物的な役割にも社会からの眼差しにもかなり戸惑い、苦しみ、受け入れたり受け入れられなかったりしながらどうにか生きている点で、強く連帯感を持ちながら読んだ。

    痛ましさを感じたのが、執筆陣の女性たちはほぼほぼみな性被害の経験がある点。私にもあるし、私の友人たちもほとんどあると思う(学生の頃、痴漢が話題になったとき、その場にいた10人ぐらいのなかで痴漢に遭ったことがない子は1人しかいなかったことを

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    2025年12月04日
  • 蛇にピアス

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    もっと早くに読んでおけば良かった。
    時々びっくりするぐらい胸を刺す文章が出てきて、生きるってこういうことなのかもな、と思う一冊だった。

    ミーツザワールドを読んだ時、きっとこの人の作品はどれも好きだろうなと思い、金原ひとみといえば蛇にピアスだよなと今さらながら手に取ってみたら大正解。鋭い切れ味の文章で私はとても好き。
    映画も見たことがなく、有名作品という印象しかなかったけど、あまりの衝撃に良い意味で印象がひっくり返された。

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    2025年12月02日
  • 蛇にピアス

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    11/29夜更かしの読み明かしの影響で再読。こんな話だったけってなった。芥川賞を取っただけあって読みやすくあっという間に読んでしまった。シバさん…、感情の移り変わりが全然わからん。が、そこがいい。

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    2025年11月29日
  • パリの砂漠、東京の蜃気楼

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    臨界点を超えた関係の根拠は、どんなに丁寧に言葉にしても全てこじつけにしか聞こえないのだ。(P、37)

    この砂漠のように灼かれた大地を裸足で飛び跳ねながら生き続けることに、人は何故堪えられるのだろう。爛れた足を癒す誰かの慈悲や愛情でさえもまた、誰かを傷つけるかもしれないというのに。(P、72)

    寂しさは人を狂わせ、寂しさを盾に、人は人を傷つける。こんなに惨めなことはない。苦痛のない世界を求めているだけなのに、どうして人は傷つき傷つけてしまうのだろう。(P、88)

    酔っぱらっている時ほど、きちんとメイクを落としコンタクトを外し歯磨きをする。疲れている時ほど眠れないように。喪失感に苛まれて

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    2025年11月28日
  • マザーズ(新潮文庫)

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    電車で読んでて物理的にくらくらして、あ、立ちくらみするってなって本閉じた。それくらいの凄み。

    p152「セックスって全肯定だからね。全肯定って暴力だからね」
    p174「そうそう、手が綺麗って言われてさ」
    「うん?」
    「そのコンビニの店員の女の子にさ、金払う時、手綺麗ですね、って」
    「ほんとに?どんな風に言われたの?」
    「うわー、って感じでほれぼれしてたよ。見る?って手出したらいやいや、って笑われたけど」
    笑いながら、ほら、女の子ってみんな男の手が好きなんだよ、と言った。私は待澤と出会った十五の頃から、待澤の手が好きだと言い続けていた。
    p210 毎週ジャンプを読んでいる男とか、アウトドアが好

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    2025年11月14日
  • 踊り場に立ち尽くす君と日比谷で陽に焼かれる君

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    変わらないもののないこの世界を生きるのは苦行に等しく、これは変わらないという何かを信じたい気持ちに、常に誑かされ続けている。

    私はこの子に他者という存在を教えられたことを実感する。

    否定も肯定もなく、すぐそこに自分とかけ離れた他者が存在するという事実に、私はどれだけ苦しみ、どれだけ救われてきたか分からない。

    最高すぎて、泣いた。泣きながら、読んだ。あの日、泣く我が子を抱きながら恐れおののいたこの子を生かしていく事はできるのか?という恐怖は今も忘れられない。また、思い出して、泣いた。そして成長していく頼もしい我が子に、私も救われている。

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    2025年11月13日
  • 踊り場に立ち尽くす君と日比谷で陽に焼かれる君

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    エッセイ?小説?となるようなものが混ざりきってるからどれが金原さん自身の話なのかわからなくなって混乱する、私小説?と思っちゃうようなものもたくさんあるから。
    最初の母親というペルソナがやはり素晴らしい。私も1人の子の母になったから尚のこと響く。それからずっと死にたい死にたいというエッセイが続き、元夫と別れまで怒涛のように駆け抜けてる。この人ほんとどうなるんだろ

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    2025年11月12日
  • 軽薄(新潮文庫)

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    金原ひとみさんばかり読んでしまう。
    こんな作品も書けるんだ!
    これまでに読んだ2作品ほどグロくないし、すごく好き。

    歳をとるとそつなくこなせることが増えるから傲慢になるけれど、本当はできることは限られていて、その限られた中で何が1番大切か考えなくちゃいけない。と気づける人は自由になれるのかも。
    子供の頃できていたのだから、きっと私たちにもできる。
    結婚してようがしてまいが、30近い女は反省ばかりしてるんですね。

    自分のことが客観的に見えているくせに感情に流される人たちを見るのが気持ちよくて気持ち悪くて癖になる。
    最初に読んだのが憂鬱たち、だからはまったのかも。
    憂鬱を気怠げでかっこいい音楽

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    2025年11月09日
  • YABUNONAKAーヤブノナカー

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    文学業界の話

    語り手が次々替わり、ひとつ事にも見え方が異なり
    言い分も違う

    発端となるのは、作家志望だった30歳の女性が、10年前に受けた性的搾取の加害者を、ネットで実名告発したこと

    告発されたのは、50代大手出版社の文芸誌、元編集長、木戸悠介
    2度の離婚で、ひとり暮らし

    作家として登場するのは、長岡友梨奈42歳
    娘、夫とは別居中
    20歳の娘は2年間引きこもり中
    離婚したいが応じてくれない夫と娘は2人暮らし
    友梨奈は、愛する娘との関係もうまくゆかず、分かり合えずに苦しむ
    社会の出来事に対する憤りで気分が悪くなる事は確かに有る
    しかし友梨奈の「正義感」はあまりに強烈すぎて、本人も抑えが効

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    2026年02月13日
  • 腹を空かせた勇者ども

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    著者の作品で主人公になりがちな厄介タイプがママとして脇役に収まり、明るく健康的な娘目線で描かれているのが斬新。
    冒頭でママと上手く会話出来ないと嘆いているが話が進むにつれ深く納得していく。そんなママとも仲良く過ごせる主人公のコミュニケーション能力は流石。

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    2025年11月07日
  • 踊り場に立ち尽くす君と日比谷で陽に焼かれる君

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    読んで確信。金原ひとみさんが好きだ。
    初っ端から『「母」というペルソナ』に撃ち抜かれる
    初期の繊細で孤独で自分を傷つけようとするエッセイも、出産子育てで惑い癒しを求めて創作するような感覚も、自分を取り戻しつつ昔の苦しみに再び対峙する現在も、金原さんの価値観が好きだ。
    同時代を生きる同世代の同性として、生き方は違っていても、あるがまま生きていくしかないっしょ!って居酒屋で友達と話していると錯覚する
    高らかに人間讃歌をするわけでもなく、そこにいるお互いとして色んなことを抱えながら生きるリアルが好き

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    2025年11月07日
  • アンソーシャル ディスタンス(新潮文庫)

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    〜1周目〜
    2024.04.29
    女の小説という感じ。
    女の人はどこかしらに、何かしらに依存していて、それが人なのか、モノなのかは人それぞれ。
    心の拠り所を失うときには他にも綻びが出て、生きていけなくなる。
    生きていくのが怖くもなる、身の回りの物語なのだという感覚になった。

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    2025年11月04日